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TOP教養スキルアップ「Yes,and」で叶えるポジティブなコミュニケーション

「Yes,and」で叶えるポジティブなコミュニケーション

連載大原先生の学生指導のすゝめ

動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。

「いや、それは…」「でも、やっぱり…」――。
同僚や部下、学生、さらには子どもに対して、無意識にこういった言葉を口にしてしまっていませんか?たとえ悪気がなかったとしても、こうした否定的なフレーズは、相手の意欲や創造性をそいでしまうことがあります。対話の中で相手の意見を受け止め、前向きにつなげていく姿勢が、信頼関係の構築には欠かせません。

今回は、「Yes,and」を使った建設的なコミュニケーションについて、実践行動学研究所の大原幸夫専務理事からご寄稿いただきました。ぜひ日常の会話に取り入れて、より良い人間関係づくりのヒントにしてください。

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「Yes,and」は最強のライフスキル

大好評のうちに幕を閉じた「先生のためのファシリテーション入門(第2期)」。

講師役の私にとっても、毎回新鮮な学びがあって本当に楽しみな講座でした。

全6回ある講座の4回目に「“Yes,and”のスキル」を学ぶのですが、これがファシリテーションに限らず、日常でもめちゃくちゃ使えます。

個人的には最強のライフスキルのひとつではないかと思っています。

今日はこの「Yes,and」についてお話します。

「Yes,and」という言葉は聞き慣れない方も多いですよね。

もともとは「インプロビゼーション(即興演劇)」が発祥元とのこと。

相手のアイデアを否定せずに受け取り(Yes)、そこにアイデアを乗っけていく(and)、そんなコミュニケーションのことです。

即興演劇で豊かなストーリーを紡いでいくためには必須のスキル。

(インプロの専門家みたいな言い方ですが、私はぜんぜんそんなことはなく…悪しからず。笑)

「Yes,and」のコミュニケーションは、頭で理解していても実践がなかなか難しい。

一生修行かなと思っています。

けど、たとえうまくできなくても、この「Yes,and」を心がけておくだけで少しずついいことが起こるはずです。

何も生み出さない「Yes,but」

巷によくあるのは、「Yes,but」のコミュニケーション。

たとえばアイデアを出し合う会議で、ある人の発言に対して、

「その意見はいいと思う(Yes)、けど現実的ではないね(but)」

という反応があったとしましょう。

きっと「そんなふうに言われるなら、もうあまり意見は言いたくないな」と思いますよね。

これでは意見が飛び交う創造的な場にはなりません。

結果としていいアイデアは集まらないし、何より話し合いが楽しくない。

でも「Yes,and」の心得があれば、同じ意見に対して、

「その意見は面白いね(Yes)、非現実的と思えるほど斬新でいい!(and)」

となります。

こんなリアクションをされたら、もっと発言したくなってきませんか?

 ※もちろん収束・選択の場面では、批判的思考も使ってしっかり吟味する必要はあります。

本音を引き出す「Yes,and」

上の事例は会議の場面でしたが、日常ではどんな変化が表れるでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのは、相手からざっくばらんに本音で話してもらえるようになるということです。

誰だって自分を否定してくる人と話したいとは思いませんし、肯定的にYesで受け取ってくれる人と話したいと思うはずですから。

これ、教育や子育てには、めちゃくちゃ有効なスキルではないでしょうか。

学生やお子さんから本音を聴かせてもらえるようになるんですから。

実際問題としては、Yesをした後のandが難しいのですが、それを学びたい方は「ファシリテーション入門講座」にぜひ!笑

まずは、「何はともあれ一旦Yesをしてみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか?

私にファシリテーションを学ぶきっかけをくれた中島崇学さんが、先日「Yes,and」に関する書籍を上梓されました。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

「いったん受けとめる習慣」中島 崇学(フォレスト出版)

私の師匠の中島さんの、そのまた師匠が言ったというこの言葉。

「すべては自分の幸せのためと大断定してみる」

人生で起こることすべてにYes,andをしていく。

なんと力強い生き方ではありませんか。

※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ Colorful Times」244号を再編集したものです。

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この記事を書いた人
大原 幸夫

大原 幸夫

一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。

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