【質問の仕方ガイド】質問力を高めるコツやメリットを伝授

インターンシップや就職活動などの場面では、学生が多様な人と関わる機会が増える一方で、「初対面の人と話すのが苦手」「何を話せばよいのかわからない」と戸惑う声も聞かれます。そうしたときに重要なのが、相手の話を引き出すための“聞く力”と、それを支える“質問力”。
本記事では、質問力を高めるために押さえておきたいポイントやメリット、すぐに実践できる方法をご紹介します。質問力は学生生活にとどまらず、社会に出てからも長く役立つものです。ぜひ、日々の指導の中で学生に伝えてみてください。
目次
質問力とは

質問力とは、相手に適切な問いを投げかける能力のことを指します。質問力が高まることで、会話の中から相手の考えや価値観、必要な情報を引き出しやすくなり、コミュニケーション全体をより活発にすることができます。
「きく」という行為には、いくつかの種類があり、主に使われるのが「聞く」「聴く」「訊く」の3つです。それぞれの意味は次のとおりです。
- 聞く:自然に音が耳に入ってくること
例:物音を聞く - 聴く:意識的に、注意深く耳を傾けること
例:音楽を聴く、講義を聴く - 訊く:相手に尋ねる、質問するということ
例:彼女に本音を訊く
質問力において特に重要なのが、「訊く」という姿勢です。質問をすることは、会話のキャッチボールの出発点。適切な問いかけがあるからこそ、相手の言葉が引き出され、対話が深まっていきます。
質問力を身につける5つのメリット
質問力を身につけることで、対人関係はもちろん、情報収集力や問題解決力、コミュニケーションの質にも大きな変化が生まれます。ここでは、質問力を身につけることで得られる主なメリットを5つ紹介します。
- 相手への関心を自然に伝えられる
- 必要な情報を効率よく得られる
- 信頼関係が構築しやすくなる
- 相手の本音を引き出しやすくなる
- 自分自身の思考整理にも役立つ
それぞれ詳しく解説します。
1.相手への関心を自然に伝えられる
相手の話に耳を傾け、内容に沿った質問ができると、「自分に関心を持ってくれている」と感じてもらいやすくなります。その結果、会話が広がり、好意的な印象を与えることができるでしょう。
2.必要な情報を効率よく得られる
知りたいポイントを意識した質問ができれば、遠回りすることなく、必要な情報をスムーズに集めることができます。限られた時間の中でも、的確な情報収集が可能となり、レポート作成やインターン先でのヒアリングなど、実践的な場面でも力を発揮します。
3.信頼関係が構築しやすくなる
相手の考えや気持ちを丁寧に引き出す質問を重ねることで、「この人には安心して話せる」と感じてもらいやすくなります。質問力は、信頼関係を築くための重要な土台です。適切な質問ができれば、人間関係が求められる職場環境においても、大きな強みとなるでしょう。
4.相手の本音を引き出しやすくなる
表面的なやり取りにとどまらず、「なぜそう思ったのか」「背景には何があるのか」といった点に踏み込むことで、相手が普段は口にしない本音や、自分でも気づいていなかった考えに触れることができます。
これは、課題解決や深い理解が求められる場面で特に重要な力です。
5.自分自身の思考整理にも役立つ
質問を考える過程では、「何を知りたいのか」「なぜそれが必要なのか」が明確になります。その結果、自分自身の考えや課題を整理しやすくなり、思考をまとめる力が養われます。
主体的に学ぶ姿勢や、論理的に考える力の育成にも繋がります。
質問の種類
質問力を高める上では、質問の種類や特徴を把握しておくことが大切です。質問の仕方は大きく分けて、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類があります。
| クローズドクエスチョン (閉じた質問) | オープンクエスチョン (開いた質問) | |
|---|---|---|
| 質問形態 | 「はい」「いいえ」で答えられる質問 | 「はい」「いいえ」で答えられない質問 |
| 質問例 | ・お寿司は好きですか? | ・食べ物は何が好きですか? |
それぞれの特徴を理解し、場面に応じて使い分けることが重要です。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンとは、「はい」「いいえ」で返せる質問のことです。
たとえば、「明日は忙しいですか?」という問いかけは、どちらか一方を選んで答えられるため、クローズドクエスチョンにあたります。
返答が短くまとまりやすく、会話が広がりにくいという特徴はありますが、状況を素早く確認したいときや、要点を押さえたい場面では有効な質問の仕方といえるでしょう。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンは、「はい」「いいえ」では答えられない、自由度の高い質問を指します。先ほどの例を「明日は何をする予定ですか?」と聞き換えると、オープンクエスチョンになります。
この質問に対しては、「ショッピングに行く予定です」といった具体的な回答が返ってきやすく、「どこへ行くのですか」「何を買う予定ですか」と、さらに会話を発展させることができます。相手の考えや行動を深く知りたいときに、効果的な質問の仕方です。
それぞれのメリット・デメリット
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンには、それぞれ異なる特徴があることがわかりました。質問の仕方を工夫するには、両方のメリット・デメリットを理解した上で、TPOに応じて使い分けることが大切です。
| クローズドクエスチョン (閉じた質問) | オープンクエスチョン (開いた質問) | |
|---|---|---|
メリット | ・相手が質問に答えやすい ・早く結論が得られる ・会話の主導権を握りやすい ・話題の範囲を限定しやすい | ・情報を多く入手できる ・会話が広がる ・意見、アイデアが出やすい ・コミュニケーションが深いため、信頼関係が生まれやすい |
| デメリット | ・尋問調になりがち ・会話が広がりにくい ・意見、アイデアが出にくい ・コミュニケーションが浅いため、信頼関係までは生まれにくい | ・口下手な人は答えにくい ・結論が出るまで時間がかかる ・会話の主導権が相手に移りやすい ・話題の範囲が想定外にまで広がる可能性がある |
オープンクエスチョンは自由度が高いため、話すことが得意な人には効果的ですが、答えづらさを感じる人もいます。その場合は、まずクローズドクエスチョンで相手の緊張を和らげ、徐々にオープンクエスチョンを取り入れていくと、自然な会話が生まれます。
例文あり:良い質問と悪い質問
ここからは実際の例文を交えながら、会話を広げる「良い質問」と、できるだけ避けたい「悪い質問」を紹介します。質問の仕方ひとつで、会話の深まり方や、相手に与える印象は大きく変わります。
良い質問とは
良い質問とは、相手の経験や考えを引き出し、話を広げるきっかけになるものです。ときには、相手自身も意識していなかった考えや価値観に気づかせることもできます。
【良い質問の例】
最近取り組んでいることの中で、特に大変だったことは何ですか?
その経験から、どのようなことを学びましたか?
なぜ、その選択をしようと思ったのですか?
悪い質問とは
悪い質問とは、事前に調べれば分かる内容や、すでに共有されている情報をそのまま聞くなど、相手に余計な負担をかけてしまう質問のことを指します。場合によっては、準備不足や配慮の欠如と受け取られてしまうこともあるので要注意です。
【悪い質問の例】
御社は、どのような事業を行っていますか?(事前に調べれば分かる内容)
その会議は、何時からですか?(すでに共有されている情報)
質問力を高める5ステップ
質問力は、意識と練習によって身につけられる力です。ここでは、日常の会話や授業、面談など、さまざまな場面で実践しやすい5つのステップを紹介します。
- 目的を意識して質問をする
- クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
- 共感のひと言を添えて質問する
- 安心して話せる雰囲気をつくる
- 相手の話を深掘りする質問をする
学生にも伝えやすいポイントを押さえているので、指導の参考にしてみてください。
1.目的を意識して質問をする
目的がはっきりしないまま質問をすると、相手は「なぜそれを聞かれているのか」が分からず、会話が表面的になりがちです。まずは、「何を知りたいのか」「相手からどのような情報を引き出したいのか」を自分の中で整理しましょう。目的を明確にするだけで、質問の質は大きく向上します。
2.クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
答えが限られる質問(クローズドクエスチョン)と、相手が自由に考えて答えられる質問(オープンクエスチョン)は、場面に応じて使い分けることが重要です。会話の入り口や相手の緊張を和らげたい場面ではクローズドクエスチョンを、内容を深めたいときにはオープンクエスチョンを活用すると、自然な流れで対話が進みます。
3.共感のひと言を添えて質問する
質問をそのまま投げかけるのではなく、「それは面白いですね」「大変だったのですね」といった共感の言葉を添えることで、相手は気持ちが和らぎ、話しやすくなります。共感はクッションの役割を果たし、質問を“尋問”ではなく“対話”へと変える大切な要素です。ひと言添えるだけで、相手の本音や深い考えを引き出しやすくなります。
4.安心して話せる雰囲気をつくる
相槌や表情、身振りといった非言語コミュニケーションも、質問力を支える要素です。うなずきや視線を通して話を聞いている姿勢を示したり、相手の言葉を一部繰り返したりすることで、相手には「きちんと受け止めてもらえている」という安心感が生まれます。その安心感が、より深い話に繋がります。
5.相手の話を深掘りする質問をする
相手の話をさらに理解するためには、5W1Hを意識した質問が効果的です。これはフォローアップの質問とも呼ばれ、背景や理由を掘り下げたいときに役立つ質問テクニックです。
- 「そのきっかけは何でしたか?(Why)」
- 「いつ頃から始めたのですか?(When)」
- 「ほかにはどのような選択肢がありましたか?(What / Which)」
こうした質問を重ねることで、相手の考えや経験をより立体的に理解することができます。
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質問の仕方を含むコミュニケーション指導を行う際には、話し方・聴き方・書き方の基礎をあわせて整理しておくことも有効です。株式会社ウイネットの『コミュニケーション力アップ!伝わる話し方・聴き方・書き方の基本』では、社会人として求められるコミュニケーションの要点を20項目にまとめており、質問力を含めた指導内容を考える際にお役立ていただけます。
インターンシップや入社前の準備にも取り入れやすく、演習問題が豊富な点も特長です。ぜひご活用ください。
まとめ
質問力は、相手との関係性を深め、必要な情報や考えを引き出すために欠かせない力です。学生が場面に応じた質問ができるようになるには、質問の種類や考え方を理解した上で、実践や演習を通して経験を重ねることが重要です。
日々の授業や面談の中で質問の工夫を意識させることで、学生のコミュニケーション力を着実に育てていきましょう。
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