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TOP特集インタビュー長く続く信頼関係を作る!「誰も取り残さない個別対応を心がけています」

長く続く信頼関係を作る!「誰も取り残さない個別対応を心がけています」

連載専門学校の先生のお仕事ライフハック

全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!

学力や性格、メンタルの強さもバラバラの学生たち。一人ひとりの個性を大切にしながらクラス全体で目標達成を目指すことは、先生方にとって大きな課題かと思います。

第9回は、徹底した個別指導を信念に学生から信頼を得ている、専門学校 国際理工カレッジの沼田聡暁先生にお話を伺いました。

専門学校 国際理工カレッジ

沼田聡暁 先生

専門学校卒業後、外資系IT企業にてシステムエンジニアとしてJava言語を中心とした設計開発を担当。その後「優秀なエンジニアを育てたい」と、高校時代から興味があった教員の道へ転身。現在は1年生の担任を受け持ちながら、基本情報技術者試験対策などにあたる。

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経歴 ・先生になった理由

「教えること」が好き!システムエンジニアを経て教員の道へ

友人に勉強を教えることが好きで、高校時代から教員という仕事に興味がありました。進路を決める際、大学で教員免許をとろうか悩んだのですが、「これからはITの時代がくる」という親の強い勧めがあり、地元・仙台のIT系専門学校へ進みました。専門学校を卒業後、システムエンジニアとして上京。外資系IT企業で、社内システムの設計、ホテルや飛行機の予約システムやアプリケーションなど、Java言語を中心とした設計開発を担当しました。その頃、新人研修を担当することがあり、人に教える難しさ、伝わったときの楽しさを改めて実感しました。「IT業界で活躍する優秀な人材を育てたい」という思いが強くなり、転職を決意。社会人向けスクールへの転職も考えたのですが、私自身が専門学校時代に担任の先生と楽しく過ごした思い出があったので、科目を教えるだけはなく、一緒に泣いて笑って成長を見守る仕事がしたくて、専門学校教員を目指すことにしました。

現在の業務

担任業務を中心に基本情報技術者試験対策を担当

基本情報技術者試験対策、Javaプログラミング、AWSクラウドプラクティショナーなどの授業に加えて、情報システム科1年生の担任を受け持っています。担任として、学生の生活指導や資格指導、就職指導と幅広く対応しています。これまでも1年生の担任を受け持つことが多く、今は3年連続で1年生の担任になりました。1年生は学生生活がスタートする大切な時期なので、やりがいがあります。

やりがい・おもしろさ

一人ひとりに寄り添い、目標達成に貢献できること

最近の学生は、学力コンプレックスやメンタル面の弱さを抱えている場合が多いように感じています。もちろん自ら楽しめるにぎやかな学生もいますが、そういった学生たちが盛り上がっているときに、どうしても入れない学生もいます。それが原因で中退につながることもあり、一人ひとりの特徴に合わせた個別対応が重要だと考えています。放課後に個別で声をかけ、話や資格、就職指導を丁寧にしていくことで、心配していた学生も目標を達成して卒業していきます。そのときの喜びはひとしおです。以前、クラスに打ち解けられないと悩んでいた学生が、社会に出てから同じような壁にぶつかった際、「学生時代、必死に対応してくれたのは沼田先生だけだったと改めて気付きました」と言ってくれたことがありました。その卒業生は、何度も学校へ遊びにきてくれて…うれしかったですね。

また、IT系の職種って今すごく給与水準が高いんですよね。卒業生から、「沼田先生のおかげでこんなに稼げるようになりました」なんて言われることもあって(笑)、それもある意味でやりがいです。

達成感を得た経験

徹底した声掛けが中退防止につながる

せっかく入学してくれた学生が中退してしまうことは、教員としてすごく残念なことです。教員になりたての頃は中退の予兆に気付けず、くやしい思いをしたことがありました。遅刻・欠席が増えると授業についていけなくなり、勉強が面白くなくなる…というサイクルが多いことに気付き、生活管理に関する声掛けに注力するようになりました。毎朝少しでも遅刻してくる学生には、根気強く声を掛けたり電話をしたりしてフォローします。うるさがられているとは思いますが、それでもひたすら続けています。そんなことを繰り返していたら、学生が卒業後に「中学・高校時代は先生にほっておかれている気がした。専門学校では先生が親と同じように親身になってくれて、今になってそのありがたみが分かります」と言ってくれることがあります。学生の生活管理に対する指導方法を見直したことが、学生の中退防止につながっているように感じています。

また、私が担当している基本情報技術者試験対策では、情報処理関連の試験をステップ式で受験していきます。その際、点数の上がり方をデータで見せたり、最初は点数の低かった先輩が合格した実績を見せたりして、学生のモチベーションを上げる工夫をしています。最初の試験として1年生の5月下旬に受験する「情報処理検定試験」3級では、毎年全員が合格します。最初に達成感を得ることで、その後の試験へのモチベーションアップにもつながっていると感じ、うれしく思います。

お仕事ライフハック

資格対策は労力を惜しまず、できるところは効率化

プログラミングの授業はパワーポイントで授業ノートを作成し、毎年簡単なカスタマイズを加えて、授業準備を効率的に進めています。授業で表示する部分とは別に、例えば四則演算が苦手という学生向けの対応や日本語が苦手な留学生への対応など、個別対応した学生の履歴を自分用に残し、振り返れるようにしています。

資格指導においては、授業ノートを用いて授業を進めることが向いていないと感じています。IT系は年々変化していくもの。近年ではAI分野が飛躍的に増えています。授業ノートで情報を積み重ねてしまうと、どれが教える必要のない古い情報なのか分かりにくくなってしまう。学生には、できるだけ最新の情報、社会に出てから恥ずかしくない情報を学ばせてあげたいんです。特に基本情報技術者試験などの試験は、数年に1度シラバス改訂が発生します。そのため、毎年新たに教科書を予習して知識をブラッシュアップ。削られた単語や追加になった単語を細かくチェックして授業を展開します。私が現場で働いていた頃はAI分野がまだ発展していなかったので、実際に触れた経験はないんですよね。それを学生に教えるためには、まず自分自身がしっかり勉強しなくてはいけない。授業ノートに頼らないことが、自分の勉強に役立っています。

また、1年生は7月に科目A免除試験を受けます。教科書を1から100までやるのではなく、どこをピックアップすれば合格できるのか、私なりに計画を立てて授業を進めます。演習に関しては、学生の習熟度によって微調整をかけます。最近の傾向としては、学生が興味のある、解きやすそうな問題を多めに出すことが多いですね。「こんなにできるんだ!」と達成感を味わってもらい、クラス全体のモチベーションを上げるようにしています。

学生とのコミュニケーション

徹底した個別対応で学生をフォロー

とにかく個別対応を大切にしています。個別面談はもちろん、気になる学生には積極的に声を掛け、放課後に個別で指導にあたります。先ほどもお話ししたとおり、入学時から遅刻や欠席に対しても、個別で徹底的にフォローしています。学力の低い学生でも登校してくれれば、放課後に個別指導を行うことができますので。あとは、休み時間にはできるだけ学生と笑い話をして、距離を作らないように心がけています。

ワークライフバランス

長年の経験により無駄な残業をカット

ワークライフバランスを意識しているため、毎日ほぼ定時で帰宅しています。システムエンジニア時代や教員になりたての頃は残業がとても多かったのですが、その頃に苦労した分、知識や経験が蓄積されていることもあり、今は調整できるようになったと思います。あと、自分が若手の頃「上司が帰らないと帰りにくい…」ということがありましたので、無駄に残らないと決めています。授業資料の作成などは、学生の長期休暇中にできる限りまとめて行うようにして工夫しています。

学校の自慢

入学当初から始める就活指導、早期内定&学生からの信頼もアップ

本校では学生が入学してすぐ就職活動に関する授業をスタートします。筆記試験対策やビジネスマナー、身だしなみ、履歴書添削、面接練習と、1年間にわたって専門の先生が指導にあたります。学校として、就職活動は短期集中ではなく、長いスパンで取り組まなくてはいけないことだと考えているからです。そのように入学当初から徐々に意識づけし、秋の校内説明会で本格的に就職活動がスタートします。校内説明会ではIT系企業約50社にお越しいただき、授業の一環として説明会及び選考会を実施してもらっています。学生全体の7~8割は校内説明会に来てくれる企業に内定しており、毎年早期に内定者を輩出できています。最近では、企業のほうから校内説明会への参加を希望していただけるようになりました。

また、転職を希望する卒業生が学校へ相談にくることも多いです。教員それぞれが企業とのパイプを持っているので、人事担当者に直接「今、募集ありませんか?」と聞いて、卒業生へつなぐこともあります。「卒業したら終わり」ではなく、サポートを続けていく。だからこそ、学生が学校を信頼してくれているのかなと思っています。

一日のスケジュール

  • 8:00
    出社

    メールチェック、授業準備、教室確認など、学生を迎える確認作業を行います。

  • 8:45
    朝礼
  • 9:30
    午前の授業

    空きコマがある場合は授業資料の作成。

  • 12:45
    昼休憩

    妻の手作り弁当を持参。黒烏龍茶を飲んで健康に気を使っています。

    万座毛
  • 13:45
    午後の授業
  • 15:15
    放課後の個別指導

    時期によって、個別面談、資格指導、履歴書添削や面接練習など。

  • 17:30
    業務終了、帰宅

    ワークライフバランスを意識してほぼこの時間に帰宅します。

  • 19:00
    帰宅

    子供がまだ小さいため、お風呂に入れて寝かしつけます。

  • 20:30
    自由時間

    動画配信サービスやプロ野球を視聴します。

  • 23:00
    就寝

    どんなことがあっても0時前には就寝します。

必須アイテム

パソコン

各教室に75インチの大型モニターが配置されているため、授業資料やプログラミングをパソコンからモニターへ投影して授業を進めています。パソコンがないと授業にならないので必需品です。ホワイトボードとペンは資格試験対策でよく使用しています。

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