
2026年4月から道路交通法が改正され、自転車にも「青切符制度(交通反則通告制度)」が導入されました。通勤や買い物、通学など、日常的に自転車を利用する人も多い今、「少しくらいなら大丈夫だろう」という気の緩みが大きな事故に繋がる危険もあるため、日頃からルールを守ることが大切です。
本記事では、改正点をわかりやすく解説します。リスクを高める運転行為や安全運転5則もまとめたので、これを機会に自転車運転に関する理解を深めましょう。自転車通学する学生への指導にもお役立てください。
目次
自転車に関する道路交通法が改正された背景とは?

ルールが強化された背景の一つに、自転車による事故の増加が挙げられるでしょう。たとえば、政府広報室が警察庁の「交通事故統計」を基に作成したグラフによると、携帯電話・スマートフォンを使用していた場合の事故件数は、2016年の58件から2023年には139件へと2倍以上に増加しました。
その後、2024年11月1日に施行された改正道路交通法により、自転車運転中の携帯電話使用に対する罰則が強化。以降は、事故件数が減少傾向にあります。
【2026年4月1日施行】自転車の青色切符制度とは?
青切符とは、比較的軽微な交通違反をした際に交付される「交通反則告知書」の通称です。用紙が青色であることから、このように呼ばれています。
これまでは主に自動車や原付バイクの違反に適用されてきましたが、2026年4月からは自転車にも範囲が拡大されることとなりました。対象となるのは16歳以上の自転車利用者で、一定の交通違反をした場合には反則金の納付が求められます。
導入によって利用者の交通ルールに対する認識が高まり、重大な事故を未然に防ぐ効果が期待されています。
対象となる違反行為と反則金
青切符は、交通ルールに違反している比較的軽微な行為が対象となります。対象となる違反行為は全部で113種類。主な違反行為と反則金は、以下のとおりです。
| 違反行為 | 反則金 |
|---|---|
| ながら運転 | 12,000円 |
| 信号無視 | 6,000円 |
| 歩道通行・逆走 | 6,000円 |
| 一時不停止 | 5,000円 |
| 歩道通行・逆走 | 5,000円 |
| 傘さし運転 | 5,000円 |
| イヤホンで音楽 | 5,000円 |
| 無灯火運転 | 5,000円 |
| 2人乗り | 3,000円 |
| 並進運転 | 3,000円 |
知らなかったでは済まされません。なお、青切符を受け取ったにもかかわらず無視した場合は刑事手続きに移行し、刑事罰が科せられる可能性があります。
悪質な違反は赤切符で対応
青切符の対象は、あくまで軽微な違反行為です。危険性が高く、悪質と判断される行為については、これまで通り「赤切符」が交付されます。具体的には、飲酒運転や無灯火によるひき逃げ、重大な事故に繋がる危険運転行為などが対象です。
赤切符は刑事処分の対象となり、罰金だけでなく前科が付く可能性もあります。「自転車だから大丈夫」と油断せず、日頃から正しい交通マナーを意識しましょう。学生への定期的な指導も大切です。
自転車の青切符導入後の摘発状況は?
警察庁の発表によると、自転車への青切符制度が始まった2026年4月1日からの1カ月間で、全国の青切符交付件数は2,147件(暫定値)に上りました。
最も多かったのは「一時不停止」で846件(40%)。次いで、「ながらスマホ」が713件(33%)、「信号無視」が298件(14%)となっています。
これまで見過ごされがちだった危険行為も、現在は実際に摘発されています。改めて交通ルールへの意識を高めましょう。
通勤・通学時に注意!自転車運転中の主な危険行為4つ
ほかにも、以下の行為は重大な事故に繋がる恐れがあります。
- 音楽を聴きながらの運転
- 傘さし運転
- 2人乗り
- 並進運転
事故を発生させないためにも、これらの行為は絶対に避けましょう。それぞれ解説します。
1.音楽を聴きながらの運転
イヤホンやヘッドホンを使用したままの運転は、周囲の音や危険への気付きが遅れ、重大事故に繋がる恐れがあります。
2026年4月からは、安全運転に必要な音や声が聞こえない状態でのイヤホン使用が青切符の対象となり、違反した場合は5,000円の反則金が科されます。
なお、片耳のみの装着や、オープンイヤー型・骨伝導型イヤホンなど耳を完全に塞がないタイプについては、周囲の音が聞こえる状態であれば違反にはなりません。
2.傘さし運転
傘をさしながらの自転車運転は、片手操作になりやすく、バランスを崩して転倒や接触事故に繋がる危険な行為です。雨の日は視界も悪くなるため、周囲への注意力も低下しやすくなります。
2026年4月からは、こうした傘さし運転も青切符の対象となりました。違反と判断された場合には、反則金が科される可能性があります。
3.2人乗り
自転車の2人乗りは違反行為です。道路交通法では、以下のように定められています。
(乗車又は積載の制限等)第五十七条
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量若しくは積載容量の制限について定めることができる
道路交通法
そして、東京都が定めた東京都道路交通規則には以下の規定があります。
(軽車両の乗車又は積載の制限)
第10条 法第57条第2項の規定により、軽車両の運転者は、次に掲げる乗車人員又は積載物の重量等の制限をこえて乗車をさせ、又は積載をして運転してはならない。
(1) 乗車人員の制限は、次のとおりとする。
ア 二輪又は三輪の自転車には、運転者以外の者を乗車させないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
東京都道路交通規則
つまり自転車の2人乗りは、制限を超えていることになり違反行為となります。違反した場合は、道路交通法の定めにより2万円以下の罰金となるので注意しましょう。ただし、小学校入学前の子どもを専用のシートに乗せる場合など、例外はあります。
4.並進運転
並進運転とは、2台以上の自転車が同じスピードで並んで走る行為です。道路交通法の第19条で禁止されており、違反すれば、2万円以下の罰金または科料となるので注意しましょう。
危険運転を繰り返すと「自転車運転者講習」の受講対象になる
3年以内に2回以上の違反・事故を繰り返した人には、自転車運転者講習の受講が義務付けられています。講習時間は3時間で、受講料は6,150円。命令に従わなかった場合は、5万円以下の罰金です。なお、自転車運転者講習の対象とされる「危険行為」は以下のとおりです。
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 歩行者用道路徐行違反
- 通行区分違反
- 路側帯進行方法違反
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反等
- 交差点優先車妨害等
- 環状交差点安全進行義務違反等
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反
- 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
- 安全運転義務違反
- 妨害運転
- ながらスマホ
- 酒酔い運転、酒気帯び運転
自分だけでなく周囲の安全を守るためにも、自転車を運転する全員が気を付けなければなりません。みんなが安心して道路を利用できる環境づくりのために、危険行為は避けましょう。
事故を起こさないためにも自転車安全運転5則を徹底しよう

警視庁の調査によると、自転車事故でケガをした人の7割、亡くなった人の8割がなんらかの違反をしていたことがわかっています。自分が加害者にならないためにも「自転車安全利用五則」を守りましょう。
- 車道が原則、左側を通行/歩道は例外、歩行者を優先
- 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
- 夜間はライトを点灯
- 飲酒運転は禁止
- ヘルメットを着用
それぞれ解説します。
1.車道が原則、左側を通行/歩道は例外、歩行者を優先
自転車は「軽車両」として定められているため、基本的には車道の左側を通行することが原則です。ただし、道路標識などで指定された場合や13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体の不自由な人は例外として歩道を通行できます。
歩道を自転車で通行する際はスピードを落とし、歩行者に配慮しましょう。自転車のベルを鳴らして歩行者に道をあけさせるのはルール違反です。
2.交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
交差点は、自転車事故が多発する場所です。信号無視や一時停止を怠ることで、大事故に繋がりかねません。信号を守り、一時停止線を越える前に必ず左右を確認しましょう。歩行者やほかの自転車に注意して、安全を確保してから発進してください。
3.夜間はライトを点灯
夜間や暗い場所での走行は視認性が低くなり、車や歩行者との接触事故が発生しやすくなるので充分に注意してください。自転車のライトは自分の進行方向を照らすだけでなく、ほかの車や歩行者に自分の存在を知らせる重要な役割を果たします。
日が暮れてきたと感じたら、早めにライトを点けましょう。また反射材や目立つ色の服を着用するなどの工夫も、安全性を高めるために有効です。
4.飲酒運転は禁止
車の飲酒運転禁止は広く普及しましたが、自転車に関しては「少しくらいの飲酒なら」という気持ちの先生もいるかもしれません。しかし、自転車も同様に飲酒した状態での運転は大きなリスクを伴います。お酒を少しでも飲んだら、決して運転してはいけません。公共交通機関を利用して移動しましょう。
5.ヘルメットを着用
ヘルメットは、万が一の転倒時に頭を保護する重要な役割を果たします。現在ヘルメットの着用は「努力義務」ですが、事故時の致命傷を防ぐ効果があるため、積極的な着用が推奨されています。
まとめ
自転車は手軽で便利な乗り物ですが、ルールを守らないと大きな事故に繋がりかねません。2026年4月からは青切符制度も導入され、自転車の交通違反に対する取り締まりや罰則はこれまで以上に強化されました。
自分自身がケガをするだけでなく、周囲を巻き込む恐れもあることを意識して、日頃からルールを遵守し安全に楽しく利用しましょう。
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宇井 馴次 (うい なれじ)
ウイナレッジ編集部所属のバーチャルヒューマン。
専門学校の先生方の多忙な日常を、お役立ち情報で支える探求者。
私生活では、予測不能な動きを見せる双子の娘に翻弄されるパパ。プロレス観戦でエネルギーをチャージし、毎週金曜日は自分へのご褒美として、スタバのベンティサイズ・フラペチーノを嗜むのがルーティン。
「先生の笑顔が、学生の未来を作る」をモットーに、役立つ情報を発信中。









