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情報Ⅰの教科書分析 気になるプログラミング言語・アルゴリズムは?

2022.11.15 (最終更新:2022.11.18) 記事 教務情報

連載専門学校教職員が知っておきたい高校「情報Ⅰ」

令和4(2022)年4月より高等学校教育に必履修科目として新導入された「情報Ⅰ」。この連載では教科用図書(文部科学省検定済教科書)13冊の分析を通し、「入学生の前提知識がどのくらい変わってくるのか」「各教科書のプログラミング教育のレベル感」など、専門学校の先生方が知っておきたいポイントをご紹介していきます。

令和4(2022)年4月より「情報Ⅰ」が必履修科目として高等学校教育に導入されました。
「情報Ⅰ」を学んだ生徒たちが専門学校に入学してくるのは令和7(2025)年4月。
特に情報処理・IT系の専門学校では、入学生たちが前提として持っている知識がどのくらい変わってくるのか、気になるところではないでしょうか。

この連載では、令和4年に発行された情報Ⅰの教科用図書(文部科学省検定済教科書)13冊を分析し、専門学校の先生方向けに知っておきたいポイントをご紹介します。
第2回は、おもな教科書で扱っているプログラミング言語とアルゴリズムについて解説します。

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教科書の内容概観

ここでは、連載第1回のおさらいとして、章立ての概観をつかむために実教出版『最新情報Ⅰ』(情Ⅰ705)の目次を見てみましょう。

第1章 情報社会と私たち
第2章 メディアとデザイン
第3章 システムとデジタル化
第4章 ネットワークとセキュリティ
第5章 問題解決とその方法
第6章 アルゴリズムとプログラミング

いずれの教科書も章立てはおおむね近いものになっていますが、特に違いが表れるのはアルゴリズムとプログラミングの領域です。

教科書で扱われているおもなプログラミング言語一覧

各教科書で扱われるプログラミング言語をまとめると以下のようになります。

各教科書で扱われるプログラミング言語一覧

東京都立高校で最も多く採用されている実教出版『最新情報Ⅰ』(情Ⅰ705)で扱う主な言語はVBA。
実教出版ではPythonやScratch・VBAを扱う副教材が用意されているため、プログラミング言語を扱う実習面を副教材で補うこともできそうです。

また、東京書籍『新編情報Ⅰ』(情Ⅰ701)では小中学校での既習言語であるScratchやPythonがいずれも扱われ、小中高接続が意識されている印象です。
Python初学者でも比較的取り組みやすい構成になっています。
東京書籍の2冊は巻末に「ふりがなプログラミング手帳」を収録していたり、Web教材が付属していたりと、独自の学習サポートが充実しています。

各教科書は、扱う言語も様々ですが、プログラミング言語に割くページ数にもかなり差があります。
扱う言語や難易度、ページ数などの違いから、各教科書の想定学習者層や特色が見えてきます。

アルゴリズムとプログラミング

一般に、問題を解く手順のことを「アルゴリズム」といいます。

例えば、「トランプを大きい数字の順に並べ替える」という課題があったときに、それを解決する手順も広義の意味でのアルゴリズムといえます。

また、この課題を解決するための「アルゴリズム」を正確に記述するためにつくられた人工的な言語が「プログラミング言語」です。

プログラミング言語のルールに基づき、具体的な処理手順(アルゴリズム)を記述することを「プログラミングをする」といいます。

教科書で扱っているおもなアルゴリズム

教科書で扱っているおもなアルゴリズムとその関連用語を簡単に解説します。
高校「情報Ⅰ」で扱う内容の概観が理解できると思います。

アルゴリズムの表現

アルゴリズムの図式表現として、フローチャートが扱われています。

◎フローチャート
処理手順を記号を用いて表した図

基本制御構造

アルゴリズムは簡単な手順の積み重ねで構成されています。このアルゴリズムのうち、各手続きの実行する順序を決定する部分を基本制御構造といいます。
おもに以下のような構造があります。

◎順次構造
1つの処理が終了したあと、とくに指定がない場合に、そのまま次の処理を進める手順

◎選択構造(分岐構造)
異なる処理に分かれる場合に、条件によって処理を選択し実行する手順
例:If文 など

◎反復構造(繰り返し構造)
同じ処理を繰り返す場合に、条件を指定する手順
例:For文、While文 など

リストと配列

リストや配列は、複数の値を1つにまとめて扱える仕組みで、変数名と番号(添え字)で値を指定します。

関数

プログラミングの「関数」とは、 与えられた値をもとに、定められた独自の処理を実行し、その結果を返す命令 のことです。数学で扱う「関数」とは意味合いが異なります。

変数

プログラムではたくさんの値を扱いやすいように、「仮想の入れ物」に名前を付けて値を代入します。この「仮想の入れ物」を変数といいます。

アルゴリズムの例

基礎的なアルゴリズムの例を挙げます。

◎線形探索
並び順の不明瞭なデータ列に対して、先頭から順にぬけ・もれがないように探す方法

◎二分探索
整列の順序がわかっているデータ列に対して、大小関係から探す範囲を決めて探す方法

◎整列(バブルソート)
隣り合わせの値と比較して交換を繰り返していく整列アルゴリズム

教科書で扱われている内容の違い

各教科書では、おもに扱うプログラミング言語の種類に連動して、アルゴリズムやその周辺用語の扱い方の深さが異なります。
ページ数だけで比較してみると、プログラミング関連の章について最もページ数を割いている教科書でも、47ページ/全172ページ(巻頭・巻末を除く)とそれほど比率は多くありません。

教科書によっては、現象を数値モデルで表したり、数値によって現象を予測したりといった分野まで扱っているものもありますが、基本的な部分はほぼ共通しているととらえてよいと思います。

詳しい指導内容にご興味がある方は、実際の教科書をご購入されることをお薦めします。
教科書は一部オンラインショップなどでも購入可能なほか、一般書店でも扱っている場合があります。
詳しい入手方法は、最寄りの教科書供給所にお問い合わせください。

一般社団法人全国教科書供給協会「教科書の購入・販売についてのお問い合せ先

まとめ

今回は、高等学校の「情報Ⅰ」で扱うプログラミング言語とアルゴリズムの内容について簡単にご紹介しました。
次回は、「情報Ⅰ」の教科書で取り上げられている「コンピュータとネットワーク」について詳しくご紹介します。

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この記事を書いた人
宮腰 聖子

宮腰 聖子

真南風文藝工房 編集者・ライター・サイエンスコミュニケーター
工学修士(航空宇宙学)
自動車メーカーでの先行開発エンジニアを経験した後、理系教材編集(小中高理科テスト編集・高校数学・中学校理科教科書編集)職に転向。
近年は環境・航空・宇宙・自動車・理科・数学・サイエンスなどを中心に幅広い分野での執筆活動にも取り組んでいる。

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