
「この苗字、なんて読むんだろう?」と、クラス名簿を見て驚いた経験はありませんか。日本には、30万種類もの苗字があるといわれています。なかには読み方が難しかったり、珍しい漢字の組み合わせだったりと、一度聞いたら忘れられないような苗字も。もしかしたら、新しいクラスにいるかもしれませんね。
本記事では、思わず二度見してしまいそうな珍しい苗字を厳選して16種紹介します。由来にも触れているので、会話ネタにもお役立てください。
目次
いくつ読める?珍しい苗字10選

日本には、読み方が難解な苗字が数多く存在します。ここでは10種類をピックアップし、推定人口や由来をリサーチしました。
- 小鳥遊(たかなし)
- 狼(おおかみ)
- 庭鳥島(にわとりじま)
- 肉丸(にくまる)
- 神服(はっとり)
- 東京(とうきょう)
- 凸守(でこもり)
- 大仏(おさらぎ)
- 春夏冬(あきない)
- 一尺八寸(かまづか/かまつか)
それぞれ見ていきましょう。
1.小鳥遊(たかなし)
「小鳥遊(たかなし)」は、全国に30人ほどしかいない苗字です。特に和歌山県東牟婁郡那智勝浦町に多く見られます。由来は「小鳥が遊んでいる=天敵である鷹がいない(鷹無し)」という言葉遊びが語源のようです。また高梨氏の子孫が分かれた際に、名乗った姓の一つとする説もあります。
2.狼(おおかみ)
日本全国で約120人が名乗っていると推定される「狼(おおかみ)」という苗字。特に千葉県流山市に多く見られます。「大神(おおがみ)」の異形とされ、神に仕える者や神の霊威を受けた者を意味する説があるようです。神聖な存在や信仰と、深い関わりを持つことが伺えますね。
3.庭鳥島(にわとりじま)
全国に1軒しかいないといわれる苗字です。由来は地形に関連しており「庭」と「鳥」、そして「島状の土地」を組み合わせたものとされています。具体的には、庭にある丘に鶏が住んでいたことから「庭鳥島」と名乗ったのだとか。特定の地形や風景に由来し、その地域の自然環境や生活風景を反映した苗字といえるでしょう。
4.肉丸(にくまる)
「肉丸(にくまる)」は、主に大分県宇佐市や長崎県長崎市に多く見られます。推定人口は70〜80人。「〜丸」とは「〜の開発した田んぼ」を意味し、米農家から生まれた苗字だとされています。なお、モデル・俳優として活躍しているトリンドル玲奈さんの母親の旧姓が「肉丸」だそうです。
5.神服(はっとり)
「服部」は珍しくありませんが、同じ読みでも「神服」と書いて「はっとり」と読む苗字は、全国に20人ほどしかいません。主に東京都や京都府に分布しています。由来は古代朝廷にあった部署の「服織部(はたおりべ)」に関連しています。機織りを職業とする集団で、読み方の「はたおりべ」が転じて「はっとり」となったようです。
特に、神に捧げる衣服を製作する職人に「神服」という漢字があてられるようになったと考えられています。
6.東京(とうきょう)
「東京(とうきょう)」は全国におよそ10人いるとされており、大阪府岸和田市や鹿児島県いちき串木野市にわずかに見られます。元々「江戸」姓だった人が、首都が江戸から東京に改称されたことをきっかけに「東京」姓に改めた説が有力のようです。
7.凸守(でこもり)
大阪府に1世帯存在しているとされる「凸守」。由来の詳細は不明ですが、地形に関連している可能性が指摘されています。
8.大仏(おさらぎ)
「大仏」とかいて「だいぶつ」ではなく「おさらぎ」と読ませる苗字です。全国で170人ほどいるとされており、岡山県真庭市に多く見られます。由来は、大仏を「更木(さらき)」で作るからという説があるようです。なお歴史的には、鎌倉幕府の執権を世襲した北条氏の一流である「大仏流北条氏」がこの苗字を名乗っていました。
9.春夏冬(あきない)
「春夏冬(あきない)」は、「春」「夏」「冬」の並びに「秋がない」=「あきない」という言葉遊びからきているといわれています。商売の「商い(あきない)」にかけた意味もあると推測されていますが、実在しているかは不明で創作苗字だとの指摘もあるようです。
10.一尺八寸(かまづか/かまつか)
一尺八寸(かまづか/かまつか)は、全国で20人ほどいるとされており、鎌の柄の長さが一尺八寸(約54.5センチ)だったことに由来しているようです。元々の漢字は「鎌塚」で、鎌塚一族から分家したさいに「一尺八寸」の漢字をあてたとされています。
実在した!「鬼滅の刃」に登場する珍しい苗字6選
大人から子供まで、多くのファンを魅了した鬼滅の刃。キャラクターの苗字は聞きなれないものが多いですが、ほとんどは創作ではなく実在しているのだとか。今回は、そのなかの6つを紹介します。
- 竈門(かまど)
- 我妻(あがつま)
- 甘露寺(かんろじ)
- 不死川(しなずがわ)
- 栗花落(つゆり)
- 産屋敷(うぶやしき)
それぞれ見ていきましょう。
1.竈門(かまど)
「鬼滅の刃」の主人公・炭治郎(たんじろう)の苗字である「竈門」。全国におよそ10人いるとされています。「竈(かまど)」という漢字が示すとおり火を使う場所、つまり台所や煮炊きをする場所に関係していると考えられているようです。かつて竈を管理する役目は、特別な意味を持っていました。
「竈」を守る役目を担っていた家系や、竈作りの職人だった家系が名乗るようになったと考えられています。
2.我妻(あがつま)
炭治郎の仲間「善逸(ぜんいつ)」の苗字である「我妻」。全国で約17,000人と、珍しい苗字のなかでは比較的多く存在する苗字です。由来は諸説ありますが、日本武尊が遠征の帰途の際、亡くなった妃を偲んで「吾嬬者耶(あずまはや・ああ我が妻よ)」と呼びかけたことからきているという説があります。
3.甘露寺(かんろじ)
鬼殺隊の主軸となる柱の1人、蜜璃(みつり)の苗字である「甘露寺」も実在します。甘露寺家は、藤原北家高藤流の嫡流にあたる公家だったようで、藤原氏が平安時代に建立した甘露寺からきているようです。全国に50人ほどいます。
4.不死川(しなずがわ)
作品内でも印象的な苗字の「不死川」。鬼殺隊の風柱である実弥(さねみ)と玄弥(げんや)兄弟の苗字ですが、大阪府羽曳野市(はびきのし)に実在しています。同市に流れている東除川(ひがしよけがわ)の通称が「しなずがわ」で、近くに住んでいた僧侶が読み方に漢字をあてて「不死川」となったそうです。
5.栗花落(つゆり)
「栗花落」は蟲柱であるカナヲの苗字として知られていますが、全国に約50人いるとされており、由来は奈良時代まで遡ります。ある役人が美しい白滝姫と恋に落ち、天皇の後押しで結婚しました。その後、山里に戻ったのが栗の花が散る梅雨入りの時期だったことから、天皇が「栗花落」という苗字を授けたのだそうです。その後、姫を早くに亡くした役人が社を建てて祀ったところ、梅雨ごとに泉が湧いたという伝説も残っています。
6.産屋敷(うぶやしき)
最後は、鬼殺隊の当主・耀哉(かがや)の苗字である「産屋敷」。出産のための「産屋」があったとされる、現和歌山県と三重県南部である紀伊国牟婁郡紀宝町(みなみむろぐんきほうちょう)からきているといわれています。全国におよそ190人いるようです。
まとめ
日本には、難解な読み方の苗字が数多く存在します。一見しただけでは読み方の想像がつかないものや、日本の文化や歴史が色濃く反映されているものも少なくありません。珍しい苗字に出会ったら、歴史やルーツを調べてみてはいかがでしょうか。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課









