計算を早くする3つの方法とは?メリットやおすすめアイテムも紹介

数学が苦手と感じている学生は少なくありません。その根本的な原因の一つに、計算が遅い点が挙げられます。基本的な四則演算に時間がかかるほど、内容理解に遅れが生じて苦手意識を強めやすいようです。
そこで本記事では、計算を正確かつ早くする3つの方法とコツをまとめました。数学が苦手だと悩む学生の指導にお役立てください。
目次
計算が苦手になる3つの原因とは?

なぜ苦手なのかを把握すると、対策も立てやすいです。ここでは主な原因を3つ紹介します。
- 基礎スキルが不足している
- 集中力が持続しない
- 苦手意識や焦りによる心理的ブロックがある
それぞれ見ていきましょう。
基礎スキルが不足している
計算が遅い学生の多くは、四則演算の土台が定着していないケースが目立ちます。公式や手順を暗記しているだけでは、問題の形式が変わった途端に対応できなくなってしまうのです。
たとえば繰り上がりのある足し算や分配法則を使った掛け算など、基本ルールの理解があやふやだと思考が止まりやすくなります。基本を丁寧に見直すことで、応用問題にもスムーズに取り組めるようになるでしょう。
集中力が持続しない
計算作業を長く続けると、どうしても注意力が散漫になってミスが目立ち始めます。特に同じような問題を繰り返し解いていると、脳が飽きてしまい集中の質が低下するのです。
学習は、短い時間で区切ると集中が続きやすいといわれています。無理のない範囲で練習時間を数分ごとに区切ったり、問題の種類を変えたりする工夫を取り入れるとよいでしょう。短時間でも質の高い学習を意識することが、結果的に計算力の向上に繋がります。
苦手意識や焦りによる心理的ブロックがある
「自分は計算が遅い」「また間違えるかもしれない」といった思い込みは、焦りや緊張の原因になります。心理的なプレッシャーがミスを誘発し、負のループに陥ってしまうケースも少なくありません。
失敗した経験が強く印象に残っていて、数字を見るだけで身構えてしまう学生もいます。心理的ハードルを下げるためには、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。
計算を早くするための方法3つ
計算力を上げるには、闇雲に問題を解くのではなく正しい方法でトレーニングを積むことが大切です。ここでは、3つの方法を紹介します。
- 段階的にトレーニングを積む
- 暗算力を鍛える
- 制限時間を設定して反復練習する
詳しく解説します。
段階的にトレーニングを積む
早く克服したいからといって、最初から複雑な長文問題や応用問題に取り組むのは苦手意識を高めてしまう可能性があります。基礎的な計算からスタートし、少しずつ難易度を上げていきましょう。1桁の足し算を完璧にしてから2桁に進むといった具合に段階を踏むことで、徐々に複雑な問題も無理なくこなせるようになります。
暗算力を鍛える
暗算は、頭の中で数を自由に動かす「イメージ力」を養うための大切なトレーニングです。暗算力がアップすると、複雑な計算でも脳内で構造をシンプルに整理できるようになります。難しい計算を見たときでも「こう分解したら簡単になるな」「あの数字を基準に考えよう」のように、問題解決へのひらめきが生まれやすくなるでしょう。
制限時間を設定して反復練習する
「1分で10問」「30秒以内に答える」といった時間制限を設けることで、集中力とスピードを同時に鍛えられます。タイマーを使った練習はゲーム感覚で取り組めるため、学生の競争心を刺激しやすく継続のモチベーションを保ちやすいのもメリットです。
ただし早さばかりを追い求めると、正確さがおろそかになる恐れもあります。最初は時間を気にせず正確に解くことを優先し、慣れてきたら徐々に制限を厳しくしていくのがよいでしょう。
計算が早くなる5つのコツ

計算力を効率的に上げるには、ポイントを押さえて普段の授業や自主学習で実践していくことが大切です。ここでは、5つのコツを紹介します。
- 積極的に数字に触れる習慣をつける
- 一桁の計算を完璧にする
- 左から右へ計算する
- 計算式を分解する
- 複数の計算方法を活用する
それぞれ見ていきましょう。
1.積極的に数字に触れる習慣をつける
計算に抵抗を感じる主な原因は、数字を扱うことに慣れていない点です。意識的に買い物の合計金額や割引額、料理のグラム換算など、日常生活で積極的に数字に触れる機会を増やしましょう。身近な場面から数字を扱うことで、数字そのものへの心理的ハードルが下がり、計算が身近な存在になります。
2.一桁の計算を完璧にする
複雑な計算を早く正確にこなすには、一桁の足し算や引き算、九九といった基礎演算を瞬時に答えられるまで鍛えることが欠かせません。基本の計算で迷いが生じると、結果的に全体の処理が遅れてしまうからです。
授業ではテンポの良い計算リレーや短時間テストを実施し、繰り返し解かせることで体に染み込ませていくとよいでしょう。意識しなくても答えが出るくらい練習を重ねることで、難しい計算に集中できる余裕が生まれやすくなります。
3.左から右へ計算する
暗算の処理速度を上げるには、筆算のように右からではなく左から順に処理する方法が有効です。たとえば「738+486」なら「700+400=1100」「30+80=110」「8+6=14」と分けて計算し、最後に合算すると直感的に理解しやすくなります。
これは文章を読む感覚と似ており、複数桁の計算でも効率的です。数のまとまりを意識することで桁のズレを防ぎ、正確さとスピードの両方を目指せます。ただしこの方法は、暗算では有効な場面が多いものの筆算と手順が異なるため、すべての学生に適しているわけではありません。暗算方法の一つとして取り入れていくと、場面に合わせて使い分けやすくなります。
4.計算式を分解する
複雑な式をそのまま処理しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。そこでおすすめなのが、式を「頭の中で扱いやすい小さなかたまり」に分解することです。たとえば、掛け算を足し算に分けて計算する分配法則を活用すれば「12×7」を「10×7+2×7」と分解して考えることができます。
また、一度キリの良い数にしてから考える方法もあります。たとえば「99×7」なら、99を「100-1」に分解して「(100-1)×7」に。次に小さな塊で考えて計算することで「100×7 -1×7=700-7=693」と瞬時に導き出せるでしょう。このように数字を意図的に分解・結合し、計算を単純化するとスムーズです。
5.複数の計算方法を活用する
計算の手順は、1種類だけではありません。問題の性質や状況に合わせて柔軟に使い分けられるようになると、効率と正確性を高められます。たとえば概算が許される場面では「おおよその値」を優先し、正確性が求められる試験問題では筆算を使うといった使い分けができると理想的でしょう。
指導する側としては、学生に「早く解く方法は1つではない」という発想を教えることで、応用力と判断力を同時に育てられます。
計算が早くなる3つのメリット
計算力の向上は、単に数字を扱う能力が上がるだけではありません。期待できる主なメリットは、次の3つです。
- 自分に自信が持てるようになる
- 時間に余裕が生まれる
- 学習効率が上がる
それぞれ解説します。
自分に自信が持てるようになる
計算力が向上すると、問題を迅速かつ正確に処理できるようになり「自分にもできる」という成功体験を得られます。成功体験は物事に取り組む姿勢を前向きにし、自己肯定感を高めるための大切な要素です。
自信がつけば、ほかの教科や難しい課題にも積極的に挑戦できるようになり、結果としてクラス全体の学習意欲も向上する好循環を生み出すことにも繋がります。先生側でも小さな「できた」を認め、学生の自己肯定感を育てていきましょう。
時間に余裕が生まれる
計算にかかる時間が短くなれば、テストや授業中に見直しや応用問題へ充てる時間を確保できます。問題文の読解やグラフの分析など、ほかの要素に集中する余裕も生まれるでしょう。時間配分のバランスが取れるようになることで全体の解答効率が向上し、焦りや緊張も減少します。これにより、精神的にも安定したパフォーマンスを維持できるようになるのです。
学習効率が上がる
計算処理が高速化・自動化されると計算にかけるエネルギーが減り、より高度な思考や分析に集中して使えるようになるのもメリットです。計算の早い学生は授業の進行にも余裕を持ってついていけるため、先生の説明に対する理解も早い傾向にあります。
基礎的な計算につまずくことなく内容の本質理解に集中でき、結果として短い時間で深い学びを得られるでしょう。
楽しみながら計算力を養える!おすすめアイテム3選
苦手を得意にするには、まず取り組むハードルを下げることが大切です。ここでは、楽しみながら計算力を養える3つのアイテムを紹介します。授業で取り入れてみてはいかがでしょうか。
- ドリル
- アプリ
- ボードゲーム
特徴を解説します。
ドリル
短時間で反復練習できるドリルは、計算力を鍛える定番アイテムです。毎日少しずつ取り組むことで、基礎的な計算パターンが体に身につきます。イラストが豊富なタイプや1日1ページなど取り組みやすい分量に設定されたドリルは、継続・習慣化しやすいでしょう。
たとえば「解けば解くほど頭がさえる! 大人のやりなおし算数ドリル」は、基本の見直しからステップアップまで無理なく進められる人気教材。大人になってからもう一度算数を学び直したい人にもぴったりです。
飽きを防ぐなら、紙ドリルとデジタル教材を併用するのもおすすめ。紙ドリルは書く動作による記憶の定着が期待でき、目への負担も少なめです。デジタル教材はゲーム感覚で取り組めて即座にフィードバックが得られるタイプが多いため、弱点を把握して効率的に学習を進められます。
アプリ
スマホやタブレットで動く計算アプリは、通学中や休み時間など短い時間でも取り組みやすいのが強みです。ゲーム性が高いタイプなら、クリア数やスコアが目に見える形で積み上がるため「もう少しだけ頑張ってみよう」という意識を作りやすいでしょう。おすすめは「ひよこ暗算」。シンプルな操作で暗算に集中でき、短時間でも計算スピードの底上げが狙えます。
先生側としても自主学習の入り口として提案しやすく、授業前のウォーミングアップにも相性が良いです。また対戦やスコア競争要素があるアプリなら、学生同士の学習意欲を自然に引き上げる効果も期待できます。
ボードゲーム
数や論理を使うボードゲームは、楽しみながら思考力や数に対する感覚を育てられるアイテムです。計算そのもののスピードを直接伸ばすというより、数の扱いに慣れ、柔軟に考える土台づくりに役立ちます。
たとえば「ナインブレイク」は、シンプルなルールで子どもから大人まで楽しめるボードゲーム。数字の付いたコマを相手のコマをはさむように置き、コマの数字の合計に応じて裏返すため、場面ごとに計算しながら進める必要があります。戦略的な数の操作が求められるので、計算力だけでなく論理的思考力も鍛えられます。
プレイを進めるうちに勉強しているという意識が薄れ、能動的に学べるでしょう。授業内でのミニゲームとして取り入れることで、学びつつ適度なリフレッシュにもなります。
まとめ
計算力は、日常的に数字に触れる習慣や段階的なトレーニングを通じて伸ばすことが可能です。早くなることで自信が持てる、時間に余裕が生まれるなどのメリットも期待できます。授業でもコツやアイテムを活用し、無理なく学生の計算力を伸ばしていきましょう。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課









