実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!|ウイナレッジ WE KNOWLEDGE

実務教育・職業教育に関わる皆さまにお役立ち情報をお届け!

TOPコラムライフ意外と知らないノーベル賞の種類とは?日本人の歴代受賞者も紹介

意外と知らないノーベル賞の種類とは?日本人の歴代受賞者も紹介

2025.12.03 ライフ

世界で最も権威ある賞といっても過言ではないノーベル賞は、さまざまな分野で人類の発展に寄与した人物に贈られます。しかし具体的にどのような種類があるのか、知らない先生も多いのではないでしょうか。

本記事では、ノーベル賞の基本的な仕組みや種類、選考の流れを解説します。歴代の日本人受賞者もまとめました。読むことでノーベル賞に関するニュースや話題が、より身近に感じられるでしょう。学生との会話ネタにもお役立てください。

こちらも読まれています

ノーベル賞とは?基礎知識を解説

ここでは、ノーベル賞を理解するうえで欠かせない基礎知識を解説します。

  1. 人類の発展に貢献した人へ贈られる賞
  2. 授賞式は毎年12月10日
  3. 公式記録上の最年少受賞者は17歳
  4. 死亡した人は受賞の対象外
  5. 選考の過程は決定から50年間は公開されない

順番に見ていきましょう。

1.人類の発展に貢献した人へ贈られる賞

ノーベル賞は科学技術や社会、人文学の発展に大きく寄与した人物を国際的に称えるための賞です。ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベル氏が、自身の莫大な遺産を使い、人類に利益をもたらす研究を後押しする目的で創設しました。

対象は世界中で推薦される個人や団体であり、科学的発見だけでなく文化や平和への貢献など多様な分野が対象となっているのが特徴です。名誉性が高く、受賞者の功績は世界レベルで認められることになります。

2.授賞式は毎年12月10日

ノーベル賞の授賞式は、創設者アルフレッド・ノーベル氏の命日にあたる毎年12月10日に開催されます。物理学賞や化学賞など、多くの賞はスウェーデンのストックホルムで開催されますが、平和賞だけはノルウェーのオスロで実施されるのが特徴です。受賞者は各国の国王や国際的な来賓が見守る格式高い式典にて、メダル・賞状・賞金を受け取ることになります。世界中の注目を集める一大行事であり、格式の高さからメディア報道も大規模に行われます。

3.公式記録上の最年少受賞者は17歳

ノーベル賞の歴代最年少受賞者は、2014年に平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ氏です。彼女は当時17歳の若さでありながら、女子教育を守るための活動が高く評価されました。これは年齢に関係なく、社会や科学において優れた成果を残せば正当に評価されることを象徴する出来事です。近年は分野によって若手の研究者が受賞するケースも増加しており、次世代の研究や社会活動にも大きな影響を与えています。

4.死亡した人は受賞の対象外

ノーベル賞は、原則として存命者のみを対象とする制度となっています。これは選考委員会が「評価される研究や活動が社会にどのような影響をもたらしたか」を現実の時間軸で検証するため、存命であることを制度設計上の前提としているためです。

発表前に死亡が確認された場合は、受賞対象から除外されます。ただし受賞発表後から授賞式前に死亡した場合は、例外的に授賞が認められるケースもあります。

5.選考の過程は決定から50年間は公開されない

選考内容は専門家による厳格な審査を経て決まりますが、決定後50年間は詳細が公開されません。この制度は政治的圧力や利害関係からの独立性を確保し、客観的かつ公平な審議を保つためのものです。50年後に公開される資料は、歴史的背景の理解や評価の検証に役立ちます。

ノーベル賞の種類は6つ!受賞した歴代日本人も紹介

ノーベル賞には6つの分野があります。ここでは、それぞれの特徴と歴代の主な日本人受賞者をまとめました。

  1. 物理学賞
  2. 化学賞
  3. 生理学・医学賞
  4. 文学賞
  5. 平和賞
  6. 経済学賞

それぞれ解説します。

1.物理学賞

物理学分野における根本的な発見や、理論を対象とする賞です。宇宙・素粒子・量子といった研究が中心であり、世界の科学を一気に前進させる成果が求められます。日本は高エネルギー加速器やニュートリノなどの観測・理論に強く、多数の受賞者を輩出してきました。主な日本人受賞者と具体的な功績は、以下のとおりです。

主な日本人受賞者(受賞年)

  • 湯川秀樹(1949年): パイ中間子の存在を理論的に提唱
  • 朝永振一郎(1965年):量子電磁力の理論整理(くりこみ理論)
  • 江崎玲於奈(1973年):トンネル効果素子「エサキダイオード」発明
  • 小柴昌俊(2002年):宇宙ニュートリノを観測
  • 小林誠 / 益川敏英(2008年):CP対称性の破れを説明する理論
  • 南部陽一郎(2008年):自発的対称性の破れ理論
  • 梶田隆章(2015年):ニュートリノに質量があることを実証

2.化学賞

新しい物質や材料、反応の発見など化学全般の革新が対象です。リチウムイオン電池や光触媒など私たちの日常生活の根底を大きく変える応用技術が多く、基礎的な発見から産業応用まで幅広い領域が評価の対象となりやすい傾向があります。主な日本人受賞者と具体的な功績は、以下のとおりです。

主な日本人受賞者(受賞年)

  • 福井謙一(1981年): フロンティア軌道理論を提唱
  • 野依良治(2001年):不斉触媒による精密合成法を確立
  • 田中耕一(2002年):タンパク質解析法(ソフトレーザー脱離)を開発
  • 鈴木章(2010年):鈴木カップリング反応の開発
  • 吉野彰(2019年):リチウムイオン電池の実用化を実現

3.生理学・医学賞

人間の生命現象の解明や、病気の治療法開発などに贈られる賞です。免疫学やiPS細胞といった医療研究における日本の存在感は大きく、世界的評価を受けてきました。社会的意義が大きいため注目度が高く、受賞後に医療現場へ大きく波及するケースが目立ちます。生命の根幹に関わるメカニズムの解明から実際の治療応用まで、幅広い研究が対象です。主な日本人受賞者と具体的な功績は、以下のとおりです。

主な日本人受賞者(受賞年)

  • 利根川進(1987年):抗体の多様性を生む仕組みを発見
  • 山中伸弥(2012年):iPS細胞を開発し再生医療の道を拓いた
  • 大村智(2015年):寄生虫感染症治療薬の基礎となるアベルメクチン群を発見

4.文学賞

文学作品そのものの芸術性や、世界文化への影響力を評価する賞です。小説だけでなく詩・戯曲など表現全般が対象となり、語り口の独創性や作品テーマの普遍性などが高く問われます。国ごとの文学的背景も注視されるため、候補者の幅が広いのが特徴です。主な日本人受賞者と具体的な功績は、以下のとおりです。

主な日本人受賞者(受賞年)

  • 川端康成(1968年):日本文化の美を描いた文学表現
  • 大江健三郎(1994年):個と社会を深く見つめる物語世界

5.平和賞

国際的な緊張の緩和や人権擁護への貢献、戦争回避への尽力といった活動を行った個人や団体に対して授与される賞であり、政治的な色彩が強いのが特徴です。ほかの賞の授賞式がスウェーデンのストックホルムで開催されるのに対し、平和賞だけはノーベル氏の遺言に基づきノルウェーのオスロで実施されてきました。

当時、スウェーデンとノルウェーは連合王国でしたが、ノーベル氏が両国の和解と平和を願って選考をノルウェーに託したといわれています。世界情勢と密接に結びついた受賞決定となるため、発表されるたびに大きな議論と世界中の注目を集めています。主な日本人受賞者と具体的な功績は、以下のとおりです。

主な日本人受賞者(受賞年)

  • 佐藤栄作(1974年):非核三原則を掲げ、NPT批准などを通じて平和外交を進めた
  • 核兵器廃絶国際キャンペーン<ICAN>(2017年):核兵器禁止条約成立に貢献
    ※日本や日本のNGOの関係者も参加

6.経済学賞

ノーベル経済学賞の正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」です。この賞は創設者アルフレッド・ノーベル氏の遺言には含まれておらず、1968年にスウェーデン銀行によって新たに創設されました。

現在は主要な6賞の一つとして広く認識され、ノーベル賞と同等の権威を持って扱われています。評価の対象となる研究は、経済理論の構築や、確立された政策評価への貢献などです。なお2025年時点において、日本人の正式な受賞者は不在となっています。

ノーベル賞の選考の流れとスケジュール

ノーベル賞の選考は、極めて厳格かつ長期にわたって実施されます。主な流れとスケジュールは、以下のとおりです。

  • 前年9月:推薦状の発送
  • 3月~:候補者の選考開始
  • 10月上旬頃:多数決投票
  • 10月中旬~:受賞者の発表

それぞれ見ていきましょう。

前年9月:推薦状の発送

各国の大学教授や研究機関に推薦依頼が送られ、候補者が正式にリストアップされます。推薦者は厳しく限定されており、専門的な視点から候補が精査される仕組みです。推薦資格を持つのは過去の受賞者や各国の学術アカデミー会員、主要大学の教授陣など、その分野で高い実績を持つ人物に限られます。

3月~:候補者の選考開始

推薦リストが確定すると、専門委員が候補者の研究内容を長期間にわたって精査します。査読論文の引用数や研究分野の学術的インパクト、理論的整合性や社会的波及効果など、多角的な評価軸で検討が続けられます。

ノーベル賞は単一論文だけではなく、研究史の連続性や貢献の累積を含めて議論されるため、一次データだけでなく研究者が維持してきた研究領域全体の価値も分析対象です。

10月上旬頃:多数決投票

候補者の分析と議論が一区切りすると、ノーベル賞委員会は最終的な受賞者を多数決方式で決定します。票決は委員による内部投票で行われ、議論の記録・評価基準・票数の詳細は外部に一切開示されません。

候補者本人に事前通知がなく、受賞発表の瞬間に初めて知らされるケースもあります。政治的配慮やスポンサー的評価が介入しないよう、選考の守秘制度は厳格に保たれているのです。

10月中旬~:受賞者の発表

世界中のメディアが注目するなか、10月中旬をめどに受賞者が公式発表されます。実際に授賞式が行われる12月10日までには約2カ月の期間があり、受賞者は自身の研究や業績に関する記念講演の準備など、授賞式に向けて準備を進めていきます。このようにノーベル賞は、専門的かつ徹底的な選考体制で進められ、歴史ある賞としての信頼を保持しているのです。

ノーベル賞に数学の分野がない理由とは?

ノーベル賞は科学・文化・平和など社会的波及が大きい領域に重点が置かれていますが、数学は部門として含まれていません。疑問に思う先生も多いのではないでしょうか。明確な根拠は残されていませんが、有力とされる指摘の一つに、アルフレッド・ノーベル氏は「社会に直接利益をもたらす研究・発明」を重視していた点が挙げられます。

またノーベル氏が生きていた時代に、数学を対象とする表彰制度の構想があったとの指摘もありますが、当時すでに確立した権威賞が存在していたと断定できる資料は確認されていません。現在はフィールズ賞やアーベル賞が、数学界における最重要表彰として広く認識されており、ノーベル賞と並列で議論される位置づけです。

まとめ

ノーベル賞は6つの分野において、人類に多大な貢献をした個人や団体を称える賞です 。創設者アルフレッド・ノーベル氏の遺志に基づいて存命者のみを対象とし、厳格なルールのもとで選考が行われています。

日本人は特に物理学分野で多くの受賞者を輩出し、素粒子研究やニュートリノ観測などで世界をリードしてきました。このような基礎知識があれば、ノーベル賞関連のニュースをより深く楽しめるでしょう。

こちらも読まれています

この記事は役に立ちましたか?

\ぜひ投票お願いします/
この記事を書いた人
鶴巻 健太

鶴巻 健太

新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課

週間アクセスランキング

週間アクセスランキング

お問い合わせ
LINE登録
メルマガ登録
LINE登録
メルマガ登録
トップへ戻る