連載専門学校の先生に聞いた!本音アンケート
授業の準備、検定や試験対策、学生への指導、保護者対応…忙しい毎日を送る専門学校の先生。ウイナレッジ編集部は、そんな頑張る先生の声を徹底調査!先生の本音に迫ったアンケート結果を紹介します。
ウイナレッジ編集部では先生の本音に関するアンケートを実施しました。アンケートは、2024年1月26日~2月12日に実施し、総勢46名の先生にご回答いただきました。
今回は「教員生活の中で抱える悩み」をご紹介します。
目次
教員生活の中で悩みはある?
専門学校の先生へ悩むことはあるか聞いてみたところ、なんと98%の先生が「ある」、2%が「どちらともいえない」と回答。多くの先生が悩みを抱えていることが分かります。
また、悩みの種類は「学生について」「指導方法について」「業務量について」「同僚・上司について」が上位を占めました。
先生たちが悩んでいること
専門学校の先生から教えてもらったお悩みをご紹介します。
学生・指導に関する悩み
・低学力化。勉強する習慣がついていない。反応がない(少ない)。自分で考えようとせず、指示待ち(答えを聞きたがる)。単位修得に関わることは実施するが、行事ごとなどは積極的に参加しない。主体的に関わるように指導するのが難しい。(だだちゃ豆さん・60代・女性)
・特性を持つ学生が増え、また、その特性も一層傾向が強い学生が入学してくることが多くなったことから、学習指導に悩んでいる。オンラインが増えたため、かえって業務量が増加してしまう。ICT機器を導入しても、それを活用するための素材づくりが間に合わない。(匿名希望・50代・男性)
・学生の生活面での指導に苦労している。(専門学校教員さん・50代・男性)
・学生の授業への理解力が年を追うごとに低下しているように感じています。学生の理解力を如何にして向上させるか、思案しているところです。(匿名希望・60代・男性)
・精神的に弱い学生に対してのコミュニケーションが難しい。(oistさん・40代・男性)
・家庭環境にまで指導で踏み込めない。(すぎしんさん・60代・男性)
・さまざまなレベルの学生がいる中で、どのレベルに合わせて授業を行うか。(匿名希望・20代・女性)
・突然泣き出す、急に学校に来なくなるなど常に悩みは尽きない。常識が通用しない。(匿名希望・40代・女性)
・説得力がある伝え方を身につけたいと考えています。また、授業がオンラインと対面(ハイブリッド授業)の場合、より上手くかつ面白く進めるスキルを身につけたいです。同時に、新しい科目やスキルのリスキリングを広範に行いたいと考えていますが、時間の効果的な管理が難しく、優先順位を上手につける方法を身につけたいです。(アリスさん・40代・女性)
業務量・勤務時間について
・年度終わりと年度初めの3月から4月が非常に忙しく、休みの日も考えてしまうことが多い。(匿名希望・50代・女性)
・プログラミングの試験の採点は、いわゆる普通の試験とは異なり、実行や検証を伴うため非常に多くの時間を割かなければならず、業務時間を圧迫する。(匿名希望・40代・男性)
・就業時間内に業務が終わらず毎日遅くまで残業の日々です。管理職で残業代も出ないので、ふと我に返った時に虚しくなります。保護者もご自身の考えを押し付けるばかりで、何度説明をしてもなかなか理解していただけない方もいらっしゃり、対応に苦慮することもあります。(匿名希望・40代・男性)
給与について
・やりがいはあるが、どこまでやっても終わりがない。同じ授業でも昨年と同じというわけにはいかず、準備に時間がかかったりすることによって、勤務時間は必然的に長くなりがち。それに対しての給与が見合っていないとは感じる。(ヒーさん・40代・男性)
・実習教科で学生が遅れを取り戻すため授業後に作業を行う場合、対応しても残業代が支払われない。(匿名希望・50代・男性)
同僚・上司について
・職員間や学生へのコミュニケーションの変化で、世代によって同じ言葉でも受け取り方や印象が変わるため、特に最近は注意をしている。また、目標が明確でない人に対しての動機づけが難しく、「継続させる力」などが低下している気がする。多くの人は短期で成果を感じられないと、モチベーションが下がっている気がする。(ゆうさん・30代・男性)
・教員の中でもやる気や能力の差が大きく、職員室の雰囲気が良くない。少子化により学生数が減少する中で、いつまでこの仕事を続けられるのか不安。学校DX、教育ICT化によって、いろいろ業務を変えてくための対応が大変。学生の読解力や学力の低下へどう対処したらよいのか。そのほか、いくらでも挙げられそうです。(匿名希望・50代・男性)
・若い人は教員に興味があっても給料が安いため転職までいかない。そして、交代勤務が体力的に辛い年齢または、子供の教育費の心配がなくなった50代の人が教員に転職するため、教員が高齢化している。
指導を繰り返えすが、その教員にはどうしても理解してもらえない。教員の中に多重業務をこなせない、同じ説明を何度も繰り返さないといけない者がいる。
職員同士、教員と学生のハラスメント問題(一方はハラスメントだと感じていない。熱心すぎる指導を、教員はハラスメントとは思っていないが、学生は学校をやめたいくらいにストレスに思っていることもある。教員にストレートに伝えると、教員の気持ちが壊れてしまい、「退職」を言い出すのではないかと思い、ストレートには指導できない。ハラスメントの全体研修をしたり、一般的な事例として会議に出したりしている。DX化の推進を担当できる職員がいない。(だだちゃ豆さん・60代・女性)
・学生とのコミュニケーションをうまく取るための教員への指導が難しい。教員の業務が多く、仕事環境を改善しなければならないと思っているがうまくいかず、教員の不満につながっている。(匿名希望・40代・女性)
・楽しく学べれば学力がつくというわけでもないこと。カルタや遊び要素を取り入れた楽しい講義をしている教員がいるが、模試の結果はその教員が担当する教科がとても低い。でも、学生からのアンケート結果では評判が良い。バランスが大切だとは思うが、正解が見つからない。(おしるこさん・50代・女性)
・口癖が「大変だ」「面倒くさい」「負担がかかる」などマイナスな発言や学生に対するマイナスな発言も見られる教員がいる。そのような発言を聞くのが辛い。特に若い教員は「楽」「簡単」などを求めがちだが、教育に携わる者としての資質についても悩むところ。一番の悩みは、教員の指導力や資質をどのように指導をしていったら良いのか。(まこもこさん・40代・女性)
・非常勤講師という立場もあり、限られた情報だけ提供されて最新の情報が受け取れず、授業や学生の指導に繋げられない。学校サイドからの評価がないため、モチベーション維持や改善成長意欲につながらない。(らんさん・50代・女性)
まとめ
多くの先生がさまざまな悩みを抱えていることが分かりました。特にメンタルが弱い学生や学力に差のある学生への指導方法や、考え方や世代、モチベーションの違いがある先生同士のコミュニケーション、業務量の多さに悩まれる先生が多いようです。いずれも学生のことを思うがゆえの悩みが多いですね。
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