
「学生の学力向上に役立つアイデアやアイテムはないか」「資格取得のために勉強しているけど、なかなか記憶に残らない」と悩んでいる先生もいらっしゃるでしょう。そこで注目したいのが「コーネル式ノート」。記憶への定着を促し、理解を深めるための工夫が盛り込まれているノートです。
本記事では、コーネル式ノートの具体的な使い方やメリット・デメリットをまとめました。効果を最大限引き出すコツにも触れているので、活用してみてはいかがでしょうか。
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目次
コーネル式ノートとは?
コーネル式ノートとは、アメリカの名門コーネル大学の教授であるウォルター・ポーク(Walter Pauk)氏が、学生のために開発したノート術です。単に得た知識や情報を書きつけるだけでなく、記憶への定着を促進する仕組みが組み込まれており、学生だけでなくビジネスパーソンや研究者など幅広い層に指示されています。
コーネル式ノートの基本構成と使い方3ステップ
コーネル式ノート術は、ページを3分割にして使います。基本構成は以下のとおりです。

- メモエリア
- キーワードエリア
- サマリーエリア
それぞれの役割と使い方を解説します。
1.メモエリア
メモエリアは、聞いたことや学習した内容を記録するスペースです。発言者や著者の説明などを自由に書き込みます。このとき文章を丸写しするのではなく、重要な部分に絞って記録するのがポイント。
自分の言葉で要約したり、図や記号を活用したりするのもよいでしょう。あとから見返す際に内容を理解しやすいよう、情報を整理しながら書くことが大切です。
2.キーワードエリア
メモエリアに記録した情報の要点や重要なキーワード、疑問点などを書き込むためのスペースが、ページの左側に位置しているキーワードエリアです。このエリアにキーワードを書き出すことで、メモエリアの内容を簡潔に把握できます。ポイントは、授業や講義が終わった直後に記入すること。記憶が新しいうちに取り組むことで、情報の抜け落ちを防げます。
3.サマリーエリア
ページ下部に位置するサマリーエリアは、記録した内容全体を簡潔にまとめるための場所です。120〜150文字程度でまとめましょう。情報を要約することで、自分の理解度を客観視できます。
専用ノートやテンプレートの活用もおすすめ
コーネル式ノート術はページを3分割する必要がありますが、毎回線を引くのは手間ですよね。定期的に活用したいなら、専用ノートの購入がおすすめです。あらかじめエリアを分ける線が印刷されており、すぐに実践できます。さまざまなメーカーから発売されているので、自分の好みやサイズに合ったものを選ぶとよいでしょう。
【4階文具】コーネル式ノート術での情報整理に役立つ、コーネルメソッドノートが再発売されました。授業や会議、資格取得など様々なシーンでお使い頂けます。
— 丸善丸の内本店 (@maruzen_maruhon) March 24, 2021
B5サイズ横罫・方眼 各253円(税込) pic.twitter.com/124QHOi99J
また無料のテンプレートも、Web上に多く公開されています。iPadなどのタブレット端末を使用している場合は、ノートアプリを併用すればデジタルでのコーネル式ノートも可能に。作成したノートの共有もスムーズに進められますよ。
コーネル式ノートのメリット3つ
コーネル式ノートの活用には、多くのメリットがあります。主なメリットは、以下の3つです。
- 理解力や記憶力が高まる
- 効率的な復習が可能になる
- 幅広いシーンで活用できる
それぞれ解説します。
理解力や記憶力が高まる
コーネル式ノート術には、情報を整理して自分の言葉でまとめるという工程が組み込まれています。「書く→整理する→まとめる」のプロセスを踏むことで情報が整理され、より深い理解を得られるでしょう。結果的に、記憶への定着率アップも期待できます。
効率的な復習が可能になる
学んだ内容を脳に定着させるためには、復習が欠かせません。しかし一般的なノートの場合は「どこに何を書いたっけ?」と悩み、最初からノートを読み直さなければならないケースも多いです。コーネル式ノートなら、キーワードエリアを見るだけで内容の要点を素早く把握できるため、該当ページを見つけやすくなり、復習時間を大幅に短縮できます。
幅広いシーンで活用できる
授業や講義だけでなく、幅広いシーンで活用できるのもコーネル式ノートの魅力です。たとえば、会議の議事録作成に利用すれば効率的に内容を整理でき、重要なポイントも見逃さずに済みます。
また、資格の勉強にも効果的です。専門書や参考書から得た知識を構造化して整理すれば、効率良く習得できるでしょう。
コーネル式ノートのデメリット2つ
メリットばかり取り上げられがちな「コーネル式ノート」ですが、もちろん万能ではありません。使うシーンや分野によっては、デメリットと感じるケースもあります。
- 慣れるまでに時間がかかるケースもある
- すべての科目に適しているとは限らない
それぞれ解説します。
慣れるまでに時間がかかるケースもある
従来のノートとレイアウトが異なるため、最初は各エリアの使い分けや記入方法に戸惑うことがあるかもしれません。特に速いスピードで話が進む会議では、メモエリアに書き込むだけで精一杯になることも。
しかし、継続的に使用していくことで徐々に慣れていきます。焦らず、自分のペースで慣れていくことが大切です。使いこなせるようになれば、効率的な学習が可能となり、これまでのノートには戻れなくなるかもしれません。
すべての科目に適しているとは限らない
多くのシーンで効果を発揮するコーネル式ノートですが、すべての科目に適しているわけではありません。たとえば図や計算式を多く使う場合は、3分割のレイアウトだと書きにくいと感じることも。
またデザインやアイデア出しのようなクリエイティブな分野の場合も、構造上の制約が作業の妨げになる可能性があります。すべてにコーネル式を取り入れるのではなく、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
コーネル式ノートの効果を最大限に引き出す3つのコツ

効果を引き出すためには、書くだけでなく「使いこなす」ことがポイントです。ここでは、3つのコツを解説します。
- 「キーワードエリア」は質問形式にする
- 「サマリーエリア」は誰かに説明するつもりで書く
- 復習を習慣化する
それぞれ見ていきましょう。
「キーワードエリア」は質問形式にする
単に重要なキーワードを抜き出すだけでなく、質問形式にしてみましょう。たとえば「面接」というキーワードだけを記載するのではなく「面接のプロセスは?」「面接に必要なスキルは?」といった具体的な問いかけを書くことで、メモエリアの内容を能動的に思い出す仕組みを作ります。
質問形式にすると、脳は自動的に「答え」を探そうとするため、情報の整理と記憶力の強化に繋がるのです。
「サマリーエリア」は誰かに説明するつもりで書く
まとめ部分となる「サマリーエリア」は、誰かに説明するつもりで書きましょう。たとえば「ページの内容を学生でも理解できるように説明するとしたら?」と想像しながら書いてみてください。
専門用語や複雑な分野を、わかりやすい言葉で表現しようと意識することで、自分自身の理解度が明確になります。説明しづらい箇所があれば、理解が足りていないのかもしれません。つまり、どの部分を復習するべきかも明らかになります。
復習を習慣化する
どんなに優れたノート術も、ノートを取って終わりでは効果が半減してしまいます。コーネル式ノートは復習しやすいように設計されており、学習効果を高められるのが特長です。定期的にノートを見返す習慣をつけましょう。
復習の際は、まずキーワードエリアの質問のみを見て答えを思い出し、次にメモエリアを確認して正誤をチェック、最後にサマリーエリアを読んで全体像を再確認する流れが効果的です。
まとめ
コーネル式ノートは情報を効率的に整理し、記憶力や理解力アップに役立つメソッドです。基本構成を理解し、専用ノートやテンプレートを上手に活用することで、学習効率の向上が期待できます。慣れるまでに時間はかかるかもしれませんが、本記事で紹介したコツを参考に、活用してみてはいかがでしょうか。学生へ勉強方法を指導する際にも、お役立てください。
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