新人の先生は特に、先生としての振る舞い方に悩むことも多いのではないでしょうか。 この記事では、先生としての振る舞い方について、私自身の経験や反省を交えながらお伝えします。
自分のスタイルを持つ
授業のやり方や先生としての振る舞い方は、人それぞれです。他の先生の良い部分を参考にしながらも、最終的には自分が自然体で教えられ、学生とも自然体で接することができるスタイルを見つけることが大切です。
私の場合は、授業では「学生が実際に手を動かして学ぶこと」を重視しています。実践的な課題を通じて知識を定着させるというやり方が、私にとっては自信のある指導方法です。
また、学生と接するときは、彼らを学生として扱うのではなく、一人の大人として向き合うことを心がけています。
私は学生を注意するのが苦手なのですが、どうしても必要な場面では、学生を諭すように淡々と話すようにしています。ここで大切なのは、自分が自然体であることであり、自分にとって「無理がない」ことが重要です。それを実現するためには、自分を演じないことです。本来の自分ではない姿を演じると、疲れてしまうだけだからです。
先生自身が「楽しい」「手応えを感じる」授業スタイルで、自然体で学生と向き合うことが、長く楽しくこの仕事を続けるための秘訣だと思います。
自己開示をする
学生は先生に対して興味を持っています。
適度に自分自身のことをオープンにすることで、学生も同じくらい自分の考えや気持ちを話してくれるようになるでしょう。お互いの適度な自己開示が生まれると、円滑なコミュニケーションが築けるようになっていくのです。
学生に関心を持つ
ある程度人間関係が醸成されると、学生は様々なことを話してくれるようになります。
学生たちは、先生に聞いてもらいたいから、あるいは、誰かに聞いてもらいたいから、話をしてくれます。そのような時、先生がしっかりと関心を持って話を聞くことがとても重要です。
話の内容は、学生自身のこと、興味、生活に関することなど多岐に渡るでしょう。そしてこれらの会話の中には、学生へのサポートにつながる情報が含まれていることも少なくありません。
私自身、授業の合間や放課後に学生と話す時間をとても大切にしています。時には授業と関係のない趣味の話をすることもありますが、そうした会話を通じて、学生が気軽に相談できるような雰囲気を作るよう心がけています。
以前話した内容を再び学生と話題にすると、「よく覚えていましたね!」と言われることがあり、その際、学生はにこにことした表情を見せてくれます。先生が多くの学生を相手にしている中で、自分との会話を覚えていてくれたということが、学生の心に響くのでしょう。こうした瞬間が、信頼関係をより深めるきっかけにもなるのだと思います。
学生全員と仲良くなることは不可能だと理解する
先生として、全ての学生と深い信頼関係を築くことが理想ですが、私の経験上、ほぼ不可能だと考えます。
学生一人ひとりの性格や考え方は異なるため、全員に同じように接するわけにはいかないですよね。時には、どうしても相性が合わないと感じる学生がいるかもしれませんが、それを無理に克服しようとするよりも、適度な距離感を保ちながらサポートしていくとよいでしょう。
学生全員を理解し、支えようとする姿勢は大切ですが、そのために自分を無理に変える必要はありません。自然体で接しつつ、それぞれの学生に合った方法で向き合っていくことが重要です。
学生カルテで記録を残す
学生と向き合うために、学生一人ひとりの悩みや気付いたことを記録として残しておくのは有効な手段です。
学生管理のシステムや指導履歴などの定型フォーマットがあれば利用し、授業での様子や、やり取りした内容を記録しておきます。教務手帳やメモ帳に記録してもよいでしょう。
記録を見返すことで、授業や指導に活かすことができます。
私は、「ゲームは◯◯が好き」、「◯◯で23時まで週5でアルバイトをしている」、「昨日の夕食は自分でハンバーグを作った」などといった些細な情報を記録していました。学生との会話にもとても役に立ちます。
学生数にもよりますが、大抵このような情報は先生の仕事に慣れてくると自然に頭で記憶できるようになります。慣れるまではツールを活用するのがおすすめです。
私自身の反省-「明確な卒業後のビジョンを見せる」ことができなかった
私自身、教員としての反省点も少なくありません。
その一つが、学生に卒業後の明確なビジョンを示せていなかったことです。学生の目の前の課題や学校生活にばかり意識が向いてしまい、彼らが卒業後にどんな未来を歩んでいくのかを具体的に話す機会が少なかったと感じています。
学生が進む業界のトレンドや卒業生の進路を積極的に共有し、自分の将来に対してよりリアルなイメージを持てるようにすることが重要だと気が付きました。
そうすることで学生がゴールを描きやすくなり、学習にさらに積極的に取り組めるようになるからです。
まとめ
先生としての振る舞い方は、一つの正解があるわけではありません。
それぞれのスタイルや学生との関わり方があってよいと思います。
大切なのは、自分のやり方に自信を持ちつつ、学生に関心を持ち、彼らが成長できるようにサポートすることです。学生全員と完璧な関係を築くことは難しいかもしれませんが、それぞれの学生に合った方法で接し、サポートしていくことが求められます。また、学生が将来の自分を思い描けるように、具体的なビジョンを提示することも、先生としての大切な役割です。
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伊沢 剛
有限会社プチフール代表取締役
23年間、専門学校にてIT教育、学生募集に従事。その後独立。新人社員向けプログラミング研修、社会人向けDX,AI,クラウド研修、情報教育コンサルティング、DX推進支援に携わる。
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