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TOP教養スキルアップ悩みをするっと乗り越える思考法

悩みをするっと乗り越える思考法

2025.06.23 (最終更新:2025.06.30) スキルアップ 教務情報

連載大原先生の学生指導のすゝめ

動機づけ教育プログラム「実践行動学」を開発する「実践行動学研究所」大原専務理事の学生指導のすゝめ。 学習塾での指導歴25年の大原先生が、実例を用いて学生への接し方をお伝えするシリーズです。 テンポのよいユニークな文章は、一度読んだらハマること間違いなし。

生きていく上で、悩みを抱えることは当然のことです。「一度も悩んだことがない!」という人の方が少ないですよね。
ですが、その悩みにとらわれて身動きがとれなくなってしまう学生がいたら、先生としてサポートしてあげたいものです。悩みそのものをすぐに解決することは難しくても、「思考を変える」ことができれば気持ちが楽になるかもしれません。

今回は、「悩みを乗り越える思考法」について、実践行動学研究所の大原幸夫専務理事から寄稿していただきました。

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イヤなあいつとどう接すればいいのか?

毎月恒例で行っているオンライン対話会。
いつも会の終了後にアンケートを書いてもらっていますが、「今後の対話会で深めてみたいテーマは?」という問いを入れてみたところ、こんな回答がありました。

「自分と反対の考えを持つ人やあからさまに敵対的な人に対して、どう接すればいいのか?」(一部修正)

何となくフックされたので、今回はこのテーマについてごくごく個人的な意見をお話ししてみよっかな~と思います。
たぶん「いいお話聞けたわ~」みたいな内容ではありませんので、「あ、そう?」くらいの感覚でお読みいただければ幸いです。

まず第一に、私は考え方が合わない人、敵対的な態度を取る人とうまく関わることが得意ではありません。苦笑
そういう人と一緒にいると心が疲れるので、距離を置いていたいと強く思いますし、現にそうしています。

とはいえ、お仕事の関係とか、そんなことを言っていられないときもありますよね。

そんなとき、「折り合いをつけるために何してるっけ?」と掘り下げてみたら、コロコロコロっと3つほど出てきました。

【1】自分と相手を切り離して考える

別の言い方をすると、「そもそも人は分かり合っていない」という前提に立つ、という感じです。冷たい人間と思われそうですが、でもそうじゃないですか?

加えて言うなら、私はその人から気に入られるために生きているわけではないし、相手もまた然りです。

分かり合っていないのがデフォルトなので、そんなに悩むことでもないのかなと。

ちょっとアドラー的な捉え方かもしれません。

とはいえ、敵対関係とかあまり気持ちのよいものではないので、【2】に続きます。

【2】「何が相手にそうさせるのか?」に焦点を当てる

「何でそんな言い方するかな?」と思うとき、相手にはそれ相応の理由があるはずです。

そんなときは相手の顔面に焦点を当てずに、「その人の奥底にあるどんな思いがそうさせるのか?」「これまでのどんな経験がそうさせているのか?」に焦点を当ててみます。

「相手がそうしているのではなく、相手の背後にある何かがそうさせている」という視点です。今までどんな悔しい思いをしてきたのかな?とか、どんな痛い目にあったのかな?とか。

その視点でイメージが湧くと、バチバチに睨み合うような状態から、ほんの少しだけ同じ側に立って物事を見られる状態になるときもあります。

※けど、相手と同じ立場に立てたと思い込むのは危険なので注意!←【1】より

相互理解の可能性は、そんな小さな気づきから開いていくんじゃないかな?と思います。

そこで登場するのが【3】です。

【3】関係性は意図的にデザインできる

これはコーチングを学ぶ過程で、経験を重ねるうちに信じられるようになったことです。でも、いつもうまくできているわけもなく、今も探究中です。

この智慧の素晴らしいポイントは、「相手のせいにしなくて済む」ということです。

私が関係性をつくる主体となることで、相手の被害者にならずに済みます。

「あいつのせいで…」と思い続けるほど、無駄なエネルギーの使い方はありませんから。

とまあ、こんな感じで、「相手とどこまでお近づきになる必要があるのか?」によって、頑張ってみようとか、ほどほどにして離れておこうとかを決めている感じです。

めちゃ赤裸々で、知人には読まれたくない内容になりました。笑

「コントロールできることに集中せよ!」

これは、わが家の長男(久しぶりに登場!)を大学受験へ送り出すときに手渡した言葉の中の一つです。

「苦手教科で失敗したらどうしよ~とか、高倍率でボーダーが上がったらヤバイとか、考えたってしょうがない。
自分でコントロールできないことに気を取られて、できるはずのことができなかったっていうのが、一番後悔するからな。
だから試験が始まったら、“今自分にできることは何か?”、それだけに集中してやれよ」

そんなことを伝えました。

“自分にコントロールできるか、できないか?”という考え方は、私が不安に駆られたときに心の平安を取り戻すための秘儀(?)です。

ここ一番の大勝負に向かう長男は、大して感動するでもなく、「ふ~ん」と聞いておりました。(でも、今も私のメッセージカードが彼の財布にしまってあることは、知らないフリです)

さて最近、この秘儀をとても分かりやすく言い表している詩があるのを知ったので、ご紹介しますね。

「ニーバーの祈り」

神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバー(大木英夫)

※参照:ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉(学校法人聖学院)

この詩の中で最も重要なのは、「変えられるものと変えられないものを識別できるかどうか」だと思います。

変えたくても変えられないことを何とか変えようとするから、悩みが尽きない。

どうせ変えられないことなら、いっそ手放してしまった方が心を健全に保てます。

そう思いませんか?

悩みがあるときの3ステップ

だから、悩みがあるときは、次のステップで捉え直すのがおススメです。

【ステップ1】
悩んでいることの中で、今の自分に変えられないことは何だろう?

【ステップ2】
変えられないことを受け止めて、変えようとするのを手放す

【ステップ3】
じゃあ、今の自分にできること(変えられること)は何だろう?

もやもやした悩みを2つに識別することで、クリアに見える新しい眼鏡を手に入れるような感覚です。

ステップ1をクリアにしてステップ2の腹決めをすると、グルグル回る悩みのループから抜け出せます。そして、未来の可能性を開くステップ3へと踏み出すことができるようになります。

でもこれ、“言うは易く行うは難し”です。

これがなかなか難しい…。

私もこの機会に、改めて心に刻み直そうと思います。

※この記事は、実践行動学研究所のメールマガジン「しなやかな心と学ぶ力が育つメルマガ Colorful Times」159号、183号を再編集したものです。

▼ウイナレッジ編集部からのお知らせ

本記事を執筆した大原専務理事が所属する実践行動学研究所主催の「実践行動学Webセミナー」が開催されます。

実践行動学は、大学・専門学校生を対象に学生の夢の実現、目標達成に必要な「心のあり方」と「達成のスキル(技能)」を身につけることを目的とした、アクティブ・ラーニング型動機付け教育プログラムです。ぜひこの機会にご参加ください。

【実践行動学Webセミナー】
・基調講演タイトル:「中途退学問題の処方箋=支援・対応策をメンタルヘルスの視点から考える=」(法政大学 キャリアデザイン学部教授 廣川進様)
・日にち:2025年7月15日(火)
・会場:オンライン会場(Zoom)
・主催:一般社団法人 実践行動学研究所
・後援:株式会社 ウイネット
・参加費:無料

詳細はこちら

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この記事を書いた人
大原 幸夫

大原 幸夫

一般社団法人実践行動学研究所 専務理事
学習塾に25年勤務。その後小~中学校向けのワークショップの開発、及びファシリテーターの育成に従事している。またコーチング研修等の講師・講演を行う専門家でもある。

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