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適性検査とSPIの違いは?種類や内容も解説

2023.02.06 (最終更新:2024.01.18) 全般 教務情報

「適性検査」と「SPI」は就職活動をしているとよく聞くワードですが、2つの違いがイマイチわからない、という学生も多いようです。  

そのため、先生たちが両者の違いについて学生に聞かれることがあるかもしれません。
その際に困らないよう、「適性検査」と「SPI」の違いを明確にしておきましょう。

本記事では、「適性検査とSPIの違い」と、「SPIとはどのような検査なのか」について解説します。

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「適性検査」と「SPI」の違いとは

「適性検査」とは、企業が採用選考を行う際、採用・不採用の判断材料の1つとしてよく用いられる検査のことです。
適性検査にはさまざまな種類がありますが、「SPI」はその中の1つです。

9割の企業が取り入れている「適性検査」とは

適性検査は、面接だけでは測れない、応募者の能力や業務適性を見抜くために実施されています。
適性検査にはSPIのほかにもいくつかの種類があり、ほかには玉手箱、CAB、GABなどがあります。

いずれも大手企業が導入している試験で、種類によって難易度出題内容問題数が異なるため、事前の情報収集が大切です。

適性検査の種類によって、総合職向けやコンピューター職向けなど、それぞれ特徴があり、各企業の採用したい人材に合わせて実施されています。

性格・能力を測定する適性検査「SPI」

SPIは「総合適性検査」の略称で、リクルート社が提供している適性検査のことです。
2021年12月期の実績として、導入企業が14,400社、受検者は215万人と、数ある適性検査の中でもシェアNo.1を誇ります。

検査内容は「性格検査」と「能力検査」で構成されており、受検者の実践的能力や資質、特性を明らかにすることができます。
学歴や職歴にとらわれない採用選考に寄与するために開発された適性検査であり、個人の資質測定をベースとした情報収集が目的です。

40年以上の歴史を持ち、信頼性・妥当性・標準性が十分に担保されています。

SPIの活用シーン

ここからは、SPIがどのようなシーンで活用されているのかを見ていきましょう。

応募者理解のための参考情報

SPIでは、応募者の性格と知的能力の両側面から情報を収集します。
これらは、面接などの短い時間では十分な把握が難しい情報です。
そこで、SPIを用いた選考を加えることで、企業と応募者のミスマッチを減らすことが可能になります。

人材育成のための情報ツール

SPIには、入社後に活用するための「育成支援報告書」や、内定者に伝えるための「本人フィードバック用報告書」など、さまざまな報告書があります。
企業はこれらを活用し「個人の強み・弱み」「一人ひとりに適した関わり方」「つまずきポイント」などの情報を得ているのです。

入社後の配属先を決定する情報源

企業へ入社後、まだその人物に関する情報が少ない場合に、配属先決定のための一助として活用される場合もあります。

前述したように、企業はSPIの報告書から応募者についてさまざまな情報を得ることができ、得意分野の把握もその1つです。
得意分野を知ることで、その人物に適した配属先をイメージしやすくなります。

SPIの4つの受検形式と特徴

SPIには、4つの受検形式があります。
それぞれの特徴を確認し、学生へのアドバイスに役立てましょう。

WEBテスティング

WEBテスティングは、パソコンを使用して受検する形式です。

指定された期間であれば、都合がよい日を選んで、自宅などのWeb環境がある場所から受検することができます。
特有の解答方法や出題形式があるため、慣れていなければ対応に苦慮することがあるでしょう。

1問ごとに制限時間があり、受検者の解答スピードや正答率によって問題の難易度が変化することが特徴です。
解答が速く正確であればあるほど、出題される問題の難易度が上がり、最終的なスコアが高く計測されます。

数学の問題では、選択肢から解答するのではなく、電卓を用いて実際に計算します。
使いやすい電卓を用意するよう学生に伝えておきましょう。

また、前の問題には戻れないため、解答の修正や飛ばした問題をやり直することはできません。

テストセンター      

リクルート社が用意した会場にて、その場に設置されているパソコンから受検する形式です。

指定の期間中、指定会場の中から希望の会場と日にちを選んで受検します。
用意されたパソコンを使い、試験監督者がいる環境下で受検するため、WEBテスティングよりも緊張感があります。

その他はWEBテスティングとほとんど同じで、1問ごとに制限時間があり、前の問題に戻ることはできません。
また、受検者の正答率に応じて出題される問題が変わります。
正答率が高いほど難易度が上がりますが、その分高スコアを期待できるでしょう。

受検当日は、不正行為防止のため、身分証明書による本人確認が徹底されます。
学生には、身分証明書を忘れないように伝えておきましょう。

インハウスCBT

受検者が応募先企業に訪問して受検する形式です。

受検場所や日時は企業側が指定しますが、受検者にとってはSPIから面接試験までを1日で済ませることができる点がメリットです。

現状では、導入している企業数はそれほど多くなく、マイナーな受検形式です。
試験内容は、WEBテスティングやテストセンターとほぼ同じです。

しかし、他の試験形式と比べると、受検当日の雰囲気はより緊張感が高くなりやすい傾向があります。
1日かけて採用試験が行われるため、当日に向けてコンディションを整えることが重要です。

ペーパーテスティング

応募者が企業の指定した日時に会場へ行き、SPIを受検する形式です。

パソコンを使わず紙に解答を記載する一般的な受検形式で、マークシート式記述式で行われます。

性格検査では、制限時間40分の中で300問の問題に回答します。
能力検査では、言語分野が制限時間30分の中で約40問、非言語分野が制限時間40分の中で約30問です。

パソコンを使った受検と違い、解答の順序は自由なので、苦手な問題は後回しにするなど、自分のペースでの受検がしやすい形式となっています。

SPIの検査内容

SPIの検査内容は、一般的に「性格検査」と「能力検査」の2つに分類されます。
しかし、一部の企業向けに「オプション検査」という専門的能力の測定を行う問題も用意されています。

職務・組織への適応力を測る検査「性格検査」

性格検査は、日常生活においてどのような行動をとるか、どのように考えるかを評価するための出題内容になっています。

検査前の特別な準備は不要です。
日常生活におけるさまざまなシーン別に設問が用意されており、自分に当てはまる回答を選択します。

企業は、性格検査によって応募者の人間性を把握し、その後の面接や配属先検討の際の参考にしています。

知的能力を測る検査「能力検査」

能力検査は、仕事に対する理解力応用力がどの程度あるかを測定するための検査です。
「言語分野」からは語彙・文章読解問題、「非言語分野」からは計算・推論問題が出題されます。

正答率から「頭の回転の速さ」「飲み込みの早さ」などがわかります。
これらは、どのような職種においても重視される傾向が高い能力です。

専門的能力を測るための検査「オプション検査」

オプション検査は、すべての企業が実施する検査項目ではなく、特定の企業が必要とする専門的能力を測る検査です。
オプション検査では「英語」、「構造的把握能力」について測定することができます。

英語は、総合商社や広告代理店などで必要とされ、構造的把握能力は、金融機関で必要とされる傾向があります。

近年は、どの業界においても英語の能力が求められるようになっています。
これまで実施していなかった企業でも今後実施する可能性があるため、急遽オプション検査が追加となっても対応できるよう、学生にアドバイスしておきましょう。

SPIを受けるときの注意点

ここからは、SPIを受検する際の注意点をご紹介します。

事前にパソコンでの受検に慣れておく

パソコンでの受検に慣れておくとは、操作に慣れることはもちろん、パソコンでの解答に慣れておくという意味です。
パソコンで受検した場合は、前の問題に戻れないため見直しや修正ができません。
ペーパーで受検する場合と勝手が違うため注意が必要です。

時間配分に気をつける

SPIでは、短時間で多くの問題を解かなければならないという性質上、時間配分には気をつけなければなりません。

特に、受検形式によって時間設定が異なる点には注意が必要です。
WEBテスティングなどでは性格検査に30分、能力検査に35分の合計65分、ペーパーテスティングでは性格検査に40分、能力検査に70分の合計110分となっています。

性格検査には正直に答える

性格検査で評価されるのは、性格的特徴・職務適応性・組織適応性です。

これらの評価は、入社が決まった後にも活用されることが多いため、企業が採用前後でギャップを感じないように正直に答える必要があります。
正直に回答しなかった場合、本来の性格に不向きな部署への配属など、思わぬ結果に繋がる可能性があります。

テストセンターは予約が必要

テストセンターは、事前に予約を取って受検するため、予約のタイミングに注意が必要です。
特に受検ピークの3〜4月はすぐに満席となり、予約が取れなくなるケースが発生します。
予約のタイミングが申し込み締切日の直前にならないように、学生に声をかけておきましょう。

まとめ

SPIは、数ある適性検査の中でも最もポピュラーな検査です。
その有用性から、採用選考だけでなく入社後の配属先の決定など、さまざまな場面での参考情報として用いられています。

学生が採用選考で次のステップに進むためには、SPIで高得点を獲得できるような対策が必要です。
受検形式には注意が必要ですが、十分に対策を行えば誰でも高得点を狙えます。
SPIの勉強法についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

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