ここ数年で、AIが目覚ましい進化を遂げています。AIを使ったシステムを導入し、コスト削減に成功している企業も多数。今後も技術が発展すれば、人の手が必要なくなる仕事も増えるといわれています。そのため、学生から仕事選びに関して相談された際、アドバイスに悩む先生もいるのではないでしょうか。
本記事ではAIに奪われにくいとされている仕事や、10年後にはなくなるかもといわれている仕事について解説します。AIに仕事を奪われないためにできる対策にも触れているので、学生へのアドバイスにお役立てください。
目次
AIに奪われにくい仕事の特徴3つ
AIに奪われにくい仕事には、共通する特徴があります。それが次の3つです。
- コミュニケーションが重要視される仕事
- 複雑な判断が必要とされる仕事
- マニュアルに捉われない対応が必要な仕事
それぞれ解説します。
コミュニケーションが重要視される仕事
人の心を理解して適切なアドバイスや提案をする仕事の場合、人ならではの共感力が必須です。細かな感情のやり取りは、現時点でAIが完全再現できるレベルにはありません。そのため顧客との信頼関係が大切な仕事や、チームワークを重視する仕事は今後もAIに代替される可能性は低いと考えられるでしょう。
複雑な判断が必要とされる仕事
AIは大量のデータに基づいて判断を下せますが、状況に応じた柔軟な対処は苦手です。そのため、高度な専門知識や経験に基づいた複雑な判断が必要とされる仕事は、現時点でAIには難しいと推測されます。
マニュアルに捉われない対応が必要な仕事
マニュアルや既存のルールに捉われない柔軟な対応を求められる仕事も、AIに奪われにくい仕事の一つです。たとえば、クリエイティブな業界やイベントプランナー、危機管理などの分野では、その場に応じた新しいアイデアや適切な解決策を提案する力が求められます。ときには予測不可能な事態に対して柔軟に対応できる創造性が必要となるため、AIによる完全な代替は難しいといえるでしょう。
AIに奪われないと推測されている仕事7選
AIに奪われにくいと推測されている仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、具体的な仕事を7つ紹介します。
- 医師・看護師
- カウンセラー
- 介護士
- 教師
- コンサルタント
- 法律関係
- クリエイティブ関連
それぞれ見ていきましょう。
1.医師・看護師
医療データの収集や画像解析など、AIが業務支援ツールとして活躍する場面は増えていますが、医師や看護師の役割を完全に代替することは難しいとされています。なぜなら、医師や看護師の仕事には、高度な専門知識に加えて人間らしい温かみのある対応や複雑な判断力が求められるからです。
医療現場では患者一人ひとりの症状や体質を理解し、最適な治療方針を決めていかなければなりません。また信頼関係を築き、不安な気持ちを和らげるコミュニケーション能力も重要です。命にかかわる責任の重さと倫理的な判断を伴うため、医療分野の専門職はAIに置き換わることが難しいと考えられています。
2.カウンセラー
カウンセラーは、心の問題に寄り添う仕事です。心の内面に深く入り込み、悩みを抱える人たちが自らの力で前に進めるよう支援します。この過程では、クライアントの感情に寄り添いながら共感を示すことが重要です。
現時点でAIには、人間の複雑な感情や細かなニュアンスを理解し、適切なアドバイスを提供する能力がありません。そのため、心のケアを必要とする人々に寄り添うカウンセラーの需要は今後も変わらないと推測されます。
3.介護士
高齢化社会が進むなか、介護士の重要性は年々高まっています。単に身体的なサポートだけでなく、利用者の心に寄り添うことも求められる仕事です。AIやロボット技術は物理的な支援は提供できても、精神面におけるサポートや細かな感情のやり取りはできません。
「お元気ですか?」という気遣いや一人ひとりのぺースに合わせた配慮など、利用者の個性や心情を理解して適切な対応をするには、介護士の温かい手が不可欠です。
4.教師
教師は子どもたちの学習意欲を引き出し、潜在能力を伸ばす役割を担っています。そのためには深い専門知識と指導力はもちろん、学生に寄り添うコミュニケーション能力が必要です。
AIは教材作成や個別指導など教育分野での活用が進められていますが、教師の役割を完全に代替することは難しいと考えられるでしょう。つまり専門学校の先生の仕事も、AIに奪われる可能性は低いと推測できます。
5.コンサルタント
コンサルタントは企業の経営課題を分析し、状況に応じて適切な解決策を提案する仕事です。そのためには幅広い知識や分析力、問題解決能力に加えてクライアントとの信頼関係を構築する能力が求められます。
AIはデータ分析や情報収集には役立ちますが、経験や洞察に基づいたアドバイスの提供は苦手としています。そのため、10年後もなくならないと考えられるでしょう。
6.法律関係
弁護士や法務担当者など法律関係に携わる仕事は、法律の専門知識に加えて戦略的な思考が求められます。「このケースはどの法律が適用されるのか?」という問いに対して単に法律知識を持っているだけでなく、個々のケースの特性を踏まえたうえでクライアントにとって最適な解決策を導き出す能力が不可欠です。
AIには再現できない人間の感情や倫理を考慮した判断が必要なため、法律関係の仕事も代替される可能性が低いと考えられています。
7.クリエイティブ関連
クリエイティブ関連の仕事も、AIによる代替が難しいとされています。「どうしたら人々の心を動かす作品が作れるだろう?」という疑問から生まれるアート作品や、広告・デザインなどは、人間独自の感性や経験が生み出す芸術性が核となるケースも多いからです。そのためAIの発展にかかわらず、今後も人間によって進められる可能性が高いと推測されます。
AIに仕事を奪われる?10年後には消えているかもしれない仕事5選
AIに奪われにくい仕事がある一方で、10年後には消えている可能性が高い仕事も存在します。それが次の5つです。
- 一般事務
- コンビニやスーパーのレジ
- 受付・フロント
- 警備員
- タクシー・バスの運転手
それぞれ見ていきましょう。
1.一般事務
一般事務職はデータ入力・文書の管理・スケジュール調整などルーティンワークが中心です。このような単純業務はAI技術の発展によって効率良く、かつ迅速に実行可能となりました。そのため一般事務職のニーズは今後、減少すると考えられています。
2.コンビニやスーパーのレジ
レジ業務も自動化が進んでいる分野の一つです。セルフレジの導入が進むにつれ、人間の手によるレジ業務の必要性は低下しています。今後もセルフレジの普及が進めば、スタッフの仕事は大幅に減少する可能性が高いでしょう。
3.受付・フロント
ホテルやオフィスビルの受付・フロント業務も、AIによって代替されつつあります。たとえばAIチャットボットや自動チェックイン機の導入により、24時間いつでも対応が可能に。
複数の言語にも対応できるため、グローバルなビジネス環境においても需要が高まっています。将来的には多くの受付・フロントの仕事がAIに取って代わられる可能性が高いでしょう。
4.警備員
AIカメラやドローンの進化により、警備員の仕事もAIに奪われるかもしれないと考えられています。たとえばAIカメラは不審な動きを検知して自動的に警報を発信でき、ドローンは広範囲を効率的に監視可能です。これらの技術が普及すれば、人間による定期的なパトロールや監視業務が不要となるかもしれません。
5.タクシー・バスの運転手
自動運転車の技術は日々進化しており、すでに一部の地域では実用化されています。安全性や法律の問題など課題もありますが、今まで以上に進化した自動運転車が普及すれば、運転の仕事はなくなる可能性が高いでしょう。
AIに仕事を奪われないためにできる3つの対策
私たちの仕事に大きな影響を与えつつあるAIの進化。ここでは、AIに仕事を奪われないためにできる対策を3つ解説します。
- 常にスキルアップを目指す
- コミュニケーションスキルを身につける
- AIでは代替が難しい仕事を選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
常にスキルアップを目指す
AIは日々進化しており、将来的には人間の想像を超える能力を持つ可能性を秘めています。AIに仕事を奪われないようにするためには、常にスキルを磨いて最新技術に対応できる能力を身につけなければいけません。
たとえばAIやデジタル技術に関する知識は、今後どの業界でも求められるでしょう。プログラミングやデータ分析など、AIを理解し活用する能力を身につけることで需要の高い人材になれる可能性が高いです。AIに使われるのではなく、使いこなす人材を目指したいですね。
コミュニケーションスキルを身につける
AIは情報を処理する能力に優れていますが、相手の感情を読み取り適切な反応を示す能力は低いとされています。たとえば相手を尊重して自分の意見を適切に伝える、チームで協力して問題を解決するなどです。
AIでは完全な代替が難しいコミュニケーションスキルを磨くことで、市場価値の高い人材になれるでしょう。
AIでは代替が難しい仕事を選ぶ
AIによって自動化されにくい仕事を選ぶことも、一つの方法です。人間特有の能力が活かせるかつ、自分の強みや興味と合致する分野を探してみましょう。その領域での専門性を高めることに注力すれば、AIの進化に左右されにくいキャリアを築くことが可能となります。
まとめ
AI時代を生き抜くためには、単純業務や定型的な業務をこなす能力ではなく、AIには代替できない能力を磨くことが求められます。前向きにスキルアップやキャリア形成に取り組むことで、不安をチャンスに変えることも可能です。
学生が後悔のない選択をできるよう、対策方法や選ぶ際のポイントを共有してサポートしましょう。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課