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TOP教養スキルアップ学生に「継続する力」を身に付けさせるには、どうしたらいい?

学生に「継続する力」を身に付けさせるには、どうしたらいい?

連載侑加先生のお悩み相談室

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今回は、「継続する力」についてのお悩みです。
世の中がどんどん便利になり、わからないことがあってもインターネットですぐに答えが出てきます。そんな環境もあり、学生の「継続する力」が低下していると感じている先生方も多いのではないでしょうか。

取り組み始めてすぐに成果を感じられないと、モチベーションが下がってしまう学生は少なくないはず…。すぐ答えを求めるのではなく、自分で考え答えを見つけられる学生を育てるにはどうしたらよいのでしょうか?
……侑加先生に聞いてみましょう!

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【今回のお悩み】継続する力が低い学生には、すぐに答えを教えるべき?

相談者:外山先生(仮名)[男性・30代中盤]

私はコンピュータ系の専門学校で教員をしています。
最近学生の「継続する力」が低下していると感じています。多くの学生は短期で成果を感じられないとモチベーションが下がってしまう傾向があります。また、何事も自分で考えようとせず、すぐに答えを聞きたがります。

学生には色々なことを考えながら問題を解き、1問の問題から多くの知識や気付きを得てもらいたいと思っているのですが、なかなか思うようにいきません。試験によっては半年以上のカリキュラムを組み対策をすることもあるので、継続的な勉強が必要不可欠です。

モチベーションが下がってしまうぐらいなら、すぐに解説をしてあげた方が学生のためになるのでしょうか?
ぜひアドバイスをいただけると幸いです。


以上が今回のお悩みです。
それでは侑加先生の回答をご覧ください!

「エビングハウスの忘却曲線」をご存知ですか

外山先生、ご相談をいただきありがとうございました。コンピュータ系の専門学校でご活躍ですね。日進月歩の世界、教育を業務の中心とされながらも、新しい技術の勉強も続けていらっしゃると思います。

「エビングハウス忘却曲線」をご存知ですか。記憶がどの程度忘却されるかを示した曲線です。私達人間は、忘れる動物なのですね。一度覚えたことも繰り返し復習しないと、時間の経過とともに忘れてしまうということを示しています。
意外に早く忘れてしまうということに驚くやら、焦るやら…。学習塾が、復習の大切さを訴えるために利用することも多い曲線です。

私自身もそうなのですが、覚えた知識を忘れるだけでなく、やる気も継続しないなぁと実感することがあります。
せっかくダイエットを始めたのに、昨日もスーパーの特設会場で珍しいパンケーキを見つけて、つい買ってしまいました。半分だけと思いながら、結局全部食べてしまいました…。ダイエットも継続できません。何事も継続は難しいですね。ついつい楽な方へ流れてしまうのが人なのかもしれません。

人気のある学習教材、塾の進め方は「できることを6割程度盛り込む」

まず、大人も子どもも「継続は難しい」という前提に立つところから始めると良いのではないでしょうか。すると、「継続できる教材作り」「継続したくなる仕掛け作り」が大切ということになりますね。

人気のある学習教材は、1枚のプリントの中に「簡単に解ける問題→少し考えると解ける問題→だいぶ考えると解ける問題→新しい知識を使うと簡単に解ける問題」の順に配列されていることが多いようです。学習者自身が、できる、できた感覚を大切にして、自然に基礎から応用、新知識の獲得という流れでモチベーションを上げ、定着へとつなげる流れですね。教師はできたことを褒める、花丸をつけるという指導を行います。

外山先生が「試験によっては半年以上のカリキュラムを組み、対策をすることもある」というのは、難易度の高い国家資格取得を目指して指導なさっているのですよね。
これは大変です。半年感もやる気を継続させ、さらに知識を定着させていかなければなりません。テキストを読んで板書、学生はノートに書き写し、時々問題集を解くというスタイルでは、今の学生達は飽きてしまうかもしれませんね。

でも、毎回ノートやプリントを回収して花丸をつけるのでは、先生の作業量が多すぎます。

一人で考える苦痛をペアワークやグループワークで緩和

コロナ禍を経て、小中学校では全員にタブレットが配られています。紙の教科書にはQRコードがあり、リアリティのある画像を見て、正確な発音を聞いて学習することができます。
先生は、アクティブラーニングを取り入れ、一方的に講義することは少なくして、教える役割からファシリテーターへと変化しつつあります。

机の並びも教室形式ばかりでなく、ペアワーク、グループワークが行いやすいよう島形式にすることもあるようです。お互いに確認したり、話し合ったりしながら新しい知識を共有するのですね。子ども達は、デジタルネイティブなので、先生のコンピュータスキルを越えてしまうこともあるそうですよ。

スマホを持つと対面コミュニケーションが減るという指摘がされています。友達と向かい合い、話し合う機会が減っているため、授業内で意図的にそういった時間を持たせることが貴重な時代なのでしょう。

「正解のない課題」に挑む!「自らものを考える」ことも必須のスキル

学生は「すぐに答えを教えて~」と言います。検索すれば一通りの答えが得られる時代に生まれ、スマホやタブレットを駆使してきましたので、どうしても考えることを放棄してしまうのでしょう。

しかし、今の日本は世界中に例を見ない超少子高齢化時代です。

2024年問題として、医師不足、トラック運転手の不足、地方では働き手全般の不足など、世の中の仕組みをどうしたら改善できるのか、皆で考えています。正解のない課題に挑み、色々な立場の人が頭を悩ませながら、挑んでいるのですね。
就職活動の現場でも、苦労を克服した経験や課題を解決した経験を評価する傾向のようです。

「モチベーションが下がってしまうぐらいなら、すぐに解説をしてあげた方が学生のためになるのでしょうか?」というご質問には、「学生全体の6割がモチベーションを維持しているギリギリのところまで、自分で解決策を探させてはいかがでしょうか」とお答えしたいです。

学生の側にも「解決できた~!」という成功体験を積ませてあげることが、その後のやる気、継続、自信に繋がると思うのです。

6割としたのは、大半が「もう嫌だ~、飽きた~」となってからでは、その後の雰囲気を上げるのに苦労してしまい、授業運営が上手くいかなくなるのではないかと想像するからです。

ただ、解決策を探す際に、一人で、ペアで、グループでとアレンジして、メンバーチェンジもすると刺激があって面白いですよね。

一人で考える時も、ただただノートに向かって考えるのではつまらないと感じる学生もいます。

タイミングを見てプリントを配り、できる問題から難易度を上げた内容に取り組ませると良いのではないでしょうか。外山先生の授業準備は大変になりますが、いずれの方法も単調を避けるということがポイントです。学生がワクワク、ドキドキを感じられる仕掛け作りを考えてみてくださいね。

「準備8割、当日2割」という気持ちで臨まれてはいかがでしょうか。授業スタイルを変更するのは本当に重労働なのですが、ぜひトライしてみてください。学生の目の輝きが増してくると思います。

昨日はダイエット中なのに、ついパンケーキを食べちゃったと自己嫌悪になりました。今日は快晴ですので、美しく咲いている花々を見ながらウォーキングしてきます!楽しみながらダイエットできるならいいですよね。私も色々な方法を試してみたいと思います。

外山先生が、生き生きとハツラツとした表情で講義なさる時、学生も「やるぞ~!」と気持ちが上がると思います。色々なアプローチを試しながら、息抜きもしつつ頑張ってくださいね。応援しています!

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この記事を書いた人
侑加先生

侑加先生

一般企業を経て、専門学校に正教員として勤務。
現在は、企業・大学講師、小中学生の塾経営。
趣味は、お笑いと高校野球、旅行。一児の母。

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