学生の学校生活を左右するといっても過言ではないクラス分け。専門学校はクラス替えしないケースも多いため、入学時に考える編成が重要です。偏ったクラスになると学生はもちろん、先生にとっても大きな負担になる可能性があります。
しかし、初めてクラス編成に携わる場合は、何を基準に考えれば良いのか悩みますよね。先生の好みで決めるわけにはいきませんし、深く考えるほど「これでよいのだろうか…」と不安を感じるのではないでしょうか。
そこで今回は、クラス編成で重視するポイントやコツを解説します。バランスの良いクラス作りに役立つツールも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
偏るとどうなる?クラス編成の重要性
専門学校はクラス全員で同じカリキュラムを受けるケースも多く、必然的にクラスメイトと一緒に過ごす時間が長くなります。偏ったクラスになると、学生も先生も大変なことに…。考えられるリスクは、次の3つです。
- 学生がつまらないと感じてしまう
- 先生の負担が増える
- 退学者が増える
学生の今後を左右するほど重要なため、慎重に考える必要があるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
学生がつまらないと感じてしまう
偏ったクラスになると、一部の学生がつまらないと感じる可能性があります。例えば自分のペースでしか行動しない学生がクラスの9割を占めていたら、残り1割の学生にとってどのような空間になるでしょうか。おそらく雰囲気になじめず、つまらないと感じるでしょう。
これは極端な例ですが、似たような傾向の学生ばかりが集まったクラスになると、少数の学生にとってなじみづらい空間になります。話の合うクラスメイトが見つからなければ、悩みを一人で抱えてしまうこともあるでしょう。
SNSでは専門学校のクラスについて、このようなつぶやきがありました。
似たような傾向の人が大勢集まると、クラス的にはつまらないから専門学校はちょっと…
今日、専門学校の出校日だったんだけど。クラスのみんなの個性が強すぎてこのクラスでやっていけるのかなって思ってしまった…みんな怖い
先生の負担が増える
同じ傾向の学生が集まると、先生の負担が増える可能性もあります。例えばおとなしいタイプばかりが集まったクラスの場合、学校行事に関する話し合いに発言する学生がおらず、先に進まないケースも。
だからといって、リーダータイプや自己主張が強いタイプばかりとなると、意見がぶつかり合ってまとまらないでしょう。また、いわゆる問題児といわれるタイプの学生が多いクラスとなれば、先生の精神的な負担も大きくなります。
ただでさえ考えることが多い先生にとって、偏ったクラスは荷が重いと感じるかもしれません。
退学者が増える
退学者が増える可能性も考えられるでしょう。長い時間を過ごす空間がつまらないと感じると、勉強へのモチベーションも低下する傾向にあります。結果的に成績が落ちれば学校に通う意味を見いだせず、退学を選択してしまうかもしれません。
実は、専門学校を退学する理由で最も多いのは「学校生活不適応・修学意欲の低下」です。文部科学省の調査によると、2021年は退学者数の25%が「学校生活不適応・修学意欲の低下」による理由だったことがわかりました。*1
つまり学校生活になじめないと感じると、退学を考える学生が増えると考えられます。すべてがクラス編成で決まるわけではありませんが、重要な要素といえるのではないでしょうか。
クラス編成で重視するポイント
クラス編成で重視するポイントを3つ解説します。専門学校の場合、学生が選択するコースによってクラスを決めるケースもあるでしょう。そこからさらに細かくクラス編成を考えなければならない場合は、ぜひ参考にしてください。
- 学生の学力
- 学生の性格・行動特性
- 保護者の性格
それぞれ具体的に解説します。
学生の学力
学校によっては、レベル別にクラス編成する場合もあるかもしれません。しかし、そのような決まりがない場合は、学力が均等になるように分けるのがおすすめです。なぜなら学力が低い学生が集まると、落ち着きのないクラスになる可能性があるからです。指導する先生の負担も大きくなるでしょう。
学力を平均化することで、バランスの良いクラスを作りやすくなります。また、クラス同士で学力向上に向けて切磋琢磨できるよう促せるため、学校全体のレベルアップにも役立つでしょう。
学生の性格・行動特性
学生の性格や行動特性は、特に重視したいポイントです。前章で解説した通り、同じタイプが偏ると、一部の学生にとってつまらないと感じる空間になってしまいます。トラブルを起こしやすいタイプが集まれば、クラスのまとまりも悪くなるでしょう。
どのクラスにもリーダータイプを入れる、おとなしいタイプと活発なタイプを同じくらいの比率で入れるなどバランス良く分けることで、どのクラスもまとまりやすくなります。
保護者の性格
実は、保護者の性格も重視したいポイントです。学生が主役の学校生活を考えるにあたって、本来なら気にするべきではないかもしれません。しかし、攻撃的な保護者ばかりを持つ学生がクラスに固まった場合、先生の負担が大きくなります。万が一厳しい意見が重なれば、心身共に疲弊してしまうでしょう。
入学前の保護者説明会やオープンキャンパスを通して、保護者のことも意識してみてください。もし攻撃的だと感じる保護者が多い場合、その点も加味してクラス編成を考えるのが無難です。
バランスの良いクラスを作るためのコツ3つ
バランスの良いクラスを作るためのコツを3つにまとめました。学生も先生も充実した時間が過ごせるクラスになるよう、ぜひ押さえておきましょう。
- 複数の先生に意見を聞く
- 学生同士の相性を考える
- 学生と先生の相性も考える
それぞれ解説します。
複数の先生に意見を聞く
クラス編成を考える際は、複数の先生に意見を聞きましょう。一人だけの視点だと、どうしても主観的になりがちです。気付いたら自分の好みになっていることもあるかもしれません。結果的に偏ったクラスができる可能性があります。
そのようなリスクを防ぐためにも一方的に進めず、クラス編成を考えるメンバー全員の意見を聞きながら考えましょう。
学生同士の相性を考える
どのクラスに学生を編成するべきか迷ったら、学生同士の相性を考えてみてください。リーダータイプがクラスにいると全体のまとまりは良くなりますが、プラス要素ばかりではありません。
もし2人以上いれば、リーダー同士の対立が起こる可能性もあります。この場合、協調性のある学生をセットにすることで、対立のリスクを抑えられるのではないでしょうか。
また自己主張が低い、なじむまでに時間がかかりそうなど孤立しやすい要素を持つ学生には、誰とでも平等に接することができるタイプの学生をセットにするとよいでしょう。
学生の特性やタイプを把握し、相性が合いそうな学生同士がセットになるように考えていくと、バランスの良いクラスが作りやすくなりますよ。
学生と先生の相性も考える
担任になる先生と学生の相性も大切です。バランスが良いクラスだとしても、問題児といわれるタイプ、苦手なタイプの学生がいるクラスは、荷が重いと感じる先生もいるのではないでしょうか。
一番の問題児と考えられる学生はベテランの先生に振り分ける、経験が浅い先生のクラスには協力的な学生を多めにするなど、先生の強みや不安に合わせてクラスを考えましょう。問題への対処もスムーズに進みやすくなります。
それぞれの先生が自分の強みや弱みを洗い出し、学生との相性を考えながら話し合ってみてください。
バランスの良いクラス編成には「サカセルラボ」がおすすめ
バランスの良いクラス編成には、学力の他にも学生の性格や特性を加味して考えることが大切です。しかし入学前は学生のことを完全に理解できていない状態のため、どのように編成するべきか迷いますよね。そこでおすすめのツールが、学生の性格や特性を可視化できる「サカセルラボ」です。
個々のタイプや特性の他にも「対人関係で問題を抱えそうな学生」「生活態度で問題を抱えそうな学生」など、トラブルを起こしそうな学生を把握できます。入学前から実施することで、バランスの良いクラス作りに役立つでしょう。
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まとめ
クラス編成で重視するポイントと、バランスの良いクラス作りのコツを解説しました。学生が楽しい学校生活を過ごすためには、クラス編成が重要なカギです。
偏ったクラスになると、少数の違うタイプの学生にとって居心地の悪い空間となってしまうことも。クラスが楽しくないと感じれば勉強へのモチベーションも下がり、退学を選ぶ可能性もあります。クラス編成は慎重に考えましょう。
バランスの良いクラス編成を考えるために役立つのが、です。10〜15分程度のアンケートに回答するだけで、学生の性格や特性、問題を抱える可能性がある学生を知ることができます。クラス編成に悩んでいる先生は、ぜひ一度ご活用ください。
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佐藤 なおか
移住により新潟で活動するWebライター
趣味は飲み歩き(ビール好き)とドライブ