
AI技術の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えています。各社でAIを活用したシステムが開発されているなか、Appleから発表されたのが「Apple Intelligence」です。
本記事では、Apple Intelligenceの基本を丁寧に解説します。ビジネスシーンで役立つ機能も紹介しているので、Apple製品を愛用している先生は、チェック必須です。
目次
Apple Intelligenceとは?基本を解説

Apple Intelligenceは、私たちの日常生活やビジネスを大きく変える可能性を秘めています。ここでは、基本を解説します。
Apple社が開発した独自のAI
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は、Apple社が独自に開発したAIプラットフォームです。2024年6月10日に開催されたWWDC24(世界開発者会議)の基調講演で発表され、テクノロジー業界に大きな話題を呼びました。文章作成やメール整理といった、日常的なタスクを効率的にこなすための機能が搭載されています。
現時点でApple Intelligenceの提供は英語版のみですが、2025年4月初旬には日本語にも対応する予定であることが発表されています。近い将来、日本のユーザーにとっても身近なAIシステムになるでしょう。
対応機種と利用条件
Apple Intelligenceは、すべてのApple製品に対応しているわけではありません。iPhone、iPad、MacでApple Intelligenceを利用するための条件は以下のとおりです。
対応デバイス
- iPhone 16の全モデル、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
- A17 ProまたはM1以降を搭載したiPadの全モデル
- M1以降を搭載したMac
必要なソフトウェアバージョン
- iOS 18.1以降
- iPadOS 18.1以降
- macOS Sequoia 15.1以降
その他の条件
- デバイスの言語とSiriの言語が対応言語に設定されている
- 7GBのストレージ空き容量がある
またApple Intelligenceを使い始めるには、デバイスのソフトウェアを最新バージョンにアップデートしなければいけません。アップデートは「設定」アプリからできるので、現在使っている端末が対応しているか確認し、必要に応じてソフトウェアを更新しておきましょう。
Apple Intelligenceの特徴4つ
従来のAI技術とは、一線を画す革新的な特徴を多く備えているApple Intelligence。主な特徴は、以下の4つです。
- パーソナルコンテクストの活用
- プライバシーを重視した設計
- ChatGPTと連携
- Siriの大幅な機能改善
それぞれ解説します。
1.パーソナルコンテクストの活用
パーソナルコンテクストとは、ユーザーのデバイス内に保存された情報(カレンダー、リマインダー、メモ、メール、過去の行動履歴など)を指します。Apple Intelligenceは、これらの情報を総合的に分析して、ユーザーが「今」何を必要としているのか予測することが可能です。これにより、従来のAIアシスタントでは困難だった細やかなサポートが可能となるでしょう。
2.プライバシーを重視した設計
AI技術が高度化するにつれ、個人情報の取り扱いが大きな課題になってきました。これを踏まえてApple Intelligenceは、データを外部サーバーに送信しない「オンデバイス処理」を基本としています。iPhoneやMacなどの端末上で個人情報を含むデータを処理・保存し、サーバー側に残さない仕組みを導入しているのです。
従来のクラウドに基づくAI処理とは異なり、データが外部のサーバーに送信されません。つまり、個人情報が外部に漏洩するリスクが大幅に低減されるのです。
3.ChatGPTと連携
高度な言語モデルとして注目されている、ChatGPTとの連携も可能です。連携を許可すると、Siriを経由してChatGPTの知識にアクセスしたり、作文ツールとしてChatGPTを利用したりが簡単になります。たとえば「専門分野のレポートを書きたいから、参考になる文献を探してほしい」と音声で指示すれば、ChatGPTを介して情報収集や初歩的な文章作成を補助してくれるのです。
連携により、複数のサービスを行き来することなく多くの専門知識にアクセスできるようになります。
4.Siriの大幅な機能改善
長年iPhoneユーザーに親しまれてきたSiriですが、大幅に機能が向上しています。以前のSiriは「天気を教えて」や「タイマーをセットして」など、基本的なタスクの実行や簡単な質問への回答は得意な一方で、複雑な要求や会話の文脈を理解することには課題がありました。
しかしApple Intelligenceの導入により、複数のステップにわたる指示も理解できるようになっています。たとえば「明日の予定を確認して、天気も教えて」といった複数のリクエストにも、1度の指示で実行してくれます。今まで以上に心強いパートナーとなるでしょう。
ビジネスシーンで役立つApple Intelligenceの機能5つ

Apple Intelligenceは、日常のさまざまな場面で役立ちます。ここでは、ビジネスシーンで使える主な機能を5つ紹介します。
- 高度な文章作成支援
- 画像生成・編集
- あらゆるものを要約
- 通知の優先順位付け
- 写真検索
それぞれ見ていきましょう。なお、機能は今後も増えていく予定のようです。
1.高度な文章作成支援
Apple Intelligenceなら「どのように書けばよいのかわからない」「文章の校正に時間がかかって、ほかの業務が手につかない」などの悩みを軽減してくれます。たとえば企画書や報告書、プレゼンテーション資料などの文書作成はもちろん、校正や書き直しも可能です。文章作成にかかる時間を大幅に短縮し、ほかの重要な業務に集中できるでしょう。
また、メール返信に悩む必要もありません。メール内容を分析してトーンやスタイルを調整した文章を提案してくれるため、相手に合わせた最適な表現でやりとりできます。
2.画像生成・編集
ビジネスシーンでは、文章だけでなくイメージ資料も必要とされる場面が多くありますよね。そこで役立つのが、Apple Intelligenceの画像生成・編集機能です。たとえば「スーツを着た男性が説明している画像」とテキストや音声で依頼すれば、瞬時にオリジナルの画像を生成してくれます。
また「画像マジックワンド」を使えば、Apple Pencilで描いたラフスケッチの内容を分析してビジュアルを生成してくれます。写真の不要な部分を消すことも簡単なので、クリエイティブな作業がはかどるでしょう。
3.あらゆるものを要約
長文のメールや会議の議事録、ニュース記事など、あらゆるテキスト情報の要約も可能です。情報収集にかかる時間を大幅に短縮できるだけでなく、重要なポイントも一目でわかるため情報共有や意思決定にも役立ちます。
「忙しくて、長い文章を読む時間がない」という先生でも、Apple Intelligenceがあれば効率的に業務を進められるでしょう。
4.通知の優先順位付け
メールやチャットの通知がひっきりなしに届き、どれが重要なのかわからなくなることがありませんか。Apple Intelligenceは通知の内容を理解し、優先順位を自動で判断してくれます。
たとえば締め切りが迫っているタスクや緊急を要する可能性があるメールなど、優先度の高い通知のみを表示させられるのです。これにより重要な通知を見逃すことなく、効率的にタスクをこなせるでしょう。
5.写真・動画検索
大量の写真や動画から、必要な1枚を探し出す作業は時間がかかりがち。Apple Intelligenceは、写真や動画の検索機能も強化されています。たとえば「先月の打ち合わせ時のホワイトボード」や「学校で撮影した風景」などと説明を入力すれば、瞬時に候補を表示してくれるのです。資料作成時の素材を探す時間も、大幅に短縮できるでしょう。
まとめ
常に進化を遂げているAIの世界。Apple Intelligenceは、私たちの生活をより便利にしてくれるシステムとなるでしょう。使いこなすことで、業務の大幅な効率化にも繋がります。Apple製品を使っている先生は、日本語対応版が出たらチェックしてみてはいかがでしょうか。
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鶴巻 健太
新潟在住のSEOディレクターで「新潟SEO情報局」というサイトを運営中
ウイナレッジのコンテンツ編集を担当
朝は農業を楽しみ、昼はスタバのコーヒーと共にパソコンに向かうのが日課