フリーWi-Fiの危険性とは?5つの対策や安全な回線の見分け方を解説

駅や商業施設、カフェなどに設置されているフリーWi-Fi。授業準備や資料の送信など、出先で便利に使える反面、見えないリスクが潜んでいます。正しい知識をもたないまま使うと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
本記事では、フリーWi-Fiの危険性や対策を徹底解説します。安全なWi-Fiを見極めるポイントにも触れているので、これを機会に理解を深めておきましょう。学生に向けた注意喚起にも活用できる内容になっているので、情報リテラシー指導にもお役立てください。
目次
フリーWi-Fiが危険といわれる3つの理由

外出先で便利に使えるフリーWi-Fiですが、危険性も高いといわれています。主な理由は、以下の3つです。
- 暗号化されていないケースもあるから
- 不特定多数の人が使えるから
- なりすましWi-Fiも存在するから
それぞれ解説します。
暗号化されていないケースもあるから
一部のフリーWi-Fiは、通信が暗号化されていません。暗号化とは、送受信されるデータを第三者に読まれないよう変換する技術のこと。これが施されていないネットワークだと、メールやSNSのログインパスワード、クレジットカード番号などの情報が盗まれてしまう恐れがあります。セキュリティ対策をせずに接続した利用者が、被害に遭うケースも報告されています。
不特定多数の人が使えるから
フリーWi-Fiは、誰でも接続できるオープンな環境です。そのため悪意を持ったユーザーが同じネットワークに潜り込み、他人の通信内容を覗き見たり、不正アクセスを試みたりする可能性もゼロではありません。
たとえば「中間者攻撃(MITM攻撃)」と呼ばれる手口では、通信の途中でデータを傍受・改ざんされることも。特に駅やカフェなど多くの人が利用する場所は、攻撃者にとっても狙いやすい環境です。
なりすましWi-Fiも存在するから
「なりすましWi-Fi(フェイクWi-Fi)」とは、正規のアクセスポイントと似た名称(SSID)を使い、利用者をだます不正なネットワークのことです。見た目が本物と変わらないため、利用者が誤って接続してしまうケースも少なくありません。接続した瞬間に通信が盗み見され、入力したIDやパスワード、個人情報が抜き取られる危険があります。
フリーWi-Fiに潜む4つの危険性
フリーWi-Fiの弱点を悪用されることで、さまざまな被害に遭う可能性があります。主な危険性は次の4つです。
- 個人情報やパスワードの流出
- ウイルスやマルウェア感染
- 不正アクセス
- 偽サイトへの誘導
それぞれ解説します。
1.個人情報やパスワードの流出
暗号化されていない通信では、IDやパスワード、メールの本文といった情報が傍受される危険があります。流出した情報はインターネット上で売買されたり、データブローカーと呼ばれる業者に転売されたりする恐れも。
一度漏れた情報は完全な回収が難しく、第三者から広告配信やスパム送信、詐欺メールに悪用されることもあります。複数のサイトで同じパスワードを使いまわしている場合は、特に注意が必要です。一度の流失で、大きな被害が生まれてしまうかもしれません。
2.ウイルスやマルウェア感染
攻撃者がネットワークの脆弱性を突き、ウイルスが侵入できるよう仕掛けているケースも見受けられます。このような場合は、接続するだけで端末が不正なプログラムに感染してしまうことも。
さらに感染した端末が別の攻撃に転用され、本人が気づかぬうちに第三者への攻撃に加担してしまう可能性もゼロではありません。特にセキュリティ設定が不十分な環境では、被害が広がりやすい傾向があります。
3.不正アクセス
ネットワークの設定によっては、接続中の端末同士が通信できる状態になることがあります。この仕組みを悪用し、攻撃者が他人の端末へ侵入を試みる事例も報告されています。不正アクセスを受けると内部データの閲覧やコピー、設定の改ざんといった被害が生じるリスクがあり注意が必要です。データが外部に送信されたり、突然システムが正常に動かなくなったりする可能性も考えられます。
4.偽サイトへの誘導
正規サイトを装った偽サイト(フィッシングサイト)に誘導する手口も横行しています。見た目やURLが本物に酷似しており、利用者が気づかないまま情報を入力してしまうケースも少なくありません。入力データは攻撃者に送信され、クレジットカード番号や会員情報が不正に利用される可能性があるのです。
特に銀行や大手通販サイトを模倣したページは巧妙に作られており、画面上で違いを判別するのは難しいでしょう。外見が正常に見えるため、利用者は安心して操作してしまいやすい構造となっています。
フリーWi-Fiを安全に利用するための対策5つ

セキュリティ上のリスクを完全に排除するのは難しいですが、対策を取ることで被害に遭う可能性を下げられます。以下のポイントを押さえておきましょう。
- VPN通信を活用する
- 自動接続をオフにする
- HTTPS接続のサイトのみを利用する
- セキュリティソフトを導入する
- 重要な情報入力は避ける
それぞれ詳しく解説します。
1.VPN通信を活用する
フリーWi-Fiを利用する際は、VPN(仮想専用線)サービスと併用するのが安全です。VPNを使うと通信経路が暗号化され、第三者が内容を読み取ることは困難になります。特に外出先でメールやクラウドサービスにアクセスする場合は、必須といえるでしょう。
信頼できる提供元のアプリを導入し、常時オンの状態に設定しておくと安心です。ただし無料で利用できるVPNには安全性が低いものもあるため、事前に利用規約や評判の確認を忘れないようにしましょう。
2.自動接続をオフにする
スマートフォンやパソコンには、過去に接続したWi-Fiに自動で繋ぐ機能が備わっています。便利な一方で、有効にしたままだと似た名前の偽Wi-Fiに誤って接続してしまう恐れも。
設定メニューから「自動接続」をオフにし、必要なときだけ手動で選ぶようにしましょう。SSID(ネットワーク名)を確認してから接続するだけでも、被害のリスクを減らせます。
3.HTTPS接続のサイトのみを利用する
HTTPS接続とは通信を暗号化して、情報の盗聴や改ざんを防ぐ役割を持つ仕組みです。フリーWi-Fi利用時は、URLが「https」から始まるサイトの利用が推奨されています。ブラウザのアドレス欄に鍵のマークが表示されていれば、暗号化通信が有効になっています。
「http」だけのサイトは通信内容が流出する危険があるため、情報を入力する前にURLを確認する習慣をつけましょう。
4.セキュリティソフトを導入する
端末側の防御力を強化するには、信頼性の高いセキュリティソフトを導入するのがおすすめです。ウイルスやマルウェアの侵入を検知し、危険なサイトへのアクセスを自動的に遮断してくれます。最新の脅威に対応できるよう、定期的なアップデートも大切です。
なかには危険なWi-Fi接続を自動で警告してくれるタイプもあり、外出先での利用時にも心強い味方となります。
5.重要な情報入力は避ける
どんなに対策しても、フリーWi-Fiの危険性がゼロになるわけではありません。インターネットバンキングへのログインやクレジットカード情報の入力など、重要な操作は避けたほうがよいでしょう。どうしても利用が必要な場合は、モバイルデータ通信やテザリングなど、自分専用の回線を使うのが望ましいです。トラブルを未然に防ぐためにも、安全性を最優先に考えましょう。
安全なフリーWi-Fiを見分ける3つのポイント
すべてのフリーWi-Fiが危険というわけではありません。提供元の信頼性や暗号化の有無を確認すれば、安全に利用できるケースもあります。安全なフリーWi-Fiを見分けるポイントは、次の3つです。
- 提供元が信頼できる事業者か
- 暗号化されているか
- パスワード保護や本人認証が求められるか
順番に解説します。
提供元が信頼できる事業者か
Wi-Fiを提供している事業者の信頼性は、必ずチェックしたいポイントです。たとえば大手カフェチェーンや自治体、空港などが公式に運営しているネットワークは、管理体制が整っていることが多いでしょう。反対に、提供者が不明なWi-Fiは注意しなければいけません。名称が似ているだけで、公式と関係のないケースもあります。接続する前に、店舗の案内表示や公式サイトを確認するのがおすすめです。
暗号化されているか
通信が暗号化されているWi-Fiかどうかも、大切なチェックポイント。暗号化とは、送受信するデータを第三者に読まれないよう変換する仕組みです。たとえば「WPA2」や「WPA3」などの暗号化方式を採用しているWi-Fiは、安全性が高い傾向にあります。
暗号化が施されていないオープンネットワークは、そのまま通信内容が流れるため、傍受される危険が高まるでしょう。接続時に「保護されていません」と表示された場合は、利用を控えることをおすすめします。
パスワード保護や本人認証が求められるか
接続時にパスワード入力やログイン認証を求めるWi-Fiは、比較的安全性が高い傾向にあります。誰でも自由に接続可能なオープン型ネットワークとは異なり、利用者を特定できる仕組みがあるからです。
登録手続きや利用規約への同意を必要とするタイプも、一定の管理下で運営されている可能性が高いでしょう。少し手間はありますが、安全性を重視するなら認証付きのネットワークを使うのが安心です。
まとめ
フリーWi-Fiは手軽で便利な反面、リスクも高い通信環境です。暗号化されていない回線や、提供者が不明なネットワークに安易に接続すると、個人情報の流出や不正アクセスの被害に繋がる恐れがあります。万全な対策を講じ、安全なWi-Fiを見極めたうえで使用しましょう。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課









