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連載作文添削者はここを見ている!作文指導のポイント

初級公務員試験の多くで課される「作文試験」。作文試験に苦手意識をもつ学生が多いため、指導に苦労されている先生もいらっしゃるのでは。 この連載では、作文添削のプロフェッショナルである作子先生に、作文添削者が見ているポイントを伝えていただきます。ぜひ学生の作文指導にお役立てください。

皆さん、はじめまして。
この連載の執筆を担当する作子と申します。公務員系専門学校において学生指導を経験し、現在はウイネットで毎年多くの作文添削に携わっています。

この連載では、作文添削者の声を先生方にお届けしていきます。
作文の苦手な学生によく見られるNG例や、作文指導のポイントなど、先生方のお役に立てる情報を発信できればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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作文指導で大切なこと

近年、作文を苦手とする学生が増加したと感じていませんか。
私自身添削をしていて、余白が多い主語と述語の不一致誤字脱字などを感じることが多くなっています。

作文が苦手な学生が増加している要因のひとつとして、学生のコミュニケーションがSNS中心になっていることが挙げられます。
短文でメッセージを伝えることには慣れていても、何百という文字数の文章を書く機会は少なくなってるのです。

大学入学試験もマークシート試験が多いため、記述試験対策をしたことのある学生はごく一部。
時間内に指定字数を書き上げることができない学生が多くなっているようです。

クラスには、作文力の高い学生とそうでない学生がいるので、まずはクラス全体の作文力を底上げすることが大切です。

作文指導でははじめに、合格レベルの作文に求められるポイントをしっかりと学生に示すことをおすすめします。

目標が曖昧な状態では、学生のやる気を高めることは難しいでしょう。
教養試験の得点のように、はっきりとした数値目標を示すことはできませんが、クリアすべきポイントを明確に伝えれば、学生の作文練習にも力が入るようになるのではないでしょうか。

ポイントは、このあと解説していきます。

作文添削者はここを見ている

「作文試験の内容」について、「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)受験案内」には、「文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験」と書かれています。
また、記載方法に違いはありますが、「課題に対する理解力」や「文章表現力」と書かれている自治体があります。

参考:人事院「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)受験案内

これより、一般的に、作文試験では以下のことが見られていると考えられます。

(A)文章を書く能力
(B)正確に課題を読み取る能力
(C)個性
(D)仕事の理解度

ウイネットでは、(A)~(D)を以下のように考えて添削しています。

(A)文章を書く能力

文章を書くときに必ず守らなくてはいけないことを、しっかり守っているかどうかを確認します。
満点をねらうのではなく、減点されないことが大切だと考えるからです。

ウイネットの添削では、以下のポイントで評価をしています。

■文章表記
・制限字数を満たしているか。(2行以上残していないか、空白マスの多い行はないか)
・文字は丁寧に書いてあるか。
・原稿用紙の使い方は正しいか。
・誤字・脱字はないか。
・用語の使い方は正しいか。
・文体(常体と敬体)は統一されているか。
・簡潔な文体か。(一文が長すぎないか、無駄な部分はないか)
・文法上の誤りはないか。

■文章構成
・文章の展開、構成は筋道が通っているか。(流れが分かりやすく、順序立てられているか)
・段落や改行の設定は効果的か。
・文章の展開は完結しているか。

(B)正確に課題を読み取る能力

第一に、課題が求めることを全て満たしているか
第二に、公務員採用試験の作文としてふさわしい題材を選んでいるか、を確認します。

ウイネットの添削では、以下のポイントで評価をしています。

■表現内容
・課題にふさわしい内容か。
・質の高い題材か。
・記載事実の認識に誤りがないか。

作文の中には、課題が求めていることを理解していないものが散見されます。
丁寧な字で、立派なことを述べていても、課題に沿っていないことを述べたり、採用試験にふさわしくない題材を取り上げたりすると、高評価は期待できません

(C)個性

作文試験における個性は、「人と違うこと」ではなく「自分らしさ」と考えています。
「自分の考え」「自分の経験」「自分の良いところ」が述べられているかを確認します。

ウイネットの添削では、以下のポイントで評価をしています。

■表現内容
・課題にふさわしい内容か。
・読み手の心を打つものがあるか。

個性(自分のこと)を知るための方法は、自己分析をする(過去を振り返る)ことです。
自己分析で、「過去の経験→身に付いたこと→自己PR」と展開したものをいくつか用意しておくことで、さまざまな課題に対応できるようになります。

「学生時代には部活動しかしてこなかった」という学生がいます。
けれども、部活動にもいろいろなシーンがあったはずです。
練習、試合、人間関係、辛かったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、と切り口を変えることで、たくさんの経験とPRポイントを見つけることができるでしょう。

(D)仕事の理解度

公務員採用試験の作文ですから、受験している職種への理解を示すことが求められます
これが不足もしくは欠如していないかを確認します。

ウイネットの添削では、以下のポイントで評価をしています。

■表現内容
・記載事実の認識に誤りがないか。
・読み手の心を打つものがあるか。

仕事の理解度を高めるためには、時事的内容も含む希望職種の研究をすることが必要です。
さらに、自分の公務員としての未来像を考えておくと、仕事に対する意欲を示すことができるようになります

専門学校では、面接試験対策として、志望職種の仕事内容や志望する自治体のことを研究していることと思います。
これを早めに進めておくことで、作文試験で公務員としての仕事への抱負なども述べることができるようになります。

(C)(D)の対策は、面接試験対策としての自己分析&職種研究と平行して進めると効果的でしょう。

まとめ

作文指導においては、学生に添削のポイントを理解させること、そのポイントを踏まえた文章を書けるようにトレーニングさせることが大切です。

1年制学科では、入学した5か月後に本試験を迎えるため、教養試験対策に手一杯で、十分な作文試験対策を行えない場合もあるでしょう。

教養試験対策では、試験によって出題傾向や問題数は異なるものの、土台となる部分の対策授業はクラス全体で進めていくことができます。

一方、作文試験の課題は、職種によって特徴があり、個性的な課題が出題される場合もあります。
クラスの学生全員に対して、目指す自治体・職種別の異なる課題で作文指導をすることは、先生方にとって非常に困難です。
学校で作文指導を行う場合は、頻出度の高い課題を選んでリライトをし、合格ラインを超える作文を書けるようになったら次の課題に進む、という方法が定石です。

初めてその課題に取り組む際も、書き直しの際も、とにかく添削のポイントを意識させましょう
提出前に学生自身にポイントをクリアできているかどうかをチェックさせてもよいでしょう。
そうすることでだんだんと癖がつき、レベルアップにつながります。

次回以降は、これまでに私が見てきた作文を例に挙げて、合格ラインを遠ざけてしまうNG例とその対策をお伝えします。

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この記事を書いた人
作子先生

作子先生

公務員系専門学校において学生指導を経験し、現在はウイネットで作文添削を担当。これまでに5000枚以上の作文に目を通してきた。

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