
日本人の食生活に欠かせないお米。しかし2024年に発生した米不足や価格高騰により、政府が備蓄米を放出する事態になりました。そこで注目されているのが、古古米や古古古米です。
「古」という文字が入っているため、ネガティブなイメージを持つ先生もいるかもしれせん。しかし、古米ならではの強みもあるんですよ。本記事では古米の定義や味の違い、話題になっている備蓄米制度の詳細をまとめました。古米に関する自身の知識を深めるとともに、食に関する授業にも役立つ内容となっています。
目次
古古米・古古古米とは?新米との違いや特徴を解説

お米にも鮮度があり、保管している期間によって呼び方が異なります。ここでは、古古米や古古古米の特徴を解説します。
- 古米の定義と特徴
- 1年経過ごとに「古」の文字が増えていく
- 米の見分け方
それぞれ見ていきましょう。
古米の定義と特徴
新米は、収穫した年の12月31日までに精米・袋詰めされたお米です。これに対し、収穫から1年以上したお米は「古米(こまい)」と呼ばれます。一般的に新米よりも香りや水分がやや落ち着いているのが特徴です。
美味しくないと誤解されがちですが、炊き上がりがくっつきにくく粒立ちも良いため、パラパラとした食感を出したいチャーハンや炊き込みご飯などに適しています。
1年経過ごとに「古」の文字が増えていく
古米は1年ごとに「古」の文字が増えていきます。たとえば収穫から2年が経過したお米は「古古米(ここまい)」、3年経過したものは「古古古米(こここまい)」です。
2025年に新米が収穫されれば、2020年産のお米は「古古古古古米(こここここまい)」となります。なお、お米は野菜や果物と同じ「生鮮食品」に分類されており、消費期限の表示義務はありません。
米の見分け方
店頭でお米の鮮度を見分けたい場合は、米袋の産年表示に注目しましょう。「令和◯年産」などと記載されていれば、いつの収穫米かわかります。
しかし、ブレンド米など一部のお米では、表示がなくパッケージから判断するのが難しい場合も。その際は、お米を炊く前に手で触って確かめてみましょう。新米は水分が多く手につきやすいのに対し、古米は水分が抜けて乾燥しているため、くっつきにくい傾向があります。
古古米や古古古米はまずい?味や食感の違い

古古米や古古古米は、通常の「古米」と比べてさらに長期間保存されたお米です。一般的に味や香りが落ちるとされますが、具体的にどのような点が劣化するのかや、美味しく炊くコツを紹介します。
- まずいといわれる理由
- 実際に食べた人の感想
- 古古米や古古古米を美味しく炊くコツ
それぞれ解説します。
まずいといわれる理由
古古米や古古古米が「まずい」といわれる主な理由には、保存期間中の品質劣化があります。時間の経過とともに水分が抜けて新米のようなふっくら感が失われ、パサついたりボソボソとした食感になりやすいのです。
また、古くなった米特有のにおい「劣化臭(れっかしゅう)」も原因の一つとされています。特に高温多湿の環境で長期保管された場合、酸化が進んで香りや味に大きく影響するでしょう。
実際に食べた人の感想
実際に古古米や古古古米を食べた人が、どのような感想を持つのかリサーチしました。
古古古米、普通に美味しくてびっくり!水を多めに入れて、2時間浸水してから炊いたらツヤもあってふっくら。備蓄米政策には賛否両論あるけど、ここまで高水準で保管できるのは日本ならではだと思う!
2022年産のお米、洗う前のお米は正直ぬか臭い。味は新米には劣るけど、全然食べられる。意識しないで食べたらわからないと思う。
古古古米食べたけど、炊き上がりが硬かった。次はもっと水を多めに入れて炊いてみようと思う。味は美味しかった。
古古古米と古米の試食会。白飯と酢めしにして食べてみましたが、ほとんど変わらないと感じました。農家さんいわく、その年の実り具合、保存方法で新米より美味しい場合もあるみたい!
「香りが気になる」「新米に比べると硬い」といった意見もありますが「思ったよりも美味しい」「水分多めで炊いたら、ふっくらして美味しかった」などの感想も見られました。保存方法や炊き方、調理方法を工夫することで古古米や古古古米でも充分楽しめることがわかります。
古古米や古古古米を美味しく炊くコツ
古古米や古古古米は新米に比べて乾燥しているため、美味しく食べるには炊き方にコツがあります。洗米の際は力を入れずに優しく洗い、米粒が割れないよう注意しましょう。炊飯時は、水を通常よりやや多めに加えるのがポイントです。
浸水時間も長めにとることで、ふっくらとした炊き上がりになります。夏場は30分〜1時間、冬場は1〜2時間を目安にするとよいでしょう。炊飯前に少量の料理酒やみりんを加えるのもおすすめです。アルコール成分がにおいを抑え、米の風味を向上させる効果が期待できます。お米2合に対し、大さじ1程度が目安です。
令和の米騒動で注目された備蓄米制度とは?

近年の米不足や価格高騰を受け、注目されているのが備蓄米です。ここでは、制度の基本と現状を解説します。
- 凶作時の供給不足に対応するための制度
- 3~5年で入れ替えられる
- 備蓄米の残量は約10万トンに
順番に見ていきましょう。
凶作時の供給不足に対応するための制度
備蓄米制度は、米の供給が著しく不足する事態へ備えるために設けられました。農林水産省が中心となり、全国およそ100か所の倉庫で常時約100万トンの米を保管しています。
異常気象による凶作や、大規模な自然災害などが発生した際には学校や避難所などに優先的に届けられる仕組みです。食料自給率が課題とされるなかで、備蓄米制度は重要なセーフティーネットといえるでしょう。
3~5年で入れ替えられる
備蓄米は品質保持と在庫の健全化を目的として、3年から5年のサイクルで計画的に入れ替えられます。古くなった備蓄米は、福祉施設や学校給食への供給など社会貢献に活用され、一部は海外への食糧支援や飼料用として転用されるケースも。
このような循環型の運用は、備蓄米の風味劣化や廃棄リスクを抑えるだけでなく、食品ロスの観点からも無駄なく効率的といえるでしょう。
備蓄米の残量は約10万トンに
米価高騰を受け、政府は備蓄米を段階的に市場へ放出しています。これまでに入札方式で約31万トン、随意契約で30万トンが市場に流通し、さらに2025年6月には追加で20万トンの放出が発表されました。
結果として備蓄残量は約10万トンと、平常時の目安である100万トンを大幅に下回っています。この状況に対し「今後の不作や災害時に対応できるのか」といった不安の声もあり、今後の供給状況や政府の対応が注目されます。
まとめ
古古米や古古古米は保存期間によって呼び名が変わり、新米とは異なる特徴があります。保存状態や炊き方に工夫を凝らせば、年数が経過したお米でも美味しく食べられることが多いです。見た目や名称だけで判断せず、特徴を理解したうえで活用してみてはいかがでしょうか。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課









