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TOPコラムワーク【驚愕の能力】量子コンピュータとは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

【驚愕の能力】量子コンピュータとは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

2025.05.14 ワーク コラム

テクノロジーは日々進化していますが、なかでも注目を集めているのが「量子コンピュータ」です。私たちの生活に大きく影響する可能性を秘めており、主要国や大企業が研究開発を進めています。

本記事では、量子コンピュータの仕組みやメリット・デメリット、実用化によって期待されることをわかりやすく解説します。今後の課題にも触れているので、技術の進化についていけるようチェックしておきましょう。

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量子コンピュータとは?基本をわかりやすく解説

「名前は聞いたことがあるけれど、普通のコンピュータと何が違うの?」と疑問に思う先生も多いでしょう。ここでは、量子コンピュータの基本を解説します。

量子コンピュータの仕組みと従来との違い

量子コンピュータは、これまでのコンピュータとはまったく異なる原理で動作します。最大の違いは、情報の単位である「ビット」です。従来のコンピュータは、「0」か「1」のどちらかの状態しか取れないビットを使って計算します。簡単に言えば「0」は電気の流れていない状態、「1」は流れている状態です。

一方、量子コンピュータは「量子ビット」と呼ばれる特別なビットを使います。量子ビットは「0」と「1」の両方の状態を、同時に取ることができるのです。たとえるなら、コインが空中で回転していて表と裏が同時に見えているような状態。この状態を「重ね合わせ」と呼びます。

この性質により、量子コンピュータは今まで以上に高速な計算が可能になります。従来のコンピュータが1つずつ計算する問題を、量子コンピュータは大量に同時計算できるのです。まだ開発途上の技術で課題は多いですが、実用化されれば私たちの生活を大きく変える可能性があり、世界的に注目されています。

実用化は2035年と予測

現在、世界中の研究機関や企業が量子コンピュータの実用化に向けて研究開発を進めており、実用化は2035年頃になるのではと予測されています。しかし、技術の進歩は予想を超えるスピードで進むこともあります。量子コンピュータの世界でも、突然のブレイクスルーによって予測より早く実用化が進む可能性もあるでしょう。

量子コンピュータのメリット3つ

量子コンピュータならではのメリットは、次の3つです。

  • 計算スピードが桁違いに早い
  • 今まで解けなかった複雑な問題が解けるようになる
  • 消費電力が少ない

それぞれ解説します。

計算スピードが桁違いに早い

量子コンピュータの大きなメリットは、計算スピードが桁違いに速いことです。計算速度は約1億倍ともいわれており、何年もかかるような膨大な計算問題も量子コンピュータなら短時間で解くことができます。

今まで解けなかった複雑な問題が解けるようになる

単に計算が速くなるだけでなく、従来のコンピュータでは事実上解けなかった問題を解決できる可能性があります。

特に複雑なパターン認識や大規模なデータ分析、高度なシミュレーションなど多くの要素を同時に計算しなければならないケースで力を発揮するでしょう。これにより科学技術の発展や、社会問題の解決に大きく貢献することが期待されています。

消費電力が少ない

従来のコンピュータに比べて、消費電力が少ないのもメリットです。現在のデータセンターは膨大な電力を消費しており、世界の電力消費の約1〜2%を占めているといわれています。計算需要が増え続けるなかで、この数字は今後さらに増加すると予測されています。

一方、量子コンピュータは量子の状態を利用して計算するため、理論的には少ないエネルギーで動作可能です。実用化されれば、データセンターの消費電力を大幅に削減できるかもしれません。

量子コンピュータのデメリット2つ

大きな可能性を秘めている量子コンピュータですが、良いことばかりではありません。懸念されているデメリットは、次の2つです。

  • 大切な情報が盗まれる可能性
  • お金や手間がかかる

それぞれ解説します。

大切な情報が盗まれる可能性

量子コンピュータが実用化されると、現在使われている暗号技術が解読されてしまう可能性があります。つまり金融機関の機密データや個人情報をはじめ、私たちの大切な情報が盗まれてしまう危険があるのです。

回避するためには新たなセキュリティ技術の開発が必要ですが、まだ充分ではありません。このデメリットが解消されない限り、実用化は難しいでしょう。

お金や手間がかかる

量子コンピュータを研究・開発しようとすると、莫大な費用と手間が必要です。通常のコンピュータより高度な制御が必要なうえ、量子ビットを安定して動かすには極度の低温環境や振動を最小化するための装置が欠かせません。維持管理には多大な電力や施設の整備が伴い、専門知識を持つエンジニアや研究者の確保も不可欠です。

そのため現時点での導入は、国や技術の開発に力を入れている大企業などの一部に限られています。

量子コンピュータの実用化によって期待されている3つのこと

量子コンピュータの実用化は、私たちの社会に大きな変革をもたらすと期待されています。ここでは、3つの例を見ていきましょう。

  • 新しい薬や治療法の開発
  • 交通渋滞の解消
  • より正確な気候変動の予測

それぞれ解説します。

新しい薬や治療法の開発

薬を研究する際、多くの実験や計算をして「どの組み合わせが効きそうか」をチェックします。通常は時間もお金もかかりますが、量子コンピュータは多くの組み合わせを一度に調べられるため、実験や治験に進むまでの期間が短くなると予想されます。

また、新しい治療法を見つけやすくなるという期待もあります。量子コンピュータは、医療の進歩に欠かせない技術となるかもしれません。

交通渋滞の解消

毎日のように見かける交通渋滞には、車の量や道路の作り、信号のタイミングなど、さまざまな要素がかかわっています。これを整理して「どうすればスムーズに流れるか」をリアルタイムで導き出すのは困難です。

しかし、量子コンピュータは複雑な問題を解くのが得意なため、効率の良い信号の変え方やルートの選び方を導き出してくれるかもしれません。すでに実証実験も実施されており、実用化されれば交通の流れを大幅に改善できる可能性があります。

より正確な気候変動の予測

気候変動は、現代社会が直面する重要な課題の一つです。しかし地球の気候は複雑で、予測が難しいもの。量子コンピュータなら膨大な気象データを解析でき、より正確な気候変動の予測も可能になります。

これにより将来の気候変動に備え、より適切な対策を講じられるようになるでしょう。環境に優しい新素材の開発方法や、地球温暖化を止める具体的な方法も見つかるかもしれません。

量子コンピュータの実現にあたって生じる3つの課題

期待の高い量子コンピュータですが、まだ実用的な性能を備えていないのが現状です。ここでは、主な課題を3つ解説します。

  • エラーが起きやすい
  • 極度の寒さが必要
  • ビットの量が足りない

それぞれ見ていきましょう。

エラーが起きやすい

量子コンピュータには、エラーが発生しやすいという課題があります。たとえば、従来のコンピュータで使用される「ビット」は、0か1のどちらかの状態を安定して保つことができます。

しかし量子コンピュータで使用される「量子ビット」は、0と1の重ね合わせという不安定な状態を利用するため、外部からのノイズや振動などの影響を受けやすく、計算中にエラーが発生しやすいのです。減らすためには量子ビットの安定性を高める研究や、エラーを自動的に修正する技術の開発が不可欠となります。

極度の寒さが必要

量子コンピュータは、絶対零度(約-273℃)に近い極低温環境でなければ正常に動作しません。この環境を作るためには冷却装置が不可欠ですが、装置自体が高価で設置や維持にも専門的な知識と設備が求められます。

研究所や大きな企業の施設なら設置できますが、一般企業や学校で環境を整えるのは非現実的といえるでしょう。そのため、常温に近い環境で量子ビットを動かせる技術や、効率的な冷却装置の開発などが進められています。

ビットの量が足りない

量子コンピュータが複雑な問題を解くためには、多くの量子ビットが必要です。しかし今の技術では、安定して動かせる量子ビットの数は少ないのが現状です。最新の量子コンピュータでも、量子ビットの数は数百個ほどしかありません。

本領を発揮するためには、数百万〜数十億の量子ビットが必要だと考えられています。数を増やすためには、量子ビット同士を接続する技術や、制御するための回路の微細化などの技術開発が必要となるでしょう。また数を増やすだけでなく、品質を高めることも重要な課題です。

まとめ

量子コンピュータの存在は、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めています。しかし現時点では課題も多く、実用化までには時間がかかるでしょう。日々、世界中の研究者が研究・開発に取り組んでいます。今後の発展に期待しましょう。

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この記事を書いた人
鶴巻 健太

鶴巻 健太

新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課

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