
10代後半は、将来を本格的に考え始める時期です。IT技術の発達や働き方の多様化が進み、従来よりも仕事の選択肢は増えていますが、現代の高校生はどのような職業に就きたいと考えているのでしょうか。
今回は、高校生のなりたい職業ランキングを調査しました。希望の職業に就くためのポイントにも触れているので、学生へのアドバイスにもお役立てください。
目次
【最新】高校生がなりたい職業ランキング
LINEリサーチでは2022年12月、日本全国の高校生を対象になりたい職業について調査した結果を公開しました。どのような職業が人気を集めているのでしょうか。男子高校生と女子高校生で、なりたい職業に違いがあるのかも気になりますよね。それぞれ紹介します。
男子高校生に人気の職業ランキングは以下のとおりです。
2022年【男子】高校生のなりたい職業TOP10
1位 | 国家公務員・地方公務員 | 7.8% |
2位 | システムエンジニア・プログラマー | 7.2% |
3位 | 機械エンジニア・整備士 | 4.9% |
4位 | 教師・教員・大学教授 | 4.1% |
5位 | 事務職・営業職 | 3.7% |
6位 | ゲーム業界の仕事 | 3.5% |
7位 | 警察官・消防官・自衛官 | 2.9% |
7位 | 設計者・開発者・工業デザイナー | 2.9% |
9位 | 学者・研究者 | 2.3% |
10位 | 医師 | 2.1% |
10位 | 公認会計士 | 2.1% |
出典:LINEリサーチ
女子高校生に人気の職業ランキングは以下のとおりです。
2022年【女子】高校生のなりたい職業TOP10
1位 | 国家公務員・地方公務員 | 6.5% |
2位 | 看護師 | 5.9% |
3位 | 教師・教員・大学教授 | 5.5% |
4位 | 保育士・幼稚園教諭 | 4.5% |
5位 | 事務職・営業職 | 3.3% |
6位 | 薬剤師 | 2.9% |
6位 | 臨床技師検査師・診療放射線技師 | 2.9% |
6位 | 栄養士・管理栄養士 | 2.9% |
9位 | 心理カウンセラー・臨床心理士 | 2.5% |
10位 | シェフ・パティシエ・料理人 | 2.4% |
出典:LINEリサーチ
男女共に1番人気は【国家公務員・地方公務員】でした。人気の理由は記事の後半で詳しく解説しますが、収入の安定や社会への貢献度が高いことが挙げられます。
ほかにも【看護師】や【エンジニア】、【整備士】や【教師】が上位にランクイン。全体を見ると、手に職をつけたいと考えている傾向が強い印象です。
また「身近な人が働いているから」「過去に助けられた経験があるから」という理由で目指す高校生もいるようです。
2021年のランキングと比べて変化はある?
LINEリサーチでは、2021年にも同様の調査をしています。2022年の結果と違いはあるのでしょうか。男女別に見ていきましょう。
男子高校生に人気の職業ランキングは以下のとおりです。
2021年【男子】高校生のなりたい職業TOP10
1位 | 教師・教員大学教授 | 8.1% |
2位 | 国家公務員・地方公務員 | 7.7% |
3位 | システムエンジニア・プログラマー | 6.2% |
4位 | 機械エンジニア・整備士 | 3.7% |
5位 | 事務職・営業職 | 2.9% |
6位 | ゲーム業界の仕事 | 2.9% |
7位 | 設計者開発者・工業デザイナー | 2.7% |
7位 | 警察官・消防官・自衛官 | 2.5% |
9位 | 学者・研究者 | 2.5% |
10位 | 旅行業界の仕事 | 2.1% |
10位 | 医師 | 2.1% |
出典:LINEリサーチ
女子高校生に人気の職業ランキングは以下のとおりです。
2021年【女子】高校生のなりたい職業TOP10
1位 | 看護師 | 6.8% |
2位 | 教師・教員大学教授 | 4.9% |
3位 | 国家公務員・地方公務員 | 4.6% |
4位 | 事務職・営業職 | 4.4% |
5位 | 保育園・幼稚園教諭 | 3.8% |
6位 | 医師 | 3.2% |
7位 | 栄養士・管理栄養士 | 2.7% |
7位 | 薬剤師 | 2.7% |
9位 | 警察官・消防官・自衛官 | 2.3% |
9位 | シェフ・パティシエ・料理人 | 2.3% |
出典:LINEリサーチ
最新の調査結果では男女共に【公務員】が1位でしたが、2021年の結果を確認すると男子高校生は【教師・教員・大学教授】、女子高校生は【看護師】がトップでした。
いずれも専門性の高い職業で、手に職をつけたいと考える高校生が多いと推測されます。なお、最新の調査で1位だった【公務員】は2021年の結果でも男子高校生は2位、女子高校生は3位と上位にランクインしていました。
小学生に人気の職業であるYouTuberやアイドル、スポーツ選手などはランクインしておらず、自立時期が近付くにつれて考えが堅実になっていることが見受けられます。
なぜ男女共に公務員が人気なのか?

最新の調査では男女共にトップを獲得した公務員ですが、なぜ人気を集めているのでしょうか。考えられる理由は3つあります。
- 安定しているから
- 福利厚生が充実しているから
- 社会への貢献度が高いから
詳しく解説します。
安定しているから
民間企業の場合、業績の悪化による人員削減などの理由からリストラされるリスクがあります。真面目にコツコツと働いているにもかかわらず、突然解雇を通知されることも。
一方、公務員は景気の悪化に左右されず、基本的に不祥事を起こしたり働けない状態になったりしない限り、職を失う心配はありません。
近年は新型コロナウイルスが拡大し、幅広い業界に影響を及ぼしました。次々と企業が倒産し先行き不透明な状況で、安定した仕事に就きたいと考える意識が強くなっているといえるでしょう。
福利厚生が充実しているから
産休や育児休暇など、福利厚生が充実しているのも魅力の一つです。妊娠や出産、家族の介護が必要になったとしても、制度が整っていて理解ある環境なら働きやすいでしょう。
近年は働き方改革が進んでいるものの制度が整っていない企業も多く、ライフスタイルの変化で退職せざるを得ないケースもあります。
公務員は男女問わずプライベートと仕事を両立しやすい環境のため、安心して働けると考えている高校生が多いようです。
社会への貢献度が高いから
仕事を通じて、地元や社会に貢献したいと考えている高校生も多くいるようです。どの仕事も社会貢献していますが、利益を確保しなければ存続できません。一方、公務員は利益よりも社会にどれだけ貢献できるかが重視されます。
地域住民を直接サポートする公務員の仕事は、人の役に立ちたいと強く考えている高校生にとって魅力的といえるでしょう。
なりたい職業に就くためのポイント

憧れの職業に就きたいなら、漠然と思っているだけでは現実化できません。ここではなりたい職業に就くためのポイントを3つ解説します。
- 自己分析する
- 必要なスキルを理解する
- スキルアップを目指す
それぞれ解説します。学生へのアドバイスにお役立てください。
自己分析する
憧れの職業に就くためには、努力が必要です。しかし、漠然と「なりたい」という思いだけではモチベーションを保てません。まず自己分析しましょう。自分を理解することで、本当になりたい職業かを判断しやすくなります。
自己分析では、以下の項目を考えてみましょう。
- なぜその職業に就きたいのか
- 仕事を通じてどのようなことに挑戦したいか
- 仕事をする上で大切にしたいこと
- 自分の強みと弱み
- 自分の好きなことや嫌いなこと
深く理解することで、なりたい職業が自分に適しているか冷静に判断できるでしょう。分析した結果、なりたい思いが強くなればモチベーションが高まりますし、逆に「自分が求めていることを実現できるのは別の職業だ」と感じることもあります。自己分析したうえでぴったりの職業を見つけられれば、入社後のミスマッチも防げますよ。
必要なスキルを理解する
仕事によっては必須のスキルや、持っていると望ましいスキルがあります。たとえば料理人になりたいなら調理師免許、人の髪の毛を整える仕事がしたいなら美容師や理容師の免許が必要です。
すでに専門学校に通っているなら、必須の資格やスキルは理解しているでしょう。しかし、そのほかにあると望ましいスキルも学んでおくと有利になる可能性があります。
たとえば、料理人を目指す場合は野菜ソムリエやフードコーディネーター、利き酒師などを学ぶことで、働き方の幅が広がるのではないでしょうか。
スキルアップを目指す
身に付けるべきスキルを理解したら、早い段階から計画的に学ぶのがおすすめ。授業とアルバイトの同時並行で大変な学生も多いと思いますが、無理のないスキルアップを実現するためにも早めの勉強が大切です。
就職活動で周りより有利になるチャンスが増えますし、社会に出てからも効率的に知識やスキルを学べる可能性が高いでしょう。なりたい姿をイメージし、モチベーションを上げるなどの工夫も取り入れてコツコツと進みましょう。
まとめ
最新のなりたい職業ランキングでは、男女共に公務員が1位を獲得しました。従来から人気職業の一つではありますが、近年は2020年から拡大した新型コロナウイルスの影響によるところも大きいでしょう。先が見えずに倒産する企業が増えるなか、安定して働けるのは大きな魅力です。
ほかにも専門性の高い職業が多くランクインしました。どの職業を選んだとしても、就くためには早めの対策と行動が大切です。学生が夢を実現できるよう、先生も積極的にサポートしましょう。
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鶴巻 健太
新潟在住のメディアディレクター
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課