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「なぜ働くのか」を話し合ってみよう

2023.03.27 (最終更新:2024.03.27) スキルアップ 教務情報

連載大原先生の学生指導のすゝめ

動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。

資格試験の合格や就職は、専門学校における目標として当然のように掲げられています。
もしも学生に「なぜ合格・就職を目指すのか」と尋ねられたら、すぐに答えることができるでしょうか。

学生のモチベーションの維持は、先生にとって重要なミッションですよね。
今回は、実践行動学研究所 大原幸夫専務理事から「なぜ働くのか」について寄稿していただきました。

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なんで働かないといけないんですか?

みなさん、学生にこう尋ねられたらどう答えますか?
答えはいくつあっても結構ですので、「働くことは〇〇をもたらす」という形で答えてみてください。

どんなものが思い浮かんだでしょうか?

まず最初にぱっと思い浮かぶのは、

・働くことは、お金をもたらす

かもしれません。これは大事ですからね。
でも、これだけが目的になると、

・働くことは、悩みをもたらす
・働くことは、苦しみをもたらす
・働くことは、疲労をもたらす

もセットでついてきがちです。
最近、感じることが多かったような…(苦笑)

たしかにお金は欠かせませんが、せっかくならもっと他にも嬉しいことがもたらされるという視点をもちたいものです。
その方が楽しく働けますからね。

本棚にあった本をパラパラめくっていたら、こんなことが書いてありました。

・働くことは、明確な目標をもたらす
・働くことは、出会いをもたらす
・働くことは、学びをもたらす
・働くことは、信用をもたらす
・働くことは、自信をもたらす

なるほど、です。

私はいまいち目標に燃えるタイプではないので、最初のはあまり響きませんが、残りの4つがもたらされるならば、働くっていいもんだなぁと思えます。

ついでに言うと、実は今まで出てきた答えはほぼ 、「なんで勉強しないといけないんですか?」の答えにもなります。

専門学校には、専門的な技術や知識を習得することを目的として入学してくる学生が多いでしょう。
とはいえ、
「親や先生の薦めでなんとなく」
「家から近いし」
「まだ働きたくなかったから」
というような、前向きとはいいがたい動機での入学ももちろんあると思います。
仲のよい友人もできて、資格もとったしそれなりに充実した学校生活だけど、就職活動となるとどうもやる気が…
そんな学生もいるかもしれませんね。

学生がどんなモチベーションであろうと、専門学校では「技術・知識の習得」や「就職」がひとつの目標となります。
入学後、または進級後のタイミングで、クラス内で「なぜ働く(勉強する)のか」をお題に話し合ってみるのもよいかもしれません。

・働くことは成長をもたらす

新しい出会いや学びにより、成長できますよね。

・働くことは喜びをもたらす

昨日より効率的にできた、去年より目標値に近づいた、周囲から感謝された、という喜びを得ることができます。

・働くことは居場所をもたらす

同僚・学生・保護者との関わりのなかで、アドバイスを求められたり、感謝されたりと、ここ(職場)が自分の居場所だと実感する瞬間があると思います。起きている時間だけみれば、家にいる時間より職場にいる時間のほうが長いという先生もいらっしゃるでしょう。自宅はもちろん自分の居場所ですが、職場でも存在意義を見出し、居場所だと感じられたら幸せですね。

・働くことは自由をもたらす

一見「ん?」と思われるかもしれませんが、働いて収入を得るということは、好きなものを買える、好きなところに旅行できる、というように、選択肢を拡げてくれます。それって「自由」ですよね。


学生からみれば、社会人は忙しい・大変というイメージが強いのではないでしょうか。
実際、学生の頃よりも確実に自由な時間は減るし、責任も重いし、好き勝手はできないですが…
それでも、働くことで得た出会いや、学びには感謝しています。

クラスの中で、これから一生懸命勉強して社会にでるとこんなにいいことがある、みんなでがんばろう、そんな雰囲気が作れたら最高ですね。

参考: 安達 裕哉著「『仕事ができるやつ』になる最短の道」 、2015年、日本実業出版社

※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ ColorfulTimes」
181号を再編集したものです。

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この記事を書いた人
大原 幸夫

大原 幸夫

一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。

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