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    【6】育児と教職をどちらも頑張りたい!バランスをとるには……

    2021.10.18 ブログ 教務情報

    連載侑加先生のお悩み相談室

    先生に特有のお悩みから、ワークライフバランス、キャリアデザインまで。「他の学校はどうなんだろう、他の先生はどう考えているんだろう……」と思ったら、学校の現場にも詳しい侑加先生に相談してみませんか?

    今回は、育児と教職の両立に関するお悩みです。
    どちらにも全力を尽くしたくとも、時間にもエネルギーにも限りがありますから、悩ましいところだと思います。
    どうバランスをとったものか。侑加先生に聞いてみましょう!

    【今回のお悩み】渡辺先生(仮名)

    私は30代前半で、医療系専門学校の教員をしています。
    一昨年男の子を出産し、今年の4月から運よく保育園に入園できたのを機に職場復帰しました。

    通勤には1時間程度かかるため、19時のお迎えに間に合わせるために遅くても18時には学校を出なくてはいけません。
    夫は比較的家事・育児に協力的ではありますが、勤務時間が長いためお迎えをお願いすることはできません。
    また、実家も遠方で頼ることができず、どうしてもお迎えに間に合わない場合は近居の義母にお願いをしてはいますが、義母も仕事をしているため、どうしても遠慮をしてしまいます。

    保育園に子どもを迎えに行くとすでに日が暮れており、いつも最後の1人です。
    たまに2~3人残っていると「迎えが遅いのはウチだけじゃないんだ」という妙な連帯感を感じて少しホッとするのですが、同時に「このままでいいのか」という何ともいえないモヤモヤ感に襲われます。

    そんな折、教務部長から「復帰して慣れてきた頃だと思うので、来年は担任を受け持ってみてはどうか」という打診がありました。

    数年前に看護師から教員に転職して以来、いつかは担任を受け持って就職まで見届けたいという強い気持ちがあったため、できれば引き受けたい気持ちがあります。
    でも、これから2歳、3歳と成長して物心がつく子どもに寂しい思いをさせ続けることになるのではないか、学生に対しても「お迎え」というタイムリミットがあるせいで満足のいくコミュニケーションが取れないこともこの先あるのではないか、と思うと1歩踏み出せません。

    仕事と育児、どちらも頑張りたいし、どちらも手を抜きたくないです
    どちらかを優先してどちらかを諦めるべきなのでしょうか。

    「ワークライフバランス」一生を通じて考えてみることを提案します

    今回のご相談を伺い、20年前の自分を昨日のことのように思い出しました。
    30代前半でのご出産、そして育児、保育園入園、おめでとうございます!
    親子が健康で、新しい一歩を踏み出せたことは、何より素晴らしいですね。
    教務部長から「復帰して慣れてきた頃だと思うので、来年は担任を受け持ってみてはどうか」と打診があったとのこと。
    率直な感想を申し上げれば「渡辺先生は、優秀な方だな~」と羨ましいくらいの気持ちです。
    もし、先生が必死の形相で仕事と家庭の両立をされていたら、上司も「今は無理だな」と考えたはず。
    周囲からは軽やかに両立していると思われるような仕事ぶりであるわけです。

    20年前、私も1歳男児を保育園に預けて働いていました。
    正社員を既に退職し、非常勤講師という立場で、週に3日程度、2、3コマを担当するのみでした。
    渡辺先生の働き方と比較すれば、時間には余裕があったはずですが、心身ともにヘトヘト。
    子どもの迎えを3時半頃に設定していましたが、帰ってくるとベッタリで全く離れません。
    迎えまでの時間に、スーパーの買い物も夕方の家事もなるべく終えるような流れにしていました。
    でも、ハサミが冷蔵庫から出てきたり、自分でかけている眼鏡を探したり、もうグッタリだったのです。

    保育園入園の直前はもっと酷く、抱っこのし過ぎで腱鞘炎を患い、5本の指が開かないこともありました。
    ボールペンが使えず、インクの出が良いマジックで入園グッズに記名したことを思い出します。
    入園し、仕事を再開できて、楽になりました。
    最初の頃は、あまりに泣くので「可哀そうかな」と思ったこともありましたが、広々とした空間で伸び伸びと遊べ、栄養士さんが調理してくれた出来立ての給食をいただけることは、狭いアパートで過ごすより良い環境に違いないと確信していました。
    ただ、泣く子を見たとき「子どもに恥じない仕事をするぞ」と心に誓ったのでした。

    育児をしながら働く女性は、1年、2年でなく「生涯を通じたワークライフバランス」を考えると良いのではないかと思います。
    子どもが1歳の頃、病原性大腸菌感染症にかかり、一週間一緒に入院した私も感染しました。
    幼い頃は男の子の方が病気になりやすいと聞きますが、周囲を見渡してみてもそのように思います。
    3歳未満児の入園を快く思わない祖父母世代も多く「3歳児神話」を信じている人も多くいて、非難され、辛い気持ちにもなりました。
    保育園は集団生活の場なので、お互いに病気をうつしたり、うつされたりします。
    色々と注意していても、止むを得ないこともありますよね。
    風邪も引きながら、少しずつ成長していきます。

    現役感のある看護師が教職を担うと学生も学校も嬉しい

    美容の専門学校で「国家試験対策は上手くなったけど、もう美容室には戻れないな」と元美容師の先生がおっしゃっていました。
    学生は国家試験に合格したいので、先生には教え上手であってほしいですよね。
    しかし同時に、現役で活躍する美容師さんのリアルな体験を聞きたいとも思っているのではないでしょうか。
    渡辺先生は、元看護師さんで、数年前に教員に転職されたのですよね。
    医療の世界は日進月歩、コロナ禍でさらに進んでいるのではないでしょうか。
    妊娠、出産で産婦人科、予防接種で小児科、未満児保育で保育園勤務の看護師さんと接していることと思います。
    ご自身が他の診療科にかかることもあるかもしれません。
    患者、または患者に付き添う保護者という視点で、現役の医療を感じ取っていらっしゃることでしょう。

    キャリアアップ」という言葉の定義は曖昧な面がありますが、即座に賃金に反映されることばかりが「キャリア」ではないと思います。
    そして、賃金の上昇ばかりが「アップ」ではないはずです。
    お勤めの専門学校に、コロナ禍で苦労しながら出産し、育児経験をしている先生が他にいらっしゃるでしょうか。
    担任を持ち、就職まで見届ける先生がいる一方で、医療の現場をつぶさに観察し、知識や体験をアップデートしていける先生も貴重な存在です。
    看護教育の厚みは、多様な人材がいて成り立つと思います。
    ぜひ、今日からでも看護師、教員としての1行日記を書いていってください。
    10年続ければ、立派な財産になります。
    また、形に残していくことが、今後のキャリア形成に大きな自信をもたらしてくれるでしょう。

    人生は「トライアル&エラー」の繰り返し

    冷凍母乳を持たせて保育園に通わせていた頃、これはいつまで続くのかと途方に暮れた時期がありました。
    専門学校で胸が張って困り、トイレで搾乳したこともあります。
    栄養士さん、保育士さんのアドバイスがありがたく、結局1歳7か月で卒乳できました。
    ミルク育児の方も同様に、離乳食が始まれば、ようやく一つ成長の階段を上がったなと実感できると思います。
    私自身も、ようやく元の体に戻り、産後を終えた感じがありました。
    本音を言えば、これでお酒も飲めると嬉しかったです。

    離乳食が始まる頃には必要になる歯磨きも、なるべく嫌がられないようにと苦心しました。
    虫歯予防で3か月ごとにフッ素を塗るため、歯科医にも連れていきました。
    質や量も色々と工夫して食を進めますが、慣れるのには時間も掛かり、食べすぎてしまうことも、せっかく作ったものを全く食べないこともあり、親も人間ですから、当然イライラします。
    母乳やミルクから離れると免疫も減るため、風邪も引きやすくなります。
    また、「2歳児悪魔」とも称される「イヤイヤ期」、親が大らかな気持ちでどう過ごすかも大きなテーマです。
    親の側に元気やゆとりが無いと、とても付き合いきれません。
    「笑顔のママ」でいるためには、膨大なエネルギーが必要です。

    子どもの成長過程で、自転車の補助輪が外れるか、逆上がりができるかなどは「トライアル&エラー」の代表だと思います。
    予防接種で泣くのは、子どもが失敗したからではありません。
    人生初のチャレンジは、トイレトレーニングではないでしょうか。
    オムツ卒業は、赤ちゃんが子どもに成長する大事な過程です。
    しかし、その大半は「トライアル」と「エラー」の繰り返しで、親も粘り強く向き合います。
    月齢も季節も良いし、そろそろ時期かなと思ったら始めるのですが、忙しい朝にお漏らしした布団を干さなければいけません。
    防水シートも拭きたいです。
    夜中のトイレに備え、廊下の足元灯を点けておき「あぁ、トイレね」と気持ちよく一緒に行ってあげたいです。

    仕事が忙しいと、とにかく自分が休みたいですよね。
    つい大きな紙パンツを用意して、親も楽をしたい気持ちになってしまいます。
    しかし、「エラー」で子どもが泣くことがあっても、「トライアル」を褒め、親が汚れを掃除するということを繰り返せば、やがてオムツを卒業でき、その後の生活がとても楽になります。
    お世話になっていた保育園の方針が、布おむつでしたので、大量の洗濯物からも解放され、送迎の際の大荷物も減り、かなり楽になりました。
    本人も生活しやすいですし、子どもなりに誇りを持てたように感じました。

    子どもが「トライ」したことを褒め「エラー」を怒らない姿勢で常に温かく接することは、その後に大きく影響すると思います。
    自転車で転んでも、もう一度やってみようと繰り返しチャレンジしたり、逆上がりも何回でも頑張ってみようとなります。
    チャレンジの回数が多ければ、体を使う運動量が増え、工夫する知恵もついてきます。
    その後の学習、運動、学校生活、人間関係、受験も「トライアル&エラー」の繰り返しですので、「エラー」を怖がらず「やってみようという意欲」を育てることのスタートが大切ではないでしょうか。

    子どもや家族、自分が健康であれば、教員のキャリアは生涯築けます

    子どもが入院したりすることなく、心身が健康で、保育園や学校生活に皆勤で参加できれば、仕事に安心して向かえます。
    「2歳、3歳と成長して物心がつく子供に寂しい思いをさせ続けることになるのではないか」と心配していらっしゃるのですね。
    「いつかは担任を受け持って就職まで見届けたいという強い気持ち」を抱きつつ、来年、再来年は、卒乳やオムツ卒業を行う期間、リアルな医療の現場をしっかり観察するという計画を立てられてはいかがでしょうか。
    お子さんが年少クラスに入れば、赤ちゃんでなく幼児という感覚で接することができるようになります。
    イヤイヤ期を超えた子どもは、自分の意見を言えるようになり、逞しささえ感じるほどになりますよ。

    日常の送迎は、先生お一人でされているのですね。
    「どうしてもお迎えが間に合わない場合は近居の義母にお願いをして」いるとのこと。
    子育てママにとって、非常にありがたい存在です。
    しかし、「義母も仕事をしているため、どうしても遠慮をしてしまいます」とのこと。
    近居のケースで特に気を付けなければならないのは、適度な距離を保ちつつ、お互いを尊重し、関係を悪くしないということだと思います。
    万が一、こじれた場合、引っ越すことができませんよね。
    恐らく、お義母様は、まだ仕事を続けたいというお気持ちでしょう。

    夜7時のお迎えはやはり遅い方だと思いますので、今後の備えとして「ファミリーサポートセンター」の登録をお勧めします。
    依頼会員と援助会員があり、私は依頼会員に登録し、3回お世話になりました。
    自治体により事前研修もありますが、万が一のバックアップ体制があるのは安心です。
    急にお子さんが発熱し、先生もお義母様も仕事中ですぐに動けない、ということがあるかもしれません。
    800円程度の費用は掛かりますが、事前に一度遊びに来てもらい、お子さんと援助会員さんの相性を確かめ、どんな環境で預かってくれるかも確認しておくと安心ですね。

    3歳未満児の保育料は高く、グッズも沢山必要です。
    しかし、年少になれば、保育料金は下がります。
    今からの2年間は、子どもさんと向き合う時間を増やし、先の人生で楽に家事をこなせる環境を作っていきたいですね。

    「仕事と育児、どちらも頑張りたいし、どちらも手を抜きたくないです」全くその通りだと思います。
    食洗器がきれいに食器を洗って乾かします。
    洗濯乾燥機も頼りになります。
    最近の無洗米は美味しいですよ。
    今後、お宅の新築をお考えなら、初期費用は掛かりますが、男性用小便器を備えたトイレの設計をお勧めします。息子さんのところへ男の子の友達が遊びに来ますよね、相当に汚れます。
    トイレの汚れは、ルンバでは掃除できません。
    息子さんが小学生になれば、自分で小便器の掃除をするようになります。

    「仕事を長く『好き』でいられる」ことが、キャリアアップに繋がります

    仕事は足し算というより、掛け算のように捉えると良いと思います。
    看護師×教員×母親」という立派なキャリアは、生涯深みを増していきます。
    振り返ってみると、保育園から小学校中学年までは、授業参観に来る私を大歓迎していましたが、小学校高学年・中学・高校では「来なくていい」という反応でした。
    これも一つの成長かと思いますが、それは、幼い頃の大歓迎があったから納得できることかもしれません。
    やがて友達との遊びが楽しくなり、高学年からは塾費、部活費、学費とかなりの教育費が必要になり、嫌でも働かなければならなくなります。
    息子が母親を求める期間は、そう長くはないと実感しています。

    我が子を通して一人の人間の成長を見守ることができるということを、看護教育のプロとして大切な学びと考えられてはいかがでしょうか。
    多くの喜びと困難を経て、18歳になり入学してくる専門学校生への眼差しも変わってくるかもしれません。

    私は35歳くらいから中々疲れが抜けなくなったと感じ、マッサージへ行く回数が増えました。
    渡辺先生には、ぜひ「仕事を好き」で、長い目でキャリアを築いていただきたいと思います。
    いずれ、職場の後輩が出産するタイミングで、担任を受け持つチャンスも巡ってきます。
    どうぞ焦らず、お身体をいたわり、人生を楽しく過ごしてくださいね。

    この記事を書いた人
    侑加先生

    侑加先生

    一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
    現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
    趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

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