連載大原先生の学生指導のすゝめ
動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。
先生の周りに、どんな状況でも自分らしくふるまう頼もしい先生や学生はいませんか?
辛いことがあってもしなやかに対応する力は学業・就活・仕事と、どんなことでも活用できてメリットが大きいです。
今回は、さまざまな場面で逆境を乗り越えるために必要な「レジリエンス」について、実践行動学研究所 大原幸夫専務理事から寄稿していただきました。
目次
心のレジリエンスとは
近年、レジリエンスという概念が知れ渡ってきているように思いますが、いかがなもんでしょう?
そもそもレジリエンスという言葉は弾力性や回復力を指しており、地域コミュニティや組織、環境問題にもよく使われる概念です。
今日は、『心のレジリエンス』に的を絞ったお話です。
レジリエンスとは、しなやかでへこたれない心の強さ(折れにくい)、立ち直ることができる心の強さ(折れても回復できる)のこと。
もしもこの先、ずっ~~~とショックなことも、うまくいかないことも起こらないのなら、レジリエンスなんて必要ありません。
でも、そんなわけないですもんね。
っていうか、そんな人生つまらない。
「ここ最近の落ち込んだこと、イヤだった出来事は何ですか?」
こう言われて、
「いや~、毎日楽しいことしかないんで全然思い当たらないっす。えへへ」
という方、ここから先は読まなくていいです。
たとえばショックな出来事があったとき、ず~っとしょんぼりしている人もいれば、すぐにケロッとしている人もいます。
何か失敗をしたとき、「最悪!もうおしまいだ~」という人もいれば、「まぁそういうこともあるさ」という人もいます。
これらの違いを生むのが、『心のレジリエンス』というわけです。
レジリエンスを高める方法
性格の違いだから仕方がないと思われがちですが、最近の研究で、先天的要因(持って生まれた資質)による部分はあるにせよ、後天的要因(経験や学習)で変えられることが分かってきました。
よかったよかった。
では、レジリエンスを高める方法とは?
『自尊感情を高める』
・やればできるという自信
・自分の強みに焦点を当てる
・自分を好きになる
『感情のコントロール』
・自分を制限する思い込みから脱出する
・楽観性や柔軟性を持つ
・感謝の感度を高める
『コミュニケーション力を高める』
・人に助けを求める
・仲間や応援してくれる味方を増やす
『失敗体験から意味を学ぶ』
・体験から教訓を得る
・出来事に意味を見出す
・・・などなど
言うのは簡単、実際にやるのは大変そうなものばっかり。
ごめんなさいね。
レジリエンスをチェックしよう
さて、あなた自身のレジリエンスはどんな感じでしょうか?
気になった方は、次の10項目でチェックしてみてください!
- 自分から人と親しくなるのが得意だ
- 今までやったことがないことでも、ためらいなくやれる
- 自信がなくても、最後には何とかなりそうな気がする
- 知り合いにイヤなことを言われてもそれほど気にしない
- 人に対して親切だ
- 人の気持ちがよく分かる方だ
- ものごとがうまくいかないときも、落ち着いて取り組むことができる
- 欲しいものが手に入らなくても我慢できる
- 自分には十分な能力や可能性があると思う
- 自分を信じてくれて、全力で応援してくれる人がいる
いくつマルがついたでしょうか?
9~10個:めちゃ強!
7~8個:十分強い
5~6個:あと一息
4個以下:レジリエンスくんお休み中
何個だったとしても心配はいりません。
人間はいつからだって成長できますから。
超簡易的なチェック項目ですが、学生との関わり方のヒントも詰まってるので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ Colorful Times」179号を再編集したものです。
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大原 幸夫
一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。