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TOP教育美容・理容電話嫌いを克服!美容師のための「電話応対」基本レッスン

電話嫌いを克服!美容師のための「電話応対」基本レッスン

2025.09.16 (最終更新:2025.09.26) 美容・理容 教務情報

若者の間で増えているという「電話恐怖症」。以前ウイナレッジの記事でもご紹介しました。

関連記事: 若者世代の7割が電話恐怖症?増えている原因や克服法を解説

ただ、社会に出た際、電話を完全に切り離して仕事をするというのは、まだまだ難しいのが現状…。WebやSNSでの予約が主流になってきたとはいえ、美容師にとっても電話応対は必須のスキルとなります。

そこで本記事では、美容師のための「電話応対の基本」をお伝えします。電話嫌いを克服するためのアドバイス付きですので、美容師を目指す学生への指導にお役立てください。

※本記事の内容は書籍「美容師のための接客・接遇マナー」(株式会社ウイネット)の一部を再編集したものです。

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電話の特性

電話には、その機能によるいくつかの特性があります。これらの特性は使い方次第で長所にも短所にもなるものです。お客様や取引先などに不快感を与えず、より効果的に電話を活用するために、次の特性を理解する必要があります。

声だけが頼り

電話では、動作や顔の表情でお客様に意志を伝えることはできません。声だけが頼りですから、お客様に好印象を与える発声の仕方、言葉遣いができるように気を配りましょう。

明るい表情で話すと声の表情も明るくなるものです。「お客様に見られているつもりで話す」、これが上手な電話応対のコツです。

一方的(半強制的)

電話は、かける側が優位に立っている機器です。電話をかけるときには、次のように、受ける側の都合に配慮します。

・忙しい時間帯を避ける
(先方が会社なら始業時間から30分間、昼休みの前後、終業時間前の30分、またお客様のご自宅であれば朝、夕方の忙しい時間などは相手の都合を聞く)
・長くなりそうなときは目安を伝える
・お客様の都合が悪い場合はかけ直す

記録が残らない

通話内容は応対した人にしかわかりません。お客様と話した人が忘れてしまえばそれきりです。電話応対のときには、必ず筆記用具を持ち、メモを取りながら応対し、最後に内容を復唱することが大切です。

公共性およびコスト意識

サロンの電話は一人だけのものではなく、サロンの備品です。皆で使うものですから、かける際は、要領よく話すことを心がける必要があります。また、お客様からの電話であれば、お客様が電話料金をお支払いになることを心にとめ、正確かつ簡潔に要領よく受け答え、長電話にならないようにしなくてはいけません。

電話で話す際のポイント

電話での印象のほとんどは、声の印象で決まってしまいます。電話で話すときには、次の点に気を配りましょう。

発声

普段の声よりも少し高めの声の方が相手に明るく響きます。明るく、張りのある声で、生き生きとした話し方を心がけましょう。

声に表情を

声にも表情があります。話し手の表情が明るければ声も明るく伝わります。相手は見えませんが、お客様が目の前にいるつもりで話しましょう。話の内容に応じた表情で話をすることで、電話を通してお客様に気持ちが伝わります。

発音

電話で話す内容は文字で確認することができません。聞き違いが起こらないように、明瞭な発音を心がけましょう。聞き違いが起こりそうな言葉や数字は、少しゆっくりと正確に発音するようにします。

言葉の選択

文字で見れば間違いが起こらないような場合でも、言葉だけに頼ると間違えることがあります。例えば「貴社」「帰社」などの同音異義語がいくつかある言葉は、別の言い方に言い換えて話しましょう。

電話の受け方の基本

サロンでの電話応対に要求されるのは、正確さと簡潔さ、そして好感度です。電話を受ける際のポイントは、次のとおりです。

積極的に取る

慣れないうちは、電話応対に怖さを感じるものです。しかし、消極的になっていてはいつまでたっても電話に慣れることはできません。呼び出し音が鳴ったら積極的に受話器を取りましょう。
どうしても電話応対に怖さを感じてしまう場合は、サロンの人の顔と名前を早く覚える、自分なりのお得意様・取引先のリストを作るなどして、準備してみましょう。

筆記用具を手に持つ

電話の内容は記録に残りません。相手の名前、予約日時など、聞いたことはすぐにメモをとりましょう。メモは、とりあえず書き取るためのメモですから丁寧に書く必要はありません。電話のそばに常にメモ用紙と筆記用具を用意しておきましょう。

背筋を伸ばし、一呼吸おいて受話器を取る

姿勢を正すことで気持ちが改まり、声に良い意味での緊張感が出ます。落ち着いて電話に応対しましょう。

電話応対の流れ
1.ベルが鳴ったら…
・すぐに受話器を取る(3コール以上は待たせない)
・3コール以上待たせたときは「お待たせいたしました」
・右手でメモの用意、左手で受話器を持つ
2.明るくさわやかに挨拶する
・「おはようございます」
・「お電話ありがとうございます」
・「いつもありがとうございます」
3.ハキハキと名乗り、日頃の感謝を伝える
・サロン名、自分の名前を名乗る
・相手(名前、会社名)を確認し挨拶する
 お客様の場合:「○○様、いつもありがとうございます」
 取引先の場合:「いつもお世話になっております」
4.用件を聞く
・予約:名前(フルネーム)、日時、希望等を復唱し確認する。指名があれば伺う
※自分で判断できない用件の場合は、わかる人に代わるか折り返しする旨を伝える
4.名指し人があり、取り次ぐ場合
・「少々お待ちくださいませ」
・保留ボタンを押す
・名指し人に「○○様からお電話です」と伝えて電話を取り次ぐ
4.名指し人が不在、または応対できない場合
・お詫びをする
・理由を述べる
・こちらからかけ直すか、再度電話をいただけるか相手の意向を確認する
5.終わりの挨拶をする
・「○○が承りました。お電話ありがとうございました」
5.終わりの挨拶をする
<かけ直す場合>
・「○○に申し伝え、ご連絡させていただきます」
<再度電話をもらう場合>
・「お手数をおかけして申し訳ございません。よろしくお願いいたします」
6.電話を切る
・お客様が切ったことを確認してから、受話器を静かに置く
6.電話を切る
・お客様が切ったことを確認してから、受話器を静かに置く

電話応対の基本用語

電話応対の際によく使う応対用語をまとめました。場面に応じて適切な言葉を話せるように練習しましょう。

状況応対例
電話を取ったら「お電話ありがとうございます。○○美容室でございます」
3コール以上待たせてしまったら「大変お待たせいたしました。○○美容室でございます」
相手の声が小さく聞き取りにくいとき「恐れ入りますが、お電話が少し遠いようでございますが」
相手が名乗らないとき「失礼ですが、お名前をお聞かせ願えませんでしょうか」
相手がお得意様だったとき「○○様でいらっしゃいますね。いつもありがとうございます」
取り次ぎを依頼されたとき「○○でございますね。かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
名指人に取り次ぐとき「○○さん、○○様からお電話が入っています」
名指人が不在のとき<相手の意向を伺う場合>
・「誠に申し訳ございません。○○はただいま外出しております。○時には戻る予定ですが、いかがいたしましょうか」

<こちらからかけ直す>
「誠に申し訳ございません。○○はただいま接客中でございます。折り返しちらからおかけ直しいたしましょうか」

電話番号を確認する
「恐れ入りますが、お電話番号(ご連絡先)をお聞かせ願えませんでしょうか」

<伝言を伺う>
・「お差し支えなければ、ご伝言を承りますが」
・「それでは復唱させていただきます。……でございますね(でよろしいでしょうか)」
・「私、○○と申します。○○が戻りましたらそのように申し伝えます」
相手を待たせてしまったとき<30 秒〜1分くらいお待たせしたとき>
「お待たせして申し訳ございません」

<それ以上かかりそうなとき>
「恐れ入りますが、ただいま○○は接客中でございます。折り返しこちらからおかけ直しいたしますが、いかがでしょうか」
電話を切るとき「失礼いたします」

伝言メモの作成

不在の人や、接客中のスタッフで電話に出られない場合は、その電話の内容をメモしてその人に伝えます。メモは正確かつ簡潔に書くことを心がけましょう。

(1)伝言メモの作成ポイント

電話を聞きながらメモを取るのは、慣れるまではなかなか大変な作業です。次のポイントに注意して、正確な伝言メモを作成しましょう。

・書式
一般のビジネス文書同様に、横書きにします。

・簡潔に書く
あらかじめ記入する項目を印刷してあるメモ用紙があると便利です。ポイントだけを簡潔に書き入れるようにします。

・固有名詞、日時、数量は正確に
お客様のフルネームや、日時、数量は正確に記入します。必ず復唱をして、間違いのないことを確認しましょう。

・メモを清書する

最初からきれいなメモを書こうとすると時間がかかってしまいます。とりあえずメモをとり、電話を切ってからすばやくメモを清書するようにします。

(2)メモに記入する項目

伝言メモには次のような項目を記入します。

・いつ
電話を受けた日時を記入します。

・誰あてに
誰あてにかかってきたのかを記入します。

・誰から
先方が会社名と名前、役職を言った場合は役職も記入します。漢字がわからなければ、適当に記入せずカタカナで書いておきます。

・用件
電話の用件を簡潔に記入します。

・電話を受けた自分の名前
自分の名前を記入しておきます。こうしておくと、メモを受け取った人は、電話の内容で確認したいことがある場合は、メモを書いてくれた人に尋ねることができます。

(3)伝達する際の注意点

せっかく伝言メモを書いても、相手が読んでくれなければ意味がありません。確実にメモの内容を伝達するために、メモを渡すだけでなく、「外出中にお電話がありました」「先ほどの○○様からのお電話内容です」など、口頭でも伝えるようにしましょう。

こんな電話がきたときは…

サロンにはさまざまな電話がかかってきます。次のような電話の場合は、応対のポイントに従って親切、丁寧に応対しましょう。

(1)苦情電話

苦情電話は「お客様の声を聞く」大切なチャンスです。ピンチをチャンスに変える心構えで応対しましょう。

・まず先方の言い分をよく聞く
途中で反論したりせず、まず最後まで相手の言い分を聞きます。

・謝る
相手が気分を害されているのは事実ですから、まず「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝ります。

・迅速に対処する
ほかのスタッフや店長などに取り次ぐ場合は迅速に、相手を待たせしないようにします。

・誠意を持って話す
言い逃れやその場限りの言い訳はタブーです。場合によっては、あなたの対応内容がサロンの対応と受け取られてしまいますので、細心の注意が必要です。

(2)道案内

・相手の状況を確認する
相手の現在地および交通手段を確認します。

・所要時間を知らせる
相手の現在地からのおおよその所要時間を知らせます。

・進行方向を伝える
東西南北よりも、進行方向に向かって右・左で説明します。

・目標になるものを伝える
目立つ建物、交差点など、わかりやすい目標を伝えます。

(3)間違い電話

間違い電話とわかっても急に声の調子を変えたりせず、次のように丁寧に応対します。

・サロン名をきちんと名乗る
 「こちらは〇〇美容室でございますが」

・番号を伝える
 「こちらは〇〇〇−〇〇〇〇でございますが、何番におかけでしょうか」

(4)病気欠勤のスタッフあてにかかってきた電話

・病気欠勤であることは知らせない
「本日は休みをいただいております」といった表現にして、原則として病気欠勤であることは伝えません。

・用件を確認する
急ぎの用件かどうかを確認し、急ぐようであれば、他の担当者または上司に取り次ぐようにしましょう。

・出社予定を伝える
急ぎの用件でなければ、欠勤者の出勤予定を伝えて、「こちらから電話をする」「改めて電話をもらう」等の連絡方法を確認しておきます。

電話のかけ方の基本

電話をかけるときは、サロンの電話が長い時間不通とならないように短時間で用件を済ませられるよう、必要な準備をしてから電話をかけましょう。

(1)電話をかける前のチェックポイント

・どこにかけるのかを確かめる
相手の電話番号、氏名を確かめます。(会社であれば内線番号、所属なども)

・用件をまとめる
用件を5W2Hの要領で事前にまとめておきます。必要ならメモをしておきましょう。

・必要な資料・書類を用意する
話の中で必要になる資料や書類は前もって用意しておきます。相手を待たせないための配慮です。

・受話器は左手でもつ(利き腕と反対の手で)
利き腕はいつでもメモをとれるようにあけておきます。

・正しく電話番号を押す
間違い電話はかけてもかかってきても無駄です。メモを見ながら正確にボタンを押しましょう。

・相手が話し中だったら
相手が話し中でつながらないときは、4〜5分待ってからかけ直しましょう。すぐかけ直すよりもつながる確率が高くなります。

・電話が途中で切れてしまったら
かけた方からかけ直します。

・万一番号を間違えてしまったら
丁寧にお詫びしてから切りましょう。

・周囲がにぎやかすぎる場合
周囲の声や雑音は4㎡まで聞こえます。電話をしている人の脇で騒がしくしないようにしましょう。

(2)基本の流れ

電話をかけるときには、相手が在宅(在社)か不在かで対応が違います。次の流れを参考に、電話のかけ方を練習してみましょう。

電話をかけるときの流れ
1.相手「はい、◯◯(会社)でございます」
※相手が名乗らない場合は「失礼ですが◯◯(会社)様でしょうか」と聞く
2.自分の名前を名乗ってからあいさつをする
「○○美容室の△△と申します。お世話になっております」
3.取り次ぎの依頼をする
「□□様はいらっしゃいますか?」
4.<本人が電話口に出たら>
・用件を伝える
5W1H(5W2H)の要領で話す
要点を復唱する
・結論を先に伝える
「◯◯の件でお電話いたしました」
・話が長くなりそうなとき
「少し長くなりそうですが、今よろしいでしょうか」
4.<相手が不在のとき>
・かけ直す、かけ直してもらう、伝言を頼むなどの対応を依頼する

※相手にメモをとってもらうこと
※要点を復唱すること
※相手の名前を聞くこと
5.終わりのあいさつをする
かけた方から、原則として先に切りますが、相手が目上の方の場合は、相手が切るのを待ちます。

(3)こんなときには

電話が途中で切れてしまったら
かけた方からかけ直すのがマナーです。 相手も電話が切れたことに気付いているかもしれませんが、基本的には発信者側が責任を持ってかけ直します。「先ほどは途中で失礼いたしました」と一言添えてから本題に入ると、より丁寧な印象を与えられます。

・番号を間違えてしまったら
間違えて電話をかけてしまった場合でも、声のトーンや態度を変えず、丁寧に謝罪しましょう。

【まとめ】電話嫌いを克服するには?

1.「失敗しても大丈夫」という気持ちを持つ
最初から完璧な対応は難しいもの。失敗も経験のうちと捉えましょう。

2.基本をおさえて、型を覚える
定型フレーズや応対の流れを頭に入れておくだけでも、焦らず対応できます。

3.繰り返し練習して慣れる
先輩や友人とロールプレイングしておくと、実際の電話にも自信が持てます。

4.丁寧な言葉と明るい声を心がける
電話の相手には表情が見えません。笑顔で話すことを意識すると、声にも表情が出ます。

美容師のための接客・接遇マナーを学ぶなら

電話応対は、対面での接客と同じくらい「お店の印象」を左右する大切なスキルです。特に美容師は、お客様との信頼関係が仕事の質に直結します。苦手意識があっても、少しずつ練習を重ねることで必ず上達します。

電話応対に不安を感じている美容師志望の学生や新人スタッフには、マナーや接遇の基礎を学ぶ研修や書籍の活用がおすすめです。

テキスト「美容師のための接客・接遇マナー」(株式会社ウイネット)は、美容師として求められる心構えとビジネスマナーを学べるテキストです。ロールプレイングやケーススタディを豊富に収録しているため、実践力を養成できます。指導者の方をサポートする「指導のてびき」が付いていますので、先生にも安心してご利用いただけます。

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