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TOP特集インタビュー学生のやる気を伸ばす「母親目線のコミュニケーション」

学生のやる気を伸ばす「母親目線のコミュニケーション」

連載専門学校の先生のお仕事ライフハック

全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!

授業中いつも眠たそうでやる気を感じられない学生…チラホラ見られるのでは…?そんな学生への指導やコミュニケーション、先生方はどのようにされていますか?

第8回は、国内線&国際線の客室乗務員、児童英語教師という経歴を持ち、これまでさまざまなコミュニケーションを経験してきた専門学校 沖縄ビジネス外語学院の中尾由紀先生にお話を伺いました。

専門学校 沖縄ビジネス外語学院

中尾由紀 先生

大学卒業後、航空会社にて客室乗務員として活躍。結婚・出産を機に退職後、育児サークルの運営、幼稚園での英語レッスン、学童の地域子供教室の英語教師と児童英語教育に従事する。客室乗務員と児童英語教師の経験を活かしたいと、2019年より「専門学校 沖縄ビジネス外語学院」の講師の道へ。

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経歴 ・先生になった理由

「客室乗務員」「児童英語教師」両方の経歴を活かせる仕事

大学卒業後に航空会社へ入社して、客室乗務員として国内線、国際線に乗務しました。実は高い所が苦手だったので、昔から客室乗務員に憧れていたというわけではないんです。大学時代にドイツ語を専攻しており、当時はドイツ語の先生になりたいと思っていました。客室乗務員を目指したきっかけは、ドイツへの留学ですかね。外国人との交流、異文化に触れること、語学が通じる楽しさを実感し、外国人とのコミュニケーションの機会が多い空港で働きたいと思うようになりました。

夫の転勤もあり、結婚出産を機に航空会社を退職しました。ただ、私は家でじっとしていられるタイプではないので(笑)、外に出たくて育児サークルを立ち上げました。サークル内で「英語を教えてほしい」という声が挙がり、英語でのリトミックや手遊びを始めたことがきっかけで、育児サークルが英語サークルへと変化しました。児童英語に役立つ資格を取得し、英語サークル週1回に加えて、子ども英会話教室を通じて週1回ほど幼稚園で英語のレッスンも担当しました。

再度夫の転勤があり沖縄へ引っ越した後も、自宅近くの学童で地域子供教室の英語教師として子どもたちに英語を教えていましたが、「子どもが好き」「英語が好き」に加えて、「客室乗務員の経験を活かせる」という点に魅力を感じ、本校の求人に応募しました。

2019年より非常勤講師としてTOEIC、英検対策、エアライン英語、英文法、就職活動の講義を担当、そのまま職員となり現在に至ります。

小さな子どもに英語を教えていた期間が長かったので、学生が授業で90分間座っていられるだけで「えらいね~!」と褒めたり、大きなジェスチャーを加えながら「分かる~?」と声掛けしたりして、最初は学生にクスっと笑われていました(笑)。ただ、そのおかげで親しんでもらえたのかなとも思っています。

現在の業務

授業や教務に加えてクラス分けや教員の配置も担当

TOEIC対策、英検対策、エアライン英語といった通常の講義に加えて、検定試験の申し込み、教科書選定・発注、講師との情報共有や調整、学生連絡、進路相談、エアライン受験対策などの教務全般も担当しています。

本校は、学生が自分のレベルに合ったクラスで英語が学べることを大切にしているため、年度内に数回クラス分けを行います。そのクラス分けテストの作成、レベルに合わせたクラス分け、教室割りなどの細かい業務も担当しています。教員がずっと同じレベルのクラスを受け持つことのないように、学生が同じ教員にばかり当たらないようになどを加味して、年度やコースによって教員の配置変更も行っています。

やりがい・おもしろさ

学生を励まし、支え、成長を見守れること

学生は年齢としては成人ですが、進路や人間関係に悩む多感な時期です。学生を励まし、勇気づけてあげられることにやりがいを感じています。学生と接していると、つい母親のような気持ちになってしまいますね。

勉強法に関しても、自分のアイデアやアドバイスが学生のスキルアップにつながったときはうれしいです。例えば、「私自身コツコツ真面目に勉強するタイプではなく、好きな音楽を通して英語の歌詞を覚えたり、歌の抑揚を真似したりすることで英語が上達したんだよ」という経験をよく伝えています。学生が同じように好きな音楽や映画を学習に取り入れて、実際に成績が上がるのを見るのは幸せです。好きなことを通して、楽しみながら英語に接するのが一番ですので。

達成感を得た経験

夢を叶える姿は我が子のことのように感動

担当しているエアラインコースの学生が、希望していた航空業界での就職を叶えたときはすごく達成感があります。自己分析や面接練習を重ねて自分を根本から見つめ直し、家族、友人の大切さや自分の弱さに気付きながら成長し、夢を叶える姿を見ることは何よりの喜びです。

エアラインコース以外も全体的に学生を見ているので、英語の勉強方法や進路に関する悩みにもがいたり苦しんだりしながら、それを乗り越えていく学生たちの姿は、まるで我が子の成長を見ているようです。卒業式では毎年号泣してしまいます(笑)。

お仕事ライフハック

音楽やアプリを使って楽しく英語に触れてもらう

テクニックというほどではありませんが、私が洋楽好きなので、歌詞のヒアリング問題を授業に取り入れています。TOEICの授業は90分2コマなのですが、学生の集中力を保つのが難しいんです。そういったときに、リスニング用に音楽を流すと、ウトウトしていた学生もパッと目覚めます。特に学生が知っている曲や流行の曲だと効果がありますね。その日の授業で名詞を学習していたら、曲の名詞の部分だけを聞き取らせるなど、その単元で学んだ特定の問題に限定すると理解力が高まるようです。今は学生に選曲してもらっているので、私も最近の流行や学生の好きなジャンルを知ることができ、コミュニケーションにもつながっていると思います。

また、iPadの「Goodnotes」というアプリを活用して、添削や長文の解説を行っています。そのまま学生にデータを送ることができますし、講義内でスクリーンに映して説明することで板書の時間を短縮できるため、これも学生を飽きさせないための工夫の一つです。

私自身、語学を学ぶことは好きだったのですが、成績がすごく良かったわけではないんです。だからこそ、「今できなくても大丈夫だよ」という気持ちがあります。やる気がないわけではないのに、何からすればいいか分からないという学生が多いので、英語に興味を持って、楽しんでもらいたいと思っています。日々、模索の連続です。

学生とのコミュニケーション

母親目線での会話がさまざまな側面に気付くきっかけに

中学生と高校生の子どもがいるため、「毎日どれくらいスマホ見ているの?」「何時くらいに寝ているの?」など、学生に子育ての相談がてら質問することが多いです。それが結果的に、学生の状況を知ることにつながっていますね。「夜中の3時までアルバイトがある」「アルバイトの人間関係で悩んでいる」「家庭での悩みがある」など、学校以外の側面が見えてくると、「ただ授業中に眠そうにしているわけではないんだな」と気付くことができます。そうすると、やみくもに注意するのではなく、「昨日も帰り遅かったの?」「この問題終わったら休憩に入るからここまで頑張ろう」といった声掛けができ、学生にもっと寄り添えるようになります。私は昔から子どもが大好きなので、先生というより、母親目線で話すことが多いかもしれないです。ただ、そうすると学生が甘えすぎてしまう面もあるので、そこは私としてもまだまだ模索している最中です。

ワークライフバランス

仕事も家事も優先順位を考えて効率よく

本校は家庭を優先することに協力的なので、ワークライフバランスはとれていると思います。子どもの送迎などがあるため、「仕事が終わらないから帰れない」ではなく「帰らなくてはいけない」ので、定時に帰宅しています。その分、自宅で作業しなければならないこともありますが、家族の負担にならないように優先順位を考えて、家事と仕事を進めています。

学校の自慢

カリキュラムの半分以上が英語!異文化交流や特色ある授業も多数

本校は「英語がキャリアになる専門学校」とうたっているとおり、カリキュラムの半分以上が英語科目で、英検、TOEICに加え、IELTSの授業も導入しています。韓国語や中国語の第二外国語も必修科目で、ビジネスマナーやビジネススキルなどの科目も各分野の経験豊富な講師陣が指導をしているため、沖縄のみならず日本全国で増えているインバウンドのお客様に対応できる実践力を身に付けることができます。

また、姉妹校の「ITカレッジ沖縄」との合同イベントが多く、それぞれに留学生コースがあるので、学内で異文化交流できるところも魅力の一つです。入学式、卒業式、球技大会、文化祭、夏のビーチパーティーに加え、授業でプレゼンテーションを行うことが多いため、お互いに見学する機会を設けています。また、「グローバルスタディーズ」という、日本人と留学生混合のグループでプレゼンテーションを作る授業があります。身近なテーマを題材に、それぞれの国の特徴を話し合ってプレゼンテーションを作るため、異文化交流・理解のいいきっかけになっています。

2年生の一番上位のクラスで取り入れている、沖縄観光にちなんだテーマで全編英語のプレゼンテーションを行い、ネイティブの先生が質疑応答する難易度の高い「沖縄観光英語プレゼン」という授業や、ビジネス英語コースにて行っている「SNSマーケティング」の授業など、即戦力になれるような学習を積極的に取り入れていることも自慢です。

一日のスケジュール

  • 9:00
    出社

    全体朝礼、当日の予定チェックなど。

  • 9:30
    午前の授業
  • 12:50
    HR
  • 14:00
    お昼休憩、午後の授業

    お昼は学生対応が多いので、講義の合間に簡単にデスクで済ませています。体調管理を心掛けてサラダが中心です。

    万座毛
  • 17:00
    放課後

    事務作業、学生対応など。

  • 18:00
    退勤
  • 19:00
    帰宅・買い物・夕食作り
  • 20:00
    夕食・家族団らん

    家族団らんの時間が何より大切です。

    万座毛
  • 21:00
    洗濯・家事
  •   
  • 22:00
    入浴
  •   
  • 23:30
    就寝

必須アイテム

パソコン・スマートフォン・iPad・イヤホン老眼鏡

今は英語教材の音源もアプリやデータがほとんどのため、なくてはならないものです。勉強方法が分からなくて困っている学生には、アプリのダウンロード方法や使い方から教えるようにしています。アナログ人間ながらも、必死に取り組んでいます。そして何より大切なのが老眼鏡です!

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全国の専門学校、大学、職業訓練校、PCスクール等教育機関向けに教材を制作・販売しています。

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