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TOPコラム先生の知恵袋雑談力とは?教職員が学生と話すときのコツや話題の選び方

雑談力とは?教職員が学生と話すときのコツや話題の選び方

面談の時間が残っているのに、学生が黙ってしまう。次の話題が出てこないまま、つい時計を見てしまう。専門学校の教職員なら、一度は経験したことのある場面ではないでしょうか。

同じことは、保護者からの電話でも、実習先への訪問でも、オープンキャンパスの待ち時間でも起こり得ます。こうした何気ない会話の場面で役立つのが、「雑談」です。さまざまな相手と接する仕事だからこそ、何を話せばいいのか思いつかない時間は繰り返しやってくるでしょう。

ただ、雑談の得意・不得意を分けているのは、生まれつきの性格ではありません。相手の何に関心を向けるか、そしていくつかのコツを知っているかどうかなのです。

本記事では、教職員が雑談を交わす場面に絞って整理していきます。学生との面談、保護者への電話、実習先への訪問、オープンキャンパス。それぞれの場面で使える、雑談のコツを紹介します。

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雑談力とは?会話を途切れさせずに続ける力

雑談力という言葉は、話のうまさを指すものだと受け取られがちです。まずはその中身と、教職員の仕事でなぜ必要になるのかを見ていきましょう。

(1)間を埋める技術ではない

雑談力とは、相手との関係性に関わらず、会話を途切れさせずに続けられる力のことです。明確な定義がある言葉ではないので、本記事ではこの意味で話を進めていきます。

ここで押さえておきたいのが、沈黙を埋めること自体が目的ではないという点です。

そもそも雑談は、会議や面談のように結論へ向かう話し合いとは前提が違います。

  • 決めるべき結論がない
  • 話題が途中で移っても構わない
  • 終わらせ方を相手に委ねてよい

この3点を前提にすると、「うまくまとめなければ」という気負いが消えていきます。話が脇へそれても、相手が別の話を始めても、雑談では自然なことです。

(2)教職員に必要とされる理由

学生、保護者、実習先の担当者。教職員が関わる相手は、多岐に渡ります。そしてその関係性は年単位で続いていきます。

担任は、同じ学生と2年間、場合によっては4年間関わり続けることもあります。実習先の担当者とも、毎年同じ時期に顔を合わせますよね。

同じ相手と継続的に関わる仕事では、共通の話題が最初から用意されていることのほうが少ないものです 。その隙間を埋めてくれるのが雑談というわけです。

関連記事: 「褒め」と「雑談」で学生のやる気を引き出す | 宮崎ペットワールド専門学校【教員インタビュー】

(3)学生から相談されやすくなる

雑談のねらいのひとつは、「この先生は話しかけやすい」と思ってもらうことにあります。会話が盛り上がったかどうかは、あくまで結果の一つです。

進路の迷いや家庭の事情は、改まった面談の場では出てきにくいものです。「相談があります」と切り出すには、学生にとっても少なからず勇気が必要だからです。

廊下ですれ違ったときの短いやり取りや、授業前の数十秒。そうした何気ない会話の積み重ねが、相談の入り口になることもあります。退学や休学の相談が雑談の延長で持ちかけられることも、決して珍しくありません。

雑談が続く人と途切れる人の違い

雑談が続く人と途切れる人の差は、性格の明るさではなく会話の進め方に表れます。とくに差が出るのが、次の4つの場面です。

場面雑談が続く人雑談が途切れる人
次の質問を考えるとき相手の返答の中から言葉を拾う自分が用意した話題へ戻す
相手が話している間話し終わるまで待つ先回りして言葉を足す
知らない話題が出たとき「それは何ですか」と質問する知ったふりで受け流す
共通点が見つかったとき相手の体験を掘り下げる「私の場合は」と自分の話へ移す

こうして並べてみると、差は知識や話題の数ではないことが分かります。関心を相手へ向けているか、自分へ向けているかの違いです。この2つを順に見ていきましょう。

(1)相手に関心を向けている

雑談が続く人は、自分が何を話すかより、相手が何に反応したかを大切にしています。具体的には、次のような聞き方をしているのです。

  • 相手の返答の中から次の質問をつくる
  • 相手が話し終わるまで待つ
  • 知らない話題でも「それは何ですか」と質問できる

とくに効果があるのが3つ目です。学生が話すゲームやアーティストの名前を知らなくても、「知らない」と伝えたうえで質問すれば、学生は喜んで説明してくれます。大切なのは知識の量ではなく、相手の話に関心を向けられるかどうかです。

(2)自分の話に寄せてしまう

一方、話が途切れやすいときは、相手の話を自分の経験へ引き取ってしまっていることが多いものです。

「私の場合は」と返すと、話題の主導権がこちらへ移ります。悪気がなくても、相手は「自分の話はもう終わったのだ」と受け取ってしまうでしょう。学生の口数が急に少なくなったときは、直前の自分の返し方を思い出してみてください。

とはいえ、関心が自分に向いてしまってるだけのこと。もう一度相手の話に関心を向ければ、会話は続けやすくなります。

教職員が雑談力を高める4つのトレーニング

雑談力は、日々のやり取りの中で少しずつ高めていけます。ここでは、今日から試せる4つのトレーニングを紹介します。

  1. あいさつにひと言を足す
  2. 話が広がる聞き方をする
  3. 相手の返答の言葉を拾う
  4. 沈黙したら自分も黙る

それぞれ見ていきましょう。

(1)あいさつにひと言を足す

「おはよう」で終わらせず、ひと言だけ足してみましょう。「おはよう、その靴新しいんじゃない?」「おはよう、今日は冷えるね」といった程度で構いません。

話す内容を難しく考える必要はりません。ひと言足すだけで、相手も返事をしやすくなります。まずはひと言加えることを意識して、回数を増やしてみてください。

毎日顔を合わせる学生であれば、1か月ほど続けるだけで反応が変わってくるはずです。最初は会釈だけだった学生が、自分から話しかけてくるようになることも。こうした変化が、次のトレーニングの土台になります。

(2)話が広がる聞き方をする

「課題は終わった?」は、返答が「はい」か「いいえ」で終わってしまう質問です。これを「課題はどのあたりまで進んだ?」に変えると、相手は状況を説明することになります。

「何」「どう」「どのあたり」を使って質問するだけで、相手から引き出せる話の量が増えていきます。学生が黙ってしまう面談では、質問の形を見直してみてはいかがでしょうか。

ただし、質問を重ねると、取り調べのようになってしまいます。学生が答えに詰まったら、「そうだよね」「なかなか進まないよね」などと受け止めて、いったん別の話題に移る。この緩急も含めて、雑談の練習だと考えてみてください。

関連記事: 質問力を高めるには?質問の仕方のコツや良い質問の例を解説

(3)相手の返答の言葉を拾う

返ってきた言葉の中から、気になった言葉をひとつ拾って次の質問につなげます。

「昨日はバイトで課題をやる時間がなくて」と言われたら「バイト」を拾い、「どんなバイトをしているの?」と返す。言い換えず、相手が実際に口にした言葉をそのまま使うのがポイントです。この方法を覚えておけば、次の話題を一から考える必要がなくなります。

この例で拾えるのは「バイト」と「課題」の2つです。選ぶのは、相手が詳しく話しているほうの言葉。この例で学生は課題ができなかった理由としてバイトの話を出しています。つまり、バイトについて話を広げると、相手が話しやすい流れをつくることができます。

(4)沈黙したら自分も黙る

これも練習で身につくテクニックです。相手が黙ったら、次の質問を出さずに、相手の手元や顔に視線を置いたまま待ってみましょう。埋めようとして矢継ぎ早に質問すると、相手は問い詰められているように感じてしまうものです。

待っていると、相手のほうから話し出すことがあります。とくに面談では、言いにくいことを切り出すまでに時間がかかるものですよね。沈黙が続いても自分から埋めない、と決めておくだけで対応が変わってきます。

雑談のネタに困ったら「木戸に立ちかけせし衣食住」を使う

そもそも話題が思いつかない。そんなときのために、昔から使われている語呂合わせがあります。その内容と、教育現場での選び方を見ていきましょう。

(1)「木戸に立ちかけせし衣食住」を覚えておく

これは、雑談の話題を思い出すための語呂合わせです。Weblioの「実用日本語表現辞典」が見出し語にしている形で、頭文字がそれぞれ話題を指しています。

  • 木=気象
  • 戸=道楽(趣味)
  • に=ニュース
  • 立=旅
  • ち=知人
  • か=家庭
  • け=健康
  • し=仕事
  • 衣=衣類
  • 食=食事
  • 住=住まい

なお、この語呂合わせは表記や内容が一つに定まっているわけではありません。ウェブ上の解説記事では「木戸に立てかけし衣食住」として、5番目を「天気」、6番目を「家族」とする形も見られます。どの形で覚えても構いません。大事なのは、迷ったときに使える話題をいくつか持っておくことです。

※参考:Weblio「実用日本語表現辞典「木戸に立ちかけせし衣食住」」

(2)学生には趣味と食べ物の話

話題を選ぶときの参考になる調査があります。アルバイト経験のある10〜60代600人に、初対面で盛り上がった話題を聞いた調査です。1位が趣味・推し・エンタメ(29.9%)、2位が食べ物・飲食店(12.0%)でした。

ただし、企業が自社メディアで行った調査で、教員と学生のやり取りを対象にしたものではありません。話題を考えるときの参考として捉えておきましょう。

質問の仕方もポイントです。「趣味は何?」と正面から聞かれると、学生は答えにくいことがあります。「休みの日は何してるの?」と聞き方を変えると、同じことを尋ねる場合でも、答えやすさは変わります。

※参考:マイナビバイトTIMES「盛り上がる会話ネタ19選!話す話題がない相手や初対面の人との雑談に便利」

(3)天気は会話の入り口

天気の話は中身がないと言われがちですが、誰とでも話しやすく、相手も答えやすいのが強みです。

「寒くなったね」で始めて、「バイト先までは自転車?」と生活の話へつなげていく。天気の話そのものを盛り上げるのではなく、会話の入り口として使うものと考えると、役割がはっきりします。

学生と廊下ですれ違うときや、実習先への訪問など、なにから話せばよいか迷う場面で扱いやすい話題です。

(4)年収・学歴・政治は避ける

一方で、雑談では避けたほうがよい話題もあります。年収、学歴、政治や宗教は、相手の立場によって受け取り方が大きく変わる話題です。

恋愛や家族構成も、学生の事情に踏み込んでしまう可能性があります。ひとり親の家庭や、経済的な事情を抱える学生もいるでしょう。雑談のつもりの質問でも、学生にとっては答えたくないことを聞かれていると感じる場合があります。

見た目や体型の話も、褒め言葉のつもりでも避けておきましょう。教職員と学生には立場の違いがあるため、教職員にとっては何気ない一言でも、学生が受け流せないことがあります。

教職員が知っておきたい相手別の雑談ネタ

同じ話題でも、相手が変われば向き不向きが変わってきます。ここでは、教職員が実際に雑談を交わす4つの場面を見ていきましょう。

  1. 学生との面談
  2. 保護者との電話や面談
  3. 実習先への訪問
  4. オープンキャンパス
場面使いやすい話題避けたい話題
学生との面談趣味、食べ物、アルバイト成績の比較、家庭の事情
保護者との電話や面談天気、学校行事、学生の様子ほかの学生や家庭との比較
実習先への訪問季節、業界のニュース職場の人間関係、待遇
オープンキャンパス来場のきっかけ、部活、通学方法併願先、学力、家庭の経済状況

それぞれ見ていきましょう。

(1)学生との面談

座ってすぐ本題に入ると、学生は身構えてしまいます。まずは答えやすいことから聞いてみましょう。

「今日は何時から授業だった?」程度で構いません。一度声を出してもらってから本題へ移ると、返ってくる言葉の量が変わってきます。

長く続ける必要はありません。ひと言ふた言で十分です。助走が長すぎると、今度は「早く本題に入ってほしい」と思われかねません。欠席が続いている学生との面談では、こうした短いやり取りから始めるのもひとつの方法です。

なお、成績をほかの学生と比べる話は、雑談のつもりでも指導として受け取られる場合があります。成績について指摘する場合は、雑談としてや、ほかの学生との比較ではなく、学生本人の状況に向き合い、必要なことを具体的に伝えましょう。

関連記事: 学生との個別面談スキルを上げるにはどうしたらいい?

(2)保護者との電話や面談

保護者は、学校からの着信に緊張することもあります。用件に入る前に、学生の様子をひと言添えると会話を始めやすくなります。

「最近、実習の話をよくしてくれます」のように、具体的な場面を一つ出してみてください。「頑張っています」のような一般的な表現より、実際に見た様子を伝えるほうが学生の姿がイメージできます。

電話では表情が見えないぶん、声の調子や言葉の選び方も大切です。用件が事務連絡であれば、最初にそう伝えてから、必要に応じてひと言ふた言の雑談を挟むとよいでしょう。

ほかの家庭と比べる話は、どんな文脈でも避けたいところです。褒めるつもりの比較でも、保護者にとっては自分の家庭が評価されているように感じる可能性があります。

(3)実習先への訪問

実習先では、学校が依頼をして訪問する側になります。季節や業界のニュースで入り、そこから受け入れの相談や実習中の学生の様子を聞く流れがよいでしょう。

担当者は業務の合間に時間を作ってくれています。訪問の目的を先に伝えて、雑談は本題前後の短い時間にとどめるのがおすすめです。

職場の人間関係や待遇に踏み込む話題は、学生の受け入れそのものに影響する場合があります。学生から不満を聞いていたとしても、その場で確かめようとせず、いったん学校へ持ち帰りましょう。

(4)オープンキャンパス

高校生は緊張しています。学校の説明を続けるより、来場のきっかけや通学方法など、身近なことを聞くほうが会話を始めやすくなります。

「どこから来たの?」「部活は何やってるの?」のように、短く答えられる質問から始めます。初対面の大人を相手にすると緊張する高校生もいるため、最初から長い答えを求めない質問のほうが答えやすいでしょう。

併願先や学力について詳しく聞くと、高校生が選考の一環のように感じてしまうことがあります。保護者が同席している場合は、家庭の経済状況に触れないよう気をつけましょう。学費について質問された場合は、資料を案内したり、担当窓口につないだりするとよいでしょう。

まとめ:雑談力が学生との関係をつくる

雑談力を高めるポイントは、相手へ関心を向けることです。ここまでの内容を整理すると、次の4点です。

  • 雑談のねらいは「話しかけやすい」と思ってもらうこと。盛り上がったかどうかはあくまで結果のひとつ
  • 差が出るのは、関心を自分に向けているか、相手に向けているか
  • コツは4つ。あいさつにひと言足す/「何」「どう」「どのあたり」 を使って質問する/相手の返答から言葉を拾う/沈黙したら自分も黙る
  • 相手と場面によって、使いやすい話題と避けたい話題が変わる

明日、廊下ですれ違った学生に、あいさつのあとにひと言足してみる。はじめはそれだけで十分です。「おはよう」で終わらせず、ひと言を重ねていきましょう。そうした何気ないやり取りが、学生から相談してもらえる関係づくりにつながっていきます。

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この記事を書いた人
宇井 馴次 (うい なれじ)

宇井 馴次 (うい なれじ)

ウイナレッジ編集部所属のバーチャルヒューマン。
専門学校の先生方の多忙な日常を、お役立ち情報で支える探求者。
私生活では、予測不能な動きを見せる双子の娘に翻弄されるパパ。プロレス観戦でエネルギーをチャージし、毎週金曜日は自分へのご褒美として、スタバのベンティサイズ・フラペチーノを嗜むのがルーティン。
「先生の笑顔が、学生の未来を作る」をモットーに、役立つ情報を発信中。

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