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【4】強み・魅力をアウトプットし、差別化した事業を生み出そう!

2021.12.16 記事 学校運営

連載少子化を生き抜く学校ブランディング

自校らしさとは?自校の魅力とは?よく分かっているはず……でも、本当に全員が同じように考えているでしょうか?外部へきちんと伝えられているでしょうか?競争の中でも選ばれる学校になるための学校ブランディングの基本メソッドを、ブランディングのプロがお伝えします。

前回は、学校独自の考え方や強みを発見する方法を学びました。

連載第4回となる今回は、発見された学校の「アイデンティティ(個性)」を事業やサービス活動に落とし込む手法についてお伝えします。

事業・サービス開発は簡単ではない。

自校が優位になるために、特色あるサービスを生み出したり、魅力的な広報を行ったりする必要がありますよね。
そういった自校を優位にするために行う活動を計画実行することを、ここでは「事業・サービス開発」と呼ぶことにします。

事業・サービス開発の範囲は、学校の活動全体に及びます。
具体的には、カリキュラムの構成、授業内容、講師選定、講師の質、周辺サービス、学校生活、広報、営業などでしょうか。
これらの活動を、自校らしさを反映しながら、常に向上心をもって企画実行できる組織。
そのような組織、学校が「ブランド」として差別化された存在として世間に認識されていきます。

事業開発は、自校の魅力を高めるために新たに企画・計画して実行する、チャレンジングな活動です。

事業開発はとても難しい。
難しいのには、いくつかの理由があります。

  • 新規の取り組みなので、アイディアに答えがない
  • 活動が全般にわたるので、チームで動く必要がある
  • 日常業務が優先され、後回しにされがち
  • 意見をまとめるのが難しい
  • 反対勢力が出てくることがある
  • 投資費用がかかる

などです。

全校を巻き込んだ事業開発は、一人で成し遂げられるものではないため、人を巻き込んで協力体制を作る必要があります。

その上、多くの活動が新たな試みになるため、なかなかベクトルが合わずに協力体制が組織内で組めずに動けない、または否定的な意見に潰されるパターンがとても多いです。

皆さんも似たような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
新規事業の壁は組織内に必ず存在します。

ですが、これらの障壁を乗り切ってビジョンを共有し、一丸となって協力し合う学校が人気校となるのは間違いありません。

過去2回の記事をもう一度お読みいただき、ブランド校を築く体制を作りましょう。

チームで事業開発に取り組む重要性

連載第2回でもお伝えしましたが、ブランディング、事業・サービス開発にチームで取り組むことの重要性について再度確認しておきます。

集合知」という言葉をご存知でしょうか。
「大勢の人の知識の集積」というような意味ですが、専門家1人の知識より一般人の「集合知」を集めた方が真理に近づくということもあります。
「三人寄れば文殊の知恵」というように、多様性のある人間が集まり、討論し意見を集約していくことで、凡人集団から天才を超える「集合知」が生み出されることは往々にしてあります。

また、事業を立ち上げるには多大な労力がかかります。
企画・調査・設計・生産・広報・営業など、運営全般の業務を1人で行うのは実質無理です。
素早く・効率良く・品質良く運営していくためには、遅かれ早かれ他人やチームの力を借りることになります。

1人のアイディアから事業のタネは生まれますが、1人の人間の知識・知恵には限度があり、その活動量にも限界があります。
事業のタネから芽を出し、花を咲かせるには、チームの知恵を集結し、アイディアを集め、意見を集約していくことが大事です。

さらに、企画の初期段階から意見交換・討論がさかんなチームは、活動量も高まる傾向にあるため、初期段階からチームで事業開発をする方が成功の確率が上がります。

とはいえ、前項で述べたとおり、全員でベクトルを合わせて事業開発に取り組むというのは容易なことではありません。
一人一人の考えや立場の違い、性格の違いなどによって発言に温度差が生じたり、考え・アイディアがまとまらなかったりして、結局、予定調和的な事業アイディアに落ち着いて差別化ができていない――など、よく聞く話です。
最悪の場合、会議の時間だけが無為に過ぎ、最終的には自然消滅、チーム分解というケースもあります。

そのため、「皆をまとめられる優秀な1人がリーダーとなって基本計画を作り、周囲を巻き込んでいく」スタイルがとられることが多いですが、その場合、プロジェクトの成功確率はリーダー個人の力量に左右されます。
どんな優秀な人材であっても、1人でプロジェクトを大きくしていくことはできません。
リーダーが1人で息巻いていても、事業はうまく進まないのです。

チームメンバーの異なる考えをまとめ、「集合知」にしていくためには、思考の順序・疑問の共有・情報収集・アイディアの出し方など、正しい「手法」と「順序」を知ることが重要です。

チームでの事業開発を成功させる「手法」と「順序」

ここからは、「プロジェクト開発をチームで円滑かつレベル高く進める手法」と「チームの知恵を集結し、アイディアを集め、意見を集約していくプロセス(順序)」についてお話しします。

まず、プロジェクトが成長していく段階を確認しましょう。

  • アイディアを生み出し、ビジネスモデルを構築する「0→1段階
  • 実践を繰り返して顧客の声を反映し、プロジェクトをブラッシュアップさせながら本格始動させていく「1→10段階
  • 資金を調達して広スケールアップを目指す「10→100段階

特に「0→1」「1→10」のスタートアップ時期は、

  • 考えがはっきりまとまっていない
  • アイディアが分散している
  • ゴールが見えない

など、混乱が生じやすい時期です。

このプロジェクト最初期に、膨大な時間とコストをつぎ込んで疲弊することなく、チームで素早く事業開発を推進するための手法とプロセスを紹介します。

  • step 1 目標を固める
  • step 2 不安材料や疑問点を出す
  • step 3 「MAP」で全体像を把握する
  • step 4 アイディアの材料を集める
  • step 5 アイディアを生み出す
  • step 6 アイディアを選び、素早く計画を立てて実行する

この6つのステップは、大きくはstep 1-3とstep 4-6の2つに分かれます。

step 1-3でやることは「ポジティブなこととネガティブなことの両方を共有し、全員が意見のやりとりを経て合意し、共通認識を持った状態になること」。

step 4-6は「アイディアを素早く出し、素早く決定し、素早く実行して確かなデータを得ること」です。

気の遠くなるような長い会議を何度繰り返しても、良い事業を生み出すことにはつながりません。
それどころか、生産性もモチベーションも下がり、他の業務にも支障をきたします。

私がブランディングをお手伝いするときには、チームの皆さんを集め、このstep 1から6までを2日間で集中的に推進します。
長い会議や調査・分析の繰り返しで数週間が過ぎてしまうというようなやり方と比べ、圧倒的なスピード感で質の高い事業開発が可能な手法です。
ここで、その2日間でやることを具体的に説明していきます。

step 1-3 情報と意見を共有し、共通認識を見える化する

step 1-3は、指針と全体像をチームで共有する段階です。
事業づくりに取りかかるにあたっての、ポジティブなこと(目標)とネガティブなこと(懸念材料)の両方を全員で共有します。

step 1 目標を固める

まず全員で確認すべきは目標ゴールです。
ゴールを見失ってしまうと、プロジェクトはどこにも辿り着けません。
また、本筋ではない些細な課題解決ばかりに気を取られ、いつの間にかゴールの方向から外れていたり、活かすべきチャンスを見逃してしまったりするのももったいないことです。
今回の目標はどこなのか、プロジェクトのはじめにチーム全体で明確にしておきましょう。

step 2 不安材料や疑問点を出す

プロジェクトのスタートには、目標とともに多くの不安や疑問が出てくるものです。
漠然とした不安や疑問を各自が抱えたままにするのではなく、チーム全体で共有しましょう。
step 1で決めた目標がそもそも間違った前提にもとづいていたり、肝心な部分が抜けたりしているかもしれません。
不安材料や疑問点は早いうちに解消し、プロジェクト中にチェックしていくべきことは明確にリストアップしておきます。

step 3 「MAP」で全体像を把握する

事業の全体像は思ったよりも複雑で、立場や役割によって見え方が異なる場合もあります。
チーム全員が同じ全体像にもとづいて話し合えるように、事業の流れを簡単な図で表す「MAP」を作成しましょう。

左端に顧客やユーザー・関係者をリストアップし、右端にゴール、その途中の段階を追って製品・サービスとの関わり方を描いていきます。
MAPを作成する中で、どのタイミングでどんな問題があるかを洗い出し、それを踏まえて「今回重視する顧客は誰か?どの部分に注力するか?」を決めていくことができます。

step 3までの段階で、全員が同じ情報を共有し、各自の意見を出した上で合意し、共通認識を持った状態になります。
プロジェクトを進めていく中で「自分たちは今どこにいて、どこへ向かっているのか」を常に確認できるよう、ここでまとまった共通認識は全員がいつでも見えるところに掲げておきましょう。

こうして共通認識を確認してから次の段階へ進むことで、「メンバーの意思統一が図れずプロジェクトが頓挫してしまった」というような状態を防ぐのはもちろん、より質の高い議論と良いアイディアを生み出すことにもつながります。

step 4-6 「良い」アイディアを「素早く」

step 4からは、いよいよ事業アイディアを考える段階です。

「考えが散らかる……」
「ありきたりなアイディアしか出てこない……」
そんな状況を多くの人が経験済みだと思います。

良いアイディアは簡単には出てきません。
また、仮に良いアイディアが見つかったとしても、実際に世に出して成功するかどうかはその時点ではわかりません。
良いアイディアの出し方」を知る必要があります。
そして、良いアイディアの中から実行に移すものを選び、現場で本当の良し悪しを判断するところまでをスピーディに進めなければ、長い会議だけでプロジェクトが終わってしまいます。

step 4 アイディアの材料を集める

アイディアは突然降ってくるものではありません。
良いアイディアは、既存のアイディアを組み合わせたりブラッシュアップしたりする中で生み出されるもの。
そのため、まずは良い材料を集めることです。
競合やベンチマークを調べるだけでなく、別の分野や業界にも目を向けてみます。
自分たちとは全く異なる環境にも似たような問題はあり、その解決方法の中から良い材料が得られることもあります。
各自で材料を集めたら、ポイントとなる部分を簡単な図と言葉で描き、チーム全体に説明します。

step 5 アイディアを生み出す

step 1-3で話し合った目標や課題、MAPを振り返り、step 4で集めた材料をもとに新たなアイディアを生み出します。
各自が責任を持ってしっかり考え抜くために、共同作業ではなく一人ずつアイディアを書き出してみましょう。

3コマ程度の絵とテキストで書き、見るだけで内容がわかる状態にします。
また、「誰の案か」「誰が説明したか」といった情報に影響されることなく純粋にアイディアそのものを判断するために、無記名で扱います。

step 6 アイディアを選び、素早く計画を立てて実行する

良いアイディアがたくさん挙がると、どれを選ぶかは悩ましいところです。
しかし、ここで足を止めてはいけません。
挙げられたアイディアから素早く選び、誰が何を担当するかをスピーディに決定し、実行に移します。
アイディアの選定や計画作成で延々と会議を続けるのは、時間がもったいないです。
より重視したいのは、アイディアを実際に試して得られるデータです。
現実の顧客の反応こそが、アイディアの良し悪しと今後の進め方の判断基準にされるべきなのです。

チーム力が差を作る

この会議メンバーが主体となり、さらに他の社員たちを巻き込んでいきながら学校全体をブランディングしていきます。
このやり方では、ブランディング計画と同時に推進チームを構築していくので、素早く実行へ移せます。

難しい事業開発もチーム力を身につけどんどん実行に移していけば、他との圧倒的な「差」をつけていくことにつながります。

ぜひ実際にチャレンジしてみてください。

この記事を書いた人
関本 大輔さん

関本 大輔さん

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。
中小企業専門のブランディングカンパニーの代表。
インナー・アウターブランディングの実践経験900件以上に及ぶ。
全国で講演を行い、企業ブランディングのノウハウを伝えている。
ストレングスファインダーの認定コーチでもあり、4,000名以上約200社のチームビルディングを行う。
[アドハウスパブリックHP] https://adhpublic.com/

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