
ホワイトボードの文字を消したのに、うっすらと跡が残ってしまう。何度こすっても、きれいに取れない。そんな経験はありませんか?
授業と授業の合間や、会議が始まる直前は特に困ります。焦って強くこするほど、かえって跡が広がってしまうことも。学生の目に触れる備品だけに、汚れたままにはしておけませんよね。
この記事では、文字が消えなくなる原因と、ボードを傷めずに汚れを落とす方法を、メーカーが公開している情報をもとに解説します。日頃のお手入れで防ぐコツもあわせて紹介します。
目次
ホワイトボードの文字が消えない4つの原因
ホワイトボードを製造しているプラス株式会社は、公式コラムのなかで原因を4つ挙げています。
- マーカーの劣化
- イレーザーの汚れ
- ボード表面・コーティングの劣化
- 消すタイミングの間違い
出典:プラス株式会社「ホワイトボードの文字が消えない!きれいにする方法・掃除術をプロが徹底解説」
それぞれ解説します。
1. マーカーが劣化している
色が薄くなったり色ムラが出たりしたら、そのマーカーは劣化しています。マーカーに含まれる剥離剤の効果が弱まっているサインで、そのまま書き続けるとインクがボードに固着してしまいます。
職員室のホワイトボードに、いつから置いてあるかわからないマーカーが何本も溜まっていないでしょうか。書きにくいと感じたら、そのマーカーは寿命です。
2. イレーザーが汚れている
意外と見落としがちなのがイレーザーです。長く使っていると、消したインキがフェルトの奥に溜まっていきます。
消しカスが詰まったイレーザーを使い続けると、汚れを広げるだけでなく、ボードの表面を傷つける原因にもなります。
イレーザーは消耗品です。フェルト面が黒ずんできたら、洗浄や交換の時期だと考えましょう。
3. ボードの表面が劣化している
ホワイトボードの表面には、インキが染み込まないようコーティングがされています。長年使ううちにこの層がすり減ると、細かい傷にインキが入り込んで残るようになります。
特定の場所だけ消えにくい場合は、その部分が傷んでいるのかもしれません。
毎日使う職員室のボードと、たまにしか使わない教室のボードでは、傷み方に差が出ます。同じ校内でも消えにくさに違いが出るのは、このためです。
4. 消すタイミングを間違えている
遅すぎても早すぎても消えにくくなります。1日以上放置するとインクが固着しますが、逆に書いた直後にこすると、乾いていないインクが広がってしまいます。
プラス株式会社によると、インクが乾く20〜30秒後がベストタイミングです。授業で書いた内容をそのままにすると、次の授業で消す際に苦労することもあります。
そもそも文字が消える仕組み
なぜ書いた文字は消えるのか。仕組みを知っておくと、対処法の意味もわかりやすくなります。マーカーを製造しているパイロットによると、そのインキは次の4つの成分でできています。
- 顔料:色のもと
- 樹脂:顔料同士をつなぐ
- 剥離剤:顔料と樹脂を包み、ボードから浮き上がらせる
- 溶剤:3つの成分を混ぜ合わせる
この4つがどう働くのかを見ていきましょう。
乾くとインキが膜になる
パイロットは、この4つが順番に働くと説明しています。まず空気に触れると溶剤が揮発します。次に樹脂がつなぎ役となって顔料同士をまとめます。このとき剥離剤だけは混ざらずに外側へ押し出され、顔料と樹脂を包み込んで膜を張った状態になります。
できあがった膜は、ボードからごくわずかに浮いています。そのため専用のイレーザーでこすると、膜ごとするりと剥がれるという仕組みです。
出典:パイロット「ホワイトボードマーカーのしくみを教えて!!」
文字は浮いているだけ
つまり、文字はボードに染み込んでいるのではなく、浮いた膜として乗っているだけです。だからこそ軽く拭くだけで消えます。
逆にいえば、この膜がうまく生成されなかったり、剥がれにくくなったりすると消え残ります。先ほどの4つの原因は、どれもこの膜の働きを邪魔するものだと考えると納得できるのではないでしょうか。
消えないときの対処法

ここからは実際の汚れの落とし方です。いきなり強い方法を試すと、かえってボードを傷めてしまう場合もあるため、弱いものから順に進めるのが安全です。次の3段階で考えましょう。
- 水拭きと乾拭き
- 専用クリーナーか消毒用エタノール
- 油性マーカーで書いてしまったときの対処
それぞれ解説します。
1. まずは水拭きと乾拭き
プラス株式会社が最初に挙げているのは水拭きです。布を硬く絞ってボード全体を水拭きし、そのあと乾いた布で乾拭きして水分を残さない。この2段階が基本になります。
これだけできれいになることもよくあります。乾拭きまでを1セットと考えましょう。
2. 専用クリーナーか消毒用エタノール
水拭きで落ちない場合は、ホワイトボード専用のクリーナー、または消毒用エタノールを使います。柔らかい布に含ませて優しく拭き取り、部分的にではなく全体の皮脂や油汚れをまとめてリセットします。
消毒用エタノールは職員室に置いてある学校も多いので、手軽に試せる方法ですよ。
3. 油性マーカーで書いてしまったとき
間違えて油性マーカーで書いてしまうこともあります。パイロットはよくある質問のなかで、油性マーカーはアルコールで溶けるため、アルコールを含んだウェットティッシュで拭き取るか、専用のボードクリーナーを吹き付けて拭き取るよう案内しています。
ただし注意点があります。同社は「ホワイトボードに表面加工がある場合、アルコールにより塗装等へ影響を及ぼすこともあります」と添えています。目立たない場所で試してから全体に使うほうが安心です。
出典:パイロット「ホワイトボードに間違えて油性マーカーで書いてしまいました。取る方法を教えてください。」
やってはいけない4つのこと
消えないと焦ると、つい力を入れたり強い薬剤を使ったりしたくなります。ところがプラス株式会社は、次の行為を絶対にNGとしています。
- 強くこする
- シンナーやベンジンを使う
- 界面活性剤を含むクリーナーを使う
- たわしなど硬いもので削る
なぜ避けるべきなのか、順に見ていきましょう。
削れた層は元に戻らない
いずれも表面のコーティングを傷めます。一度削れた層は元に戻りません。その場は消えたように見えても、次からもっと消えにくいボードになってしまいます。
文字が消えるのは剥離剤の膜が剥がれるからです。その膜を受け止める表面を削ってしまうと、仕組みそのものが働かなくなります。
ネットの裏技は試す前に確かめる
インターネットで検索すると、研磨用のスポンジや溶剤を使う方法も出てきます。ただ、メーカーが公開している手順に載っていない方法は、試す前に一度立ち止まったほうがよいでしょう。備品は学校の資産でもあります。
日頃のお手入れも、特別なことは要りません。使い終わったら乾いた布でひと拭きする。イレーザーが汚れてきたら取り替える。この2つを習慣にするだけで、消えにくくなる状態は防げます。
なお、ホワイトボードの上手な書き方についてこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事: ホワイトボードの上手な書き方とは?見やすくするコツと使い方を解説
まとめ
ホワイトボードの文字が消えないとき、力任せにこするのはいちばん避けたい対処です。押さえておきたいのは次の3点です。
- 原因は主に4つ。マーカーの劣化・イレーザーの汚れ・ボード表面の劣化・消すタイミングの遅れ
- 汚れを落とすときは水拭きと乾拭きから。落ちなければ専用クリーナーか消毒用エタノールを柔らかい布で
- 強くこする、シンナー、界面活性剤入りクリーナー、たわしは表面を傷めるので使わない
いちばん確実な予防は、その日のうちに消してしまうことです。授業が終わったらボードをさっと拭くことを心がけましょう。
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宇井 馴次 (うい なれじ)
ウイナレッジ編集部所属のバーチャルヒューマン。
専門学校の先生方の多忙な日常を、お役立ち情報で支える探求者。
私生活では、予測不能な動きを見せる双子の娘に翻弄されるパパ。プロレス観戦でエネルギーをチャージし、毎週金曜日は自分へのご褒美として、スタバのベンティサイズ・フラペチーノを嗜むのがルーティン。
「先生の笑顔が、学生の未来を作る」をモットーに、役立つ情報を発信中。









