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TOP学生との個別面談での心得-効果的なコミュニケーションを実現する4つのポイント

学生との個別面談での心得-効果的なコミュニケーションを実現する4つのポイント

2025.02.28

専門学校での教員の役割は、授業だけに留まりません。学生との個別面談も重要な役割の一つです。個別面談は、学生の状況を把握し、信頼関係を深める重要な機会です。

個別面談をより有意義なものにするために、心得るべきポイントがあります。本記事では、学生との個別面談を成功させるための4つの心得を紹介します。

1.しっかりと傾聴する

個別面談で先生が学生に指導や助言を行う際は、信頼関係が大前提になります。信頼関係を醸成するには、学生に興味を持ち、理解をすることがとても大切であり、傾聴は、相手に興味を持っていることを示す重要なスキルです。

個別面談における会話は先生からスタートすることがほとんどでしょう。まず大切なのは、学生が答えやすい質問を投げかけることです。
難しい質問や一方的な指導は避け、学生がリラックスして答えられる質問を投げかけることがポイントです。会話の中で学生は、自分の話に耳を傾けてもらうことで「受け入れられている」と感じます。積極的な傾聴で、その姿勢を伝えましょう。

会話の中で学生の発言に疑問を抱いたり、理解が難しい内容もあるかもしれません。その時には「どうしてそう思ったの?」などと掘り下げることで、より深い対話が可能になります。
理解、共感できるまで質問をすることも、学生に対して興味があることを示す姿勢につながるでしょう。

2.学生の意見を否定しない

個別面談の中では、学生がどのように感じ、考えたかを理解し、尊重する姿勢が大切です。

学生が発した意見に対して、「その意見に至った理由」を深掘りすることで、学生の考え方を理解しやすくなります。会話の深堀りをしていったときに、仮に理解できない意見があったとしても、否定をするべきではありません。

実際にあった事例としては、遅刻や欠席が多い学生との個別面談の中で
「自分が出勤しないとアルバイト先が回らない。生活費も稼がないといけない。だから深夜のシフトにも入るしアルバイトもやめられない」
というものです。

この場合は回らないアルバイト先に対して協力しようとする姿勢を称えつつ、学業がおろそかになっている事実を伝えて、学習に支障をきたさないアルバイトをしてはどうか、という提案をしました。
あくまでも「深夜のアルバイトをしている」ということを否定せず、代替案を提案して学生に意見を求めながら本人が納得する方向へ導いていくことが重要です

3.事実を伝える

個別面談では、感情的な意見よりも客観的な事実を伝えることが学生の納得につながります

学生に伝えなければならない事実がある場合は、冷静に事実だけを述べることが重要です。遅刻の日数や欠席、出席率、成績や進級要件など、具体的な状況と事実を伝えて、その後どうするか個別面談という話を進めていきます。

時に学生は事実に対して言い訳をするかもしれませんし、理不尽なことを言うかもしれません。そこは傾聴です。
しっかりと傾聴したうえであらためて事実を提示し、今後について個別面談の話し合いを進めていきます。ここでは絶対に感情的になってはいけません。

粘り強く冷静に話をすれば、学生も現実に目を向けてくれます。そこから建設的な会話がスタートしています。個別面談は戦いではありません。学生を導いていくためのものです。

先生にできること、できないことはありますが、ここでのポイントとして、学生の逃げ道を残しておくことがとても重要です。
学生が八方塞がりになってしまうと現実逃避してしまいかねません。大きな問題にならないうちであれば、先生は学生が問題解決できるほかの道を用意できるはずです。

「今後どうするかを一緒に考えよう」と言ってあげられる状態を作り出すのも先生の技量の一つです。

4.学生の中に答えがある

学生の成長を促すために大切なのは、学生自身に答えを見つけてもらうことです。

先生が学生に様々なボールを投げ、個別面談の中で学生が自ら導き出した結論で合意形成すると、学生自身の納得感が高まり、行動にもつながりやすくなります。

先生が学生を変えることはできません。学生自身が気づき、変化し、行動するところまで導くのが先生の役割です。学生の変化や行動の源泉は、学生自身が持っています。

特に就職活動においては、この考え方はマストです。

・仕事において大事なこと(仕事のやりがい、休日、賃金など)
・受験する業種・職種
・受験する企業

これらを学生が自分で決めることで、就職活動が上手くいくでしょう。

「先生にこの企業を受験しなさいと言われたので受験した」と言われるような就職指導になってしまうと、就職活動そのもののモチベーション低下につながったり、早期離職につながったりします。

まとめ

学生との個別面談を成功させるためには、「傾聴」「否定しない姿勢」「事実を伝える」「学生自身の気づきを促す」という4つの心得が重要です。

これらを意識することで、学生が安心して成長できる環境を作ることができます。個別面談は、学生との信頼関係を築き、学生を理解する重要な場です。これらのポイントを実践し、より良い個別面談を行っていきましょう。

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この記事を書いた人
伊沢 剛

伊沢 剛

有限会社プチフール代表取締役
23年間、専門学校にてIT教育、学生募集に従事。その後独立。新人社員向けプログラミング研修、社会人向けDX,AI,クラウド研修、情報教育コンサルティング、DX推進支援に携わる。
Youtubeチャンネル:【IT・プログラミングLab】伊沢 剛

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