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【藤澤先生編③】映像授業が見違える!すぐに真似したい実践テクニック&メソッド

2022.05.25 (最終更新:2022.06.07) 記事 教務情報

連載麻生塾に聞く!教育ICT活用

九州最大級の総合専門学校グループ「学校法人 麻生塾」の教育ICT活用について、牽引役である若山先生・藤澤先生にお聞きする注目の連載。「コロナ禍の緊急対応」に留まらない中長期的な取り組みの展望から、大きな組織での情報共有とプロジェクト推進の秘訣、すぐに真似したいテクニックまで、貴重な知見を惜しみなくお伝えします。

▼ウイナレッジ編集部より

麻生塾グループの教育ICT活用のキーパーソンお二人をお迎えしてお届けする連載「麻生塾に聞く!教育ICT活用」。
藤澤先生の第1回では、コロナ禍、初めての映像授業で味わった挫折から「教師の立ち位置は変わり、教師個人の伝える力を磨くべき時が来た」ことを悟るまでの経緯について第2回では、「教師個人の伝える力」を磨く方法を研究する中で発見した3つの手法についてお伝えいただきました。

第3回となる今回は、「伝える力」に加えてこれからの時代の先生に求められる「映像授業力」について。
「ただ従来の授業を撮影しただけ」「ただ資料を映しながらいつも通り話すだけ」の映像授業が生まれ変わる、すぐに真似したくなるテクニックとメソッドをお伝えいただきます!

これからの教師に求められる「映像授業力」

2020年以降、教師のフィールドとして新たに「映像」が加わることになりました。
映像教育においては、教師個人の「伝える力」がクローズアップされることになり、教師それぞれが「個の力」を伸ばす必要性があるということを以前の記事でお話ししました。

私は、これからの時代、映像で授業ができる「映像授業力」も教師に必須のスキルになるのではないかと考えています。

コロナ禍以降、教師、学生ともに「映像教材」の有用性に気づいたはずです。
「何度も見返せる」「自分のペースで進められる」など、今までの授業では考えられなかったことが当たり前になりました。
もちろん、今までの「対面授業」にしかない魅力が浮き彫りになった面もあります。
そんな時代には、「対面」でも「映像」でも授業ができる教師が求められることになるでしょう。

私は、2020年春、初めての録画をした際に大きな挫折をし、そこから日々映像教育について研究を進めてきました。
今回は、この2年間で分かってきた「映像授業」のコツをご紹介いたします。

映像による授業には「超絶なトークスキル」「プロ並みの編集スキル」が必要だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、この2年間の研究で分かったことは、そのような能力は必須ではないということです。
今回は誰でもすぐにマネできるテクニックに絞ってご紹介いたします。

映像授業力を高めるポイント

映像授業のテクニックを知るうえで参考にすべきは、「YouTuber」「テレビタレント」です。
私は2年間、この研究を毎日寝る間も惜しんで行ってきました。

そうしているうちに、そんな方々の話にはある一定の法則があることが分かりました。

色々なスタイルのYouTuberやテレビタレントさんがいますが、その方々に共通しているもの。
それを真似することで、かなり映像として見やすく、伝わりやすくなることが分かりました。

今回はその中から三つのテクニック――「構成」「マンツーマン話法」「編集の小技」をご紹介します。

構成

まず一番に大事なことが「話の構成」です。

これは、YouTubeで特に重要視されているものです。
YouTubeでは「視聴維持率」という、最初から最後までどれほど離脱されずに見られたかということが、動画の評価」につながります。
YouTuberはこの「視聴維持率」を上げるために日夜研究を続けています。

この「視聴維持率」は、授業に置き換えれば「いかに授業への興味を惹くことができたのか」ということになります。
YouTuber並みに授業への興味を持たせることができれば、大きな学習効果も期待できます。

そんな視聴維持率に一番影響を与えるのが「話の構成」です。
もちろん様々な構成がありますが、ここでは私が見つけた構成の中でも一番多い「定番の構成」をご紹介します。

惹きつける話の構成

問題提起→②問題の拡大→③これを知ればこうなる→④意外な結論→⑤根拠の説明・理由→⑥結論(まとめ)

この構成はYouTubeでは王道の流れです。
この構成で作られている話は、興味を惹き、つい最後まで見てしまうことになります。
授業でもそんな状況を作れれば理想的です。

では、それぞれのステップを解説していきます。

①問題提起→②問題の拡大

このステップでは、「学生が抱えていそうな問題、悩み」をズバッと言い、気持ちを代弁します。

「ここが難しくて、その後の先生の話を聞いても全然意味が分からなかったよね?」
「正直つまんないと思ってるよね?」

など、言葉をぼかさず、学生が思いそうな本音をズバリ言うことで、学生は共感し、話を聞こうという体勢になります。
これは占いなどでよく使われる手法で、「最初に言い当てられるとすべての話を信じて聞いてしまう」という心理に働きかけるものです。

共感を得たら、次は「問題の拡大」のステップです。
ここでは、「その問題を放置するとどうなるか」を想像させることが大事です。

「でも、そのままにしてたら学校つまらなくなりそうじゃない?」
「資格が取れなかったら、授業料無駄になったかもって凹むかもよ!?」

など、危機感に訴えかけるという手法があります。

③これを知ればこうなる

このステップでは、「この話を聞いた後の自分はこうなっている」という、聞き手の未来をイメージさせる言葉を用意します。

「今まで分からなかったこの内容が一発で分かり、学校が楽しくて仕方なくなる」
「資格の合格にかなり近づき、自分でも効果を実感して面白くなる」

というような感じです。
いわゆる「ベネフィット」といわれる、「聞いた後の変化」を伝えます。

④意外な結論

このステップでは、少し難しいですが、可能な限り「意外と思える結論」を伝えます。
ここで当たり前のことを言っても惹きつける力はありません。
「一体どういうこと?」と思わせることをあえて言うのです。

「今日説明する内容だけ知れば、あとは勉強しなくてもいい」
「10分で生まれ変われる、ある知識」

というように、少し盛りすぎかなと思うくらいインパクトを重視したほうが、興味を惹くことができます。

⑤根拠の説明・理由

このステップでは、従来の授業でするような説明をします。
基本的に授業で説明する内容は、その知識の背景や、根拠を説明するものですので、ここは従来通りで問題ないと思います。
この部分もさらによくしたいという場合は、後述するテクニックをお試しください。

⑥結論

最後のステップでは、この授業内で伝えたかった「結論」を話します。

二つ前のステップで話していた「意外な結論」の伏線回収という形だとさらにいいでしょう。

人は最後に聞いた話が一番印象に残るものです。
最後にきちんとしたまとめをすることで、聞き手に重要な情報をインプットさせます。

マンツーマン話法

対面授業と映像授業では、「話し方」が違います。
その中でも大きな違いが、映像授業は「マンツーマン話法」だということです。

対面授業では、周囲に多くの学生がいるため、呼びかけ方も「みなさーん」です。
しかし、映像授業になると、画面越しに教師と学生の擬似マンツーマンの構図となります。

YouTubeやテレビショッピングなどでは、多くの方が「マンツーマン話法」を利用しています。
呼びかけ方は「あなた」、「ねぇ、○○って思ったことない?」というように頻繁に問いかける
細かいことですが、このような工夫で映像への没入感が格段に増します。

映像授業をする際は、目の前にいる一人と対話をするような気持ちで話してみてください。
きっと「話し方」が今までの授業とは大きく変わるはずです。

編集の小技(BGM・ジャンプカット)

様々な手法をご紹介しても、まだ不安という方もいると思います。
しかし、少し手を加えるだけで映像が大きく生まれ変わる編集テクニックがあります。

映像で話し慣れていない方でも、この方法を使うとかなりプロっぽく見えてしまいます。
私も「映像に慣れていない先生に話していただいた映像をこのテクニックを使って編集して、かなり見やすくなった」という経験があります。

うっすらBGMをかける

これはトーク力に少し自信がないYouTuberもよくやるテクニックです。
普通に話をするだけなのですが、「聞こえるか聞こえないか」くらいのちょうどいい塩梅でBGMを流します。
たったこれだけのことですが、これでかなり「いい感じ」に聞こえます!
私も、自分の動画録画に挫折して、最初に救われたテクニックがコレでした。
PowerPointで作成する動画にも「バックグラウンドで再生」という機能でBGMが簡単に付けられます。
ぜひお試しください!

ジャンプカット

YouTubeでよく使われるテクニックに「ジャンプカット」というものがあります。
これは話の「間」や、「えー」「あのー」などの不要な部分を容赦なくカットしていく手法です。

この手法は、元タレントさんなどではない人がYouTuberになる際に必ずといっていいほど使われています。
このテクニックを利用することで、テンポが良くなり、集中しやすい動画になります。
超絶トークスキルを持っていなくても、かなり流暢なしゃべりに聞こえます。

少しばかりの手間と動画編集ソフトの知識は必要ですが、そんなに難しいものではありません。
これを利用していると学生から「動画が見やすい!」などの評価をいただけること、間違いありません。

映像授業力の研鑽に励みましょう!

日本中、世界中がコロナ禍で「映像授業」の利点に気づき、これからは当たり前になっていくでしょう。
そんな時代の教師は「映像でも授業ができる」ことが必須です。
「映像授業力」は、少しのテクニックとちょっとした勇気で身につけることができます。
また、何度も繰り返すことでその能力は格段に上がっていきます。
映像授業は自分の授業を客観的に見返すきっかけにもなり、今まで気づかずに放置してきた点も見つけることができます。
教師が教師らしく、「伝える力」を鍛えるためにも、ぜひ勇気を出して映像授業に本気で取り組んでみましょう!

▼ウイナレッジ編集部より

藤澤先生の第3回は、「伝える力」とともに新しい時代の先生に求められる「映像授業力」の磨き方についてご紹介いただきました。
「人気YouTuberが話す動画と自分の授業動画、何がこんなに違うんだろう?」と感じたことのある先生は多いのではないでしょうか。
生まれ持った才能や長年の修行で得られる技術……はすぐに手に入りませんが、今回ご紹介いただいた「構成」「マンツーマン話法」「編集の小技」ならすぐに真似したいですね。

次回は、「授業の目的や条件に合った映像授業の考え方」「藤澤先生実使用機材」など、さらなるクオリティアップに効く応用編の内容です。お楽しみに!

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この記事を書いた人
藤澤昌聡先生

藤澤昌聡先生

麻生情報ビジネス専門学校 教務部 システム開発分野 常任講師
麻生塾における映像コンテンツ授業の伝道師。
専門は、プログラミング、情報処理、ITビジネス。
2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により突如やることになった初の遠隔授業で「(おもしろいと思っていた)自分の授業が、動画で見るに堪えない」ことにショックを受ける。同時に、教師の立ち位置が変わっていく「ゲームチェンジ」を予想。急遽、自身の教育力の見直しと研鑽に取り組み始め、かねてから関心のあった「教育をエンターテイメントに」を追求している。そのロールモデルは、オリエンタルラジオの中田敦彦氏。
さらに同塾内の教師陣に向けた学内動画チャンネル「おたがいさまチャンネル」を立ち上げ、映像コンテンツ教育について、情報発信と啓発活動を続けている。

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