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TOP教養スキルアップ学生の名前が覚えられない…早く覚えるコツはありますか?

学生の名前が覚えられない…早く覚えるコツはありますか?

連載侑加先生のお悩み相談室

先生に特有のお悩みから、ワークライフバランス、キャリアデザインまで。「他の学校はどうなんだろう、他の先生はどう考えているんだろう……」と思ったら、学校の現場にも詳しい侑加先生に相談してみませんか?

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今回は、「学生の名前が覚えられない」というお悩みです。
新年度が始まり2カ月が過ぎました。担任クラスの学生の名前は完璧に覚えたけれど、教科担当のみのクラスはちょっと自信がない…そんな先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

いわゆるキラキラネームのブームは2000年代~2010年代前半が全盛期でした。キラキラネームをもつ学生はこの先数年間入学してくると考えられます。先生の同年代では聞き馴染み、呼び馴染みのない名前も多く、なおさら覚えるのが難しくなっているのかもしれません。

とはいえ、会話中に名前がすっと出てこない、誤った名前で呼んでしまう、など学生からの信頼を損なう行為は避けたいですよね。早く正しく名前を覚える、名前と顔を一致させるコツはあるのでしょうか。

侑加先生に聞いてみましょう!

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【今回のお悩み】学生の名前と顔が一致しません。

相談者:藤崎先生(仮名)[女性・40代前半]

ブライダル系の学科で教員をしています。
もともと人の名前を覚えるのが苦手で、学生の名前を覚えるのに苦労しています。

今年は28名の学生の担任をすることになりました。
名前の読み方は名簿に仮名が振ってあるので迷うことはありませんが、4月中はなかなか名前と顔が一致せず、自信をもって呼びかけることができませんでした。

自分が生徒・学生だったころは、規模の小さい学校だったこともあるかもしれませんが、担任の先生だけでなく教科担当の先生も春からしっかりと私の名前を呼んでくれたように記憶しています。
一度だけ、担任クラスの学生を別の名前で呼んでしまい、指摘されたことがありました。そのときは学生を傷つけてしまったことで自己嫌悪に陥りました。

担任クラスの学生と、教科を受け持つクラスの学生を合わせると100名以上の学生の名前を覚えなければなりません。正直にいうと、流行りのメイクや髪型、服装をしていることで、見分けがつきにくい学生がいるのも事実です。そんな中、学生よりも教員の人数は圧倒的に少ないため、学生側は私の名前と顔をすぐに認識してくれます。そのプレッシャーもあり、新しい学生との出会いがある春がくるのが怖くなってしまいそうです。

まずは名前を正しく覚えること、そして名前と顔を一致させるコツがあれば教えていただきたいです。

以上が今回のお悩みです。
それでは侑加先生の回答をご覧ください!

名前と顔を覚えるのは、大変です。座席表を頼りに、中間層の6割を指名しましょう!

藤崎先生、ご相談をいただき、ありがとうございます。最近の学生の名前は、中々読みづらいですし、顔も服装も似たような感じで、私も覚えるのが難しいなぁと思っていました。

毎年、新しい学生達と出会います。専門学校で担任クラスを持っていた時、4月は、顔写真と名前(振り仮名付き)を印刷した座席表をクリアファイルに入れて、教卓に置いておきました。一ヶ月間、座席変更をしなければ、30名規模なら、半数以上は覚えられると思います。だいぶ覚えてきたなと思えたら、クリアファイルを裏返します。裏面は、顔写真無しの名前だけの座席表にしておくと、覚えたかどうか、誰を覚えていないかを確認できます。

クラスを、上位2割、中間6割、下位2割と大きく分けてみましょう。上位2割は、ブライダルを学ぶことに意欲満々で、オープンキャンパスにも参加していたでしょう。成績上位で推薦合格、クラスリーダーを務めていた経験もあります。28名に話しかけていても、当事者意識を高く持ち、聞く態度、反応もいいので、目立つでしょう。すると、自然に覚えられますよね。

下位2割は、遅刻欠席、忘れ物が多く、2週目から授業内容を理解できているか心配になるかもしれません。遠方から通うのが大変かと声を掛けたり、テキストを忘れるので予備を貸したり、ランチタイムに一人でいて、友達ができないのかしらと心配したり、何かと気を遣います。フォローやケアをするうちに、接触量が増えるので、覚えますよね。朝一番、顔を見ると、登校できていることに安堵します。

覚えづらいのは、中間層の6割です。ブライダル系の学生は、美しさに憧れていることでしょう。流行のヘアメイク、ネイルなどにも興味津々で、授業で習う前から、YouTube動画などで研究し、皆さんが似たようなスタイルになっているのではないでしょうか。そこで、授業中のテキストの読み上げ、簡単な質疑応答などを、この6割の学生を中心に指名していきます。学生の名前を呼ぶ回数、アイコンタクトの回数で覚えられるのですね。

4月から、授業中の 「笑顔で返事、アイコンタクト」を徹底しましょう

テキストを読むように指名すると、そのまま読み出す学生が大勢います。まずは、自分が指名された認識がある、ということを表現するように促しましょう。笑顔で「ハイ!」と応え、アイコンタクトを取りたいですね。この笑顔が、難しいのです。コロナ禍も影響したと思うのですが、目が笑わず、真顔で怖い感じのままの学生が多いです。今もマスク着用の学生が数名います。そして、男女ともに、前髪が長いです。すると目が見えませんから、笑顔かどうかも分かりません。名前を呼ばれて、不愉快そうに見える人もいます。

ブライダルの現場では、赤ちゃんからお年を召した方まで、幅広い年齢層の方とコミュニケーションできる力が必須です。前髪が長く、全くアイコンタクトが取れない、笑顔かどうかも相手に伝えられないのでは、仕事になりません。感じ良く「ハイ!」と発声できることが大切です。先生の質問に答えられなくても、「(笑顔で)ハイ!…分かりません」としっかり発話することがトレーニングになります。そのやり取りで、名前と顔を一致させる機会が増えます。授業は双方向、常に参加意識を持たせたいですよね。

時々、ボーっとしていて、指名されても、テキストのどこを読んでいいか分からない学生がいます。すぐに先生が手助けせず、前後左右の同級生に助けるよう促すのもいいですね。4月は、クラスの温かい雰囲気を醸成していく時期です。学生同士のコミュニケーションを促す事にも役立ちます。先生はその間にも、前後左右の学生の名前と顔を一致させ、声を掛けることができます。婚礼の現場では、それぞれがプロとして力を発揮しながらも、チームワークが何より大事です。授業運営、クラス活動、全てが社会人として働く現場でのコミュニケーション能力の養成に繋がっている、という意識を持ちたいですね。

テキストを読みながら、漢字の読み方が分からず、止まってしまう学生がいます。ジーっとしているので、微妙な間が空いてしまいます。こうした時も、「次の漢字はなんと読みますか」と質問させるようにするといいですよね。学生が恥をかかないようにと気を遣い過ぎて、すぐに先生が教えてしまうケースがあります。すると、学生側の発話が少ないので、顔と名前を一致させる機会が得られません。また、自分から責任を持って確かめる、という行為をさせるチャンスを奪ってしまうことになります。

これら一連の流れは、6月からでは難しいものです。4月、5月の粘り強い動機付け、繰り返しが大切で、ここを乗り切れば習慣になっていきます。笑顔で「ハイ!」という学生とのアイコンタクト、教卓の座席表で、顔と名前の一致を繰り返したいですね。ぜひ、全校で取り組んでみてください。

学生は、すぐにインターンシップで現場に出ます。挨拶、名乗りが仕事の第一歩です!

藤崎先生は、「学生の名前を別の名前で呼んでしまい、…傷つけてしまった」と自己嫌悪に陥ってしまったそうですね。優しい思いやりのある先生だなぁと感心しました。私も間違って呼んでしまったことがあります。学生は、ムッとした顔をしたり、イラっとした顔で訂正したりする場合もありました。こちらも嫌な気持ちになりますが、全員がそうではないのです。感じ良く訂正したり、ユーモアで返したりする学生もいました。これは、人柄の表れ、上級のコミュニケーション能力とも言えるものだと思います。

私自身も間違われやすい名前ですから、自己紹介の時に気を付けようと思います。ゆっくりはっきり名乗ろうと心がけます。学生にしてみても、今までの生活の中で、間違われることもあったでしょう。何も、先生が自己嫌悪に陥る必要はありませんよ。その場で謝って、すぐに訂正されたことでしょう。そうして覚えていけばいいのですよね。学生側にも、もう少し大きな声で滑舌良く話すように努力させたいですね。ホスピタリティマインドに溢れた接遇者になるための、大きな一歩です。

小学校の担任の先生方は、「<学校=家庭以外の生活場面>で、安心できるように」と子どもの名前と顔を一生懸命覚えます。学校では、親代わりですからね。専門学校では、どのように考えるのが良いでしょうか。先生は、学生の名前と顔を早く覚えるのがいいと分かっているので、頑張って覚えようとします。しかし、100名以上の学生の名前を覚えるのは、至難の業ですよね。学生の側は、どう捉えるのがいいのでしょうか。

顔と名前を覚えてもらえる人が選ばれる、ブライダル業界への就職は激戦です!

葬儀は一人に一件、婚礼は二人で一件です。出産した女性の先輩も働き続ける職場となり、少子化の時代に、就職できる先は限られてきました。人気業界のため、激戦です。企業は、お客様に信頼を寄せてもらえる人財を求めています。先生や同級生に自分の名前をしっかり名乗り、覚えてもらおうという意欲ある学生に育てたいですね。今までは、子どもであり、学生(お客様側)だったのですが、新郎新婦や親族、お客様を気遣えるスタッフになれるよう、視点の転換も求められます。

授業前後や廊下で、学生が先生に用事がある際は、自己紹介してから内容を伝えるようにしてはいかがでしょうか。「昨日休んだ佐藤ですが、プリントを…」という感じです。名刺交換では、若い人から名乗ります。訪問営業は、インターフォン越しに名乗ってから始まります。留守番電話も、相手の確認より、自己紹介が先という時代になりました。インターンシップで訪れる結婚式場でも、フロントで、しっかり名乗るところから始まります。すると、インターンシップ初日の朝礼で自己紹介も笑顔でできますね。学生を、「働ける人」に育てるためにも、日々の挨拶、コミュニケーションを大切にしてくださいね。

新しい出会いは、お互いに緊張しますが、先生が喜びに満ちた表情と声で、明るく話しかければ、学生は幸せです。藤崎先生、美味しいご飯を召し上がって、いつも元気でいてくださいね!

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この記事を書いた人
侑加先生

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一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

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