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TOP特集インタビュー「効率化」と「学生の学習成果」を両立するメソッドを追求 | 麻生外語観光&ブライダル専門学校【教員インタビュー】

「効率化」と「学生の学習成果」を両立するメソッドを追求 | 麻生外語観光&ブライダル専門学校【教員インタビュー】

連載専門学校の先生のお仕事ライフハック

全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!

学生一人ひとりの成長に寄り添いながら、教育の質を高めていくためには、学生との向き合い方だけでなく、日々の仕事の進め方も工夫することが大切です。限られた時間をどう使い、学生と向き合う時間を生み出すか。教員にとって重要なテーマの一つではないでしょうか。

今回は、ホテル業界での実務経験を経て母校の教員となり、現在はホテル学科の部門長として学生指導から学校運営まで幅広く携わる木村先生に、「時間がないからこそ、やり方を変える」という発想のもと進めている取り組みについて教えていただきました。

麻生外語観光&ブライダル専門学校

木村匡志 先生

麻生外語観光カレッジ(現・麻生外語観光&ブライダル専門学校)ホテル・リゾート科を卒業後、東京のラグジュアリーホテルに入社。バーテンダー、レストランサービス、資材部(仕入・購買部門)を経験した後、母校へ入社し教員に転身。現在はホテル学科の部門長として、ホテル・リゾート科の学生指導や授業、学科運営など幅広く携わっている。

経歴 ・先生になった理由

「ホテルの魅力を伝えたい」から始まった、教員への転身

麻生外語観光カレッジ(現・麻生外語観光&ブライダル専門学校)のホテル・リゾート科を卒業後、東京にあるラグジュアリーホテルへ入社しました。バーテンダー、レストランサービス、資材部(仕入・購買部門)を経験し、仕事にとてもやりがいを感じていました。

そんな中、第二子が生まれるタイミングで、地元・福岡へ戻ることを決めました。ホテル業界で培ってきた経験や財産を活かせる仕事がしたいと思い、母校の求人を見てみると、広報を募集していました。「ホテル業界の魅力を高校生に伝える仕事もいいな」と応募したところ、学生時代にお世話になった恩師から「教務の仕事に興味はないか」と電話がかかってきまして。

そこからご縁がつながり、母校に教員として入社することになりました。

現在の業務

教員として、卒業生として、学生を支える

ホテル学科の部門長として、学校運営に関わる書類の作成や会議への参加、先生方の勤怠管理、学生の進路相談など、学校運営から学生対応まで幅広い業務に携わっています。

一方で、ホテル・リゾート科の担任として、ホームルームや学生対応を日々行い、授業ではホテルビジネス、レストランサービス、キャリアデザインなどを担当しています。

部門長、担任、授業担当と、さまざまな立場から学生と関わることが、現在の主な仕事です。

また、教務の傍ら、麻生塾の卒業生を支援する組織「校友会」の会長も務めています。卒業生を集めての同窓会の実施や在校生が全国大会などに出場する際の支援などを行う組織なのですが、私自身も卒業生なので、学生に対してできる限りのサポートができたらと思っています。そのため、校友会の活動については、あまり仕事という感覚はありません。

やりがい・おもしろさ

学生の「成長」と「その後」を見届けられる喜び

一つ目は、目の前にいる学生の成長を感じられ、うれしいことも悔しいことも一緒に共有できるところです。

些細なところで言うと、日々の授業の中で「もっと上手になりたいから、どうすればいいですか」「こんな風にやってみたんですけど、どう思いますか」と、自分なりに工夫している姿に成長を感じてうれしくなります。

また、特に印象深いのは、就職活動です。企業から内定の連絡をもらったときに、学生が泣きながら報告に来てくれることがあります。面接練習では私も厳しく言いますし、不採用になって苦しい思いをしている姿もそばで見ています。そんな中で、一生懸命頑張って内定をもらい、うれし泣きしている学生の姿は、本当に輝いて見えます。

私はサッカーが好きなのですが、本田圭佑選手の言葉に「成功にこだわるな、成長にこだわれ」というものがあります。学校生活は、まさしくそうだと思っています。

目標に向かって一生懸命に取り組んでいる姿、できなかったことができたときのうれしそうな表情、結果は振るわなかったけれど「次また頑張ります」と前を向く姿。そうした学生の輝いている瞬間を身近で見ることができ、そこに「先生」という存在として関われることに、大きなやりがいを感じています。

二つ目は、卒業生が学校に来てくれて、いろいろな話を聞かせてくれることです。学生時代にやんちゃだった子に対して「ずいぶんと大人になったな~」と感じることも多く、いつも話が尽きません(笑)。

二年課程という限られた期間の中で、学生自身が変わることは、なかなか難しいと感じています。「いつか気づいてくれるかもしれない」「卒業した後で役に立てば」と思いながら接しているので、社会でたくましく働いている姿を見ると、自分が少し学生の役に立てたのではないかと感じることができ、とてもうれしいです。

そんな想いもあって、校友会の会長としても「卒業生は宝」という言葉を大事にしています。

達成感を得た経験

3つの賞につながった、授業と学生指導の工夫

麻生塾では毎年、「麻生塾Award」という、各組織や個人の1年間の取り組みを振り返り、表彰する制度があります。複数の賞があるのですが、その中で「ベストティーチャー賞」「ベストプラクティス賞」「経営功労賞」の3冠を達成しました。

3つの賞をいただけたことは大きな達成感がありますし、自分自身が本気で取り組み、積み重ねてきた努力を評価していただけたことで、自信にもつながっています。

特に「ベストティーチャー賞」は、学生アンケートをもとに選んでいただく賞なので、とてもうれしかったです。

「ベストプラクティス賞」は、評価方法を見直した取り組みを評価していただきました。レストランサービスなどの実技は、採点が難しく、教員が一人で学生を評価する形でした。それを「これができたら○、ここができていなければ×」というように評価基準を見える化しました。もちろん、私も国家検定などにおける本当の採点基準を知っているわけではありませんが、有識者の方に意見を伺いながら、誰でもシンプルに○×で評価できる形に整えました。そして、その評価基準をもとに、学生自身が採点できるようにしたんです。その成果もあり、「レストランサービス技能検定3級」で全員合格を達成することができました。

「経営功労賞」をいただいたのは、いくつかの取り組みを評価していただいた結果です。例えば、もともと担当している授業もある中で、急遽「ホテルビジネス実務検定」の授業も担当することになった際、どうにか両立できないかと考えました。そこで、パーテーションを外して一つの教室として使える教室があったため、2クラス合同で授業を実施することにしました。

また、私はできていない学生に『居残りね』『宿題ね』と言うよりも、頑張っている学生を評価することを大切にしています。そこで、学生のモチベーションを高めるためのカードを作りました。例えば小テストで満点を取ったり、グループワークで1位になったりしたらカードを1枚もらえ、20枚集めるとゴールドカードになります。ゴールドカードを持っている学生には、合同授業で好きな席を選べるといった特典を用意しました。これには学生たちも楽しんでくれて、一生懸命取り組むようになりました。

こうした取り組みにより、業務を効率化しながら、学生のモチベーションを高め、合格率を下げないための工夫ができたと思います。学生がよく頑張ってくれたこともあり、検定の合格率も非常に良い結果となりました。

この成果は決して私一人で生み出せたものではありません。まだまだ未熟な私を信じてついてきてくれる学生、向上心を持ってひたむきに頑張ってくれる学生、クラスのために主体的に協力してくれる学生、そして、時には厳しく、時には温かく叱咤激励してくださる先生方。そうした多くの人との出会いや支えがあったからこそ、3冠という結果につながったのだと、心から感謝しています。

お仕事ライフハック

発想を転換して自分なりのメソッドを見つける

私が大切にしているのは、「時間がないからできない」のではなく、「時間がないからこそ、やり方を変える」という発想です。これを「木村式メソッド」と呼んでいます(笑)。

教員の仕事は、授業準備、学生対応、書類作成、会議など、とにかくやることが多く、すべてを従来のやり方で行おうとすると、時間はいくらあっても足りません。そこで、これまで当たり前だと思っていた仕事の進め方を一度見直し、AIなどの新しいツールも積極的に取り入れながら、「もっと効率よく成果につなげられないか」と考えるようにしています。

ただし、目指しているのは単なる業務の効率化ではありません。負担を減らして生まれた時間を、学生と向き合う時間や、より良い評価方法を考える時間に充てることが大切だと考えています。

私自身、こうした考え方のもとで授業や検定対策の仕組みを見直し、先ほどお話しした取り組みを実践することで、授業の効率化と学生の学習成果の両方につなげることができました。

決して、すべてを一度に変える必要はないと思います。まずは「この仕事、本当に今までと同じやり方でしかできないのかな?」と疑ってみること。それぞれの現場に合った「自分なりのメソッド」を見つけることが大切だと思います。

学生とのコミュニケーション

学生が「こんな大人になりたい」と思える姿を見せる

昨今の教育現場では当たり前の言葉になっていますが、私が心がけているのは「伴走」です。

専門学校という、社会に出る前の最後の教育機関に携わる立場として、学生が卒業後、自分自身で物事を判断し、自走できるように。そして、多様な学生一人ひとりの理解者となり、学生から「こんな大人になりたい」と思ってもらえるような先生でありたいと、日頃から意識しています。

例えば、どんなに忙しくても、朝は必ず明るく元気に「おはよう」と挨拶する。一方的に教えたり、指導したりするのではなく、学生に対しても尊敬の気持ちを持って話を聞く。分け隔てなく、みんなと接する。そうしたことを大切にしています。

また、学生からの相談事や就職活動の話をした最後には、「決断は自分自身で!そして、決断したことを信じて進めましょう!」というのが口癖です。

そういった積み重ねの成果なのか、先日学生にとったアンケートで、「お手本になるような言葉遣いや態度で尊敬しています」「どんなときでも支えてくれる」「一人ひとりと向き合ってくれる」「担任が先生で良かった」「木村先生みたいになりたいです」といった言葉が綴られていて、涙が出そうになりました。

ワークライフバランス

仕事もプライベートも、目標を持って楽しむ

仕事にはやりがいを、プライベートには楽しみを見つけて過ごせているので、バランスはとれていると思います。

最近は週3回、10~15kmの朝ランを続けていて、定期的に走らないと落ち着かない体になってきました。まだ薄暗いうちから走り始め、空が明るくなっていくのを感じながら走るのは、とても気持ちがいいです。目標は、初マラソンでのサブ4.5達成、40代でサブ4達成、そして50代で家族旅行も兼ねてホノルルマラソンに出場することです(笑)。

プライベートでも目標を持つことで楽しめるタイプなので、「忙しくて大変」というよりも、こうした楽しみがあることでバランスが保たれています。ただ、ストイックすぎるところが欠点かもしれません(笑)。

学校の自慢

変化を恐れず、より良い教育を追求

本校では、学生一人ひとりの「なりたい自分」を実現するために、授業だけでなく、資格取得や就職活動、日々の学校生活まで含めたキャリア教育に力を入れています。

特に、社会に出た後を見据えて、学生自身が考え、行動することを大切にしています。教員が一方的に教えるのではなく、学生の主体性を引き出しながら、それぞれの目標に向かって成長できる環境づくりを進めています。

また、時代の変化に合わせて、AIなどの新しいツールや教育手法も積極的に取り入れています。

例えば「教育力マネジメント委員会」では、先生同士で授業を見学し合い、アクティブラーニングなどのアイデアを共有することで、学校全体の授業の質を高めています。

AIの活用については、麻生塾全体で積極的に進めており、麻生塾オリジナルのAIシステムがあります。学生は授業で学んだ内容をスマートフォンから確認したり、通学中などのちょっとした時間に問題を解いたりできます。面接練習もチャットボットを使ってできるようになっています。

先生方も、これまでの資料や授業のデータをAIに学習させて活用しています。私も小テストの問題を入れて、例えば10点満点中5点だった学生には、間違えた問題についてAIからヒントをもらいながら、もう一度解いてもらうといった活用をしています。

こうした仕組みによって、テキストが手元にないときでも、通学中やアルバイト終わりなどのちょっとした時間に学習できるようになりました。学生が主体的に学べる環境が、整ってきていると感じています。

一日のスケジュール

  • 4:30
    起床、朝ラン

    バナナとコーヒー1杯を飲んでから走るのがルーティンです。

  • 9:00
    出社

    朝礼にて情報共有を行います。

  • 9:20
    ホームルーム

    いつも明るい挨拶を心がけています。

  • 9:30
    午前の授業

    授業がないときは、授業準備や事務作業、学科運営業務など。

  • 12:45
    昼休み
  • 13:30
    午後の授業

    授業がないときは、学生の出席登録や面接練習、会議など。

  • 16:45
    ホームルーム

    伝達事項の確認、教室掃除。掃除当番は分担制ではなく自主制!それでもしっかり成り立っている自慢の学生たちです。

    万座毛
  • 18:30
    帰宅

    翌日の準備や担当業務を済ませて帰宅。

  • 20:00
    夕食、晩酌、自由時間

    ホテリエ時代にバーテンダーをしていたこともあり、晩酌も大好きです。

  • 22:00
    就寝

    翌日の朝ランに向け、リカバリーウェアを着用して就寝。

必須アイテム

パソコンと指サック

検定対策などの講義系授業では、解説用のスライドを作り、ホワイトボードに投影しながら授業を進めるため、パソコンは必須です。また、プリント配布時に枚数を数えるのがどうにも下手なので、指サックも欠かせません。あまりにいつも着けているので、指サックをしたまま帰宅したこともあります(笑)。

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授業づくりや学生指導、学校運営など、専門学校教員の仕事に役立つインタビュー記事を掲載しています。

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この記事を書いた人
株式会社ウイネット

株式会社ウイネット

「ウイナレッジ」を運営する教育専門出版社。
30年以上にわたり、全国の専門学校、大学、職業訓練校へ教材を提供してきた知見を活かし、教職員の皆様に役立つ実務ノウハウを発信しています。
[公式HP:https://www.wenet.co.jp/]

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