年末の挨拶は、相手との良好な関係を維持するための大切な役割を果たします。従来はハガキや手紙、相手先に訪問しての挨拶が一般的でしたが、最近は相手への配慮からメールを使うケースも増えてきました。
そこで本記事では、年末の挨拶メールで失敗しないための基本構成やマナーを解説します。例文も載せているので、文章を考える際の参考にしてください。お世話になった人へ感謝の気持ちを伝え、気持ち良く1年を締めくくりましょう。
目次
年末の挨拶メールが大切な理由
普段やりとりしているにもかかわらず、挨拶メールを送る必要があるのかと思うかもしれません。年末の挨拶メールが大切な理由は、主に以下の3つです。
- 感謝の気持ちを伝えられる
- 良好な関係の構築に繋がる
- 年末年始の予定を伝えられる
年末は、普段伝えられない感謝の思いを伝える良い機会です。会えずとも丁寧なメールを送ることで気持ちを伝えられるほか、礼儀正しい人という印象も与えやすく、信頼感を高められます。良好な人間関係を築くために役立つでしょう。また、挨拶と同時に年末年始の休業期間を伝えることもできます。
年末の挨拶メールの基本的な構成
1年の感謝を伝えるメールは、以下の構成を基本に作成していきましょう。
- 件名
- 宛名
- 1年の感謝
- 休業期間のお知らせ
- 結びの言葉
それぞれ詳しく解説します。
1.件名
件名は、第一印象を左右する重要なポイントです。年末は相手が忙しいケースも多いため、パッと見て内容が伝わるように、簡潔かつ具体的に書きましょう。たとえば「【年末のご挨拶】〇〇専門学校 田中太郎」など、シンプルかつわかりやすい表現がおすすめです。
2.宛名
ビジネスメールと同様に、本文の最初に相手の名前を入れます。会社名や部署名、役職名を正確に記入し、敬称も忘れずに付けましょう。
3.1年の感謝
本文では、1年間の感謝をメインに伝えましょう。ポイントは、具体的なエピソードを入れること。たとえば「本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました」などの定型文だけでなく、続けて「特に〇月の案件では多大なるご協力をいただき…」などの一言を加えることで、相手への気持ちが一層伝わりやすくなります。
4.休業期間のお知らせ
休暇は、企業や学校によって異なります。トラブルやすれ違いを防ぐために、休業期間も記載しましょう。年内最終日の対応時間や、休業中の対応についても併せて記載しておくと親切です。
5.結びの言葉
最後に、結びの言葉で文章を締めくくりましょう。基本的には相手の幸せや成功を願う文言や、メールでの挨拶を詫びる一文が望ましいです。
「良いお年をお迎えください」「来年もよろしくお願いいたします」などの言葉に加え「寒さも一段と厳しくなって参りますが、ご自愛ください」といった言葉を添えれば、相手を思いやる気持ちも伝えられます。
挨拶メールを送る際のマナー5つ
挨拶メールにも、ビジネスマナーが求められます。送り方を間違えると、悪印象を与えてしまうことも。押さえておきたいマナーのポイントは、次の5つです。
- 個別に送る
- 仕事納めの日よりも3~7日前に送る
- 業務連絡とは別に送る
- 簡潔に書く
- テンプレートの使い回しはしない
それぞれ解説します。
1.個別に送る
一斉送信されたメールは相手に対しての誠意が感じられず、形式的な印象を与えてしまう可能性があります。連絡事項は伝わりますが、感謝の気持ちは伝わらないでしょう。手間はかかりますが、細かな配慮が長期的な信頼関係を築くために大切です。「BCC」や「CC」は使わず、一人ひとりに送りましょう。
2.仕事納めの日よりも3~7日前に送る
年末に送ると、相手が業務に追われてメールを確認できなかったり、すでに休暇に入っていたりするケースもあります。そのため、仕事納めの日から3〜7日前に送るのがポイントです。たとえば社外の相手へ送る場合は、12月20日〜24日あたりがよいでしょう。慌ただしいタイミングを避けることで、相手も心に余裕を持って受け止められるため、より効果的にメッセージを伝えられますよ。
3.業務連絡とは別に送る
年末の挨拶メールは、あくまで1年の感謝を伝えるための個人的なメッセージです。業務連絡と一緒に送ると、挨拶の言葉が埋もれてしまい、せっかくの気持ちが伝わりにくくなってしまいます。そのため、業務連絡とは分けて送りましょう。
4.簡潔に書く
年末の忙しい時期に長文のメールを読むのは、相手にとって負担となるケースがあるため、伝えたい内容を簡潔にまとめましょう。基本的には、感謝の気持ちと翌年の展望に焦点をあてるのがおすすめです。簡潔かつ丁寧さを意識することで、好印象を与えられるメールになります。
5.テンプレートの使い回しはしない
年末向けの挨拶メールに関してWebで検索すると、多くのテンプレートがヒットします。しかし、そのままコピペして使いまわすのはNGです。当たり障りのない文面は機械的に作られた文章であることが相手に伝わってしまい、誠意を感じられません。かえって悪印象を与えてしまうことも。
ゼロから文章を考える必要はありませんが、テンプレートは参考程度にとどめるのがポイントです。「その人宛だからこそ」の一文を入れると、より心のこもったメールになります。
【相手別】年末の挨拶メール例文3選
いざ文章を考えようとすると、思いつかずに悩むかもしれません。ここでは、相手別に例文を紹介します。
- 取引先
- 上司
- 同僚・後輩
文章を考える際の参考にしてください。
取引先
取引先へのメールは、1年間の感謝の思いを中心に引き続き良い関係を築いていきたいという思いを伝えることが大切です。企業単位ではなく「その担当者だから」を意識すれば、より心のこもった文章となります。
例文
株式会社〇〇
部長 長谷川様
いつもお世話になっております。△△専門学校の田中です。
早いもので、今年も残りわずかとなりました。本年も格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。ご支援をいただいたおかげで、弊学も成長を遂げることができました。
さて、誠に勝手ながら年末年始は下記の日程で休校とさせていただきます。
・年内最終開校日 2024年12月27日(金)
・休校期間 2024年12月28日(土)~2025年1月5日(日)
上記期間は、すべての対応をお休みさせていただきます。何卒ご了承くださいませ。なお、年明け1月6日(月)は9時より業務を開始いたします。
メールで恐縮ですが、こちらを年末の挨拶とさせていただきます。良いお年をお迎えください。
上司
上司には、1年間指導してもらったことに対する感謝に加え、来年の抱負や意気込みを簡潔に伝えると前向きな印象を与えられるでしょう。上司との距離感が近ければ多少カジュアルな文面でも問題ありませんが、失礼のないように注意してください。
例文
高橋先生
いつもお世話になっております。田中です。
本年も残すところわずかとなりました。
高橋先生には温かいご指導いただき、心より感謝しております。
来年も一層、業務に尽力して参りますので、ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。寒い日が続いておりますので、ご自愛ください。
同僚・後輩
同僚や後輩へのメールには、共に過ごした日々への感謝と印象に残ったエピソードを入れるのがおすすめです。「あなたがいてくれたから頑張れた」「サポートしてくれてありがとう」など、仲が良いからこそ普段は言えない思いを素直に伝えてみましょう。
例文
渡辺先生
お疲れ様です、山田です。今年もあっという間に年末ですね。
1年間本当にお世話になりました。忙しい1年でしたが、渡辺先生がサポートしてくれたおかげで乗り切れました。精神的にも、どれだけ助けられたかわかりません。
来年も一緒に、さらに良い仕事ができるよう頑張っていきましょう!
年末年始はゆっくりリフレッシュしてくださいね。来年もよろしくお願いいたします。
相手から年末の挨拶メールが届いたら
相手から先に挨拶メールが届くケースもあります。返信するべきか悩むかもしれませんが、忙しくても後回しにせず、なるべく早めに返信するのがマナーです。文章の組み立て方は基本の挨拶メールと同じで大丈夫ですが、本文の最初に「ご丁寧に年末のご挨拶をいただき、恐れ入ります。」などの一文を添えるのがよいでしょう。
関連記事: 新年の挨拶メールを送る際のマナーと注意点とは?例文を交えて解説
まとめ
直接訪問や手紙での挨拶が減りつつありますが、良い関係を築くために挨拶が重要なのは変わりません。本記事で解説したポイントを押さえて、好印象を与えられるメールを作成してみてくださいね。年末になって慌てないよう、今から少しずつ準備してみてはいかがでしょうか。
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佐藤 なおか
移住により新潟で活動するWebライター
趣味は飲み歩き(ビール好き)とドライブ