近年、急速に進化を遂げているAI技術。生成AIと聞くとChatGPTを思い浮かべるかもしれませんが、実はGemini（ジェミニ）も優秀な生成AIとして注目を集めています。「名前は聞いたことがあるけれど、ChatGPTと何が違うの？」と疑問を持つ先生も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、Geminiの特徴やできることをわかりやすく解説します。ChatGPTとの違いもまとめたので、どちらを使うか検討する際の参考にしてください。

Geminiとは？基本を解説

Gemini の新ロゴリニューアルに合わせて
キャラクターも Gemini で作ってみました！
この子に似ているキャラを作りたい方はリプライで！ pic.twitter.com/AWO7XYDddS

— Google Japan (@googlejapan) July 2, 2025

Geminiは、Googleが開発した生成AIです。ここでは、基本を解説します。

1. Googleが開発した生成AIモデル
2. Geminiの料金
3. Geminiの使い方

順番に見ていきましょう。

Googleが開発した生成AIモデル

Googleが開発した、最先端の生成AIモデルが「Gemini」です。以前は「Bard（バード）」の名称で提供されていましたが、2024年にサービスが一新されて名称もGeminiへと変更になりました。

Googleアカウントがあれば利用でき、文章作成や要約、リサーチなど幅広いシーンで活躍してくれます。2025年6月時点で提供されているモデルは、以下の4種類です。

• Gemini Nano：モバイル端末での利用を想定した軽量モデル
• Gemini Flash：軽量でありながら高性能な処理能力を誇る
• Gemini Pro：日常的な会話や業務支援に適した汎用性の高いモデル
• Gemini Ultra：最も高度なモデルで複雑なタスクなどプロフェッショナルな用途にも対応

どのモデルも、利用シーンに応じて最適なパフォーマンスを発揮するよう設計されており、ユーザーのニーズに合わせた使い分けが可能です。

Geminiの料金

Geminiは基本的に無料で利用できますが、より高度なモデルを使いたい場合は有料プランへの加入が必要です。無料プランは、Googleアカウントがあれば使用できます。

有料の「Google AI Pro」は月額2,900円で、Gemini 2.5 Proが利用可能です。一度に処理できる情報量（コンテキストウィンドウ）が拡張され、長文や複雑な指示にも柔軟に対応できます。

Geminiの使い方

Geminiの使い方はシンプルで、複雑な設定は必要ありません。Googleの公式Webサイトにアクセスするか、スマートフォンの場合はGeminiアプリをダウンロードして起動するだけです。表示されたテキストボックスに質問やプロンプト（指示文）を入力すれば、数秒で回答してくれます。

なおAndroidの場合は、音声操作でもGeminiを呼び出すことが可能です。GoogleアシスタントのVoice Match機能をオンにしておけば、画面がロックされていても自分の声でGeminiを起動できます。

何がすごい？Geminiの特徴5つ

Welcome to Japan！🇯🇵#Gemini を使うと、テキストから
こんな映像と音を一瞬で
生成できちゃいます🍵

ぜひ作って遊んでみてください！#まいにちGemini #Veo3 pic.twitter.com/ztxnzTJrJz

— Google Japan (@googlejapan) June 23, 2025

Geminiが注目されている理由は、高度な処理能力や使いやすさにあります。主な特徴は、次の5つです。

1. マルチモーダル対応
2. Googleサービスとの連携
3. 高度な推論能力
4. 長いコンテキストウィンドウ
5. 高い安全性

それぞれ見ていきましょう。

1.マルチモーダル対応

Geminiは、テキスト・画像・音声など複数のデータ形式を同時に扱える「マルチモーダル」に対応しています。たとえば次のようなことができます。

• 会議の音声データから議事録を作成してもらう
• 画像をアップロードしてキャプションを提案してもらう
• 手書きのメモを撮影しテキスト化してもらう

異なる形式の情報を組み合わせて文脈を深く理解できるようになったことで、以前のテキストベースのAIでは難しかった幅広いタスクにも対応可能となりました。

2.Googleサービスとの連携

GoogleドキュメントやGoogleマップなど、Googleが提供している各種サービスとの連携ができるのは、Geminiならではの特徴です。たとえば受信したメールの内容を瞬時に要約したり、カレンダーの予定に基づいて情報やアイデアを提案したりできます。使いこなせれば、業務効率の向上に繋がるでしょう。

Google検索と連携しているため、最新のニュースやトレンド、リアルタイムの情報に基づいた回答を提供できるのも強みです。

3.高度な推論能力

情報を処理するだけでなく、高度な推論能力も持っています。推論能力とは、与えられた情報から論理的な関係性を導き出し、複雑な問題に対して適切な解決策を導き出す力のこと。膨大なデータから特定のパターンを見つけ出したり、複数の要素が絡み合う状況で最適な判断を下したりすることが可能です。

また「Aが真ならBはどうなる？」のような条件付きの思考にも対応可能で、科学研究やビジネス戦略の立案など、高度な思考が求められる分野での応用が期待されています。

4.長いコンテキストウィンドウ

従来のAIモデルでは、一度に理解・保持できる情報量に限界がありました。しかしGeminiは、長いテキストでも流れを保持できる「長いコンテキストウィンドウ」が特徴です。これにより、長文の小説や論文を扱う業務でも前後の整合性を保った応答が可能になりました。会議の議事録や長編レポートの要約など、大量の情報を扱う場面で役立つでしょう。

5.高い安全性

生成AIの利用が広がるなかで、不適切な情報や偏見を含んだコンテンツが生成されるリスクが懸念されていますが、GoogleはGeminiの開発において高い安全性の確保にも力を入れています。具体的には、倫理的なガイドラインに基づいた学習データの選定や、有害なコンテンツをフィルタリングする仕組みが導入されているのです。

またデータの保護とプライバシーの確保にも重点を置いており、データの悪用や個人情報の漏洩といったリスクを最小限に抑えられるよう対策されています。

Geminiでできること7つ

Geminiは、高度な機能で多くの業務をサポートしてくれます。代表的な活用例は、以下の7つです。

1. 情報収集
2. Webページの要約
3. 文章の生成や校正
4. 画像認識と内容の解説
5. プログラミングコードの生成
6. 画像や動画の生成
7. 音声入力

それぞれ解説します。

1.情報収集

従来のAIは情報がアップデートされず、誤情報が多いという課題がありました。GeminiはGoogle検索と連携しているため、最新かつ信頼性の高い情報を効率良く収集できます。たとえば「昨日の主要なニュースを教えて」と指示を入れれば、リアルタイムの情報を基にした要約を提供してくれますし「特定の分野に関する最新情報を調べてほしい」といった専門的なリサーチにも対応可能です。最新の動向に基づいた情報を提供してくれるため、リサーチの時間を大幅に短縮できるでしょう。

2.Webページの要約

ページの要約も瞬時に生成してくれます。WebページのURLを入力するだけで、内容の主要なポイントや結論を簡潔にまとめて提示してくれるのです。論文やビジネスレポートなど、読み解くのに時間がかかる資料の内容把握に役立ちます。

3.文章の生成や校正

さまざまな種類の文章を生成する能力にも優れています。ビジネスメールの下書き作成から、ブログ記事のアイデア出し、報告書やプレゼン資料まで幅広い用途に対応可能です。既存の文章の校正や推敲も得意としており、誤字脱字の修正はもちろん、表現の改善や自然な言い回しの提案もしてくれます。

「文章を書くのは苦手」「さらに魅力的な文章にしたい」と考える先生にとって、強力なサポーターとなるでしょう。

4.画像認識と内容の解説

アップロードされた画像を正確に認識し、内容について質問に答えたり詳細な解説を提供したりもできます。たとえば「写真に写っている建物の歴史を教えて」と指示すれば、視覚情報に基づいて知識を提供してくれます。画像から気軽に理解を深められるため、教育の分野でも役立つでしょう。

5.プログラミングコードの生成

プログラミングコードの生成も得意です。たとえば「Pythonでデータのソートをするためのコードを書いてください」と指示すれば、Geminiが適切なコードを生成してくれます。既存のコードのデバッグやエラーの解説もしてくれるため、プログラミング学習者だけでなく開発者にとっても便利です。

6.画像や動画の生成

テキストの指示に従い、オリジナルの画像や動画を生成してくれます。たとえば「青空の下でピクニックしている人々のイラストを作成して」など、指示を入れるだけでテキストに合致する画像生成が可能です。

プレゼンテーション資料やSNSコンテンツの作成など、発想力や創造性を必要とする場面で時間とコストを削減できるでしょう。

7.音声入力

音声入力にも対応しており、話しかけるだけで音声コンテンツ説明や文字起こしなど、さまざまなタスクを実行できます。機能の利用方法は、音声データをGeminiにアップロードして適切なプロンプトを入力するだけ。

またGemini Liveを利用すれば、リアルタイムでGeminiとの音声会話が可能です。文字を打ち込む手間がなく、まるで友人に話しかけるような感覚で使えるでしょう。なお2025年6月時点では、Androidスマートフォンまたはタブレットのみの対応となっています。

何が違うの？GeminiとChatGPTを比較

GeminiとChatGPTは、それぞれ異なる特徴と強みを持っています。ここでは、両者の違いをまとめました。

GeminiはGoogleサービスとの連携やマルチモーダル処理、長文処理能力に優れています。Googleが持つ膨大なデータと、検索技術の強みを活かしたものといえるでしょう。ChatGPTは、自然な対話能力や文章生成の精度に定評があり、豊富なプラグインによる拡張性が魅力です。

GeminiとChatGPTどちらを使うのがおすすめ？

どちらも優れた生成AIですが、用途や目的によって選ぶポイントが異なります。迷った場合は、以下を参考にしてみてください。

Geminiがおすすめの先生

以下の場合は、Geminiがおすすめです。

• 各種Googleサービスと連携したい
• 最新情報を効率的に収集したい
• 大量のデータを処理したい

それぞれ解説します。

各種Googleサービスと連携したい

Geminiは、Googleが提供する多くのサービスとシームレスに連携できます。「授業の予定をカレンダーで管理したい」「メールの内容を要約してほしい」といったニーズにも柔軟に対応でき、日々の業務効率化に役立つでしょう。

最新情報を効率的に収集したい

Google検索と連動しているため、最新のニュースやトレンド、専門分野の情報を素早く収集可能です。「今話題になっている教育関連のニュースを知りたい」といった要望にも、信頼性の高い情報をスピーディーに提供してくれます。

大量のデータを処理したい

上位モデルなら、長文や大量のデータを一度に処理することが可能です。たとえば会議の議事録や研究論文、複数の学生のレポートなど、大量のテキストデータをまとめて要約・分析したい場面でもスムーズに対応できるでしょう。

ChatGPTがおすすめの先生

以下の場合は、ChatGPTがおすすめです。

• 自然な日本語や敬語、相手の心理に配慮した文章を作成したい
• 豊富なプラグインを使いたい
• クリエイティブな活動に使いたい

それぞれ解説します。

自然な日本語や敬語、相手の心理に配慮した文章を作成したい

ChatGPTは、対話の流れや相手の立場を考慮した自然な日本語表現が得意です。「学生や保護者へ送る丁寧なメール文を作りたい」「相手の気持ちに寄り添った表現を考えたい」といったニーズにもきめ細かく応えてくれます。

豊富なプラグインを使いたい

ChatGPTは、豊富なプラグインを利用できる点が特長です。たとえば外部サービスと連携したり、特定の業務に特化した機能を追加したりと、用途に合わせて柔軟にカスタマイズできます。

クリエイティブな活動に使いたい

ChatGPTは、物語のアイデア出しや詩の作成、教材の構成案など創造的な業務にも適しています。「授業で使うオリジナルの例文を考えたい」「新しい企画を立てたい」といった場面で、発想を広げるサポートをしてくれるでしょう。

まとめ

GeminiはGoogleが開発した高性能な生成AIであり、マルチモーダル対応やGoogle連携、高い推論能力などが強みです。ChatGPTとは得意分野が異なるため、用途に応じた使い分けるとよいでしょう。賢く利用することで、日々の業務がスムーズになることを実感できるはずです。

この記事を書いた人

鶴巻 健太

新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課