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TOP意外と知らない教育現場の掟

意外と知らない教育現場の掟

2024.11.07

教育現場には、見えない掟や暗黙のルールが存在します。

これらは、ベテランの先生から教わることもあれば、現場でのトラブルを経験して学ぶこともあるでしょう。新人の先生がこの記事を読むことで、ゆとりをもって仕事に取り組むことができるようになればよいなと思います。

ここでは、教育現場で特に意識すべき掟と、それを実践するための考え方について詳しく説明します。

掟その1:教育者としての自覚を持つ 

学生は先生のことをとてもよく見ています。

視線をプレッシャーに感じることもあるかと思いますが、社会人としての基本的な身だしなみや言動、振る舞いを日常的に心がけていれば、それで十分です。たとえば服装は、清潔感があれば問題ありません。もし、言葉遣いや振る舞いに不安があれば、模擬授業の際に先輩教師からアドバイスをもらうとよいでしょう。

教室ではすでに、先生と学生という関係が確立されており、その中で授業が進行していきます。ここで心に留めておいてほしいのは、先生も学生も同じ人間であり、そこに上下関係はないということです。

先生は授業を通して学生の成長を助け、寄り添い、そして学生からアドバイスを求められたら真摯に回答する人です。ここをベースにして、学生の模範になる先生、学生に憧れられる先生を目指していくとよいでしょう。

掟その2:一人で抱え込まない 

教育現場では、さまざまな課題や問題に直面することが日常茶飯事です。特に新人の先生は、すべてを自分一人で抱え込もうとする傾向があります。

一人で抱え込むと、先生自身の心身が疲弊するだけでなく、問題解決が先延ばしになり、さらに深刻な問題に発展してしまう可能性があります。一人での問題解決が難しかったり、時間がかかったりしそうであれば、すぐに先輩の先生や上司に相談することがとても大切です。

私自身も新人の頃、問題がある学生の対応を一人で抱え込んでしまい、辛かったことがありました。見かねた上司から声をかけてもらえたことで、学校として問題解決にあたることができ、私の心の負担は一気に軽くなりました。その時強「もっと早く相談しておけばよかった」と強く感じたことをよく覚えています。

掟その3:完璧を目指さない 

授業は年間を通して行われますが、担当するクラスや時期、科目などによって状況は変わります。先生のコンディションもいつも絶好調とはいかず、上手くいくときもあれば上手くいかないときもあります。それが授業の大前提です。

先生の仕事を長く続けていく秘訣は、「完璧を目指さないこと」だと私は考えています。

事前にしっかりと授業準備をしても、先生の想定どおりには進行しないこともあります。学生にわかりやすいと思って考えた説明で理解してもらえないときには「こんなに頑張ったのに」と、報われない気持ちになるでしょう。

なにごとも完璧を目指し続けると燃え尽きてしまうと心得て、無理のない範囲での授業準備、授業運営を継続的に続けられることが専門学校の先生には求められているのです。

掟その4:自分の考えを押し付けない 

人は多様な価値観をもっています。先生が学生にアドバイスをするときには、「事実」と「先生自身の考え」をしっかりと分けて伝えることが重要です。

例えば、就職活動において、学生が受験する企業選びに迷っている時に、「休暇がしっかりとれる企業だとプライベートも充実させやすい」といった事実を伝えることは問題ありません。ですが、「給料の高さで企業を選ぶべきだ」といった先生自身の価値観を押し付けてしまうのは、正しい指導とは言えないのです。

給料の高さが人生において重要かどうかは人それぞれであり、学生にとっては他にもっと大切な条件があるかもしれないですよね。先生の考えを伝える場合には、「これは先生の個人的な意見だけど…」などと前置きし、先生がそう考える理由や、考えるきっかけになった経験と一緒に伝えるとよいでしょう。

このケースの場合、給料、休暇、仕事内容、企業規模など、さまざまな視点を学生に提供し、学生自身が自分で考えて判断できるようにサポートすることが大切です。その中で、事実や先生の考えを参考情報として伝えてあげるとよいと思います。

掟その5:学生との距離感は、近すぎず、遠すぎず 

新人の先生の中には学生と同世代の先生もいらっしゃるでしょう。学生との年齢が近いときはどれくらいの距離感で向き合うかが難しいところです。

友達感覚で接してしまうと確実にクラスは崩壊してしまいます。向き合う相手は学生ではありますが、近い将来社会人になりますので、会社の先輩、後輩の距離感をイメージした言葉遣いや態度を心がけるのがおすすめです。

社内では、後輩といえども乱れた言葉をつかったり、過度になれなれしく接することはないですよね。学生が友達感覚で接してくる場合には、社会に出てから困らないよう、きちんと指導しましょう。

掟その6:他の先生の話を否定しない 

私が専門学校の教員をしてきた中で一番大事にしていて、多くの先生が気づいていないと思われる掟が、「他の先生の発言の否定をしない」ということです。

技術や知識、生活指導など全てにおいて、他の先生が学生に言ったことを否定するのは絶対にしてはいけません。学生に「A先生が△△と言っていたけど先生はどう思う?」などとあなたの考えと異なるものについて意見を求められた場合、そこで否定しないようにしましょう。

学生がA先生から聞いたことを誤って解釈しているかもしれないですし、あなたとA先生が異なる考えをもっているだけでどちらが正しいということはないかもしれません。即座に他の先生の話を否定すると先生同士の関係が悪くなることもありますし、学生から悪口のように捉えられたり、否定的な先生だと思われてしまう可能性もあります。

教育はチームワークが大切です。他の先生の指導を尊重しつつ、時には補完し合うことが重要です。

まとめ 

いかがでしたか、特に、他の先生の話を否定しないことは、長く先生をしていくうえで重要な掟です。先生としての役割を理解し、無理せず柔軟に、チームで教育をしていくために必要な考え方をご紹介しました。これらを実践することで無理なく学生と向き合うことができるでしょう。

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この記事を書いた人
伊沢 剛

伊沢 剛

有限会社プチフール代表取締役
23年間、専門学校にてIT教育、学生募集に従事。その後独立。新人社員向けプログラミング研修、社会人向けDX,AI,クラウド研修、情報教育コンサルティング、DX推進支援に携わる。
Youtubeチャンネル:【IT・プログラミングLab】伊沢 剛

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