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TOP教養スキルアップこの先のキャリアが不安です。転職も視野にした方がいい?

この先のキャリアが不安です。転職も視野にした方がいい?

2023.01.30 (最終更新:2024.03.28) スキルアップ 教務情報

連載侑加先生のお悩み相談室

先生に特有のお悩みから、ワークライフバランス、キャリアデザインまで。「他の学校はどうなんだろう、他の先生はどう考えているんだろう……」と思ったら、学校の現場にも詳しい侑加先生に相談してみませんか?

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今回は、「キャリアアップ」についてのお悩みです。

終身雇用の時代から、最近は転職や副業も一般的になってきました。
働き方が多様化し、将来のお金も考えないといけない情勢の中、専門学校の先生方も今後のキャリアアップや将来について様々な不安や悩みがありますよね。

キャリアアップのために何をすべきか、資格や勉強はどうしたらいいか……
侑加先生に聞いてみましょう!

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【今回のお悩み】教員としてのキャリアアップについて

相談者:小野田先生(仮名)[男性・20代半ば]

医療・看護系の専門学校で教員をしてします。
医療事務管理士の資格を取得し、卒業後から母校で教鞭を執っています。
働きはじめ数年が経ち仕事にも落ち着きが出始めてきました。
任される仕事の幅も広がり、学生指導にも少し自信がついて、やりがいをもって仕事ができています。

その反面、この先のキャリアアップ、人生を考えると漫然とですが不安になることがあります。
同年代の友人の中には管理職に就いた人や、転職で収入が大きく伸びた人、副業を始めた人など
次のステップに進んでいる人もおり、取り残されている気分になることがあります。

私の職場はそれほど人材循環も早くないので、昇進できたとしてもいつになるのか…。
転職を考えることもありますが、新卒から学校という特殊な環境で働いているため、一般企業で通用するかも不安です。

資格の勉強をするにしてもどのような方向性で始めるべきか、見いだせないでいます。
普段忙しいこともあり、始めてもズルズルと長引いてしまいそうで心配です。

キャリアアップを考えるにあたり重要なこと、またその準備の仕方などぜひアドバイスを頂きたいです。


以上が今回のお悩みです。
それでは侑加先生の回答をご覧ください!

人生100年、70歳になっても、やりがいを持って働きたい時代です!

小野田先生、今の時代にふさわしいご相談をいただき、ありがとうございます。
私自身も「他人事ではないわ~」と実感を持って、拝見しました。

この30年間、日本人の給与が伸びないことが話題になっています。
2022年4月から、年金支給額が0.4%減額されています。
しかし、12月には、全国の先行指標となる東京都区部の消費者物価指数が40年8か月ぶりの伸び率を記録したそうです。
帝国データバンクの昨年末調査では、値上げのピークは、2023年2月に来ると予測も出ているようです。

つまり、給与は上がらず、年金支給額は下がっているのに、物価はどんどん上がっているということですね。
こうした経済状況からか、総務省統計局の労働力調査によると、70代の26.6%の方が、何らかの仕事をしているそうです。
70代全体のうち、四分の一以上の方が働いているということですね。

年金が少なく、生活費を稼ぐために、働かざるを得ない方も大勢いると思います。
しかし、社会に求められ、自分なりにやりがいを持って働けるのが理想ではないでしょうか。

小野田先生は、今、20代ですよね。
この先もずっと健康で幸せな人生を送るためにキャリアプランを立てれば、充実した素晴らしい人生を過ごせるはずだと思います。

先生は専門学校を卒業し、そのまま教員として母校に採用されていることから、大変優秀な方でいらっしゃると思います。
周囲を見渡してみても、在学期間の勉学の様子に加え、やはり人として信頼できる方が、学校側からスカウトされ、就職しているケースが殆どです。
一緒に働いていても気持ちのいい方が多く、学生の気持ちをよく分かっているので、色々と相談しやすく、頼りにしてしまいます。

先生ご自身も、母校で教鞭を執ることにやりがいを持っていらっしゃるようですね。素敵です。
ただ、仕事に落ち着きが出始めると、ご友人のことも気になったり、職場での先々のことも考えたりするようになりますよね。
管理職になれば、給与ベースは上がりますが、部下になる先生方やその先生方が指導するクラスの学生のことも把握し、時には保護者にも配慮しながら、何かあれば責任を取ることが大事な仕事になります。

いずれその日は来ますから、焦らなくていいのではないでしょうか。

今の環境で、「看護師」免許取得にチャレンジされてはいかがでしょうか

尊敬する先輩が、60歳で旅行業務取扱管理者に合格されました。
元々、違うコースの担任をされていたのですが、学生達にもっと意欲的に頑張らせたいという気持ちから、自分も一緒に受験することにしたとおっしゃっていました。
20歳の学生に自ら努力する背中を見せたということですね。
「先生が落ちた、やっぱり無理なんだよ」とならないように、必死に勉強したそうです。スゴイ話ですよね。
10歳若い私は、「もう疲れた~、新しい勉強なんてできない~」と泣き言は言えないなぁと感じました。

少子高齢化が急速に進み、コロナ禍も続いている中、医療従事者の方々には頭が下がるばかりです。
小野田先生は、医療事務管理士の資格をお持ちでいらっしゃるのですね。

医療事務をしている友人に聞いたところ、医療事務に関する資格はいくつかあり、地域や医療法人の規模や方針によって、医療事務資格を持っていないスタッフもいるのだそうですね。
でも、有資格者は、やはり採用されやすいとのことでした。

小野田先生は、医療・看護系の専門学校にお勤めでいらっしゃるので、国家資格である看護師免許の取得を目指してはいかがでしょうか。
看護の世界で、男性の需要も高まっていると聞きます。
今、医療コースの担任をされていると思いますから、来年から看護コースの副担任も兼務して、学生と一緒に勉強するとか、空きコマでオブザーブしながら自習も行うなど、 探せば方法は見つかると思います。
先生が希望を持たれれば、学校側も嬉しいのではないでしょうか。
看護師の需要は高まる一方ですし、高校生以外、既卒の志願者も増えることが予想され、看護コースの担任ができる先生が増えることは喜ばしいことだと想像します。

資格や検定には、その人気を安定的に継続するのが難しい面があります。
金融機関の店舗が減ってしまい、スマホに慣れない世代は、ATMを探すのに苦労しています。

銀行員の方に聞いたのですが、AIの普及で、事務手続きは随分楽になり、スタッフが少なくて済むため、店舗を減らして、経費削減をしているのだそうです。
医療事務の世界も変わりつつあるのではないでしょうか。

マイナンバーカードの普及過程である今は、保険証との紐づけなど、ドタバタしている感がありますが、それが普通という時代になれば、人間が行う事務手続きが減ると予想されます。

専門学校は特殊な環境?一般企業でも通用する自分を育てるのは自分

スペシャリストとゼネラリストは、よく対抗するように語られます。
しかし、小野田先生には、スペシャリストであり、ゼネラリストを目指していただきたいです。

「専門学校で『医療事務管理士』を教える」ことのスペシャリストになってください。
資格合格率100%を目指すのは、難しいことですよね、色々な学生がいますから。
でも、小学生にも分かるように優しい言葉で理解を促すことができるようになれば、留学生にも指導できるようになります。
やる気のない学生のやる気を引き出すような指導ができれば、どの職場にもいるモチベーション低めの社員に声掛けできるようになります。

一般企業で、20代前半から、大勢の人を前に、こんなに沢山プレゼンテーションの機会を与えてくれるところは無いと思います。
メーカー・インフラ・金融機関・不動産・物流・マスコミ・IT・流通・ホテル業界、どの業界にも「ウチの常識は、世間の非常識」という社内ルールや慣習があるのではないでしょうか。


高校の教頭先生が「学校は閉鎖的なところだから」とおっしゃったことがあります。
少し謙遜されてのことと思いましたが、先生という職業の方に共通する「学校しか知らない」ことに対する引け目を感じているようにも思われました。

学校が閉鎖的な所でいいでしょうか。
学ぶ生徒・学生に、「世界へ羽ばたけ、伸びやかに生きろ」と啓発するのとは矛盾していますよね。
学校は、将来をより良く生きる宝を預かり、磨き、輝かせる社会の重要な拠点です。
先生が特殊な環境と思われる部分は、他業種の方が自分の会社に対して思われることと同じかもしれません。
多種多様な業種、職種をまとめて、一般企業と言っているのですから。

先生という職種は、スペシャリストですが、学生は幅広い世界に巣立っていきます。

視野を広く、様々な業界のニュースや話題に興味を持っていてください
転職した友人や副業を始めた友人とも交流を続け、ぜひ多面的に社会を眺める視点を育ててください

学生が実習でお世話になる病院や施設に、先生が2年出向してみましょう

直近の目標として、国家資格の看護師を取得
その後、医療事務管理士や看護師の資格を活かして、医療現場で働いてみてください

先生が患者さんや家族と接する経験は、学校に戻って学生指導にそのまま活かせます
学生も資格取得のためだけに勉強するという気持ちにならず、実際に活かす様子を聞くことで一層やる気が湧くでしょう。

学校が既にお世話になっている実習先だと交渉しやすいのではないでしょうか。
先生方が積極的に現場で実務経験を積むことを、学校側も奨励するような人事教育制度を整えると、学校の評価も地域で上がるのではないでしょうか。
すると、進学希望者もまた増えるという好循環を生むと期待できます。

日野原重明先生は105歳まで現役医師として、活躍されました。
「生涯現役」を貫かれ、本当に感服するばかりです。
日野原イズムを学びたいと新卒で聖路加国際病院に就職した看護師の方がいます。
5年働き、コロナ禍も経験し、とてもハードだったそうです。
家族の都合で転居することになり、退職したのですが、すぐ転居先で看護師の仕事が見つかり、やりがいを持って働いているそうです。

医療資格を持ち、医療現場で経験を積むことは、大変な面もきっとありますが、その後の人生に自信をもたらしてくれるでしょう。

学校から、SNSで情報発信をする仕事を任され、インフルエンサーになるかもしれません。
学校で働きながら、講演の仕事が舞い込み、執筆依頼もくるようになるかもしれません。可能性は無限大です。

最後に

仮に、学校を65歳で定年退職しても、小野田先生を必要としてくれる医療現場が必ずあります。
医療従事者の仕事は、時代が進んでも、全てAIに取って代わられることはありません
相手は常に人間です。

ホスピタリティマインドを持って、確実な行動を積み重ね、健康で幸せな人生を歩まれるよう願っています。

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この記事を書いた人
侑加先生

侑加先生

一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

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