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TOP授業の進め方で意識したいポイント(1)-専門学校での効果的な授業術

授業の進め方で意識したいポイント(1)-専門学校での効果的な授業術

2024.11.21

専門学校の授業は、学習ペースや理解度、関心の幅が様々な学生に対して行います。
特に初回の授業がその後の授業進行に影響を与えるため、初回授業で学生のモチベーションを高めることが重要です。この記事では、授業の進行で意識したいポイントとともに、学生の学びを深める具体的な工夫についてご紹介します。

初回授業最初の10分は「学びのカギとなる時間」

初回授業の最初の10分は、学生の学習に対する意欲が最も高い時間です。このタイミングを「学びのカギとなる時間」と捉え、授業の意義や目的をしっかりと伝えることで、学生のモチベーションを高めましょう。

たとえば、「この授業で学ぶ内容は、卒業後の職場で設計を行うときに役立つスキルです」と具体的にいつ役に立つのかを伝えるだけでも、学生の意欲を引き出すことができます。また、明確なゴールを提示することで、学生は学習の意義を感じやすくなり、授業に対する積極的な姿勢が期待できます。

さらに、実習中心であったり、グループワークが主体であったりと、授業のやり方についても冒頭で明確にしておくと、学生もそれを理解し、目的をもって授業に取り組むことができます。

2回目以降の授業でも最初の5〜10分はその授業の意義や目的を伝える重要な時間になります。最初にしっかりと動機づけを行うことで、その後の授業がうまく進むかどうかが決まるといっても過言ではありません。

授業ペースに満足できない学生とどう向き合うか

学生の中には、学習意欲が高く、授業の進行ペースよりも早く理解が進む学生もいます。こうした学生には、2つのアプローチがあります。

1つは、さらに難しい課題を出すことです。学生が時間を持て余すことのないように多めに課題を用意しておくとよいでしょう。生成AIを活用して課題を作成するのもおすすめです。

もう1つは、他の学生に教える役割を任せることです。”Teaching is best learning”(「教えることは最高の学び」)という考え方があります。学生自らが教える立場となることで、自身の理解をさらに深めることができます。主体的に学生が教えられる環境を意図して作ると、クラス全体の理解度が向上します。

授業についていけない学生とどう向き合うか

ここでは2つのタイプの学生について取り上げます。

1つは「授業に関心が持てない学生」です。
簡単なことでもよいので、授業の中でのできること、わかることを増やせるよう、継続的に学生に働きかけることで、少しでも授業に興味を持ってもらえるようにすることが重要です。これは、学習意欲の向上だけでなく、学生と先生の人間関係の醸成にも繋がります。

もう1つは理解をしよう、できるようになろうと努力する中で、「他の学生よりも時間がかかってしまう学生」です。
授業のペースに追いつけない学生には、最初にどこでつまずいているのかを丁寧に確認することが大切です。「わからないところがどこなのかがわかる」ことは学習をする上でとても重要です。わからないところが明確になると、その部分について重点的に解説することで前に進めるようになります。

理解を促すための手段はいくつかあります。

・英語の言葉であれば、日本語で伝える
・複雑な仕組みは分けて教える
・理解が難しいものは普段の生活にあるものに例える
・他の学生に教えてもらう

などが私の今までの経験で理解に導けた手段です。

理想は、授業後に学生同士で疑問点や理解不足を解消する時間を作れることです。理解が深まれば授業に対する不安を和らげることができます。生成AIを活用して疑問点を解消するのもよいでしょう。

授業ペースのバランスはどうすればよいか

実際の授業は、学習ペースが異なる学生が混在した状態で進行していきます。

授業ペースのバランスを取る際には、「中間層」に基準を合わせるのが理想的です

私の経験上、理解に時間がかかる学生を基準にした授業進行は、避けたほうがよいと考えます。
実は昔、全員に授業を理解してもらう目的で、理解に時間がかかる学生を基準にして授業をしたことがあります。これは大失敗でした。

失敗の要因は、理解の早い学生への追加課題がなかったこと、中間層の学生が手持ち無沙汰になってしまったことです。結果として間の抜けた授業になってしまいました。

シラバスに則って、目の前の学生の反応を見ながら授業ペースを調整する必要があるでしょう。

まとめ

専門学校の授業において効果的な進行を目指すためには、「学びのカギとなる時間」を活用して学生のモチベーションを高めることが重要です。

また、学習ペースが異なる学生に合わせたアプローチが重要になります。学生の理解状況に寄り添いながら、彼らの成長を支える授業づくりを心がけ、より充実した学びの場を提供しましょう。

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この記事を書いた人
伊沢 剛

伊沢 剛

有限会社プチフール代表取締役
23年間、専門学校にてIT教育、学生募集に従事。その後独立。新人社員向けプログラミング研修、社会人向けDX,AI,クラウド研修、情報教育コンサルティング、DX推進支援に携わる。
Youtubeチャンネル:【IT・プログラミングLab】伊沢 剛

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