SPIは苦手意識を持つ学生が多い適性検査の1つです。
多くの企業が採用選考に取り入れているため、対策をしておきたい学生は多いでしょう。
就職活動の準備が始まると、学生からSPIについての悩みを相談されることがあるかもしれません。
本記事では、SPIの検査項目の1つである「能力検査」の得点が伸びない理由や、得点を伸ばすためのポイントを紹介しています。
学生から相談を受けた際に困らないように頭に入れておきましょう。
目次
SPIの難易度はそれほど高くない
苦手意識を持つ学生が多いSPIですが、難易度はそれほど高くありません。
難易度を正しく理解することで苦手意識も軽減されるでしょう。
中学・高校レベルの問題が大半
SPIの「能力検査」の難易度は中学・高校レベルです。
多くの学生が一度は学習を終えている内容のため、時間をかけて対策を行えば高得点を狙えるでしょう。
能力検査は、言語分野と非言語分野に分かれています。
ここでは、それぞれの対策を紹介します。
■言語分野の問題
必要な力:語彙力・問題文を読み解く力
語彙力を高めたい学生には、さまざまなジャンルの書籍を読んだり、多様な人との会話の機会を増やしたりするよう、アドバイスをしましょう。
また、「書く」といったアウトプットも語彙力を高めるためのトレーニングの1つです。
学生にブログやSNSでの発信をすすめるのもよいでしょう。
■非言語分野の問題
必要な力:計算力・論理的思考力
数学に苦手意識がある学生には、例題や過去問を何度も解くことを提案しましょう。
数をこなすことにより出題のパターンがわかってくれば、本番でも慌てずにすみます。
さらに、間違えた問題は繰り返し解いて理解を深めるようにアドバイスをしましょう。
出題数の多さがネック
SPIは、問題の難易度よりもその出題数の多さがネックになるといわれています。
出題数が多いため、焦ったり慌てたりして本来の力が発揮できない場合があるかもしれません。
SPIで高得点を獲得するためには、正確性とスピードの両立が必要です。
1つの問題に長い時間をかけていては、すべての問題を解き終えることができません。
わからない問題は潔く飛ばしてしまうのも1つの方法です。
時間がなくなり焦ってケアレスミスをするよりも、確実に解ける問題を解いていく方が高得点の獲得に繋がります。
ただし、WEBテスティングの場合は前の問題には戻れないため、飛ばしすぎには注意が必要です。
受検日が近い場合は「解ける問題から解く」ことを、受検日までに余裕がある場合は「繰り返し問題を解き、解答スピードを上げる」ことをアドバイスするとよいでしょう。
SPIを苦手に感じる原因
SPIは、問題に慣れることで一定水準以上の得点を獲得できる検査ですが、なかには「全く解けない」と感じる学生もいるでしょう。
ここからは、解けないと感じる理由を紹介します。
受検形式や問題に慣れていない
SPIの受検形式は4種類あります。
- ペーパーテスティング
- テストセンター
- WEBテスティング
- インハウスCBT
ペーパーテスティング以外は、パソコンを使用して受検する形式です。
指定の会場や応募先の企業で受検する場合には、慣れていないパソコンを使用することになります。
特に、普段Macを使用している学生には、Windowsの扱いに慣れておくようにアドバイスしましょう。
また、ペーパーテスティングの場合は、苦手な問題を飛ばして後から解きなおすことができますが、パソコンでの受検の場合は前の問題に戻ることができません。
事前に応募先の企業がどの受検形式であるかを確認し、その形式に合った練習をするようにアドバイスをしましょう。
時間配分ができていない
すでに解説した通り、SPIは時間との勝負です。
時間の配分を間違えると、解けるはずの問題まで到達できずに検査が終了してしまうことがあります。
出題数は多いですが、すべてが難しい問題ではありません。
苦手な問題を事前に把握しておけば、その問題を飛ばし、確実に解ける問題を解くことで得点を伸ばすことができます。
また、苦手な問題を長考しないといったルールを定めることが、スピーディーな解答に繋がります。
問題の解き方を理解できていない
SPIの問題集に取り組んだにもかかわらず、模擬検査や本番で解き方のわからない問題が多くある場合には、対策がまだ十分ではないということになります。
問題集を何度も解き、わからない問題や間違えた箇所の解説をよく読み、解き方を理解しておく必要があります。
それでも解き方のわからない問題が多い場合は、使用している参考書や問題集の難易度が低いのかもしれません。
難易度の低い参考書や問題集で対策をしていると、解き方のパターンを十分に習得できないことがあります。
その場合には、難易度の高い問題集で対策するようにアドバイスしましょう。
SPIが全く解けない学生がするべきSPI対策
ここからは、SPIが苦手な学生が行うべき対策を紹介します。
学生へのアドバイスの参考にしてください。
模擬検査を受ける
模擬検査を受けると、自分の得意分野・苦手分野の傾向を探ることができます。
まず模擬検査の自己採点を行い、その結果から苦手分野を抽出する方法が一般的です。
さらに一歩進んだ対策として、解答を外部機関に提出するという方法があります。
分析した結果から最適な学習方法をアドバイスしてもらえるため、より高得点を狙いたい学生におすすめです。
問題集を何周もする
SPIに有効な学習方法は、問題を暗記してしまうほどに1冊の問題集に何度も取り組むことです。
参考書も同様に、1冊を徹底的に読み込みましょう。
同じ問題を何度も解くことで、その問題に対する理解度が着実に上がっていきます。
何冊もの問題集や参考書に取り組むのではなく、1冊を極めることが重要なのです。
隙間時間にWebやアプリで対策
英単語を単語帳で覚えるように、言語分野においては隙間時間を使った対策が有効です。
SPIでは、スピーディーに解答することが求められています。
そのため、いつでも手軽に取り組める一問一答のような問題アプリは言語分野の対策に適しているでしょう。
スマートフォンやタブレットを活用してWebやアプリの問題集に取り組むことは、おすすめの学習方法の1つです。
電車に乗っている時間やお風呂、トイレの時間など、隙間時間を積み重ねれば多くの学習時間を確保することができます。
企業のインターンシップに参加する
SPIの対策をしてもなかなか点数が伸びない学生には、採用の本選考が始まる前に企業のインターンシップに参加することをすすめてもよいでしょう。
インターンシップでの活動実績により、特別選考ルートの道が開き、SPIや筆記試験が免除されるケースがあります。
採用とインターンシップを直結させている企業もあり、インターンシップに参加した学生は内定率が高いという調査結果が出ています。
この調査では、8割を超える企業が、内定者の中にその企業へのインターンシップ参加者が含まれていたと回答しています。
参考:就職みらい研究所「就職白書2022 ~就職活動・採用活動の振り返りと今後の見通し(冊子版)~」
学生が志望する企業でインターンシップを募集している場合には、積極的に参加するように促しましょう。
SPIの合格ボーダーラインとは?
SPIの指導や学習のアドバイスをするうえで、目標レベルを明確にしておくことが大切です。
SPIの合格ボーダーラインは、企業や受ける年度によって異なります。
ここからは、SPIの合格ボーダーラインについて見ていきましょう。
一般的な合格ボーダーラインは60%~70%台
推測値となりますが、受検者の平均得点率は60%、一般的なSPIの合格ボーダーラインは、60%〜70%台といわれています。
各企業の合格ボーダーラインを知ることはできませんが、業種によってはある程度の推測ができます。
たとえば、金融業やコンサルティング業の場合は、業務において高い能力が求められるため、合格ボーダーラインが高い傾向です。
大手企業の合格ボーダーラインは80%前後が目安
大手企業は、応募者が多いため高得点を獲得する受検者も多くいることでしょう。
そのため、合格ボーダーラインは高くなる傾向があります。
大手企業の採用選考を受ける場合は、80%程度は獲得しておきたいところです。
合格ボーダーラインを設けていない企業もある
SPIの得点による合格ボーダーラインを設けていない企業もあります。
このような企業は、一見門戸が広いようですが、実際には学歴やコネクション重視の採用選考を行っている可能性が考えられます。
就活アドバイザーなどを活用して、希望する企業がどのような採用活動を行っているのか、情報収集をするようにアドバイスしましょう。
まとめ
SPIは、問題に慣れていなければ高得点の獲得が難しい検査です。
一方で、しっかりと対策を行えば誰でも高得点を狙うことができる検査でもあります。
苦手意識を持っている学生も、適切なアドバイスにより高得点を獲得することができます。
高得点の獲得が志望企業への就職の足がかりとなるでしょう。
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