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TOP特集インタビュー“パラレルワーク”×子育て!「柔軟な働き方のおかげで多くのタスクを無理なくこなせます」

“パラレルワーク”×子育て!「柔軟な働き方のおかげで多くのタスクを無理なくこなせます」

連載専門学校の先生のお仕事ライフハック

全国の専門学校の先生にインタビュー!先生の「お仕事ライフハック」=働くうえでの仕事術やアイデアを共有してもらいます。同じ職業だからこそ分かるお悩みやテクニックを参考に、明日からのお仕事ライフをアップデートしちゃいましょう!

働き方が急速に多様化する近年、注目されている働き方の一つである「パラレルワーク」をご存じでしょうか。これは、本業、副業といった分け方をせずに、並行して複数の仕事に携わる働き方を指します。今後、このようなスタイルが主流になるという意見もあり、学生にも知っておいてほしい働き方です。

第10回は、非常勤講師をしながらWEB制作やフォトグラファーの仕事にも並行して携わる、中部コンピュータ・パティシエ専門学校の土屋舜平先生にお話を伺いました。

中部コンピュータ・パティシエ専門学校

土屋舜平 先生

専門学校講師として母校で働きながら、独学でWEB制作の知識を身に付ける。フリーでWEB制作の実務経験を積んだのち、「中部コンピュータ・パティシエ専門学校」の非常勤講師に。シングルファーザーとして女の子を育てながら、複数の仕事をこなすパラレルワークを実践する。

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経歴 ・先生になった理由

母校からの誘いをきっかけに、教えることの楽しさを知る

美容専門学校に通っていたとき、先生から「卒業したら講師をやってみないか?」と声をかけてもらいました。クラスで自然とリーダー的な役割を任されることが多く、また、「色彩検定」や「日本化粧品検定」の1級合格、メイクコンテストでの最優秀賞受賞などの努力を評価していただけたのかと思います。塾講師や家庭教師のアルバイトをしていたため、「人に教える」という経験やスキルも多少持っていました。当時は美容業界に興味があり、教員になりたいと思っていたわけではなかったのですが、ありがたい機会だと思い挑戦することに。母校で教員のサポートや授業を3年間担当し、学生へ知識や技術を伝える楽しさを知りました。

そのうち、得意だったパソコン関連の業務を学校で任されることが増えていきました。既存のツールでは限界があっても、知識があればもっと業務効率化できると感じ、WEB制作やプログラミングを学ぶことに。自分で購入したテキストやインターネットを見て、独学で勉強を始めました。

現在、シングルファーザーとして4歳の娘と暮らしているのですが、娘と過ごす時間や経済面を考え、WEB制作に力を入れていこうと決意。専門学校を退職し、個人的にWEB制作やアプリ開発の依頼を受けて実務経験を積みました。その後ご縁があり、専門学校講師としての経験とWEB制作の知識を活かせる場として、「中部コンピュータ・パティシエ専門学校」で非常勤講師として勤務することになりました。

現在の業務

非常勤講師に加え、WEB制作者・フォトグラファーとしても活動

非常勤講師として、1年生、2年生、留学生の授業「WEB制作」「色彩学」を担当しています。学生のスキルや学習ペースに合わせたカリキュラム、資料、課題、テストなどの用意、授業でつまずいている学生に対する補習や質問対応などの個別指導、資格試験対策のための模擬試験やアドバイスといったサポートも行っています。

また、学校と子育てと両立できる範囲で、個人的にWEB制作やアプリ開発、フォトグラファーの仕事も手掛けています。実践的な経験を積むことで、学生たちにリアルな業界の動向を伝えることができるため、自身の活動と教育が相互に良い影響を与えていると感じています。

やりがい・おもしろさ

学生から受ける刺激が自己啓発につながる

初めはスキルや知識の全くなかった学生が、少しずつレベルアップして課題をこなしていく様子を見ると、この仕事のやりがいを感じます。学生がWEBサイトを完成させたり、資格試験に合格したりしたときの自信あふれる笑顔を見られるのは、教員の特権だと思います。

また、学生のユニークな視点や質問が、自分の知識を深めるきっかけになることも。私自身は企業のWEBサイトを作る機会が多いんですが、学生にWEBサイトを作ってもらうと、アニメやゲームなど自分の好きなものを題材にして、自由な発想で作るんですよね。私が作ったことのないデザインを見ると発見があります。WEBは日々進化する分野なので、常に新しい知識やスキルを学ぶ必要があり、学生から刺激を得られるのはうれしいですね。

達成感を得た経験

少しずつ自信をつけていく学生の姿に感動

私が担当する授業では、「Webクリエイター能力認定試験」の合格を目指します。1年生の頃に初級レベルである「スタンダード」に合格できなかった学生を、私が2年生で指導することになりました。苦手意識のある学生は、「何が分からないのか」も分かっていない。私自身が独学で勉強したこともあり、学生の「分からない」という気持ちやつまずきやすいポイントをよく理解できるんです。その学生もマンツーマンで教えることで、少しずつ一人でも勉強を進められるようになっていきました。その結果、上級レベルの「エキスパート」には一発合格。最初は「コード苦手なので無理そうです…」と自信のなかった学生が、「いけそうな気がします!」と前向きになり、実際に合格をつかんだときは、すごく達成感がありました。

その翌年、1年生の授業を担当した際は、全員が「スタンダード」に見事合格。学生たちが「自分にもできる!」と自信を持って試験に臨む姿は、とても素敵でした。こうした学生の成長やクラス全体の目標達成を支えられることが、この仕事の醍醐味だと感じています。

お仕事ライフハック

効率的に仕事を進めるための資料制作とタスク管理

私自身、学生時代に成績がすごくよかったわけではないので、「自分ならこうすれば理解できるな」という目線で授業を組み立てています。まず、汎用性の高い教材テンプレートとして、学生だけが見られる「授業サイト」を制作し、授業の資料や動画を公開しています。例えば、ソフトをダウンロードして立ち上げるまでのプロセスを撮影した動画を共有。授業でもデモンストレーションは行うのですが、一度見ただけでは覚えられない学生もいるので、好きなときに何度でも見られるようにしています。また、実際に手を動かしている様子を見せると学生の興味を引きやすいので、積極的にライブコーディングやデザイン制作の様子をモニターに映しています。

課題は、実務で必要なスキルを培う内容にしています。ただテーマを出してWEBページを制作するだけではなく、模擬クライアントから依頼を受ける形で、アポイント、ヒアリング、確認作業なども含めて、実際にプロジェクトを進めるようにしています。

また、授業の最初に前回の授業内容を復習し、最後にはその日学んだ内容を「今日の収穫」として全員で振り返ります。いいアイデアやデザインもここで共有します。こうすることで、学生たちの記憶の定着率が変わるように思います。

娘との時間をしっかりと取れるように、スケジュール管理も工夫しています。自己啓発の時間も確保したいので、仕事を効率的に進められるようスマホのカレンダーアプリを使い、「重要かつ緊急」「重要だが緊急ではない」といったように分類して、日々タスクを整理しています。

学生とのコミュニケーション

年代の近さを活かしたフラットな関係づくり

私は非常勤講師という立場なので、学生とコミュニケーションをとれる時間は基本的に授業中だけなのですが、必要に応じて相談や追加指導の時間を確保して、個別指導を大切にしています。また、学生と年齢が近いので、フラットな関係性を作るようにも心がけています。例えば、学生の性格に合わせてですが、あだ名で呼んだり、学業以外の話題にも触れたりすることで、親しみやすい雰囲気を出しています。そうすることで、学生から質問や相談がしやすくなるのではと思っています。

ワークライフバランス

自分に合った働き方で仕事と子育てを無理なく両立

授業時間以外は、比較的自由にスケジュール調整できる非常勤講師は、ほかにも仕事を持っている自分の働き方に合っています。娘の急な体調不良やお迎えにも対応しやすく、娘と過ごす時間を大切にしながら働けるこの環境は、シングルファーザーとして非常に助かります。授業準備などは自分の裁量で進められるので、ストレスなく過ごせていることもありがたいです。仕事も家庭も充実させるために、これからも効率的で無理のない働き方を続けていきたいと思います。

一日のスケジュール

  • 9:00
    出社

    必要な資料や準備物をチェックします。

  • 9:40
    午前の授業
  • 12:30
    昼休憩

    手作り弁当を持参することが多いです。たまに食べるジャンクフードが楽しみです。

    万座毛
  • 13:20
    午後の授業
  • 16:10
    質疑応答

    授業後に学生からの質問に対応。理解を深めるお手伝いをします。

  • 16:30
    退社
  • 17:00
    子どものお迎え・帰宅

    ここからは子どもと過ごす大切な時間です。

  • 18:00
    夕飯・お風呂・団らん・寝かしつけ

    夕飯後、子どもをお風呂に入れたり、遊んだりしています。疲れている日は寝かしつけで一緒に寝落ちしてしまうことも…。

  • 21:00
    自由時間

    子どもが寝た後は、翌日の授業準備や業界の最新情報を学びながら知識をアップデートします。

  • 23:00
    就寝

    次の日に備えてしっかり休みます。

必須アイテム

ノートパソコン、iPadなど

授業資料の作成、プレゼンテーション、オンライン授業の実施、学生の課題チェックなど、多くの業務をこなすためにノートパソコンは必須です。自宅や出張先でも作業できるので助かっています。iPadは、授業でホワイトボード代わりに使ったり、手書きメモや図解を共有したりするのに便利です。また、電子書籍で資料や参考書を持ち歩けるため、荷物が減ります。

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株式会社ウイネット

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