
連載専門学校の先生のお仕事ライフハック
全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!
学生一人ひとりの個性や背景が多様化するなか、知識や技術を教えるだけでなく、学生の声に耳を傾け、信頼関係を築く力も教員にとって重要となっています。特に、悩みや不安を抱える学生に寄り添って成長を支えることは、専門学校教育において重要な役割の一つです。
第17回となる今回は、社会福祉士・精神保健福祉士の知識を活かし、「まず受け止める」ことを大切にした学生対応を実践している、中村国際ホテル専門学校の永尾賢先生にお話を伺いました。

中村国際ホテル専門学校
永尾賢 先生
福祉系専門学校と通信制大学で学び、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得。精神障がい者の就労支援施設で指導員として勤務後、母校の専門学校で教務として教育業界へ転身。現在はホテル・ブライダル分野の学生を対象に、パソコン教育や学生指導に携わっている。
目次
経歴 ・先生になった理由
福祉職から教員へ。変わらなかった“教えたい”気持ち
福祉系の専門学校へ進学する際、学校が提携している通信制大学があり、同時に入学、卒業しました。社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得して、精神障がい者の就労支援施設で2年間、指導員として勤務しました。退職後、母校である専門学校から声をかけてもらい、教務として母校に戻ることに。
中学生の頃、少し成績が良くて、友人に勉強を教えていたことがありました。教えている友人たちの成績がどんどん良くなるのが楽しくて。実はその頃から教員志望だったんです。
そのため、「授業をやりたいな」と思いながら働いていたところ、偶然パソコンの先生が足りなくなり、授業を担当させてもらえることになりました。そこで改めて教える楽しさを実感し、教員になりたいという思いが再燃。その後、本格的に教員を目指し、ご縁があって中村国際ホテル専門学校に入職しました。
現在の業務
独学で磨いたパソコンスキルで学生を指導

現在は、中村国際ホテル専門学校、中村調理製菓専門学校の2校にてPC実務、インターネット入門、AI入門などの授業を主に受け持っています。そのほか、ホスピタリティ学科1年生の担任業務、実習指導、就職指導、教務も担当しています。
パソコン系の実務経験はありませんが、子どもの頃からパソコンが好きで、独学で学び続けてきました。学生時代から得意分野でもあり、母校から声をかけられたのも「パソコン得意だったよね?」という一言がきっかけでした。
やりがい・おもしろさ
学生の成長を間近で見られることが最大のやりがい
やはり一番のやりがいは、学生の成長を間近で見られることです。最初は何もできなかった学生が、卒業する頃には見違えるほど成長している。その変化を感じられることに、大きな喜びがあります。
また、実習先の企業の方とお話しする機会も多いのですが、就職した卒業生の活躍を聞くと、「頑張っているんだな」とうれしくなります。実習先で卒業生に再会することもあり、成長した姿を見ると感慨深いですね。
それから、休み時間や放課後には、よく学生がパソコンに関する質問をしに来るのですが、その際、「先生、聞いてよー」と何気ない話をしてくれることが多いんです。本当に些細な質問でも次々と来るので大変ですが(笑)、授業以外の場面で関わることで学生との距離も縮まります。「先生の休み時間ないじゃんかー」と言いながらも、実際には学生との会話を楽しんでいます(笑)。
達成感を得た経験
一人ひとりに向き合って叶えた学生の成長と成功
私は「自分はもともと福祉の人間なんだよ」「専門的な知識もあるから、相談があったら気軽に聞きにおいで」と最初に学生へ伝えています。
そのため、「今ちょっと病んでいて…」と相談に来る学生もいます。「学校を辞めたいです」と話してくれた学生もいました。継続して話を聞きながら悩みを整理し、アドバイスを続けた結果、その学生が卒業まで頑張ってくれたときはうれしかったですね。
また、これは以前勤めていた学校での経験ですが、コンピュータサービス技能評価試験にクラス全員が合格したことがありました。
「絶対に取りたいんです。でも分からないんです」と相談してくれた学生たちに、とことん付き合いました。一人ひとりの理解度に合わせて個別指導を行い、全員合格を達成できたときの喜びは今でも忘れられません。
現在も「絶対に全員合格!」を目標にしていますが、この経験が今の自分のモチベーションにつながっています。
お仕事ライフハック
「まず受け止める」ことを意識した学生対応

学生対応で大切にしているのは、学生が訴えていることや考えていることを、まず受け止めることです。
学生に「話を聞いてもらえるんだ」と感じてもらうために、徹底的に話を聞きます。こちらが初めから「いや、それは違うよ」と否定してしまうと、学生は話すことをやめてしまうかもしれません。
学生自身も何かを考えた上で行動しているはずです。だからこそ、指導する前にまずしっかりと話を聞く。そうすることで、より的確な指導につながると思っています。
また、学生から相談を受ける際には、教員として話す場合と、福祉職として話す場合を意識的に使い分けています。
例えば、「こういう傾向があるかもしれないから、こんな対策を試してみたらどうかな」といったように、精神保健福祉士としての知識を生かして助言することもあります。場合によっては、教員としてアドバイスするよりも学生自身が納得しやすいのではないかと感じています。
あと、学生から「先生、私たちの間で起きていることに気づいていますよね?」と言われることがよくありまして。就労支援施設で働いていた頃、別の作業をしながらでも常に全体を見て、異変があればすぐ声をかけることが求められていました。その経験が今も生きていて、別の仕事をしているときでも自然と周囲に意識が向いているのだと思います。そのため、「何かあったのかな」という小さな変化に気づきやすいのかもしれません。
ワークライフバランス
家族との時間も趣味も大切に。メリハリを意識
時期によっては忙しいこともありますが、ワークライフバランスは比較的取れていると思います。
本校は筆記試験があるため、試験前は放課後の学生フォローや採点業務が重なり、帰宅が遅くなることもあります。
それ以外の時期は家族や子どもとの時間も確保できていますし、趣味のヴィオラの時間も取れています。高校の部活動で始めて以来続けていて、今はアマチュアオーケストラに所属し、仕事終わりや休日に楽しんでいます。

学校の自慢
教室だけでは学べない実践力を育む4年制教育
本校には、専門学校では珍しい4年制コースがあり、より実践的なカリキュラムを用意しています。
その一つが「企業フィールドワーク」です。ホテルやブライダル企業の経営課題を抽出し、解決策を提案する授業です。
口コミ分析や実地調査を行い、課題を整理した上で解決策を考え、経営層へプレゼンテーションを行います。課題発見から提案までの一連の流れを実体験できる貴重な機会です。
協力いただく企業も本気で向き合ってくださるので、学生が厳しい指摘を受けて落ち込むこともあります。
そんなとき私は、「経営層に直接プレゼンする機会なんて、社会人になってもなかなかない。それを今経験できるなんて最高じゃない!」と伝えています。
私自身、そのような経験をしたのは本校に勤務してからでした。しかもそのとき初めて「そのやり方じゃだめだよ」と厳しい指摘を受けたので、学生たちが少しうらやましく感じることもあります(笑)。
また、企業側も非常に良い機会だと捉えてくださっていて、学生が提案した解決策が実際に採用されることもあります。
今後も力を入れていきたい授業です。
一日のスケジュール
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9:00出社
メールチェック、スケジュール確認などを行います。
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9:20HR、授業
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12:40昼食
学食を利用しています。
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13:30授業
授業がないときは、教務業務、課題チェック、授業準備などを行います。
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17:00HR
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18:00帰宅
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19:00夕食・お風呂・趣味の時間
オーケストラの練習がある日は参加。
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21:00消灯
子どもの寝かしつけをします。
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22:00自由時間
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0:00就寝
必須アイテム

パソコン
何かあった際にいつでもどこでも対応できるよう、メモやスケジュール、ToDoリストなど、仕事に関する情報はすべてパソコンに集約しています。
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