最近注目を集めている「電話恐怖症」をご存じですか?特に、若い世代を中心に増えており、なかには電話が嫌で会社を辞めてしまう人もいるようです。なぜ電話に恐怖心や不安感を抱いてしまうのでしょうか。
本記事では電話恐怖症の特徴や実態、増えている原因を解説します。克服する方法もまとめたので、電話に対して苦手意識を持っている学生へのアドバイスにお役立てください。
目次
電話恐怖症の特徴や実態とは?
最近耳にするようになった電話恐怖症。ここでは、特徴や実態について解説します。
- 電話を使ったコミュニケーションに不安や恐怖を感じること
- 若者世代の7割以上が電話に苦手意識を持っている
- 電話が嫌で会社を辞める人も
それぞれ見ていきましょう。
電話を使ったコミュニケーションに不安や恐怖を感じること
電話恐怖症は、電話をかけることや受けることに対して恐怖や不安を感じる症状です。対面では問題ないのに、電話を使った会話で恐怖を感じる若者が増えています。症状がひどい場合は、仕事や日常生活に支障をきたすケースもあるようです。
若者世代の7割以上が電話に苦手意識を持っている
株式会社ソフツーが実施した「電話業務に関する実態調査」によると、20〜30代の7割以上が電話に苦手意識を感じていることがわかりました。また対象年齢を60代まで広げた結果を見ても、約6割が苦手意識を抱えています。多くの人が、電話に対して良い印象を持っていないようです。
特にオフィスワークにおいて、全体の44.8%が「手を止めて対応する必要があり、集中力が途切れ業務効率が悪い」などの理由から不快に感じていることがわかりました。
電話が嫌で会社を辞める人も
電話恐怖症についてSNSでリサーチすると、電話が原因で会社を辞める人も見受けられました。
電話が頻繁に鳴り響いている職場で働いた結果、身内だけしか電話ができない状態に追い込まれて退職しました。今も電話の音を聞くと怖くなります。
管理職に上がった元営業担当の同僚が、職場の固定電話と業者の着信が鳴ると過呼吸を発症して休職。その後症状が悪化して退職した。電話恐怖症は経験も年齢も関係なく発症する可能性がある。みんな気をつけて。
また仕事に慣れていない状態の新人がスムーズに対応できず、電話恐怖症になるケースも多いようです。
固定電話恐怖症が話題になっているみたい。何も知らない状態で電話を取る恐怖もあるけど、周囲の上司や先輩が『一言一句』自分の電話を全部聞いている恐怖もあるよね。新人の慣れないうちに経験すると、普通に話せることも話せなくなる。
固定電話恐怖症か…確かに新人のときは怖かったな。今考えるとなぜあれほど怖かったのかなって思うけど、僕の場合は『研修で電話のマナーをうるさく言われたから』だと思う。会話中にマナーを守れていないかもと思うと不安だし焦るから。
このようなことから現在は、ベテランが電話に出る風潮に変わった会社も。
「私が新入社員だったときは電話に出るのは新人の役目だと言われ、仕事が理解できていない状態からお客様に怒鳴られて大変でしたね。今はパワハラになるから、新人ではなく先輩が対応してくれるようです。」
電話を使うことが少なくなった現代では、今後も恐怖症によって退職する人が増える可能性があります。優秀な人材を失わないためにも、会社側で何らかの対策が必要かもしれませんね。
若者世代の電話恐怖症が増えている2つの原因
なぜ電話恐怖症になる人が増えているのでしょうか。考えられる原因は2つあります。
- コミュニケーションツールの多様化
- 固定電話がなく取り次ぎに慣れていない
それぞれ解説します。
コミュニケーションツールの多様化
以前は、離れている人とコミュニケーションを交わすツールといえば電話が主流でした。しかし現在は、メール・SNS・チャットなど多くのツールが登場。結果的に電話で話す機会が減少しつつあります。
また多様化するコミュニケーション方法のなかでも突然かかってくる電話は、迷惑なツールと感じる人も増えているようです。
固定電話がなく取り次ぎに慣れていない
自宅(アパートやマンション)に固定電話を設置する人は減少傾向にあります。そのため、知らない人からの取り次ぎを体験しておらず、対応に慣れていないことも原因の一つと考えられるでしょう。
スマートフォンを使い慣れている世代からすると、誰かわからない電話に抵抗を覚えるケースは多いようです。
あなたは大丈夫?電話恐怖症チェックリスト
電話恐怖症と判断する明確なボーダーラインはありませんが、以下の項目に複数あてはまる場合は、電話恐怖症の可能性があるかもしれません。
- 固定電話が鳴ると緊張する
- 非通知で電話がかかってきたら出ない
- 電話で居留守を使った経験がある
- 知らない番号は基本的に出ない
- お店への予約は電話よりWebを使いたい
- 周囲に人がいる状態で固定電話がかかってきたらその場から離れる
- 電話で連絡する際は事前に言葉を準備する
- 留守番電話にメッセージを入れられない
ただし複数あてはまったからといって、必ず電話恐怖症に該当するわけではありません。あくまでも目安として参考にしてください。
電話恐怖症になりやすい人の特徴3つ
電話恐怖症になりやすい人には、共通する特徴があります。それが次の3つです。
- 過去に電話で嫌な経験をしたことがある
- ビジネスマナーに自信がない
- 周囲からの目線を気にしすぎる
それぞれ解説します。
過去に電話で嫌な経験をしたことがある
過去に電話で嫌な経験をしたことがある人は、電話恐怖症になりやすい傾向があります。たとえば以下の経験は、電話に対する恐怖感を強めやすいでしょう。
- 電話のやりとりで誤解が生じた
- 電話を取った瞬間に相手から怒鳴られた
- 心ない言葉を浴びせられた
- うまく話せず相手に迷惑をかけた
特に最近は、電話を使った悪質な嫌がらせ行為も増えています。一度経験すると、トラウマになるケースもあるでしょう。
ビジネスマナーに自信がない
ビジネスシーンにおいて、電話は重要なコミュニケーション手段の一つです。しかし、正しいマナーや言葉遣いに自信がないと、電話をかけることが大きなストレスとなるでしょう。特に、新入社員や社会人経験が浅い場合は「相手に失礼な言動をしていないか」「悪い印象を与えていないか」と不安を抱えやすい傾向にあります。
周囲からの目線を気にしすぎる
周囲からの目線を気にしすぎる人も、電話恐怖症になりやすい傾向があります。特に固定電話の場合は誰もいない場所に移動できず、部署内のメンバーに対応している姿が筒抜け状態。
「あとで対応に関して指摘されるかもしれない」「話しているところを見られて恥ずかしい」と他人の視線を意識しすぎるあまり、電話対応が苦手になるケースがあります。
電話恐怖症を克服する3つの方法
電話に対する恐怖心は、克服できる可能性があります。ここでは3つの方法を紹介するので、学生はもちろん新人先生の指導にもお役立てください。
- 電話対応マニュアルを作成する
- ロールプレイングを繰り返す
- 手元にメモを準備しておく
それぞれ解説します。
電話対応マニュアルを作成する
電話対応時に不安を感じる要因の一つに「どのように対応すればよいのかわからない」点があります。この問題を解決するには、電話対応に関するマニュアルを作成するのがおすすめ。
電話対応の流れや頻繁に使うフレーズ、気づいたことや失敗しやすい点を自分なりにマニュアルにまとめておきましょう。手元にマニュアルを置いておけば、スムーズに会話を進められます。また想定される質問やシチュエーション別の対応策も用意しておくと安心。自信を持って電話対応に臨めるようになるでしょう。
ロールプレイングを繰り返す
いつまでも電話対応を避けていると、恐怖や不安は消えません。まずは電話対応に慣れることが大切です。実際の電話対応に近い形で、ロールプレイングを繰り返しましょう。練習を重ねることで徐々に不安が和らぎ、電話対応に自信が持てるようになります。
手元にメモを準備しておく
電話対応する場には、あらかじめメモを準備しておきましょう。慣れるまでは、何を聞くべきか記載したリストを、メモ帳と一緒に手元に置いておくのがおすすめです。
Excelなどを活用して、オリジナルの伝言メモを作成するのも効果的。万全に準備しておくと心理的にも安心を感じ、落ち着いて対応しやすくなります。
まとめ
コミュニケーション方法が多様化した現代で、電話に苦手意識を持つ人が増えています。しかし、ビジネスにおいて電話は今でも重要な手段の一つ。早い段階で対応方法を考えておくのがおすすめです。学生が新社会人になってつまずかないよう、指導に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課