
連載専門学校の先生のお仕事ライフハック
全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!
家庭と仕事を両立しながら、学生一人ひとりとも丁寧に向き合いたい――そう考える先生は多いのではないでしょうか。限られた時間の中で教育の質を高めるためには、効率的な時間管理はもちろん、教員同士の連携や学生との信頼関係づくりも欠かせません。
今回は、長年にわたり医療事務検定の全員合格を支え、現在は学科長として学科運営にも携わる米須先生に、仕事と家庭を両立するための工夫や、学生と向き合う際に大切にしていることについてお話を伺いました。

専門学校 日経ビジネス
キャリアビジネス科 学科長
米須麗 先生
姉妹校である専門学校 那覇日経ビジネスを卒業後、医療事務として勤務し実務経験を積む。母校からの誘いをきっかけに教員へ転身し、13年間医療事務クラスの担任を務める。現在はキャリアビジネス科の学科長として、学科運営や学生募集に携わっている。
目次
経歴 ・先生になった理由
不安だらけのスタートから、学生の成長が原動力に
本校の姉妹校である専門学校 那覇日経ビジネスを卒業後、県外の医療機関で医療事務として実務経験を積みました。
本校には、卒業後も転職などのサポートを受けられるという特徴があります。沖縄へ帰郷するタイミングで学生時代にお世話になった就職指導の先生へ連絡したところ、教員はどうかと声をかけていただき、それが教員へ転身するきっかけとなりました。
最初は、「自分に務まるのだろうか」という不安しかありませんでした。特に専門学校は、学生を検定や資格に合格させるという大きな責任があります。本校は「医療事務検定受験者の全員合格」を長年達成しており、その実績を自分が守り続けられるのかという不安も大きかったです。
ただ、学生時代を振り返ると、担任の先生をはじめ、就職指導の先生やほかの先生方も熱意にあふれ、本当にたくさんの愛情を注いでくださいました。その情熱を今度は自分が後輩たちへつないでいきたい、何かしらの形で恩返しがしたい。そんな思いから、教員になることを決めました。
当初は不安を抱えながらのスタートでしたが、学生たちの成長を間近で見守る喜びに魅了され、気が付けば教員15年目を迎えています。
現在の業務
学科運営を担いながら、学生とのつながりも大切に
キャリアビジネス科の学科長になり、今年で2年目になります。現在は、カリキュラムの構築や学科マネジメント、オープンキャンパスや高校でのガイダンスなどの学生募集活動を主に担当しています。
学科長になる前は、医療事務クラスの担任として授業全般を担当していました。今でも、就職関連やメンタルヘルスの授業を担当することがあります。また、今後は学生との関わりを増やすため、Excelの授業も担当する予定です。
やりがい・おもしろさ
学生の成長を、誰よりも近くで見届けられる喜び

学生たちの劇的な成長を、一番近くで日々実感できることが何よりのやりがいです。
オープンキャンパスで初めて出会った頃や入学したばかりの頃は、まだあどけなかった学生たちが、壁を乗り越えるたびに見違えるほど頼もしく成長していきます。その瞬間に立ち会えたときの感動は、言葉では言い表せません。
例えば、人前で話すことが苦手で、とてもおとなしかった学生がいました。その学生は、検定や試験を一つひとつクリアし、最終的に面接試験を含む難易度の高い検定にも合格しました。最初は面接でもうまく話せず、何度も注意されていましたが、どんどん変わっていき、今では立派にクリニックで活躍しています。
また、笑顔を見せることが苦手で表情が乏しかった学生も、少しずつ笑顔が出せるようになり、第一志望の医療機関に就職しました。現在では、後輩指導を任されるほど成長しています。
私はできるだけ学生にはっきりとできていないことを伝えるようにしていたので、「全然聞こえないよ!」「面接官は事情をくみ取ってはくれないよ!」など、ときには厳しく言い過ぎたこともあったかもしれません。それでも逃げずに乗り越え、成長していく学生の姿には、本当に力をもらいます。
達成感を得た経験
努力を積み重ねた先にある「全員合格」の達成感
医療事務クラスの担任を務めていた13年間、医療事務検定受験者の全員合格を達成し続けることができました。
本校では私が教員になる以前から全員合格を維持していたため、学生自身も「自分だけが不合格になってしまったら…」と、大きなプレッシャーを感じていたと思います。
そのため、思うように点数が伸びず、落ち込んでしまう学生もいました。でも、落ち込んでいるだけでは点数は上がりません。今何をすべきなのか、もっと問題を解く必要があるのではないか、苦手な分野としっかり向き合い、何度も繰り返し問題に取り組もうと伝えながら、一緒に努力を積み重ねてきました。
そして、自分と向き合い、努力を続けた学生たちが合格を勝ち取った瞬間、「この仕事をやっていて本当に良かった」と、心の底から感じました。初めて担任を受け持ったクラスが全員合格を果たしたときの、学生たちの表情は今でも忘れられません。
お仕事ライフハック
効率化と学生理解、その両立を支える時間管理術
業務時間内にタスクを完結させるため、学校で使用しているTeamsの予定表でスケジュール管理するとともに、手帳にも予定を書き込み、優先順位や締め切りを整理しています。
家にはパソコンを持ち帰らないようにしているので、どこにいても確認できる手帳は欠かせません。子どもの学校行事などプライベートな予定も書き込んでいるので、仕事と家庭のスケジュールを照らし合わせながら管理する目的でも、アプリと手帳を併用しています。
また、採点の時間を大切にしています。例えば、検定本番で字がすごく汚ければ、正解だとしても採点する側が字を読めず×になる可能性もある。日頃から教員が目を通すことで、そういったところから指導することができます。
採点は非常に時間がかかる作業ですし、今の時代は効率化が求められている部分かもしれません。ですが、学生一人ひとりの得意・不得意を把握するために大切な時間だと考えています。
学生とのコミュニケーション
小さな変化を見逃さず、教員同士で学生を支える
担任をしていた頃は、ショートホームルームでの様子や授業中の姿勢、返事の仕方、授業への取り組み方などを見て、「今日はいつもと違うな」と感じたら、その後「今日どうしたの?」と声をかけたり、テストに一言メッセージを書いたりしていました。採点の時間を大切にしているのには、そういった理由もあります。
現在は学科長という立場なので、学生との距離感は以前よりも意識しています。気になる様子があれば、まずクラス運営の中心である担任へ状況を伝えたり、必要に応じて自分から学生へ声をかけたりしながら、多方面から学生を見守れるよう、担任との連携を大切にしています。
ワークライフバランス
仕事と家庭の心地よいバランスを築く
現在は子育て中ということもあり、子どもの成長を最優先に考えながら日々のスケジュールを組んでいます。
以前は休日も学生からの連絡に対応することがあり、それを負担に感じたことは一度もありませんでした。ただ、子どもの成長を考えたときに、「仕事と家庭はしっかり分けたほうがいい」と考えるようになり、仕事を家へ持ち帰らない工夫をするようになりました。
担任をしていた頃は、「先生はこの時間以降は学校に残れないから、提出物や相談があればそれまでにお願いね」と学生にもきちんと伝え、協力してもらっていました。学生も含めた一つのチームとして動くことで、時間管理が上手くいくようになりました。
もちろん今でも、休日に学生の顔がふと浮かぶことがあります。完全に仕事とプライベートを切り離せているかと言われると、正直難しい部分もあります。
だからこそ、勤務時間内で仕事を終えられるよう効率化を徹底し、仕事にも家庭にも妥協せず向き合える環境をつくっています。私にとっては、今が一番心地よいバランスですね。
学校の自慢
教員と学生が本気で向き合うからこそ実現する高い実績

本校は、すべての学科で検定・資格取得・就職など、さまざまな分野において長年高い実績を積み重ねています。
例えば、公務員ビジネス科では過去10年以上、沖縄県内で最も多くの公務員試験最終合格者を輩出しており、「大卒程度試験 国家一般職」の最終合格者も数多く送り出しています。キャリアビジネス科では日商簿記の全員取得、グローバルビジネス科ではTOEIC高得点取得など、挙げればきりがありません。
そうした実績を支えているのは、まず先生方の存在があります。長年の経験があるからこそ、学生の気持ちを前向きにするための引き出しをたくさん持っていますし、粘り強く、簡単には諦めない先生が多いです。
また、卒業生がさまざまな業界で活躍し、学校に来て話をしてくれる機会も多くあります。その姿が在校生にとって大きな刺激となり、「自分も頑張ろう」という前向きな気持ちにつながっています。
そして何より、学生自身が「夢や目標をかなえたい」「自分を変えたい」という強い思いを持って努力してくれています。教員だけ、あるいは学生だけの力では、この実績は生まれません。
教員と学生が本気で向き合い、お互いに高い目標を共有しているからこそ、長年にわたって高い実績を積み重ねられている。それが本校の一番の魅力であり、自慢できる点だと思います。
一日のスケジュール
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8:00出社
一日のスケジュールを確認します。
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8:15学科ミーティング・朝礼
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9:20午前の授業
授業がない日は授業準備や会議の資料作成を行います。
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13:10お昼休憩
お弁当を持参しています。
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14:10午後の授業
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16:00翌日のスケジュール確認
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17:15帰宅
子どもを迎えに行き、その日の出来事を話しながら帰ります。
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19:30夕食
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20:30家族団らん
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22:00就寝
必須アイテム

手帳&学生からのメッセージ
アナログ人間なので、手帳は欠かせません。また、検定前に学生たちからもらったたくさんのメッセージも、私にとって大切な宝物です。見返すたびに「よし、頑張ろう」と、自分を奮い立たせてくれます。
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「ウイナレッジ」を運営する教育専門出版社。
30年以上にわたり、全国の専門学校、大学、職業訓練校へ教材を提供してきた知見を活かし、教職員の皆様に役立つ実務ノウハウを発信しています。
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