
暖かくなると、活動を始めるスズメバチ。「公園を歩いていたら飛んできた」「気づいたらベランダに巣ができていた」など、身近な場所での遭遇は決して珍しくありません。近年は、温暖化によってスズメバチの活動時期や生息域が拡大傾向にあるともいわれています。
そのため、外出時に不安を感じる先生も多いのではないでしょうか。しかし、正しい知識と対策を知っていれば、スズメバチを寄せ付けにくくすることが可能です。本記事では、スズメバチから身を守るための対策を6つ紹介します。遭遇時の対処法もまとめたので、ぜひ参考にしてください。
目次
まずはスズメバチの生態を理解しよう

まずは、スズメバチの生態を理解しましょう。ポイントは、次の3つです。
- 活動時期
- 攻撃性
- 毒の危険性
それぞれ解説します。
活動時期
スズメバチは春になると活動を始めますが、特に注意が必要なのは夏から秋にかけてです。この時期は巣作りが本格化し、働きバチたちが活発に動き回ります。秋口には巣が最大規模となり、ハチたちの警戒心もピークに。
そのため、9月から10月頃は最も危険な時期といえるでしょう。一方で、冬場は活動がほぼ停止するため、この時期に巣が見つかった場合は比較的安全に駆除できます。
攻撃性
巣やスズメバチを刺激しない限り、基本的に襲うことはないとされています。スズメバチが攻撃してくるのは、巣や仲間を守るためです。特に巣から10メートル以内に近づいてしまうと、敵とみなされ執拗に攻撃される可能性があるため注意しましょう。
また、スズメバチは攻撃時に警戒フェロモンを放出して仲間を呼び寄せるため、1匹に刺されるとほかのハチも攻撃に加わってくる可能性があります。時折「スズメバチの大群に襲われた」のようなニュースを見かけますが、これは警戒フェロモンに誘発された仲間が集まってくるためです。
毒の危険性
ハチのなかでも、群を抜いて強力な毒を持つのがスズメバチです。刺された直後には激しい痛みや腫れが生じ、さらに息苦しさや意識障害などが現れる場合もあります。特に怖いのが、2回目に刺されたときのアナフィラキシーショック。過去に刺されてアレルギー反応を起こした経験がある場合は、重篤な症状が出やすいため特に注意が必要です。
スズメバチを寄せ付けない6つの対策

スズメバチとの接触を防ぐための、おすすめ対策は次の6つです。
- 忌避スプレーを使用する
- 薄めたハッカ油をスプレーする
- 木酢液を吊るす
- 濃い色の服を着ない
- スズメバチが好む香りを避ける
- オニヤンマのフィギュアを身につける
それぞれ解説します。
1.忌避スプレーを使用する
スズメバチ用の忌避スプレーにはスズメバチが嫌がる成分「フェニルメタノール」が含まれており、寄せ付けない効果が期待できます。家の周囲やベランダ、庭などスズメバチが来そうな箇所に散布するとよいでしょう。散布の頻度は2週間に1回程度でOKですが、雨が降ると効果が薄れてしまう可能性があるため、再度散布するのがおすすめです。
2.薄めたハッカ油をスプレーする
ハッカ油を水で薄めて散布するのもおすすめです。ハッカ油はミントの一種であるハッカから抽出されるオイルで、清涼感のある独特の強い香りがスズメバチを含む多くの昆虫を忌避する効果があります。天然成分なので、環境にも優しい防除方法です。
作り方は、精製水と無水エタノールを9:1の割合でスプレーボトルに入れ、好みに合わせてハッカ油を20〜60滴垂らすだけ。ハッカ油の原液は人体にも刺激が強いため、作る際は直接肌につけたり吸い込んだりしないよう注意しましょう。
3.木酢液を吊るす
木酢液は、炭を焼いた際に発生した煙を冷却して得られる液体で、燻製のような独特の匂いを放ちます。この匂いもスズメバチは苦手なため、液を染み込ませた布や専用容器をベランダに吊るすだけで寄せ付けにくくなります。日が経つと効果が薄まるため、1カ月を目安に交換するのがおすすめです。
4.濃い色の服を着ない
黒や紫など濃い色の服は、敵と認識されるリスクが高まります。理由はスズメバチの天敵である熊の毛色が黒に近く、本能的に黒を危険と認識するからといわれています。
登山やキャンプなどアウトドア活動時には白や薄いベージュ、薄いグリーンなど明るい色の服を選ぶのがおすすめです。また花柄など派手な模様もハチを引き寄せる可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
5.スズメバチが好む香りを避ける
スズメバチは花の蜜を求めて活動する習性があるため、花の香りに似た香水や整髪料、ボディスプレーは使用を控えるのがおすすめです。アウトドア活動時には、無香料の日焼け止めや虫除けスプレーを選ぶとよいでしょう。
またスズメバチは、甘い飲み物や食べ物にも引き寄せられます。屋外でのピクニックや食事の際、ジュースやフルーツなどの食べ物を開放したまま放置するのは厳禁です。飲み物はカップに蓋をするか、ストロー付きの密閉容器を使用しましょう。食事後のゴミは必ず密閉して処理し、甘い匂いを残さないようにするのも効果的です。
6.オニヤンマのフィギュアを身につける
オニヤンマはスズメバチの天敵として知られており、姿形を見るだけで逃げていくといわれています。しかし、本物のオニヤンマを常に近くに置いておくことは難しいですよね。そこでおすすめなのが、オニヤンマの形をしたフィギュアです。身につけると、スズメバチを寄せ付けない効果が期待できます。
100円ショップでも虫よけグッズとして売られているため、帽子やリュックなど目立つ場所につけておくとよいでしょう。
ダイソーでオニヤンマくんもどき (とんぼブローチ) いっぱい買ってきた。 pic.twitter.com/XYulx1N3Ww
— nipotan (@nipotan) June 30, 2023
スズメバチに遭遇してしまった際の対処法3選

どんなに対策を講じていても、スズメバチに遭遇してしまうことはあります。冷静に行動できるよう、対処法を覚えておきましょう。
- その場から静かに離れる
- 自治体や駆除業者に相談する
- 刺されてしまった場合
それぞれ解説します。
その場から静かに離れる
スズメバチは、とにかく刺激しないことが大切です。見つけたら、ゆっくりと静かにその場から離れましょう。急な動きや大声、大きな音はスズメバチを刺激して、攻撃行動を誘発する可能性があるのでNGです。また、ハチは高い位置に反応しやすいため、なるべく低い姿勢を保ちながら逃げましょう。
自治体や駆除業者に相談する
スズメバチの巣を発見した場合は、自分で駆除しようとせず自治体や専門業者に依頼しましょう。多くの自治体では窓口を設けており、補助金制度を活用できたり専門業者を紹介してくれたりします。公共の場であれば、無料で対応してくれることも。なお、業者に依頼する場合の費用相場は1〜5万円前後です。
刺されてしまった場合
刺されてしまった場合は二次被害を防ぐため、体勢を低くして静かにその場から離れましょう。それから素早く傷口を流水で洗い、毒を絞り出します。針が残っている場合は、ピンセットなどで優しく取り除きましょう。
次に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩など)の入った軟膏を塗り、氷や保冷剤で患部を冷やして腫れや痛みを抑えます。めまいや吐き気、呼吸困難などの全身症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性が高いため、迷わず救急車を呼んで医療機関を受診しましょう。
まとめ
スズメバチは攻撃性が強く、近づくと巣や仲間を守るために攻撃してくるケースがあります。特に夏から秋にかけての活動期には、注意が必要です。近くに巣を作らせないよう、早めの対策がおすすめ。もしスズメバチに遭遇したらパニックにならず、静かに離れるのが最善策です。また巣を発見した場合は自分で駆除しようとせず、専門家に依頼しましょう。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課