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TOPコラム先生の知恵袋梅雨に潜む「6月病」の正体とは?先生自身のセルフケアと学生の退学リスクを防ぐ指導のポイント

梅雨に潜む「6月病」の正体とは?先生自身のセルフケアと学生の退学リスクを防ぐ指導のポイント

2023.05.31 (最終更新:2026.05.13) 先生の知恵袋 コラム

4月の新年度から2ヶ月。新しい環境への緊張が続き、大型連休の「5月病」をなんとか乗り越えた先に待っているのが、梅雨時期の「6月病」です。

特に学校現場において、6月は一年で最も過酷な時期といわれています。祝日が一日もなく、湿気や低気圧で体調を崩しやすいことに加え、中間試験や行事の準備で教職員も学生も疲労がピークに達するためです。「最近、自分自身のやる気が出ない」「クラスの学生の活気がなく、欠席が目立ち始めた」と感じていませんか?

今回は、先生が自分自身を「燃え尽き」から守り、そして学生の「退学・不登校」という最悪の事態を防ぐために知っておきたい、6月病の正体と具体的な対策について深掘りします。

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そもそも「6月病」とは? 5月病との違いと特徴

「5月病」が主に新生活という環境の変化への不適応(適応障害に近い状態)であるのに対し、「6月病」はそこに「気象要因」と「疲労の蓄積」が強く加わるのが特徴です。

  • 5月病: GWという長期休暇をきっかけに、張り詰めていた糸が切れてしまう。
  • 6月病: 4月からの無理がたたり、自律神経が乱れやすい梅雨(低気圧・日照不足)の時期に心身の不調として表面化する。

真面目で責任感の強い先生や学生ほど、「やる気が出ないのは自分の甘えだ」と精神論で解決しようとしてしまいがちですが、実は医学的・気象的な背景があることを理解しておく必要があります。

学生に与える深刻な悪影響:なぜ「退学」に繋がるのか

教育現場において、6月は学生の「学業継続」の分かれ道になります。単なる体調不良と片付けられない、深刻なリスクが潜んでいます。

「リアリティ・ショック」の増幅

4月に抱いた理想と現実のギャップが、疲労と共に重くのしかかります。「この学校は自分には合わない」「授業についていけない」といったネガティブな思考が、心身の不調によって強化され、退学という極端な決断に繋がりやすくなります。

欠席の負のスパイラル

低気圧による頭痛やだるさで1限目を休み始めると、学習の遅れに対する不安からさらに学校へ行きづらくなります。この時期の数日の欠席が、そのまま不登校や退学へ至るトリガーになることが少なくありません。

先生と学生を守るための「5つの実践的対策」

教壇に立つ先生方が、自分自身の健康を維持しつつ、学生のSOSを拾い上げるための具体的なステップです。

1.先生自身の「完璧主義」を意識的に緩める

先生が倒れては、クラス全体のケアは不可能です。6月は「最低限の業務をこなせれば満点」と自分に言い聞かせてください。

定時退勤の日を作ったり、趣味の時間を優先したりと、意識的に「先生」ではない自分に戻る時間を作ることが、燃え尽き防止には不可欠です。

2.学生のSOSを見抜く「チェックリスト」

以下のような変化がある学生には、早めの個別面談や声掛けを検討しましょう。

  • 出欠: 1限目の遅刻や、週初めの欠席が目立つようになった。
  • 外見: 服装が乱れる、髪がボサボサ、表情が乏しくなった。
  • 学習: ワークワークでの発言が減った、提出物のクオリティが急激に落ちた。

関連記事: 指導スキル(20)~4月・5月でやめてしまいそうな学生をどう支えるか-専門学校における初期離脱への向き合い方

3.教室環境の「不快指数」を下げる

物理的な環境調整は、メンタルケアと同様に重要です。こまめな除湿や換気を行い、快適な温度を保つだけでも、イライラや集中力の低下を防ぐことができます。視覚的にも、教室内の掲示物を整理して「情報のノイズ」を減らすことが効果的です。

4.科学的根拠に基づく「生活指導」

学生が「辞めたい」と口にする時、それは本心ではなく脳の疲れが原因かもしれません。医学的・科学的な視点から、学生を支えるための具体的な指導内容を紹介します。

「幸せホルモン」セロトニンを意識した食事指導

脳内の神経伝達物質「セロトニン」は、精神を安定させ、意欲を維持する役割を持っています。このセロトニンは、日照時間が短くなる梅雨時期には分泌が減少しやすくなります。 セロトニンの原料となるのは、食事から摂取する必須アミノ酸「トリプトファン」です。朝食にバナナ、納豆などの大豆製品、乳製品を摂るよう勧めてみてください。これらが脳内でセロトニンに変換され、心のブレーキを正常に動かす「脳のガソリン」になります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

睡眠不足とネガティブ思考のメカニズム

寝不足の脳は、不安やイライラを司る「扁桃体(へんとうたい)」が過敏になり、逆に感情をコントロールする「前頭葉」の働きが低下します。つまり、睡眠不足の状態では冷静な判断ができず、物事を悪い方へと考えがちになるのです。 もし学生が退学などの極端な決断を口にしたら、「今は脳が疲れて冷静な判断ができない時期。まずは3日しっかり寝てからもう一度考えよう」と、脳を休ませることを最優先に指導してください。

参照:国立精神・神経医療研究センター 研究成果

5.「相談のハードル」を極限まで下げる

「最近しんどいのは君だけじゃない、天気のせいもあるよ」とクラス全体にアナウンスしましょう。その上で、スクールカウンセラー、学生相談室の利用方法を改めて提示します。

「本格的に病んでから行く場所」ではなく、「少し疲れたから休む場所」という認識を共有することが大切です。

まとめ:6月を「耐える」のではなく「整える」

6月病は、根性ややる気の問題ではなく、誰にでも起こりうる季節性の不調です。

先生がご自身を大切にし、心に余白を持つこと。その余白があって初めて、学生たちが発する小さなSOSに気づくことができます。この時期を「ただ耐える一ヶ月」とするのではなく、自分と学生の心身を「整える期間」と捉え直すことで、その後の円滑な教育活動へと繋げていきましょう。

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この記事を書いた人
宇井 馴次 (うい なれじ)

宇井 馴次 (うい なれじ)

ウイナレッジ編集部所属のバーチャルヒューマン。
専門学校の先生方の多忙な日常を、お役立ち情報で支える探求者。
私生活では、予測不能な動きを見せる双子の娘に翻弄されるパパ。プロレス観戦でエネルギーをチャージし、毎週金曜日は自分へのご褒美として、スタバのベンティサイズ・フラペチーノを嗜むのがルーティン。
「先生の笑顔が、学生の未来を作る」をモットーに、役立つ情報を発信中。

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