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TOP教育全般間違いやすい同音異義語10選!意味や使い分けのポイントをわかりやすく解説

間違いやすい同音異義語10選!意味や使い分けのポイントをわかりやすく解説

2025.12.15 全般 教務情報

学生の文章を添削していると、同音異義語(どうおんいぎご)の誤用を目にすることがありませんか?読みは同じでも、言葉を取り違えると、文章の正確性や説得力が損なわれてしまいかねません。

同音異義語の間違いは学生自身で気づきにくいため、先生側で正しい使い分けを指導していくことが大切です。正しく使い分ける力は、文章力だけでなく語彙力や読解力の基礎にも繋がります。そこで本記事では、間違いやすい同音異義語を例文を交えながらわかりやすく解説します。使い分けのポイントもまとめたので、学生の指導にお役立てください。

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そもそも同音異義語とは?

ここでは、同音異義語の基本的な定義や日本語に多い背景を解説します。

  • 音は同じでも意味が異なる言葉の総称
  • 日本語で一番多い同音異義語
  • なぜ同音異義語が多いのか

それぞれ見ていきましょう。

音は同じでも意味が異なる言葉の総称

同音異義語とは、発音が同じでありながら意味や漢字表記が異なる語のことです。たとえば「正確」と「性格」は、同じ読みでも異なる意味を持ちます。このような言葉を文章で誤って使うと、意図が正しく伝わりません。音だけで理解しようとせず、漢字や前後の文脈を見て判断する習慣をつけることが大切です。

日本語で一番多い同音異義語

日本語には同音異義語が多く存在しますが、最も多くの意味を持つ言葉は「こうしょう」だといわれています。「交渉」「厚相」「考証」「高尚」「公証」「校章」「交唱」など、その数は約50にもなるそうです。一言で「こうしょう」といっても、使う場面によって意味が大きく変わります。

たとえば「交渉」は話し合い、「高尚」は程度の高さを表す漢字です。同じ音で読める言葉がこれほど多いのは、日本語ならではといえるでしょう。

なぜ同音異義語が多いのか

日本語に同音異義語が多い理由は諸説ありますが、一つに音の種類が少ない点が挙げられます。日本語には母音が「あ・い・う・え・お」の5つしかなく、子音との組み合わせにも限りがあります。そのため、異なる意味を持つ言葉が同じ音になりやすいのです。

また明治時代以降、西洋の新しい概念や学術用語を翻訳するために多くの和製漢語がつくられました。このとき漢字の意味を重視して組み合わせ、音を度外視した結果、同音異義語が増えたともいわれています。

【例文付き】間違いやすい同音異義語10選

同音異義語は、聞いただけでは意味を取り違えやすい言葉の代表です。ここでは学生の作文試験や、ビジネスシーンで使うことが多い同音異義語をまとめました。

漢字表記意味
いぎ意義意味、価値
異義異なる意味
異議異なる意見
かいとう解答問題を解いた答え
回答質問に対する返事
かんしょう鑑賞芸術作品を味わうこと
観賞見て楽しむこと
きょうそう競争争うこと
競走走って競うこと
たいしょう対象目標物、相手のこと
対称つり合っていること
対照照らし合わせること
ついきゅう追求追い求めること
追及追い詰めること
追究(学問などで)明らかにすること
つと(める)務める任務を担当する
努める努力する
勤める勤務する
てきかく的確(的を外さずに)確かなこと
適格必要な資格があること
てきせい適性適している性質のこと
適正妥当であること
ようけん用件用事
要件必要な条件

それぞれ例文を交えて解説します。

1.いぎ(意義・異義・異議)

「意義」は物事の意味や価値を表す言葉です。たとえば「プロジェクトの意義を説明する」といった使い方をします。一方で「異義」は、別の意味・異なる解釈を指す言葉です。「その言葉には異義もある」といえば、ほかの解釈があるという意味になります。

「異議」は、反対の意見を述べる際に使う言葉で「判定に異議を申し立てる」といった表現が一般的です。どれも似ていますが「価値」「意味の違い」「反対意見」と整理すると覚えやすいでしょう。

2.かいとう(解答・回答)

「解答」は問題に対して答えを出すこと、「回答」は質問に対して返事することを意味します。たとえば「テストの解答を提出する」と「アンケートに回答する」では、似ているように見えて対象が異なります。「解答」は正誤の判断があるもの、「回答」は意見や情報を返すものと考えると理解しやすいです。

なお、ビジネスシーンで問い合わせへの返事を求める際は、一般的に「回答」を使います。「ご解答ください」と書くのは誤りなので注意しましょう。

3.かんしょう(鑑賞・観賞)

「鑑賞」は、芸術作品を味わって楽しむことを指します。「映画を鑑賞する」「音楽を鑑賞する」といった表現が一般的です。「観賞」は、景色や植物などを見て楽しむことを指す漢字で「桜を観賞する」「庭園を観賞する」といった使い方をします。

どちらも「見る」行為に変わりはありませんが「心で味わう」か「目で楽しむ」かという違いがあります。芸術や自然を題材にした文章では混同しやすいため、意識して使い分けたい言葉です。

4.きょうそう(競争・競走)

「競争」は互いに優劣を競うことを指し、企業間の競争や受験競争など比喩的にも広く使われる言葉です。「競走」は、走る・泳ぐなど、身体を使って速さを競う場合に使われます。たとえば「マラソン競走」「リレー競走」などが代表的です。競い合うという点では共通していますが、抽象的な勝負=競争、具体的なレース=競走と整理すると区別しやすくなります。

5.たいしょう(対象・対称・対照)

「対象」は、行為や意識の向かう相手を表します。たとえば「学生を対象にアンケートを実施する」といった使い方です。「対称」は、形が左右でつり合っていることを指し「左右対称の模様」など理科や数学の授業でよく使われます。

「対照」は性質の異なるものを比べる場合に使う言葉で、たとえば「兄と弟で性格が対照的だ」のように表現します。相手や目標か、左右のつり合いか、比較かで区別しましょう。

6.ついきゅう(追求・追及・追究)

「追求」は理想や目標を追い求めることを意味し、「追及」は責任や原因を問いただす場面で使われます。「追究」は、学問や研究などを深く掘り下げるときに使われる言葉です。

「夢を追求」「責任を追及」「真理を追究」と使い分けると、意味の違いが明確になります。

7.つとめる(務める・努める・勤める)

「務める」は、役割や責任を果たすときに使います。たとえば「司会を務める」「代表を務める」といった形です。「努める」は、努力して物事に取り組む場面で用いられます。「時間厳守に努める」「改善に努める」などが代表例です。

「勤める」は、勤務先で働くことを指し「会社に勤める」「病院に勤める」というように使われます。「役割を果たす=務める」「努力する=努める」「働く=勤める」と整理すると、理解しやすくなるでしょう。

8.てきかく(的確・適格)

「的確」は、判断や指摘が確信を突いていることを指します。「的確な説明」「的確に状況を把握する」といった使い方です。「適格」は、条件や基準にかなっていることを意味しており「適格な候補者」「適格審査」などの場面で用いられます。

どちらも正しい印象を与える言葉ですが、焦点の置き方が異なります。内容の妥当性を伝えるなら「的確」、資格や条件を満たすなら「適格」と整理しておくと混乱しません。正しさの基準が内容なのか、条件なのかを意識するのがポイントです。

9.てきせい(適性・適正)

「適性」は性格や能力が、その仕事や環境に向いているかどうかを表す言葉です。たとえば「職業適性を調べる」「営業職に適性がある」といった形で使われます。「適正」は、基準や数量がちょうどよい状態を指し「適正価格」「適正体重」などの表現で使うのが一般的です。人や能力なら適性、ものや数値なら適正と覚えましょう。

10.ようけん(用件・要件)

「用件」は、用事や伝えたい内容を意味します。「電話の用件を伝える」「急ぎの用件がある」といった使い方です。「要件」は、物事を成立させるための条件や前提を指します。「応募の要件」「契約の要件」などが代表例です。

どちらも書き言葉でよく登場しますが、意味が異なります。混同を防ぐには話の内容=用件、条件や基準=要件と整理するとわかりやすいでしょう。メール文では特に誤用が多いため、伝えたい内容を慎重に確認してから使いたい言葉です。

同音異義語を使い分ける3つのポイント

同音異義語は見た目や響きが似ているため、使い分けが難しいと感じる学生も少なくありません。ここでは、ポイントを3つ紹介します。

  • 漢字の意味を考える
  • 前後の文脈から判断する
  • よく使われる言い回しを覚えておく

それぞれ見ていきましょう。

漢字の意味を考える

同音異義語を正しく使うためには、漢字そのものの意味を意識することが大切です。たとえば「適性」と「適正」なら、「性」は性格・能力、「正」は正しさ・基準を表します。漢字の成り立ちや意味を知っておくと、見慣れない言葉に出会っても意味を推測しやすくなるでしょう。授業では、単語ごとに漢字の持つイメージを書き出して整理すると、理解が深まりやすくなります。

前後の文脈から判断する

同音異義語は、単語単体では意味を判断しにくいものです。そこで前後の言葉の繋がりに注目すると、正しい意味が見えてきます。たとえば「対象」は「〜を対象に」「〜が対象となる」と使われることが多く、「対称」は「左右」「形」「図形」といった語と組み合わせて使われるケースが多いです。

周りの言葉を手がかりにすれば、どちらを選ぶべきか判断しやすいでしょう。文章を読むときも書くときも、言葉を「繋がりのなかで考える」意識を持つと、誤用を防ぎやすくなります。

よく使われる言い回しを覚えておく

同じ読み方のうち、よく使われる言葉をペアで覚えるのもおすすめです。たとえば「回答を得る」と「解答を提出する」、「意義を感じる」と「異議を唱える」など、ペアで整理すると混乱しません。専門学校の学生であれば、将来の職種に合わせた組み合わせを意識するのもよいでしょう。

医療系なら「適正な処置」「適性検査」、事務系なら「ご用件をお伺いする」「契約要件をまとめた資料の作成」といった形です。身近な用語を例に出しながら繰り返し練習すると、使い分ける力がスムーズに身につきます。

学生の文章力向上に!テキスト紹介

学生の文章力を伸ばすためには知識を詰め込むだけでなく、実際に「書いて伝える」経験を積ませることが大切です。その際は、基礎を体系的に学べる教材を活用すると指導がしやすくなります。

株式会社ウイネットの「作文力アップ!伝わる文章を書く基本」は、同音異義語だけではなく間違いやすい送り仮名、慣用句の使い方など文章の基礎を20のポイントにしてまとめたテキストです。授業や課題に取り入れやすい構成になっており、指導用教材として強い味方になります。ぜひご活用ください。

まとめ

同音異義語は、音が同じでも意味や漢字が異なる言葉です。正しく使い分けられると、文章の正確性や表現力がアップします。指導時は単に覚えさせるだけでなく、違いをイメージしやすい解説や、具体例を活用すると理解を深めやすいでしょう。文章力は就職活動の作文試験やレポートで必須となるため、コツコツと指導していくことが大切です。

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