実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!|ウイナレッジ WE KNOWLEDGE

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

TOP教養その他大人になってから友達が減った気がする

大人になってから友達が減った気がする

2021.12.10 (最終更新:2024.03.28) その他 教務情報

連載侑加先生のお悩み相談室

先生に特有のお悩みから、ワークライフバランス、キャリアデザインまで。「他の学校はどうなんだろう、他の先生はどう考えているんだろう……」と思ったら、学校の現場にも詳しい侑加先生に相談してみませんか?

\あなたのお悩みも相談してみませんか?/

侑加先生のお悩み相談フォームはこちら

今回は、大人になってから友達が減ったように感じるというお悩みです。

就職してから「アラサー」になるまでは、あっという間にも感じますが、多くの人にとって仕事も私生活も激動の時期だと思います。10代や20代を共に過ごした友達と、10年後20年後にも友達でいられるのかという不安。

今回のお悩みに共感を覚える同世代の方や、過去に経験したという方も多いのではないでしょうか。

寂しさや焦りをどう受け止めるべきでしょうか。侑加先生に聞いてみましょう!

こちらも読まれています

【今回のお悩み】大人になってからの友達について

相談者:山本先生(仮名)

20代後半(男性)、語学系専門学校で学生募集を担当しています。
私はこの学校の卒業生で、学校卒業後に新卒で就職をしました。

仕事にも慣れ、プライベートでも趣味(フットサルです)があって毎日それなりに楽しく過ごしています。
独身なのでお金も時間もある程度自由に使うことができます。

ただ、最近友達と呼べる人が減ってきた感じがあり、少し寂しい気持ちです。

私はこれまでずっと地元で過ごしてきました。
高校卒業後の進学先も地元の専門学校を選び、そのまま地元に就職をしました。
そのため、長い付き合いの友達もたくさんいたのですが、進学や就職で他県へ行ってしまった人も多いです。

もちろん地元に残っている友達もいるのですが、20代前半で結婚した友達は家庭があり、子どももいるためなかなか遊びに誘いにくい状況です。
他の友達もそろそろ結婚という段階の友達が多いので、気軽に誘えません。気が付いたら毎週同じ人と一緒に遊んでいるような状況です。

決して友達がいないわけではないので、日々楽しく過ごしていますが、少し寂しくもあり、今後の人生に焦りも感じています。
他の友達はどのような仕事をしているのか、どのような考えで仕事に取り組んでいるのかなども気になるところです。

この閉塞感は私だけが感じているのでしょうか。ぜひアドバイスをお願いします。


以上が今回のお悩みです。
それでは侑加先生の回答をご覧ください!

今の環境・状況を再確認

お仕事やプライベートが充実されていること、素敵ですね。
今回は、仕事上でのお悩みというより、「人生をどのように充実した良いものにしていくか」というご相談のようです。

友達をどういう存在と捉えるのか」も人によって違うかもしれませんね。
自分を取り巻く人間関係から、一度整理してみましょう。

山本先生は、仕事やフットサルの趣味があり、独身でお金や時間にも余裕がある生活をされています。他の人から見れば、羨ましいと思われるような状況ではないでしょうか。

しかし、「20代前半で結婚した友達には家庭があり、子どももいるためなかなか遊びに誘いにくい状況」があり、「他の友達もそろそろ結婚という段階の友達が多いので、気軽に誘えません。」というのですね。
「少し寂しくもあり、今後の人生に焦りも感じています。」というお気持ち、同級生と比べて結婚が遅かった私には、十分理解できます。

定位家族」「生殖家族」という言葉をご存知でしょうか。「定位家族(出生家族)」は「自分が子どもとして育った家庭」、「生殖家族(創設家族)」は「自分が結婚して子どもを育てる家庭」です。もともと学術用語だったのですが、社会学などを学ぶ学生が増えた結果、一般化されました。誰にでも「定位家族」はありますが、今の時代、「生殖家族」を持たない人も大勢います。

今、日本で一番多い世帯は「一人世帯」であり、夫婦と子ども二人で構成する「標準世帯」ではありません。夫を見送った高齢女性の一人暮らしもかなり多く、「生殖家族」を経た後の「一人世帯」も含みます。また、親元を離れて学ぶ学生の一人暮らしも含むため、「生殖家族」を持つ前の「一人世帯」も含みます。

ですので、いまだに「標準世帯」を理想のモデルのように捉える日本人は多いのではないでしょうか。しかし、今では「標準世帯」は全世帯の5%にも満たないのが現実です。

山本先生の寂しさや焦りは、一緒に遊んだ友達が「定位家族」から「生殖家族」を持ち、自分より先に進んでいるように感じられるところから生まれているのではないでしょうか。

先ほど「『生殖家族』を持つ前の『一人世帯』」と表現しましたが、誰もが必ず「生殖家族」を持つとは限りません。生涯「一人世帯」で過ごす人も珍しくなく、特に都心ではその傾向が強いようです。

山本先生は地方にお住まいということで、「いずれ結婚して家庭を持つのが普通」という空気感があったり、山本先生自身何となく「そういうもの」と思っていたりするかもしれません。私も全く同じでした。

しかし、50代になって周りを見渡すと、男性も女性も「一人世帯」が普通にあり、独身のまま「定位家族」と共に暮らす同級生も多くいます。

自分の今の状況は、決して遅れを取っているのではないということを認識しましょう。そして、「定位家族」とともにある今の生活をより快適にすることに意識を向け、これから40年働く人生をより充実したものにできるよう準備し、夢中で実行していくことに時間やお金、エネルギーを注ぐようにしてはいかがでしょうか。

趣味の一つに「料理」を加えてみては

フットサルは、カッコいい趣味ですね。
やはりスポーツは健康に繋がりますし、仲間とのコミュニケーションはストレス発散になると思います。

毎週の練習で顔を合わせる方々は、きっと地元の方が多いでしょう。若手の中にベテラン勢もいらっしゃるかもしれませんね。

色々な職場の方と交流する中で、新しい発見や学びもあると想像します。
コロナ禍も一段落していますから、練習後の食事会も再開できれば、本音トークもしやすくなりますね。スポーツ仲間から、生涯を通じて付き合える友達という仲に発展できる可能性も十分ありますよ。

体育会系の趣味と文化系の趣味を両方持つと良い」と聞いたことがあります。
仲間ともできる、一人でもできる楽しみがあると人生を豊かにすることができそうです。

料理を始めてはいかがでしょうか。
料理教室へ通ってみると、新たな仲間とも出会えますよ。女性も男性もいて、年代も違います。日ごろと違う動きや会話ができ、思考も広がるでしょう。
教室運営そのものが、専門学校の運営や学生募集の仕事にヒントになるかもしれません。

「ずっと地元で過ごして」いらっしゃったとのことですから、親御さんは、食事、洗濯、お風呂の準備など万全の体制で山本先生を育ててこられたと思います。「独身なのでお金も時間もある程度自由に使うことができます」ということは、今も親御さんが食事を用意してくれているのではないかと想像します。食事代や生活費など一定の費用を納めるのが良いと思いますが、受け取りを遠慮されるケースもあるでしょう。

社会人となって数年が経過した今、週末あるいは月末などと決めて、ご自身が親御さんへ料理をしてさしあげることも考えてみてはいかがでしょうか。
立派な親孝行です。

一人暮らしなら、毎日「今晩は何を食べようか」と考えます。
結婚後も、共働きが一般的な時代ですから「夕食はどうしよう」と相談するのが常になります。

子どもができれば「子どもの離乳食は」と考え、支度します。
この先、親御さんがいつ病気やケガをされ、看病が必要になるか分かりません。これからどのような家族形態を取っていくかは分かりませんが、いつでも食べられること、食べさせられることが、自分にとっても家族にとっても生きる幸せに繋がります。

専門学校の学生募集という仕事は、18歳人口減少の中で厳しい局面を迎えています。地元の高校から募集するには限界があり、通学エリアを超え、遠方からの一人暮らしや寮を探す高校生と接する機会も出てくるでしょう。自立した生活を送ることの楽しさや厳しさを伝える側に回ることになります。

語学系専門学校では、海外からの留学生を招くことも多いのではないでしょうか。日本食がササっと作れたら、美味しいランチも兼ねたオープンキャンパスを企画できますよ。

言語習得には、文化の理解が欠かせません。「和食」は2013年にユネスコ「世界無形文化遺産」に認定されています。料理から世界が広がります。

20代・30代は人間関係も世界も広げていきましょう

「他の友達はどのような仕事をしているのか、どのような考えで仕事に取り組んでいるのか」を気にされているのですね。

自分の仕事に満足感がある時はあまりこのように考えられないものだと思いますが、「山本先生は向上心のある方なんだな」と感心しました。向上心は、人生そのものを向上させる原動力です。

地元にいらっしゃるので、同窓会には出席しやすいですよね。
30歳の節目に企画されることが多いようです。旧交を温め、懐かしい時間を過ごし、改めて連絡を取り合える環境を整えるのもいいですね。

私は、最初は乗り気でなかったのですが、熱心に誘ってくれる友達がいたので、中学、高校の同窓会に参加したことがあります。面白いもので、同窓会をきっかけとして、それまで親しく感じていなかった友人からランチの誘いを受けるようになったり、仕事の依頼を受けたりするようになりました。

大人になってからの恩師との再会は新鮮で、新たな気づきがありました。
人生の先を行く先生が成功も失敗も語ってくれ、参加して良かったと実感しています。

サラリーマンの娘として育った私は、給与所得内で生活するのが大事だという感覚があります。しかし、自営業の方々の金銭感覚には「給与所得者とは違うなぁ」と実感させられることが度々あります。

「商品やサービスを作り出し、自ら稼ぐ」感覚を養うことは、営業やマーケティングに直結します。思い切って、異業種交流会に参加してみましょう。地元の商工会議所が主催する会ならば、一定の審査があり、安心です。

最初は、勉強会に参加するのが楽ですよ。
「どのような考えで仕事に取り組んでいるのか」という点を求めるならば、自分とは立場の違う人々、できれば経営者層の考えに触れてみることをお勧めします。こうしたご縁は「人が人を呼ぶ」ので、どんどん世界が広がります。

語学力を活かして、世界へ飛び立つのもいいですね。
専門学校で語学を学んでいらっしゃったので、得意とする言語があると思います。学校を卒業してしまうと、勉強しなければならない理由がなくなりますから、ついつい学習から遠のいてしまいますよね。

でも、長期休暇に海外旅行をすると「やっぱり継続して学んでいこう」と改めて思うのではないでしょうか。自然な会話ができれば、もっとワクワクできるはずです。

コロナ禍も2年目となり、多くの方が閉塞感を感じています。
まだ安心して海外旅行ができる時期は来ていませんが、いずれココに行きたいと目標を決め、学習と貯金を始めましょう。

できれば、同じ言語を学ぶ仲間を見つけ、継続的な趣味にしていけるといいですね。大学のリカレントや文化センターの講座、地域で熱心に取り組むサークルなどで見つけてくださいね。世界も人間関係も広げるチャンスです。

「友達」から「信頼できる友達」へ 信頼関係が自分に元気を与えてくれます

家族や親戚など血縁による人間関係、ご近所、同じ地域に暮らす地縁、地元の小・中・高校・専門学校時代の同窓生、フットサルの仲間、そして職場の先輩・同期・後輩など、本当に大勢の人々に囲まれて生活しています。

既にある人間関係の中にも、同窓会で思いもよらない良いご縁に恵まれるかもしれません。

お金や時間に余裕のある今、新たな趣味として、料理や語学、そのための教室を探すことなどを提案しました。ここで新たな人間関係が生まれます。自分自身の生活の質を高めるため、また、楽しもうという視点を持ってくださいね。

異業種交流会に参加すると、多くの名刺が集まります。
しかし、知人が増えても、全ての方と信頼関係を結び、長く交流できるわけではありません。

それでもまずは知り合うことです。
新しい分野のことを学びながら、色々なタイプの人と知り合い、視野を広げる作業が大切です。多くの分野の専門家を知っていれば、仕事上で何か教えてほしいと頼むこともできます。20代・30代のうちは、先輩にアドバイスを求める形でお世話になると良いと思います。

家族にもフットサルの仲間の中にも、気の合う人とそうでない人がいるでしょう。友達関係も同様だと思います。
同窓生全員が親友ではありません。山本先生が「遊び友達が欲しいな」と思ったり「仕事の取り組み方を相談したいな」と思ったりすることがあるように、友達にも色々な方がいるのが理想だと思います。

20代・30代を懸命に過ごし、40代に入ると、自然と心から信頼できる友達に絞られてくるような気がします。また、尊敬できる仕事の先輩や仲間が同業種、異業種にいるようになります。いざという時、頼りにしたい、されたいというのはお互い様ですから、自分自身も信頼され、頼られる人になっていきたいですよね。

最後に

コロナ禍に入った時、裁縫の苦手な私に手作りのマスクを送ってくれた友達がいます。国のマスクより随分早く、感激しました。小学校からの親友です。

また、学生時代からの友達も変わらず、今ではお互い家族のような関係です。
寂しい時、苦しい時に寄り添ってくれる友達は、大勢は必要ありませんどこか共感し合えるような感覚と誠実さが友情を育てます。

山本先生のことを大切に思ってくれる友達や仲間と出会い、感謝しつつ、これからも素晴らしい人生を歩んでいってくださいね。

***

先生のお悩みにズバッと回答!
連載「侑加先生のお悩み相談室」
すべての記事はこちらでご覧いただけます。

***

\あなたのお悩みも相談してみませんか?/

侑加先生のお悩み相談フォームはこちら

こちらも読まれています

この記事は役に立ちましたか?

\ぜひ投票お願いします/
この記事を書いた人
侑加先生

侑加先生

一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

週間アクセスランキング

週間アクセスランキング

お問い合わせ
LINE登録
メルマガ登録
LINE登録
メルマガ登録
トップへ戻る