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【藤澤先生編②】教師の「個の力」を磨く時代が来た!すぐに真似したい教師力アップの手法

2022.05.11 記事 教務情報

連載麻生塾に聞く!教育ICT活用

九州最大級の総合専門学校グループ「学校法人 麻生塾」の教育ICT活用について、牽引役である若山先生・藤澤先生にお聞きする注目の連載。「コロナ禍の緊急対応」に留まらない中長期的な取り組みの展望から、大きな組織での情報共有とプロジェクト推進の秘訣、すぐに真似したいテクニックまで、貴重な知見を惜しみなくお伝えします。

▼ウイナレッジ編集部より

麻生塾グループの教育ICT活用のキーパーソンお二人をお迎えしてお届けする連載「麻生塾に聞く!教育ICT活用」。

藤澤先生の第1回では、コロナ禍を迎えて初めて録画して見た自身の授業映像が「つまらない」ことにショックを受け、改善を目指すうちに「教師の立ち位置は変わり、教師個人の伝える力を磨くべき時が来た」ことを悟るまでの経緯をお伝えいただきました。

第2回となる今回は、藤沢先生が「教師個人の伝える力」を磨く方法を研究する中で発見した3つの手法をお伝えいただきます。

教師の「個の力」を磨く時代到来

コロナ禍により、突如として訪れた教育界の変化。
「社会が変わり、教育が変わることで、教師に求められるものも変わってくるのでは」と前回の記事でも述べさせていただきました。
教師が画面の中で授業をするとき、学生は無意識にタレントやYouTuberと比較してしまいます。
動画文化に親しみ、目の肥えた学生を満足させるには教師の「個の力」を磨く必要がでてきました。
動画教育に必要な能力とは「伝える力」です。
この「伝える力」は、動画以前に、本来教師にとって必要なもの
コロナ禍により、教師は「伝える力」を磨くという原点に立ち返ったと私は思っています。
そこで今回は、私が実践している「教師力の磨き方」をご紹介いたします。

教師の「個の力」を磨く手法3選

2020年から教師の「個の力」を磨くためにはどうすればいいかについて考え抜いてきました。
そんな中で様々な気づきを得ましたが、今回は3点に絞ってご紹介します。
この方法は「動画での伝え方」を鍛えることはもちろん、従来の対面授業においても大きな効果を発揮します。

「師匠」を見つけてシャドーイング

伝え方のプロである落語家さんは、まず師匠に弟子入りすることから始まります。
師匠の話し方、伝え方を見て、真似て、その話術を身につけていくそうです。
私は教師にも「話術」は必要と考えています。
わかりにくい事柄をわかりやすく説明し、難しいことにも興味を持たせるためには「話術」は欠かせません。

しかし、現時点で「動画の作法を心得た教師」は少ないと思います。
そこでおススメなのがYouTubeの中から師匠を見つけることです。
動画での伝え方を学ぶのに、師匠が「教師」である必要はありません。
「この人の話は理解しやすい」「こんな話し方ができたら学生は楽しいかも」「この話し方なら自分にもできるかも」、そう思える人が必ずYouTubeの中にはいます。
そして、何度も見て分析することができます。
何が理解しやすさに繋がっているのか。なぜこんなに興味を引くのか。
繰り返し見ることでそのようなポイントが分かってきます。

まずは、あなたが目指したい形を体現している師匠を見つけることが近道です。
話術に関しては書籍なども多く出版されています。
しかし、「音」である話術は、文字からは学ぶことはできません。
その点動画であれば、本当の「話術」を学ぶことができます。

* * *

また、師匠が見つかったら、動画を見て分析するだけでなく、さらにおすすめのトレーニングがあります。
私が初めて自分の授業を録画し、大きな挫折感を味わった時以来、習慣にしていること――それが尊敬する話者の「シャドーイング」です。

「シャドーイング」とは、英語の学習などで使われる手法で、お手本となる言葉を聞きながら、同じ言葉を同じイントネーションでなぞることです。
聴き手を魅了する話し方」を構成する要素――語尾、つなぎの言葉、強弱、間などを、自分が「師匠」とする人から習得しようと、毎日動画を見ながらつぶやいています。

「聴き手を魅了する話し方をシャドーイングで身につけることができるのか」は自ら実験している最中で、まだまだ発展途上ですが、今のところ、自分が見て恥ずかしくない話力は身につけることができたと思っています。

ただし、シャドーイングしている姿を周りから見るとかなり不審人物なので、この方法を実践したいという方は誰もいない場所・時間を確保してから取り組みましょう!(笑)

話の構成を常に考える

YouTubeを研究していて気づいたのが、「人を魅了する話には型がある」ということです。
様々な話者やスタイルがありますが、その話の構成は「いくつかの型」にあてはめられると思うのです。

YouTubeはシステムの性質上、いかに視聴者の興味を持続させるかを丁寧に考えなければ見てもらえません。
そのため、YouTuberのみなさんは「構成」を常に研究されています。
聞いていて魅了される話は、「構成」によるものが大きいと私は考えています。

このことに気づいてから、動画教材はもちろんですが、学生に話をするときは常に構成から考えることにしています。
そうすることによって、学生から「わかりやすかった」「初めて興味を持てた」というような意見を聞くこともできました。
こういった構成に気づいたのも「師匠」の話を何度も分析できるYouTubeの存在が大きかったと思います。

私が気づいた「人を魅了する話の構成」については、次回、第3回の記事で詳しく解説します。

受講生として外部の動画教材サービスを使ってみる

「伝わる授業」を研究するため、YouTube以外にも、企業が提供している「動画教材サービス」にも受講生として参加してみました。

動画教材のノウハウをもった会社が運営しているサービスに、受講生として参加したらどう感じるのかを知りたかったのです。
コロナ禍になってから動画で授業をした教師はたくさんいますが、動画での授業を受講した教師は少ないと思ったからです。

しかもこのサービスは、1か月間毎日朝と夜に講座があり、1日も休みがないというものでした。
お試し程度の受講ではリアルな受講生の気持ちが分からないと思い、本気で授業に取り組みました。
かなりハードな体験でしたが、その学びは有意義なものでした。

その経験では、「動画でも伝わる授業はできる」ということ、「構成や仕組みによって離脱を防げる」ということを学びました。
特に大きかったのが「集中が続く時間配分・構成」を肌身で感じられたことです。
これは受講生になってみないと分からないものです。
現在では、自分の作る動画教材でも、集中が続く時間配分、構成が明確に分かってきました。

学校全体でパワーアップしたい!「研究結果」を学内で配信

このように、私は「個の力」を磨くために研究をしてきて、実際に成長できたと感じています。
一方、私ひとりだけでなく学校全体を良くしたいという思いがありました。
そこで、2020年秋、自分が研究して得た知見を学内の教員に共有するための動画チャンネルを開設しました。

動画チャンネルの中では、今まで研究してきたこと、動画教材の作り方などを「私が授業する」というスタイルで配信しています。
これは、社内のある会議での仲間からの提案がきっかけでした。
当初は「私よりも教師歴の長い先生方が多くいる中で、若輩者がそんな動画を配信していいのか」と本当に悩みました。

しかし、ここを自分の「個の力」を磨く練習場所にしようという気持ちで始めることにしました。
始めてみると意外にも好評で、助かったという言葉も多く頂くことができました。
また、多くの先生に見てもらう動画を作るには私自身の技術向上が必須となり、それが良いプレッシャーとなってさらに「個の力」を磨くことに繋がっています。

こちらが学内動画チャンネル「おたがいさまチャンネル」のダイジェスト動画です。

磨いた「個の力」を伝播する活動を続けたい

私がこのように日々、教育について研究しているのは、ある目標があるからです。

私は今でこそ教育に携わり、教育を愛していますが、学生時代は「勉強が大大大嫌い」でした。
勉強が楽しいと思ったこともなく、もちろん勉強がすごくできたわけでもありません。
しかし、大人になって「学ぶことの楽しさ」に気づいてから、勉強、教育が好きになりました。

世の中にはそんな勉強嫌いの若者が多くいると思っています。
教師が「個の力」を磨くことで、学ぶ楽しさを知る若者が増えてほしいのです。

勉強が苦手な人にはまず「楽しい・面白い」というきっかけから学びを好きになってもらいたい。
「勉強とはそういうものじゃない!」という方もいるかもしれません。
しかし、私はそんな「学びの入り口」があってもいいと思っています。

学ぶ楽しさを知るきっかけをたくさんの若者に提供するには、磨きに磨き上げられた力をもった教師がたくさん必要です。
私一人が関われる学生には限りがあります。

私は、自らが得た知識を日本中の先生達に共有し、時には教えを請いながら、共に「楽しい教育」を日本に広げていきたいと思っています。
今回のこの記事もそんな仲間を見つけるきっかけになればうれしく思います。

▼ウイナレッジ編集部より

藤澤先生の第2回は、藤澤先生が研究してきた先生の「個の力」、「伝える力」の磨き方をご紹介いただきました。

「なんとなくこの人の喋りが好き・真似したい」という人が思い浮かぶ方は多いかと思いますが、シャドーイングまでしている方はほとんどいないのではないでしょうか。
藤澤先生のように徹底した分析・トレーニングを重ねれば「伝える力」を伸ばせるというのは納得です。
「自分もこの機会にやってやろう」と感じた方も多いのでは。

藤澤先生の第3回では、「映像授業」にフォーカスを絞り、今回も少し触れられていた「構成」についての詳細や、すぐに取り組めて映像のクオリティを大幅に高められるテクニックなどをお伝えいただきます。
次回も必見です。お楽しみに!

次回は2022年5月25日頃公開予定です。お楽しみに!

【若山先生編③】公務員試験本番直前、学生個々に最適化した学習環境で「学習の自立」を実現
【藤澤先生編③】映像授業が見違える!すぐに真似したい実践テクニック&メソッド

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この記事を書いた人
藤澤昌聡先生

藤澤昌聡先生

麻生情報ビジネス専門学校 教務部 システム開発分野 常任講師
麻生塾における映像コンテンツ授業の伝道師。
専門は、プログラミング、情報処理、ITビジネス。
2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により突如やることになった初の遠隔授業で「(おもしろいと思っていた)自分の授業が、動画で見るに堪えない」ことにショックを受ける。同時に、教師の立ち位置が変わっていく「ゲームチェンジ」を予想。急遽、自身の教育力の見直しと研鑽に取り組み始め、かねてから関心のあった「教育をエンターテイメントに」を追求している。そのロールモデルは、オリエンタルラジオの中田敦彦氏。
さらに同塾内の教師陣に向けた学内動画チャンネル「おたがいさまチャンネル」を立ち上げ、映像コンテンツ教育について、情報発信と啓発活動を続けている。

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