
グローバル化が進む現代社会において、異なる文化や価値観を持つ人とコミュニケーションを取る機会が増えています。異文化交流を授業やイベントに取り入れたいと考えている学校も多いのではないでしょうか。
そこで知っておきたいのが、世界で共通認識されているマナーです。本記事では、国際標準マナーの基本や学ぶメリットを解説します。ビジネスシーンで役立つ具体例もまとめたので、ポイントを押さえておきましょう。
目次
国際標準のマナーとは?基本をわかりやすく解説

国際的な交流の場で信頼関係を築くためには、国際標準マナーが欠かせません。ここでは、基本を解説します。
- 世界基準の国際儀礼
- プロトコールの5原則
- 国際標準マナーが求められる人
それぞれ見ていきましょう。
世界基準の国際儀礼
自国では普通のことでも、相手国では失礼にあたることがあるケースは多くあります。世界標準マナーは「国際儀礼」や「プロトコール」とも呼ばれ、異なる文化を持つ人同士が互いに敬意を払い、円滑な関係を築くために用いられる一連の作法やルールのことです。
たとえば公式な場での挨拶や名刺交換、席次の決め方などが挙げられます。長年の歴史のなかで培われてきた共通認識であり、相手への配慮を示すための大切な表現方法といえるでしょう。基本を理解しておくことで、トラブルを未然に防げます。
プロトコールの5原則
国際標準マナーの基本となる「プロトコール」には、主に5つの原則があります、
1.異文化の尊重 | 相手の文化、風習、宗教、習慣を尊重し、国や人種に関わらず平等に扱う。自国の文化も正しく理解する。 |
2. 序列重視 | 公式行事などでは序列(席次や並び順)が重視され、敬意を示すために配慮する。 |
3. 右上位 | 席順やエスコート、国旗の掲揚などで「右側が上位」とされる。 |
4. 返礼・相互主義 | 受けたもてなしや行為には必ず返礼し、交流は相互関係であることを大切にする。 |
5. レディーファースト | 宗教的制限を除き、女性を優先する。建物の出入りや乗り物の乗降などで女性を先に案内する。 |
上記を意識しておくだけでも、国際的な場での対応に自信が持てるでしょう。
国際標準マナーが求められる人
グローバル化が加速する現代において、国際標準のマナーは外交官や王族など一部の特別な人だけに必要なものではありません。たとえば海外との提携を検討している学校は、留学生をイベントに招いたり、ゲストとして招かれたりといった機会もあるのではないでしょうか。その際に相互理解を深め、良好な関係性を築くためにも国際標準のマナーは役立ちます。
ほかにも海外進出している企業の社員はもちろん観光業に従事する人、留学を考えている学生、日常生活で外国人と接する機会のあるすべての人にとって、国際標準のマナーは不可欠な教養といえます。
国際標準マナーを学ぶ3つのメリット
国際標準マナーを学ぶことは、国際的な場面で恥をかかないようにするためだけではありません。ここでは、学ぶことで得られる3つのメリットを解説します。
- 異文化への理解が深まる
- 異文化間の摩擦を防げる
- グローバルな場でも自信が持てる
それぞれ見ていきましょう。
異文化への理解が深まる
世界共通のマナーを学ぶことは、相手の文化や価値観への理解を深めるきっかけになります。たとえば日本では「相手の目を見て話す」ことが礼儀とされていますが、フィリピンでは「目を逸らす」ことで相手に敬意を示すようです。
国ごとに異なるルールを知ることで「なぜこの国ではこうするのだろう?」と興味を持つきっかけになります。マナーを学ぶうえで得た知識は、相手の文化や価値観を尊重する姿勢に繋がり、スムーズなコミュニケーションを生み出すでしょう。
異文化間の摩擦を防げる
文化的背景が異なる相手とやり取りする際、ささいな言動が誤解を招くこともあります。自国とは異なるルールや常識を知らないと、知らぬ間に相手を不快にさせたり、ビジネスチャンスを失ったりするリスクも。
「配慮したつもりだったのに、トラブルになるとは思わなかった」と後悔しないためにも、基本的な知識は身につけておきたいところです。
グローバルな場でも自信が持てる
国際標準マナーを習得すると、さまざまな国や文化の人と接しても自信を持って振る舞えるようになります。海外出張や他国の学校・留学生との交流など、さまざまなシーンで「自分のマナーは世界で通用する」と感じられるのは大きな安心材料です。
「知っている」だけでなく「自然に振る舞える」レベルまで高めることで、相手に好印象を与えやすくなり、信頼関係の構築もスムーズになるでしょう。
ビジネスシーンで役立つ!国際標準マナーの具体例4選

ビジネスシーンで他国の人に対応する場合、日本のマナーでは失礼にあたることも。ここでは、ビジネスシーンで役立つ国際標準マナーの具体例を4つ紹介します。
- ノックの回数は4回
- 海外からのお客様は「右上位」
- 笑顔でごまかそうとするのはNG
- 腕組みは「敵対の意思表示」と判断されることも
それぞれ解説します。
1.ノックの回数は4回
ビジネスシーンで会議室などのドアをノックする際、日本では2〜3回が一般的です。しかし、国際標準のマナーでは「4回」が基本とされています。2回ノックは「トイレの空き室確認」と認識されており、誤解を招く恐れがあるので注意しましょう。
2.海外からのお客様は「右上位」
席次も、日本の一般的なマナーと異なる点があります。日本では「左上位」が基本ですが、国際的には上位の人を右に通す「右上位」が原則です。海外からお客様を招く際は、席次にも配慮しましょう。相手が「どこに座るか迷っている」ときは、さりげなく右側に案内できるとスマートですよ。
3.笑顔でごまかそうとするのはNG
日本人は相手に不快な思いをさせまいとする配慮から、曖昧な返事をしたり笑顔でやり過ごそうとしたりする傾向があります。しかし国際的なビジネスの場においては「なぜ質問しているのに、答えずヘラヘラしているのか」と、不誠実な印象を与える恐れがあるので避けましょう。
相手の話が理解できないとき、または意見が異なるときは、笑って場を収めようとするのではなく「もう一度伺ってもよいでしょうか?」「こちらの考えは〇〇です。理由は~」と、明確に返答することがスムーズなコミュニケーションのポイントです。
4.腕組みは「敵対の意思表示」と判断されることも
会議中に腕組みして考えごとをしている先生もいるかもしれませんが、国際的には「防御的」あるいは「反発的」な態度と見なされることがあります。
特に話し合いや交渉の場では「聞く耳を持っていない」「対話を拒否している」と誤解される原因になるので避けましょう。友好的な印象を与えるためには、言動だけでなく非言語的コミュニケーションにも気を配ることが大切です。
まとめ
国際標準マナーは、異文化間での誤解や摩擦を避けてスムーズな人間関係を築くための共通ルールです。知っておくことで、異文化理解やグローバル対応において大きな強みとなります。どのような場でも自信を持って振る舞えるよう、これを機会に学んでみてはいかがでしょうか。授業に取り入れるのもおすすめです。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課